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兵庫地方最低賃金審議会 第2回兵庫県最低賃金専門部会議事録
日時 | 令和3年7月30日(金) 9時54分~11時29分 | ||
場所 | 兵庫労働局16階 第3共用会議室 | ||
出席者 | 公益委員 | 梅野会長、桜間委員、山口委員 | |
労働者委員 | 岩﨑委員、重宮委員、堀井委員 | ||
使用者委員 | 倉本委員、松岡委員、吉川委員 | ||
事務局 | 岸労働基準部長、青柳賃金室長、泉賃金指導官、倉本賃金主任、國廣専門監督官 | ||
議題 | (1)兵庫県最低賃金の改正審議について (2)その他 |
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議事録 | 桜間部会長 | ただ今から、第2回兵庫県最低賃金専門部会を開会いたします。まず、本日の会議について事務局から報告をお願いします。 | |
泉賃金指導官 | 本日は、委員の方全員が出席であり、審議会令第6条第6項の規定による定足数を充足しておりますことを、御報告させていただきます。 | ||
桜間部会長 | それでは議事に入りますが、まずは事務局から配布された資料の説明をお願いします。 | ||
青柳賃金室長 | それでは資料の説明をさせていただきます。 (次の資料について、説明。) 資料No.1 一般職業紹介状況(令和3年7 月30 日公表) 資料No.2 管内金融経済概況(2021 年7 月12 日日本銀行神戸支店) 資料No.3 毎月勤労調査地方調査月報(令和3年5月) (兵庫県令和3年7月28 日公表) 資料No.4 兵庫県の経済・雇用情勢 (産業労働部政策労働局産業政策課 令和3年7月28 日公表) 資料の説明については以上で終わらせていただきます。 他局の状況ですが、現在、東京と奈良については目安どおり28 円で専門部会でまとめたという情報が入っている状況でございます。 |
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桜間部会長 | ただ今の説明について、確認等は何かありますでしょうか。 | ||
各委員 | (特になし) | ||
桜間部会長 | ございませんか。続いて前回、7 月19 日の専門部会では、労使から審議にあたっての基本的な考えをお示しいただきました。 前回の労使のお考えを簡単に確認したいと思います。 労働側ですが、雇用戦略対話での合意である全国最低賃金の平均1,000 円を目指したい。政府も、より早期に全国加重平均1,000 円を目指すとしている。連合として示しているリビングウェイジの金額に早期に到達することが必要である。 コロナ禍において社会の機能を維持するために最前線で感染リスクに恐れながら働いている方々がおり、この中には最低賃金近傍で働いている人達が多く存在している。また、対策としてマスクや消毒等の費用が恒常的な家計の支出となり、このことも最低賃金近傍で働いている人達にとって大きな影響を与えている。 ワクチン接種は、1回目の接種が県民の30 パーセントを超えるまで進み、不安を抱きながらの生活も解消しつつあり、これからのアフターコロナ社会の日常を見据える必要がある。 以上のことを踏まえ、労使お互いの立場及び法の趣旨を理解しながら、審議を行っていきたいということであります。 使用者側でございますが、新型コロナウイルスによる影響の長期化は中小企業の経営に極めて深刻な影響を与えている。中小企業はコストの価格転嫁が困難であり、労働分配率が8割にも達し、コロナ禍の影響により賃金の支払い余力が乏しい状況にあるということは明らかである。 特に宿泊業や飲食業、交通運輸業では回復の見通しがつかず、極めて厳しい状況の企業が多い。仮に今後感染が収束しても、国内の経済活動が元のレベルに戻るには一定の期間が必要である。民間の調査では廃業やその可能性があると回答した企業が高い割合にあり、大幅な最低賃金の引き上げは雇用の削減や廃業につながることが強く懸念される。目安の28 円という引き上げは地方最低賃金審議会の使用者代表委員として誠に遺憾である。 