労働基準監督官採用サイト ここが知りたい!京都局監督官Q&A

 京都労働局や労働基準監督官の魅力については、パンフレットや説明会等で逐一お伝えしているところですが、他にもお伝えしたいことはまだまだたくさんあります!
 そこで、このコーナーでは、人事係担当者(監督官採用)が一問一答形式で出来る限り多くのご質問にズバっとお答えします。

1.「京都労働局ってどんなとこ?」編

Q1-1 京都労働局は何をしているところですか。

 仕事を探したい、労働条件が守られない、現場の安全を確保したい、職場の人間関係を改善してほしい、職業訓練を受けたい…「働く」ということに関連して何か困ったことが起こった場合、京都労働局は解決に向けて様々な行政活動を展開していきます。
 厚生労働省の地方機関であり、各地域には労働基準監督署や公共職業安定所(ハローワーク)が設置されています。民間企業でいう「支店」をイメージするとわかりやすいかもしれません。

Q1-2 京都労働局はどこにありますか。

 京都市中京区の烏丸御池(正確に言うと少し西へ行って、やや北上するのですが)に立地しており、周辺はいわゆるオフィス街です。烏丸通を南下すると、祇園へと通じる四条通と交わり、さらに南へ行けば京都タワーが眼前に広がり、やがて京都駅に突き当たります。
 京都市中心部の特徴として、街がコンパクトにまとまっており、夜になってもギラギラとしたネオンが灯らないので、とても落ち着いた環境で仕事や通勤をすることができます。また、少し北へ歩けば京都御苑、西へ歩けば二条城があり、今話題の「御所南エリア」だって東へ歩けばすぐです。
 歴史の風を感じつつ、未来を先取りする新しい風だって感じることもできる…こんなに魅力に満ち溢れたエリアは全国どこを探してもなかなか見つけられませんよ。

Q1-3 京都労働局には監督署はいくつあるのですか。

 全部で7署あります。
 
  ①京都上労働基準監督署(京都市上京区)
  ②京都下労働基準監督署(京都市下京区)
  ③京都南労働基準監督署(京都市伏見区)
  ④福知山労働基準監督署(京都府福知山市)
  ⑤舞鶴労働基準監督署(京都府舞鶴市)
  ⑥丹後労働基準監督署(京都府京丹後市)
  ⑦園部労働基準監督署(京都府南丹市)
 
※ちなみに、労働局のことは「局」、監督署のことは「署」と呼ぶことが多いため、以後の表記は「局」「署」に統一します。また、労働基準監督官のことは「監督官」と表記します。

Q1-4 監督官として任官されたら、まずは局・署のどの部署に配属されるのですか。

 署の監督部署に配属されることになります(4月採用の場合)。監督部署には名称があり、比較的大きな規模の署であれば「方面」、小さな規模の署であれば「監督課」と呼ばれています。

Q1-5 「方面」って?

 京都局で「方面」がある署は、京都上署・京都下署・京都南署の3署であり、第1方面、第2方面、第3方面、第4方面と設置されています。ただ、警察組織等のように地理的に仕事が完全に分けられているというわけではありませんので、どの方面に配属されたとしても、様々なエリアを満遍なく監督指導することになります。
 もっと身近なイメージでいうと、第一課、第二課、第三課…でしょうか。
 ちなみに、各方面の長は「方面本部長」ではなく「方面主任監督官」です。

Q1-6 「局」で勤務することもあるのですか。

 タイミングは人によってさまざまですが、人事異動で、署から局へ転任することは日常的にあります。ある程度経験を積んでいくと、局⇄署の異動が頻繁になる人もいます。

Q1-7 監督官が局に配置された場合、どの部署に配属されるのですか。

 監督官の本務は監督業務ですので、労働基準部の監督課・健康安全課・賃金室に配属されることが多いです。また、雇用環境・均等室、労働保険徴収課、総務課に配属される場合もあります。
 署とは違った業務内容で、仕事の進め方も大きく異なりますので、キャリア形成において局で勤務することは、とても良い刺激となることでしょう。

Q1-8 局に勤務しているのは監督官だけではないのですか。

 労働基準行政には監督官の他にも厚生労働事務官が勤務しており、主に労災補償業務に就いています。また、労働局には職業安定行政や雇用均等行政で働く厚生労働事務官が多数在籍しており、中には一緒になって仕事をする部署もありますので、協力しあって人脈を築いていきましょう。

Q1-9 他局で勤務することはありますか。


 採用後3・4年目に他局への局間異動があります。勤務している人たちなどが全く違うため、まるで違う会社へ転職したような雰囲気を感じるかもしれませんが、職務内容は基本的に同一ですし、京都局でずっと働いていては気付くことのできない文化や魅力にも触れることができます。せっかくの機会ですので、転勤を楽しみましょう!

