小売業対策(労働災害防止)|花巻監督署

はじめに

花巻労働基準監督署管内において、小売業は製造業、建設業、運送業に次ぐ労働災害多発業種です。
しかし、安全推進者の未選任等により安全衛生対策の取組みが十分ではないことなど、減少傾向が見られません。

小売業では「転倒」による労働災害が最も多く、動作の反動・無理な動作に起因する腰痛、交通事故、機械類の挟まれ巻き込まれ・切れこすれ、高所からの墜落転落なども発生しています。

各事業場では、安全推進者等を選任し、積極的な安全衛生活動の展開が求められます。
本ページを参考に、労働災害防止のポイントを再確認しましょう。
目次

安全推進者等を選任し、労働災害防止活動を活性化しましょう!

現状、課題
小規模事業場では、安全衛生管理体制が十分ではないことが多く、安全衛生活動が活発に行われていない、労働者の安全意識が低調などの問題があります。
また、スーパーマーケットやホームセンターなどの小売業では、安全管理者や安全衛生推進者(安全推進者)の選任が義務付けられていません。
安全推進者の選任、安全衛生活動の推進を
このようなことから、安全管理体制の充実を図ることなどを目的として、「安全推進者の配置等に係るガイドライン」が策定され、安全推進者を配置して労働災害防止を推進することが求められています。
安全推進者の配置等に係るガイドライン」をご覧いただき、安全推進者の選任、氏名の周知、職務の実施などを行い、安全衛生管理体制の整備、安全衛生活動の推進をお願いいたします。
参考資料
安全衛生活動の推進に当たっては、以下の資料をご参照ください。
↑ ページトップへ

多発する転倒災害の予防対策に取り組みましょう!

現状、課題
花巻労働基準監督署管内で発生した労働災害(新型コロナウイルス感染症の罹患によるものを除く)のうち、3割以上は転倒によって発生しています。
特に例年12月から2月の冬季間に多くの転倒災害が発生しています。
ポイント1 危険箇所の見える化

事務室、工場、駐車場など職場の「すべりそうな所」「つまづく可能性がありそうな所」「ぶつかる可能性がありそうな所」など、ヒヤリ・ハット事例を含み危険箇所の拾い出し(リスクの拾い出し)を行い、写真入りの「危険マップ」を作成し、全社員に周知しましょう。
拾い出した危険箇所は「リスクアセスメント」により、必要な対策を講じましょう。

ポイント2 転倒に強い体づくり

朝礼、ラジオ体操を実施している企業では、追加で、腰や股関節周辺の可動域や体幹(バランス)、大腰筋や腸骨筋などのインナーマッスルを鍛えることにより「転倒に強い体づくり」を進めましょう。

ポイント3 適切な靴の選択

底のすり減った靴、サンダル、パンプスなどは転倒リスクが高まります。
「屈曲性」「つま先の高さ」「重量バランス」「作業場の床の状態に応じた耐滑性能」などを考え、作業に適した靴を選びましょう。

ポイント4 冬季転倒災害の対策事例

花巻監督署ホームページ「転倒災害防止対策」で対策事例をご紹介しています。
これらの事例を参考に対策を進めましょう。

 

↑ ページトップへ

腰痛予防にも取り組みましょう!

現状、課題
「転倒」の次に多いのが「腰痛」です。
動作の反動や無理な動作などに伴うものであり、行動災害とされています。
重い物を持った時や腕を強く伸ばしたり、中腰になった際、腰や背・背筋などを痛めることがあります。
予防のポイント
厚生労働省「腰痛予防対策」に基づいた対策を進めるとともに、自身の体力や体調を把握し、無理の無い動作を意識しましょう。

STEP1 チェックリストの活用
チェックリストを活用し、現状把握を行い必要な対策を検討しましょう。

STEP2 作業管理に関する対策
自動化・省力化、作業姿勢・動作、作業の実施体制、作業標準の策定、休憩・作業量・作業の組み合わせ、靴・作業服などの対策を進めましょう。

STEP3 健康管理に関する対策
健康診断、腰痛予防体操、腰痛による休職者が職場に復帰する際の注意事項などの対策を進めましょう。

STEP4 労働衛生教育に関する対策
腰痛予防のための労働衛生教育(リスクの見積もり、チェックリスト活用、腰痛低減・軽減のための対策、腰痛予防体操など)を行いましょう。

↑ ページトップへ

「切れこすれ」「挟まれ巻き込まれ」災害を予防しましょう!