ただ、これまで兵庫県の労使は阪神淡路大震災後においても共に力を合わせて協力して復興に当たってきた、という歴史を持っており、良好な関係を築いてきたものであり、これまで築き上げてきた良好な労使関係を損なうことのないよう、審議を進めたいと考えている。 ということだったと思います。 本日からは金額の審議となります。 今年度は、7 月16 日の中賃において28 円という目安の金額が示されたことについては、御承知いただいていることと思います。 例年どおりであれば、まずは労使から金額を提示できるかどうかも含めて、御意見を伺い、そこから公益が労側、使側それぞれの意見を伺うということで、審議を積み重ねていくということにしたいと思いますが、そういう進め方でよろしいでしょうか。 |
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各委員 | 異議なし。 | ||
桜間部会長 | それでは、労使それぞれで打合せの時間が必要ですか。 | ||
各委員 | はい。 | ||
桜間部会長 | 時間は15 分位ということで。 | ||
(労働者側・使用者側委員が別室で打ち合わせ) | |||
桜間部会長 | それでは、これから双方から御意見をお伺いしますが、まず労働者側委員から金額提示とその理由についてお願いします。 | ||
重宮委員 | それでは労側としての今回の最低賃金の水準について御説明をさせていただきたいと思います。改正審議に向けた基本的なスタンス、前回もお話しをさせていただきましたが、まず昨年は新型コロナウイルス感染症の影響を受けまして企業業績が急激に悪化し雇用への影響などが出ていることがありましたので、これまでの全国加重平均1,000 円を目指すという、基本的な考え方は踏襲させていただくものの、取り巻く状況を十分に考慮したスタンスで臨んだ結果、プラス1 円900円で結審をさせていただきました。 本年につきましては昨年に引き続き、新型コロナウイルス感染症の影響が出ているもののワクチン接種の普及であったり、感染防止対策の拡大、さらには各種政策の効果、海外経済の回復もありまして少しずつでありますが持ち直しの動きが続いている状況にあります。 また、2021 年5 月14 日に開催をいたしました第6 回経済財政諮問会議の締めくくりにおきまして菅総理より、「経済の好循環を実現するためには賃金の引上げが必要だ。本年も賃上げ率2 パーセント近くを保っていることから、新型コロナウイルス感染症の影響で賃金格差が広がる中、格差是正には最低賃金の引上げが不可欠である。加えてより早期に全国加重平均1,000 円を目指し本年の引上げに取り組む。」という発言もございました。さらに中央最低賃金審議会では御承知のとおり2021 年度の最低賃金を全国平均でプラス28 円を目安に引き上げ、時給930 円にする方針で決定をされました。 このような状況を受けまして、兵庫県においてもこれまで同様に全国加重平均1,000 円を目指す基本的スタンスに変わりはないことについてまずは表明をしておきたいと思います。 それでは具体的な金額改正ということでありますが、労側としましてはプラス30 円を求めてまいりたいと思います。兵庫県においては900 円から930 円ということになります。 改正額の根拠につきまして説明させていただきます。 昨年につきましては、先程も申し上げましたとおり新型コロナウイルス感染症の影響が経済に広がりまして先行きを見通せない中、緊急避難的にほぼ横這いという水準で妥決をさせていただきました。 しかしながら、春闘結果を見ますと昨年本年と賃上げが継続しておりますし、世界経済もワクチンの普及接種の普及などにより回復に向かっております。また感染症対策の効果も徐々に見込まれることから、早期の経済回復を図るためにも最低賃金をコロナ前までの水準に引き上げ全国加重平均の1,000 円を目指すことで経済成長を軌道に乗せて いく必要があると考えております。 ここ兵庫県下においても、昨年に引き続き新型コロナウイルス感染症による緊急事態宣言やまん延防止措置を受けて厳しい状況は続いている、この点については理解しておりますが、ただ一方で生産活動は少しずつではありますが持ち直しの状況がある。このような状況になった要因については新型コロナウイルス感染症がその原因でありまして潜在的な経済活動の力が失われたということではございません。 