Q1-10 署の安全衛生課や労災課に配属されることはありますか。

 原則として、5年目以降で少なくとも1年以上はいずれかの課に配属されることになります。労働基準行政は監督・安全衛生・労災の三領域がうまく絡み合ってこそ最大限に効果を発揮しますので、監督官としての総合的な見識を深める観点から、他課での経験を積むことは非常に有意義です。

Q1-11 配属部署の希望はできるのですか。

 希望することは可能ですが、限られた人員で異動を行う以上、必ずしも希望が叶うわけではありません(これはあらゆる組織の宿命でもありますが…)。もちろん可能な範囲での配慮は最大限行いますので、ご了承ください。<

Q1-12 人事異動はいつ頃ありますか。

 年度が切り替わる4月に行われることが多いです。

Q1-13 局内異動で引っ越しが必要なことはあるのでしょうか。

 京都市内、北部地域内でそれぞれ完結する異動ならば転居を伴うことはありませんが、京都市内から北部地域、或いは北部地域から京都市内となると、一般的には転居を伴うことが多いです(プチ情報→居住地によっては、転居を伴わず勤務することも可能)。
 ただ、原則として数年おきに頻繁に行き来するわけではありません。「京都」の実情を知る上において、京都市内、北部地域の双方で勤務する経験は、非常に重要ですので、ご理解いただきたいです。

Q1-14 京都府内の異動はそんなに遠いのですか!

 以前と違って現在は交通網が発達しているので、京都縦貫自動車道を使えば、府内各地をスピーディーに移動することができます。また、北部地域の署の最寄り駅はすべて特急が停車しますので、ゆったり移動したいときにも便利です。
 
  最寄り駅 京都上署:円町駅(JR山陰本線(嵯峨野線))
       京都下署:烏丸駅(阪急京都本線)
            四条駅(京都市営地下鉄烏丸線)
       京都南署:伏見桃山駅(京阪本線)
            桃山御陵前駅(近鉄京都線)
       福知山署:福知山駅(JR山陰本線、JR福知山線、京都丹後鉄道宮福線)
       舞鶴署:西舞鶴駅(JR舞鶴線、京都丹後鉄道宮舞線)
       丹後署:峰山駅(京都丹後鉄道宮豊線)
       園部署:園部駅(JR山陰本線)

Q1-15 官舎があると聞いているのですが。

 数に限りはありますが、ご用意しております。具体的にどの場所にあり、どういった条件で居住できるかについては、内定後に担当者へお尋ねください。

Q1-16 なんだか引っ越しって大変そうなので、あんまり行きたくないのですが…

 一つの土地でずっと長く住み続けるのも良いかもしれませんが、今までとは違う街に住んでみると、様々な発見があります。最初は慣れないと思いますが、「住めば都」という言葉があるように、自然と馴染んできますので、何も心配することはありません。

Q1-17 引っ越した先の土地でうまくやっていく自信がないのですが。

 以前の人事制度では、最初の7年間が全国転勤だったのですが、その7年間で人生を変えるほどの大きな出会い・出来事を経験した人は数え切れないほどたくさんいます。未知の世界に飛び込むことは勇気のいることですが、全国各地で活躍する「監督官」は頑張るあなたをきっと温かく迎え入れてくれるはずです。なぜならば「監督官」同士なのですから。

