割増賃金

 中小企業の事業主の皆さまへ

 令和5年4月1日より、月60時間を超える時間外労働の割増賃金率が50%に引き上げられました
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時間外、休日及び深夜労働の割増賃金について

 
1.

  時間外や深夜(午後10時~午前5時)に労働させた場合には、2割5分以上、法定休日(1週間に1日もしくは4週間で4日の休日)に労働させた場合には、3割5部以上の割増賃金を支払わなければなりません。これは、たとえ時間外労働・休日労働に関する協定届の提出がなされていなくても支払いの義務があります。
 また、割増賃金の基礎となる賃金には、家族手当、通勤手当、別居手当、子女教育手当、住宅手当、臨時に支払われた賃金、1か月を超える期間ごとに支払われる賃金は算入しません。
  なお、年俸制適用労働者に対しても、時間外、休日及び深夜に労働させた場合には、割増賃金を支払わなければなりません。ただし、労基法第41条第2号の管理監督者、機密事務取扱者については、労働時間の規制が除外されていますので、深夜業の場合を除き割増賃金の問題は生じません。また、裁量労働で労使協定によりみなし労働時間制を採用し、みなし労働時間が法定労働時間を超えていなければ、実際の労働時間には関係なく、みなし時間に応じた年俸が設定されていればよいこととなります。
  賞与については、支給額があらかじめ確定しているものは賞与とはみなされません。年俸制で毎月支払い部分と賞与部分を合計してあらかじめ年俸額が確定している場合の賞与部分についても割増賃金の算定基礎に入れなければなりません。

 

(注)平成22年4月1日から(中小企業は令和5年4月1日から)

 (1)  1か月60時間を超える法定時間外労働に対しては、5割以上の率で計算した割増賃金を支払わなければなりません。    

 (2) (1)の引上げ分の割増賃金の代わりに有給の休暇を付与する制度(代替休暇)を設けることができます。

 

   
2. 割増賃金の計算方法
 
(1) 1時間当たりの割増賃金の計算方法を示すと、以下のとおりです。
なお、1.35又は0.35としているのは、法定休日労働の場合です。
 
時間給の場合
 

1時間当たりの割増賃金=時間給額 ×1.25(又は1.35)

   
日給の場合
 
  (※日によって所定労働時間が異なるときは、1週間における1日の平均所定労働時間数)
所定労働時間というのは、法定の労働時間ではなく、当該事業場又は当該労働者について定められた所定の労働時間です。したがって、所定労働時間が7時間である場合には、日給額を7時間で割らなければなりません。
   
月給の場合
 
  (※月によって所定労働時間が異なるときは、1年間における1か月平均所定労働時間数)
この算出方法は、 (365-所定休日)× 1日の所定労働時間数 ÷ 12か月
月間所定労働時間数は月によって変動するのが普通ですから、分母については括弧書きによって計算するのが普通です。
   
出来高払いの賃金の場合
 
   
賃金が上の計算式で示した賃金の2以上の組み合わせで支払われる場合
  例えば、基本給は月額で、日額の手当があるような場合には、それぞれの部分について計算した金額の合計額が1時間当たりの割増賃金となります。
   
(2) 時間外・休日・深夜労働等が重なる場合の割増率
 
法定労働時間(1日8時間、1週40時間〔特例措置事業場は1週44時間〕)を超えた場合 2割5分以上
   
深夜(午後10時から午前5時まで)に労働させた場合 2割5分以上
   
法定休日(労基法第35条の休日)に労働させた場合 3割5分以上
   
法定時間外労働が深夜に及んだ場合
  時間外労働(2割5分以上)+深夜労働(2割5分以上)=5割以上
   
法定休日労働が深夜に及んだ場合
  休日労働(3割5分以上)+深夜労働(2割5分以上) =6割以上
   
3. 「賃金不払残業の解消を図るために講ずべき措置等に関する指針」について
   賃金不払残業とは、残業代(割増賃金)を支払わないで労働させる、いわゆるサービス残業のことをいいます。これは、長時間労働や過重労働の温床ともなっており、厚生労働省では、「賃金不払残業総合対策要綱」を策定し、使用者だけではなく労働組合等も含め、労使が主体的に労働時間の管理の適正化と賃金不払残業の解消のために取組むべき事項を示しています。
 
 
 
 

この記事に関するお問い合わせ先

労働基準部 監督課 TEL : 078-367-9151

    

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