昨年は先の見えない状況の中で、中賃の目安も示されなかったことがありましたが、本年はコロナ禍が始まって1 年余りが経過し少し先行きを見通す環境は確実に昨年とは変化をしてきています。 さらに最低賃金の改定は社会的セーフティネットの機能として重要であることは変わりません。この1年余りコロナ禍によって労働者の生活困窮度は深刻さを増しております。緊急小口資金等による貸し付けはリーマンショックの50 倍となっておりますので、この労働者が借りたお金については賃金を得て返済するしか術はございません。エッセンシャルワーカーの方々の中には処遇が高くない労働者の方も少なくなく、コロナ禍で懸命に働き続けている労働者の努力に報いるためにも最低賃金の引上げを行うべきであると考えております。 兵庫県での2021 年度の春闘結果において、全体として1.65 パーセントの賃上げ率であったこと、それから感染症対策としてマスクや種々の消毒液などは家計の恒常的な支出となっています。 これらの支出増が最低賃金近傍で働く方々の家計に大きな影響を与えていることも考慮すべきだと考えております。兵庫県の水準は全国加重平均902 円に未だ届いておりません。より早期に全国加重平均1,000 円を目指すとの政府方針を堅持するとした政府の考え方を加味することに加えて本年度も全国加重平均値が上昇する可能性もあることや、人口減少に伴う労働人口の減少が問題となる中、大阪や首都圏との地域間格差も見過ごすわけにいきません。 このような観点から、兵庫県として最低賃金の改正は必要不可欠だということ、さらに状況を把握し理解した上で兵庫県のアフターコロナと将来に向けた礎を積み上げるとともに、地域間格差を縮減していくために今年度も改正を図り全国目安プラスアルファに到達させていく必要があると考えております。 これらのことから、先程申し上げたとおり現行の900 円に対し兵庫県の将来を見据えて930 円、プラス30 円ということで考え方を述べさせていただきました。 今回の改正額に対しまして、例年以上に様々な御意見をお持ちである点については理解しております。しかしながら我々に与えられた責務を今一度労使で再確認し、しっかりと議論を深めてまいりたいと考えておりますので使用者側のより一層の御理解と御協力をお願いしたいと思います。 最後になりますが、今年度の金額審議に当たっては速やかな金額提示をお願いし、限られた時間の中ではありますが公労使三者合意での結審に向けて有効に議論を尽くしたいと考えておりますので最後までよろしくお願いします。以上です。 |
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桜間部会長 | それでは使用者側の委員お願いいたします。 | ||
松岡委員 | 使用者側を代表いたしまして松岡から申し上げます。 本年の目安額ですが、その金額の根拠を先日労働局さんにお聞きしさせていただきましたが、明確な御回答という形で我々が納得できるようなものではございませんでした。 県内におきましては宿泊・飲食・交通運輸やそれに絡む関連産業など、コロナ禍の影響を受けた業種につきまして目安額を受け入れた場合、各種雇用データが示す水準との差がコロナ収束後の雇用調整助成金や各種補助金の終了と同時に雇用の減少として現れることが理論上確実と考えられ、さらに中小企業経営者の経営意欲にも水を差すものとなり、より深刻な事態を招きかねません。 中央最賃審議会目安小委員会での使用者側委員は、データに基づいた明確な根拠を元に賃金水準を引き上げるべきと主張してまいりました。使用者側といたしましては、目安は尊重すべきかもしれませんが第4表等のデータを優先し、また直近の新型コロナの急激な感染の再拡大による今後の経済回復の鈍化が予想される状況を鑑み、製造業はまず持ち直していますが、製造業以外のところではどうしても鈍化している状況にあります。県内各地方におきましてもかなり回復にばらつきがある状況になっております。こういう状況を鑑みて今無理することはできないと判断し、最低賃金は現水準を据え置くことを提案させていただきます。 何度も申し上げますが、ポストコロナにおきましても誰一人置き去りにしない完全雇用を前提とした健全な雇用環境を維持してまいりたいと思いますので御理解をお願いいたします。以上です。 |