Q1-18 一度、京都局に決めたら、定年までずっと京都局で勤務するのですか。

 「定着局」という概念があるため、一度決めると変更はできません。京都局の採用面接を受け、京都局での採用となった場合、勤務地は(3~4年目を除き)定年退職まで京都局内となります(本省勤務を希望する場合を除く)。
 もちろん、これから先いろいろなライフイベントが起こったり、予期せぬ事情が発生したりして、他局を希望せざるを得ない状況になることがあるかもしれません。そのような場合は可能な限り配慮いたしますが、原則は定着局での勤務となることをご理解いただきたければと思います。

Q1-19 京都出身ではないのですが、定着してもよいのですか。

 大歓迎です。もう一度書きます。大・大歓迎です。
 故郷は全く違う地域だけれども、京都が好きになりそのまま定着した監督官は何人もいます。せっかく就職するのだから、心機一転して京の地で新しい人生を歩みたい…という方、そんなあなたを京都局は職員一同全力で歓迎いたします。
 京都で長年勤め続けると、わかる瞬間がくるはずです。「きっと、京都なんだ」と。

Q1-20 京都局で働く魅力を一言でいうと何ですか。

 いろいろありますが、「ハイブリッド」なところが一つ挙げられます。世界規模の大企業や国際的に著名な名刹などを管轄する署があれば、全国最小規模の署もありますし、どの署も忙しすぎず、暇すぎない業務量で、ワーク・ライフ・バランスを最大限に享受することができます。煌びやかな都会があったと思えば、海や山に囲まれた自然豊かな地域もあり…すべてがちょうどいい塩梅に絶妙に味わえるのが京都局の魅力だと考えます。

2.「日々の業務はどう?」編

Q2-1 監督署に配属されたら、まず何をやることになるのでしょうか。

 初めて会う上司・同僚、初めて感じる署の雰囲気…誰しもが初日はかなり緊張します。最初は研修や説明の時間が多いですが、だんだん馴染んでくると最初に行う業務の一つとして「相談業務」が待ち構えています。
 電話又は来署での労働相談に対応するのですが、法律の知識は無論のことながら、接遇、コミュニケーションなどオールラウンドなスキルが求められます。また、相手の気持ちに寄り添いながら傾聴する姿勢も大切です。
 でも安心してください。最初はうまくいかなくて当たり前。困ったときには先輩・上司が必ずサポートしてくれますし、何度も試行錯誤を繰り返すことによって、スキルが磨かれ、職務遂行の自信へと繋がっていきます。うまく答えられずに苦い思いをすることもあるかもしれませんが、相談対応は良質な監督指導への礎ともなりますので、ぜひ積極的にチャレンジしていきましょう。

Q2-2 監督指導はいつから行くことになりますか。

 最初の1年間は、原則として上司や先輩に同行して行くことになります。
 車の運転と同様に、教科書を読むだけでは体得できない「空気」のような技能もありますので、現場に漂う雰囲気、代表者との間合いなどを肌で感じながら、場数をどんどん踏んでいきましょう。白星の数よりもとにかく場数です。
 なお、2年目の4月からは、先輩監督官と同じように一人で(場合によってはチームで)監督指導を行うことになります。

Q2-3 2年目以降は、たいていの監督業務を行えるのですか。

 複雑な調整を必要とする案件などは経験を積んだ監督官の担当となることが多いですが、監督指導の大枠としては何年目の監督官であろうとも実は同じことをやっています。そのため、2年目であることを理由として監督業務に何か制約があるわけではありません。

Q2-4 公務員知識で得た労働法の知識をそのまま業務で使えますか。

 法律や通達の概要を把握するのであれば、受験用テキストや市販参考書を用いたほうがわかりやすいかもしれません。しかし、実務では公務員試験では学習しない分野(クレーンや有機溶剤等の安全衛生関係法令)や内部で運用している細かな解釈が必須となってきますので、知識を絶えずアップデートしていく必要があります。
 法令は数年おきに改正され、新しい考え方も出てきますが、アンテナを張り続けないと最新の知識にアクセスすることは容易ではありません。専門職という誇りを持ち、自己研鑽に励むことが大切です。

Q2-5 中央研修があると聞いたのですが、どこで行うのですか。

 埼玉県朝霞市にある労働大学校(独立行政法人 労働政策研究・研修機構)で行います。全国の同期が一堂に集結し、前期・後期併せて約2か月半もの間、生活を共にします。
(※新型コロナウイルスの影響で、実施されない可能性があります)