現状、課題
小売業においても様々な機械を使用する中で回転部分や作動部分に挟まれたり、巻き込まれたりする事例があります。
本人の不注意とされがちですが、「安全カバーが無い、外れていた」等の「不安全な状態」「設備の不備」が直接原因であり、その背景には、職場巡視が行われていない、点検体制が整っていない、安全教育が未実施など「管理面」の不備が隠れています。
災害事例
事例1
精肉機械の清掃のため、ロール本体の分解作業中、肉投入口から手を入れた際、フットスイッチを踏みロールが回転し巻き込まれた。
(運転停止せず作業、電源スイッチの破損、作業手順が不明確、安全教育不十分、リスクアセスメント未実施)
災害事例1

事例2
ミンチチョッパー内部のロールに巻き込まれ前腕部を切断した。
(カバーなし、専用用具なし、リスクアセスメント未実施)
災害事例2
ポイント1 基本的な安全対策を確実に!

安全対策の基本的な事項が確実に行われているか、確認しましょう。
【1】機械・設備の安全化(リスクアセスメント安全カバー、安全装置
【2】安全作業手順の策定(見える化、標示、機械停止の場合の措置
【3】安全教育の徹底(危険箇所の説明、繰り返し、動画等活用
【4】安全巡視の実施(安全推進者等の職務、自主パトロール)

ポイント2 食品加工用機械に関する規定を守りましょう!
食品加工用機械による休業4日以上の死傷災害は、他の産業機械による災害に比べ、特に多い状況にあります。
災害内容も身体部位の切断や挫滅(組織がつぶれること。)により身体に障害が残る可能性のあるものが全体の約1/4を占めています。
このような状況を踏まえ、機械の危険な部分への覆いの設置や、食品の原材料の送給・取り出し時の運転停止、用具の使用などが義務付けられています。
詳しくはリーフレット「平成25年10月1日から、食品加工用機械についての規定を追加した改正『労働安全衛生規則】が施行されます」をご確認ください。

↑ ページトップへ

はしご・脚立は正しく使用しましょう!

現状、課題
はしごや脚立は、ごく身近な用具であるため、 墜落・転落の危険をそれほど感じずに使用
する場合が多いのではないでしょうか。しかし、過去の災害事例を見ると、骨折などの重篤な災害が多数発生し、負傷箇所によっては死亡に至る災害も少なくありません。

はしごや脚立を使用した作業については、
使用自体を避けられないか
ローリングタワー(移動式足場)、可搬式作業台、手すり付き脚立、高所作業車などに変更できないか
を検討し、これらの対策が取れない場合に、はしごや脚立を使用するようにしてください。
はしご作業のポイント
  1. はしごの上部・下部の固定状況を確認する
  2. はしごの上端を、上端床から60cm以上突出させる
  3. はしごの立て掛け角度は、75度程度とする
  4. はしごの踏み桟に明らかな傷みがないことを確認する
  5. はしごの足元に、滑り止め(転位防止措置)がある
  6. ヘルメットを着用し、あごひもをしめる
  7. 靴は脱げにくく、耐滑性のあるものを履く
  8. (はしごをボルトで取付けている場合)ボルトが緩んだり腐食していないか確認する
 移動はしご作業のポイント
脚立作業のポイント
  1. 脚立は安定した場所に設置する
  2. 開き止め金具を確実にロックする
  3. ねじ、ピンの緩み、脱落、踏み桟の明らかな傷みがないことを確認する
  4. ヘルメットを着用し、あごひもをしめる
  5. 靴は脱げにくく、耐滑性のあるものを履く
  6. 身体を天板や踏み桟に当て、身体を安定させる
  7. 天板上や天板をまたいで作業しない
  8. 作業は2段目以下の踏み桟を使用する
  9. 荷物を持って昇降しない
脚立作業のポイント
チェックリストの活用
はしご、脚立を使う時は、チェックリストを使って作業現場の点検を行いましょう。
すべてにチェックがついた状態になってから、作業を始めましょう。

↑ ページトップへ

リーフレット

その他関連情報

情報配信サービス

〒020-8522  盛岡市盛岡駅西通1丁目9番15号 盛岡第2合同庁舎

Copyright(c)2000-2011 Iwate Labour Bureau.All rights reserved.