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桜間部会長 | ゼロということですね。 | ||
松岡委員 | 維持で。 | ||
桜間部会長 | ただ今労使双方より、それぞれの意見をお伺いしましたので、これから、審議を進めていきたいと思います。 まず労働者側からお話しをするという形でよろしいでしょうか。 |
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各委員 | (異議なし) | ||
桜間部会長 | では別室で。 | ||
(公労・公使会議等) (第2回全体会議) |
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桜間部会長 | それでは、本日の審議はここまでにしたいと思います。 本日、公益委員が労働側委員及び使用者側と審議いたしました内容等につきまして、簡単に説明をいたします。 まず、労働者側からお聞きした内容を申し上げます。改正額930 円、プラス30 円ということです。 昨年コロナの影響で色々先行き不透明な中で、事実上ほぼ現状維持で終わった訳ですが、今年は生産活動持ち直しの動きがありますし、エッセンシャルワーカー、大変なコロナ禍で努力している人たちに報いる必要もある。あるいは緊急小口融資で借りたお金を返さないといけない状況で、引き続き首都圏や大阪との格差もある。 全国加重平均に比べても低い水準のなかで格差を是正していかなければならない。現在全国加重平均より2 円低い状況で、大阪・京都との格差是正の必要性があったのですが、それは取りあえず置いておきながら、ともかく全国加重平均との差2 円を無くさないとといけないということも含めて目安28 円プラス2 円の930 円ということです。 今後、兵庫のこれからのビジョンをどう考えていくのかも含めて最低賃金の議論が必要ではないか、三者合意に向けて議論を深めたいとの主張でございます。 それに対して使用者側の御意見ですが、提示は現状維持でゼロ円ということです。これまで御主張されていたとおり、中賃で示されたプラス28 円の目安の根拠が明確でないこと、宿泊・飲食・運輸というところはより深刻な事態でコロナ再拡大の中で影響もある。製造業は上向きになっているとは言え、それ以外のところでは鈍化の傾向が見ら れるということです。 コロナがさらに長引きそうな中で影響が続いていますが今回、最低賃金を上げることによる影響率が非常に高い。兵庫県の場合ですと28円で12 万人以上に影響が出ることを考えると雇用が維持できるのかという問題がある。 とりわけ深刻な小売・卸・宿泊・飲食・運輸関係、そういうところに最低賃金の影響がある中で余力があるところは賃上げできるわけですが、そうでないところが最低賃金の影響が非常に大きい。一番回復の遅いところに合わせていかないといけないのではないか、格差の是正は大事であるけれども、それを今やることかという御主張です。 ただ使用者側の委員の皆さんも議論を深めていきたいというところではないかと思います。 本日第1回目で中々意見の隔たりは大きいわけですが、双方とも議論を深めていきたいというこれまでの姿勢は変わらないと思いますので、来週の議論の中でさらに一致点を見いだしてくことができればと思っております。 以上でございますけれども、何か補足等ございますでしょうか。 |
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各委員 | (特になし) | ||
桜間部会長 | それでは事務局から何かございますか。 | ||
青柳賃金室長 | 先程使用者側委員からオーダーがありまして、基礎調査の関係で宿泊業・飲食サービス・生活関連サービス・娯楽業の基礎調査の状況のデータを切り取った部分を資料として出していただけないかというオーダーがありましたが、部会の方に提出させていただくという形でよろしいでしょうか。 | ||
各委員 | (異議なし) | ||
桜間部会長 | では次回は8 月3 日の午前10 時から開催いたします。引き続き金額審議となりますので非公開といたします。本日はお疲れさまでございました。 | ||
桜間 裕章 堀井 説也 松岡 直哉 |