Q2-6 どんなことを学ぶのですか。

 労働基準法はもちろんのこと、刑法、民法やコミュニケーションの方法など、監督官として必要な技能や知識を満遍なく習得することができます。登壇する講師は、各分野において第一線で活躍する方々ばかりですので、専門的な知識をたくさん吸収しましょう。

Q2-7 みんなで合宿ということは、同じ部屋で寝るのでしょうか。

 個室で就寝することになります。ただし、トイレや浴室・洗濯は共同になります。
 食堂も開設されていますが、外出して食事を取る人も少なくないようです。

Q2-8 中央研修は生涯に何回受けることができるのですか。

 任官1年目に行われる新任労働基準監督官研修(監督官の間では「新監研修」と呼んでいます)以外にも、職位に応じた多種多様な研修を受講することができます。しかし、全国の同期が全員集う研修は後にも先にも新監研修のみなので、この研修で培った人脈は今後の職業人生を大きく左右することになります。

Q2-9 司法警察業務はいつから取り組めるのですか。

 監督官には階級がないため、任官すると「特別司法警察職員」としての身分も付与されます。そのため、1年目で司法警察業務の主任捜査官を担う監督官もいます。社会正義の実現のため、機会を逸さず攻めの姿勢で取り組んでみましょう。

Q2-10 京都局独自で研修は行っているのですか。

 検察官が講師となる司法研修や、法令改正等の最新情報を知ることのできる安全衛生研修、各署の監督官と意見を交わすことのできる監督官会議などが毎年開催されています。

Q2-11 監督は車で行くのですか。

 近場であれば自転車で行くこともありますが、中には公共交通機関では辿り着くことが難しい場所もありますので、車(官用車)で行く機会が多いです。
 また、監督指導へ出かける際は「監督グッズ」が多く、持ち運びが大変なので(監督官による?)、運転免許を取得していると何かと便利です。

Q2-12 一カ月にどれだけ監督へ行くことになるのですか。

 職位や状況に応じて監督へ行く回数は変動しますが、一般的には月の勤務日のおよそ半分以上は外へ出て監督指導へ行く場合が多いです。
 「椅子を温めているようでは監督官ではない」という言葉がありますが、監督指導を行えば行うほど地域社会の遵法意識向上に寄与しますので、積極的に監督指導を行いましょう。そう、監督官の助けを待っている労働者の「声」を聞き洩らさないように。

Q2-13 官用車はオートマですか?まさかMT?

 京都局内の官用車はすべてオートマティック車です。

Q2-14 「監督グッズ」ってたくさんあるのですか?

 的確な指導を行うための法令集、わかりやすい説明に不可欠なパンフレット、建設現場へ行くときはヘルメット、安全帯…と結構な量になります。人によっては鞄がパンパンに膨れ上がるため、傍から見ると何やら怪しいものを運んでいるように見えてしまうことも・・・

Q2-15 他部署や他署の職員と連携することはありますか。

 例えば災害調査ですと、安全衛生課の職員と共に現場へ向かうことがありますし、脳心・精神事案の調査の場合は労災課の厚生労働事務官と連携して、多角的に客観的事実を追究していきます。また、悪質な事業場に対しては強制捜査を行う場合もあり、その際は他署の監督官と連携して行うことになります。そのため、常々よりコミュニケーションをとって、何でも相談できる関係性を築いていくことが大切です。

Q2-16 監督部署の雰囲気ってどんな感じですか。

 どの局でもそうだと思うのですが、監督官は独任官ということもあってか、上意下達な文化はそれほど強くなく、上下関係は比較的フラットです。自身の名前を以て即時に行政指導を行うためか、他の公務員と比べて「個」が確立されている感じがします。

Q2-17 監督官の仕事をしていて、印象に残っている出来事はありますか。

 どの監督官も、多かれ少なかれ強く印象に残る場面に遭遇しています。それはやはり緊迫する現場で手に汗握るやり取りを行うことが多いからではないでしょうか。当意即妙な判断を求められることもあれば、非定型的な対応を行うことだってあります。
 また、他の公務員だと絶対に行くことのできない現場を味わえることも、監督官の醍醐味です。行政指導から司法警察業務に切り替えて活動することができるのも、監督官にしかない魅力といえます。

3.「福利厚生ってどやねん」編

Q3-1 どれくらい給与がもらえるのですか。

 公務員の給与は俸給表(行政職(一))によって決定されます。監督官の場合は、1級26号俸(月額186,900円<令和4年12月現在>)からのスタートが基本ですが、民間経験や大学院修了等によって上乗せされる場合があります。そして、「昇給」や「昇格」を積み重ねてると、級号俸が上がっていき(=年間の賃金額が上昇していき)、賞与にも反映されます。

Q3-2 他にもどんな手当があるのですか。


 代表的な手当として「地域手当」があり、京都市内に勤務すると俸給月額に10%上乗せされます。他にも「住居手当」「扶養手当」「通勤手当」…があり、6月と12月には賞与(期末手当・勤勉手当)が支給されます。

Q3-3 年次有給休暇はどれだけあるのでしょうか。

 一年間で付与される年次有給休暇の日数は20日です(初年度は15日)。これとは別に、夏季休暇が3日あります。そのため、夏季休暇と年次有給休暇を組み合わせて一週間まるまる夏休みにする人が多いです。
 ちなみに、年末年始は12月29日~1月3日が休みです(一斉閉庁日)。

Q3-4 年休を取得しようとして、上司に拒まれることはありませんか。

 そんなことは一切ありません。マンスリー休暇(毎月1日以上の年休取得)が強く推奨されていますので、あなたの望むタイミングで年休を取得することが可能です。
 また、年休取得率が100%の監督官も決して珍しくはありません。

Q3-5 同僚とプライベートで会ったりすることはあるのですか。

 署によりますが、勤務時間外に飲み会で同じ時間を過ごすことは日常的ですし、もっと仲が良くなれば一緒に旅行へ出掛ける人たちもいるようです。また、フットサル等のサークル活動も行われています。各職場には多種多様な魅力を持った職員がおりますので、フィーリングの合う人は必ず見つかりますよ(今年度は新型コロナウイルスの影響で交流の機会がなかなか持てませんが・・・)。

Q3-6 同期は特別な存在ですか。

 監督官は入省年次毎に「○期」と呼ばれ、横のつながりが強いです。やはり中央研修において2~3か月間同じ釜の飯を食ったことが影響しているのでしょうか。たとえ局が違えども、何かの瞬間にふと再会したりしますし、ピンチになった時に気を遣うことなく助けてくれる貴重な存在でもあるので、同期の絆は何よりも大切です。

Q3-7 育児休業を取得し、職場に復帰できるか心配なのですが。

 育児休業中は人的にも物的にも全面的にバックアップしますし、制度も充実しています。職場復帰に関しては一人の例外もなくみなさん円滑に行っておりますので、ご安心ください。

Q3-8 「イクメン」になることはできるのでしょうか。

 男性の育児休業取得について、京都局では積極的に行っており、近年の男性監督官の育休取得率は100%です。中には、長期間取得した職員も複数名おります。

Q3-9 制服はあるのですか。

 制服はありませんが、工場や建設現場へ赴く際はオリジナルの「作業着」を着用することになります。この作業着を着て普段の業務をしている人も多く、事実上の制服となっているかもしれません。

Q3-10 昼食はどうしているのですか。

 …これは人によって様々です。署内でいるときは自分で作った弁当を食べたり、おいしい食事を求めて外食したり、コンビニで買ってきたり。監督指導へ行った際は、普段の生活ではなかなか行くことのできない店のランチで舌鼓を打てるので、グルメな人には最高かも?

Q3-11 残業や休日出勤はあるのですか。

 どうしてもその日に終わらせなければならない突発的事態や何か大きな災害が起こった場合は残業(監督官的には「時間外労働」といいます)・休日出勤をすることもありますが、基本的には「ない」と考えてください。経験を積み職位が上がっていくと、残業に励むことがあるかもしれません…

Q3-12 ワーク・ライフ・バランスが実現できる環境ですか。

 大いなる自信をもって「実現できる」と断言できます。仕事量を調整しつつ、自分なりのペースで、社会に貢献することが可能な職業です。休日は余暇を存分に楽しむことができますし、子育て環境も充実しています。

4.「悩みがあるんだ」編

Q4-1 コミュニケーションがあまり得意ではないのですが…

 正解があるようでないのがコミュニケーション。監督官の仕事においては、立て板に水の如く頭脳明晰に喋れば良いというわけではないですし、笑いの渦に巻き込むスキルは必ずしも要さないですし、拙くても一生懸命さが出ればいいという場面もありますし…細かな言葉遣いや人との距離感を強く意識した上で、何度も実践を積み重ねていけばきっと上達していくはずです。

Q4-2 なんだか大変そうな仕事ですね。楽しいのでしょうか。

 監督官は独任官であると書きましたが、何から何まで全て一人でやるというわけではありません。困難な事案に直面した際は、同僚や上司と共に問題を解決することになりますし、京都局では一人の例外もなく困っているあなたを助けますので、ご安心ください。
 確固たる知識があやふやだと、仕事が辛く感じるかもしれませんが、様々な知識を得て経験を積み重ねていくと、業務の全体像を見渡すことができるようになり、監督官生活が充実してきますよ。

Q4-3 辛くて仕方がないときはありましたか

 嘘は言いません。ありました。経験や知識不足は自分の努力で補うことができますが、自分ではどうしようもできない状況に陥ることがあり、八方塞がりになりました。逃げずに挑んでいく姿勢は大事ですが、そんなときは出来るだけ好きなことをして気分転換しようと試みると、案外なんとかなるものですよ。これは就職活動にも言えることかもしれませんが。

Q4-4 逆にうれしかったことはありますか。

 もちろんあります。指導によって労務管理が劇的に改善したり、対応を褒めていただいたり、悪質な事業場が改心したり…いつもハッピーなことが起こるとは限りませんが、うれしかったことはずっと忘れませんし、監督官の世界で生きていくモチベーションにもつながります。

Q4-5 そうはいっても、不安です。

 誰しもが不安を抱えていますし、それは労働者も使用者も同じです。いろんな人がいるからこそ組織は強くなり、自分自身も磨かれていきます。もし入職後に、仕事のことで迷いが生じた場合は、躊躇することなく周囲に相談しましょう(相談体制も構築されています)。

Q4-6 公務員試験の筆記試験のコツはありますか

 (私見になりますが)過去問を繰り返し解くことではないでしょうか。本番と同じ環境に身を置いて、ひたすら実践していくと「試験」という敵を懐柔できるかもしれません。

Q4-7 京都局監督官を志望する受験生へメッセージ!

 「仕事」である以上は、いかなる職を選択したとしても、辛く大変だと思います。そんな中でも、監督官という仕事は、付与された権限の下で社会正義を実現することができ、通常ではなかなか味わうことのできない様々な経験を味わうこともでき、ワーク・ライフ・バランスだって実現できちゃう「おいしい」職業だと考えます。
 京都局ならば、全てがちょうど良いサイズに収まっていますので、仕事も余暇も最大限に満喫することができます。
 ぜひ、京都局へ!!あなたの選択を待っています。

5.「集まろう!B監」編

Q5-1 よく「B監」って聞くのですが、何のことですか?

 労働基準監督官採用試験には2種類あります。一つは「労働基準監督A(法文系)」、もう一つは「労働基準監督B(理工系)」で、後者の理工系試験に合格して採用された監督官を「B監」と呼んでいます。

Q5-2 「B監」はどんな試験内容なのですか。

 多肢選択式の選択問題を[工学に関する基礎(数学、物理など)]から全題選択できますし、記述式でも[機械系、電気系…]などから、得意な科目を選んで回答することができます。
 つまり、今まで高校・大学で学んできた知識を試験に生かすことができます。

Q5-3 「A監」と「B監」では入職後に何か違ってくるのでしょうか。

 実は全く一緒です。給与や処遇も同じですし、「B監」で安全衛生のキャリアパスを歩まない人もいますし、「A監」でも安全衛生の仕事をずっとしている人もいます。
 そのため、本人と親しくなり、「実はB監なんだよね~」というまではわからないということも多々あります。職場内でA監・B監を意識することはそれほどありません。

Q5-4 監督指導における理系の仕事って?

 例えば工場へ行けば、工作機械、プレス、フォークリフト等の知識が指導を行うために必須ですが、構造の話になると理系の素養がなければとっつきにくいため、理系の知識があったほうが圧倒的に有利です。他にも、有機溶剤や特定化学物質などの場合、専門用語が羅列される場合も多々あるので、自然科学に縁遠いと理解が難しいことがあります。

京都局で活躍するB監にインタビューをしてみました

 さて、ここで、京都局に在籍するB監の方々に、B監の魅力を余すことなく語っていただくことにしましょう。

Q1:「B監」を志望した動機は何ですか?

「公務員試験の中で自身の培った知識(理科系等)が生かせるものがないか確認した際、この労働基準監督官(B)を見つけたこと」
「就職氷河期の真っ只中の世代であり、理系でありながら、特に、労働条件などに関する法律上の取扱いについて興味・関心があり、労働基準監督官として、社会に役立つことが出来ればと思ったこと。大学で理系の学部を専攻していたので「B監」で受験した」
「民間勤務する中で、労務管理や安全衛生管理がなかなか行き届いていない実情を感じ、これを何らか正す方法はなかろうかと思ったこと」
「既往の経験(建設業における勤務経験等)を活かせると考えられること」
「高校、大学とも一応理系で、大学卒業後就職した企業においても一応技術職で、受験手法の選択においても、既往の経験を活かせるほうが望ましい(有利)と考えられたこと」
「当時、監督官試験の倍率が高く(記憶では、最終倍率はA監で約62倍、B監は約23倍)、単純計算ではあるが、B監の方が合格率が高いこと」
「死亡災害や過労死等のニュースを見ていて、生きるために働いているのか、働くために生きているのかよくわからないと思い、私が大学等で学んだ知識等で一人でも救いたいと考えたこと」

 
→大学等で学んできた理系の学識を生かせる試験こそ「B監」ということですね。
このようなメッセージもありました。

 
「私は大学時代に工学部の機械系の学科に所属しており、就活の際は機械の設計等を行う民間企業への入社を検討していました。
 しかし、それとは別に、漠然とではありますが他人と多く関わる仕事に就きたいという思いもあったので、選択肢を増やすために複数の公務員試験を受験することを決めました。そして、自分の専攻分野と関係する試験区分を調べていたときにB監のことを知りました。
 以前から労働基準監督官という職業のことはとあるテレビドラマで知っており、大学時代にあまり労働環境の良くないアルバイト先で勤務したことがあったため興味はあったのですが、理系の試験区分があることはそれまで全く知りませんでした。
 短期間でB監の試験の準備が間に合うかはわかりませんでしたが、1次試験の基礎能力試験はその他の公務員試験と共通する部分もあるため、もし合格できなくてもその参考にはなると思い志望しました」

Q2:どのような受験対策をしていましたか?

「大学で公務員試験に係る講習会が開催されており、その講習会で得られた資料を利用した」
「市販の参考書などを参考に勉強した。」
「民間企業に勤務しながら受験したため、あまり勉強はできませんでしたが、
  ・高校の「数学」「物理」「化学」の教科書を読みなおす。
  ・B監試験の過去問題集を解いてみる。
程度を行ったと思います。」
「過去問を解き、自己採点、分析。点数が取れない科目について、分析を基に点数が取れない理由を解決した」
「B監の試験区分があることを知ってから試験日まではあまり日がなく、対策できる範囲は絞られていました。そのため、広く浅く出題される専門試験(多肢選択式)の「労働事情」については予備知識ゼロの状態から勉強しても点数にはつながりにくいと考え、それよりも点数が取れるところをしっかり取れるように、「工学に関する基礎」等の得意分野を参考書や過去問で対策しました。」

 
→やはり過去問が重要のようです。

Q3:「B監」の知識を実務で生かせた場面があれば、教えてください。

「理系に関する学問的・専門的な知識がピンポイントで行政の現場で直接役立つ機会は少ないと思うが、例えば、自分が大学時代に専攻していた分野に関連して、事業場の雰囲気に馴染みやすかったり、事業場の担当者からの説明の中で出てくる専門用語が分かる場合がある。」
「大学が建設系学科であり、構造力学等を学んでいたことから、安衛法88条の計画届、設置届等に記載されている内容の理解が容易であったこと。また、測量、作図等を学んでいたことから、実況見分や災害調査における図面作成や位置計測において、何が重要であるかの理解が容易であったこと。」
「学生時代に使用していた測定器具等を使用することがある。安全衛生に係る相談で、法条文を読むだけでなく、かみ砕いた説明ができること」
「監督業務や安全衛生業務では、有害物質の一種として有機溶剤の取り扱い等に関する指導を行うことがあります。その際、学生時代に化学を専攻していれば、馴染みのある化学物質については知識を活かすことができるかもしれません。私の場合は、安全衛生業務の一つとして、工事現場の足場の強度が問題ないか(作業中に倒壊しないか)どうかを書面上で確認する際に、材料力学の知識が役立っています」
「大学は、生物化学を専攻していました。(大学の知識(生物化学)が直接役立つ経験はまだありませんが、)化学物質の名称やその性状に対する理解、力学計算等の知識は、仕事をする上で役立っていると考えています。」

Q4:仕事をしていて、「B監」でよかったと思うことは何ですか?

「既往の経験を活かせる点にあると思います。自分の経験を生かして(組織の内外ともに)人の役に立てるというのは、同じ業務を行うにしても、モチベーション等メンタル面で違っ
てくるのかと思います」
「知識が、電離則等の理解、災害調査等の原因究明の参考になること」
「A監の方に比べ、機械や化学物質に関して少なからず馴染みがあることです。もちろん、学生時代にはそれらの法令に関する知識は身につきませんが、例えば自分が研究等で使用していたものであれば、どのような目的で使用するのか、また、使用にあたってどんな危険性があるかを想像し、業務に活かすことが可能です。
 また、残業代等の計算の際には細かい計算をする必要があるため、数学の専門的な知識は必要ありませんが、計算に対する苦手意識がないことも、その1つです」

 
→ここで、安全衛生課の業務について語っていただきましょう。

 
「建設現場で見るような足場、クレーン及び工場内で使用されるエレベーターなどの
その設置・使用を一歩間違えれば重篤な事故につながるような機械に安全上問題がないか
事前審査や検査を行っています。また、会社を訪問し、安全衛生管理状況等の調査の実施、
労働災害が発生すれば、その災害の原因追及を行い再発防止のための指導をしています」

 
→意外にも(?)監督官は極めて専門的な領域を日常業務として取り組んでいます。

Q5:「B監」を志望する受験生に、メッセージを!

「世間的には、監督官=労働問題のイメージが強く、理系の就職先として、監督官という仕事はなかなか思い当たらないのではないかと思います。しかし、監督官が扱う業務には、安全衛生といった直接人の生命に関わる領域もあり、ここでは、より理系の知識経験を生かすことができます。労働条件について問題意識を持っている、なおかつ、理系としての技術的知識経験を生かしたいという方にはもってこいの職ではないかと思います。」
「監督官の仕事は、法律に定められた労働条件、安全衛生の確保のため、会社へ訪問してその遵守状況を調査したり、労働災害の調査、司法捜査及び労働相談といった多岐にわたるものであり、様々な知識が求められます。この業務の多様性が、自身の知識や世界観を広げるとともに大きなやりがいにつながるのです。労働行政に対し興味や情熱のある方は、是非一緒に働きましょう。」
「パンフレット等を見て直感でも良いので労働基準監督官に興味を持った方、目指してみませんか。」
「自分の知識を活かし、人の命を守ることができる仕事です。」
「近年は、働き方改革だけでなく、新型コロナウイルスの影響によりテレワークが促進される等、労働環境は日々変化しています。その中で監督官は、様々な労働問題の最前線に立つというとても重要な役割を担っています。何事にも言えることですが、問題の解決には異なる見方が必要になることが多々あります。B監という、A監とは異なる視点の資質を持つ皆さんの活躍を心待ちにしています。」
 
 
 
京都局には高度な知識を有したB監が多数在籍しています。
B監を目指すならば、ぜひ京都局へ!!!!

その他関連情報

情報配信サービス

〒604-0846 京都市中京区両替町通御池上ル金吹町451

Copyright(c)2000-2011 Kyoto Labor Bureau.All rights reserved.