令和3年度 第1回兵庫県はん用機械器具製造業、生産用機械器具製造業、業務用機械器具製造業最低賃金専門部会議事録

 
日時 令和3年8月19日(木)   13時55分~15時37分
場所 兵庫労働局16階 第3共用会議室
出席者 公益委員 岡崎委員、桜間委員、三上委員
労働者委員 岩﨑委員、高瀬委員、本岡委員
使用者委員 野村委員、東田委員、松下委員
事務局 岸労働基準部長、青柳賃金室長、泉賃金指導官、倉本賃金主任
議題    (1)部会長及び部会長代理の選出について
   (2)兵庫県はん用機械器具製造業、生産用機械器具製造業、業務用機械器具製造業最低賃金専門部会運営規程の改正について
   (3)兵庫県はん用機械器具製造業、生産用機械器具製造業、業務用機械器具製造業最低賃金に係る改正決定の必要性の審議について
   (4)その他
議事録 泉賃金指導官  ただ今から、第1回兵庫県はん用機械等製造業最低賃金専門部会を開会します。
 本日は、委員全員が御出席であり、最低賃金審議会令第6条第6項の規定による定足数は充足しておりますことを御報告いたします。
また、本日の審議は議事を公開することとしておりましたが、傍聴希望の申し出はありませんでした。
 本日は、第1回目の専門部会となりますので、部会長が選出されるまでの間、事務局で議事を進行させていただきます。
 それでは、審議に入ります前に労働基準部長より御挨拶を申し上げます。
岸労働基準部長  皆様、こんにちは。
 労働基準部長の岸でございます。開会にあたりまして、一言御挨拶申し上げます。
 日頃より、労働行政につきまして、格別の御理解、御協力を賜っておりますことにつきまして、厚くお礼を申し上げます。
 本日は、兵庫県はん用機械等製造業最低賃金の第1回の専門部会の開催になります。
 今年度は、必要性の有無から専門部会で審議を行うこととなってございまして、委員の皆様には、大変厳しい状況の中、タイトなスケジュールの中で御審議をしていただくことになり、大変御苦労をおかけすることとなります。
 事務局といたしましても、審議の参考としていただくための資料の準備等、適切に行ってまいりたいと思っております。
 特定最低賃金につきましては、特に労使のイニシアティブによって設定されるものと理解しているところでございます。
 是非、審議におきましては全会一致に向けての御努力をいただきますようお願いいたしまして、簡単ではございますけれども、御挨拶とさせていただきます。
 どうぞよろしくお願いいたします。
泉賃金指導官  次に、各委員と事務局の紹介をさせていただきたいのですが、時間の関係もございますので、各委員につきましては、次第に添付しております委員名簿にて御確認をお願いいたします。
 それでは、部会長の選出に移らせていただきます。
 部会長、部会長代理の選出につきましては、慣行により公益代表委員の皆様の御相談により候補者を御推薦していただき、その後、御推薦いただいた委員を専門部会にお諮りするということにさせていただきますが、それでよろしいでしょうか。
 御異議ございませんか。
各委員  異議なし。
泉賃金指導官   ありがとうございます。ではそのようにさせていただきます。
 それでは、公益委員の方から部会長と部会長代理の推薦をよろしくお願いいたします。
三上委員  今年、公益委員を仰せつかりました三上です。よろしくお願いいたします。
 事前に打合せをさせていただきました結果、部会長に桜間委員、部会長代理には岡崎委員を推薦したいと思います。
 以上、よろしくお願いします。
泉賃金指導官  ただいま部会長に桜間委員、部会長代理に岡崎委員との御推薦をいただきましたが、御異議ありませんか。
各委員  異議なし。
泉賃金指導官  異議なしとの声をいただきましたので、部会長に桜間委員、部会長代理に岡崎委員が選出されたものと確認いたします。
 それでは、この後の議事進行につきましては、部会長にお願いいたします。よろしくお願いいたします。
桜間部会長  部会長に選出されました桜間でございます。
 慎重審議に努めたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
では、議事を引継ぎ進行したいと思います。
 それでは、議題2「兵庫県はん用機械等製造業最低賃金専門部会運営規程の改正について」、事務局より説明をお願いいたします。
青柳賃金室長  賃金室長の青柳でございます。よろしくお願いいたします。
 私から説明をさせていただきます。
 例年ですと、専門部会運営規程の第7条の規定により議事録署名委員を御指名いただくのですが、御存じのとおり昨年12月の押印廃止に伴いまして、各審議会におきましても署名押印廃止の取り扱いも可能ということになっております。
 先日の本審また地賃専門部会、また午前中の塗料製造業専門部会におきましても運営規程の改正を御了解いただいたところですが、運営規程の改正は各専門部会での決議事項になっておりますので、本専門部会につきましても、冒頭で改正案の提示をさせていただくものでございます。
 資料の1に、改正案の赤字で訂正させていただいた部分と、2枚目の溶け込み版と、2枚の改正案をつけさせていただいております。よろしくお願いいたします。
桜間部会長  今回、専門部会運営規程の改正ということで、本審と同様に事務局からテレビ会議システムの対応及び議事録の署名廃止に沿った改正に関しての改正案が示されました。
 今後の状況等に対応しての改正ですので、審議会規程と同様に特に御意見等がないようでございましたら、今回の改正を承認することとしてよいと思いますが、よろしいでしょうか。
各委員  異議なし。
桜間部会長  ありがとうございます。
 では今回のはん用機械等製造業専門部会の運営規程の改正については、専門部会として認めることとしたいと思います。
 それでは、専門部会運営規程が改正されましたので、早速これに沿って、今回からは議事録の確認をいただく委員を指名したいと思います。
 部会長及び部会長が指名した委員2名が議事録の確認を行うこととしましたので、労使委員から1名ずつ指名したいと思います。
 労働側の委員は、どなたにされますか。
岩﨑委員  岩﨑でお願いします。
桜間部会長  使用者側の委員は、どなたにされますか。
松下委員  松下でお願いします。
桜間部会長  それでは、当専門部会において議事録の確認をいただく委員は、私と岩﨑委員、松下委員とすることといたします。
 また、この確認を行う委員が欠席された場合は適宜、代わりの委員を指名することにしたいと思いますが、それでよろしいでしょうか。
各委員  異議なし。
桜間部会長  それでは審議に入ります。
 本日の議題は「兵庫県はん用機械等製造業最低賃金に係る改正の必要性の審議について」となっております。
 今年も昨年同様、新型コロナウイルスの景気や雇用に与える影響が非常に大きいこと等から、本審で必要性の有無の審議を一括して行うということが困難という理由によりまして、必要性の有無の審議から専門委員を交えて、専門部会で行うこととなってございます。
 この辺りの経過等は労使それぞれお聴きいただいているとは思いますが確認のため、今年の経過や改正の流れを含めて事務局から説明をお願いいたします。
青柳賃金室長  私から説明させていただきたいと思います。
 お配りしている資料の2を御覧いただければと思います。
 こちらは、今回いただきました特定最低賃金の申出状況を一覧にしたものでございます。
 今回は、7月5日、7日、12日に7件の特定最低賃金について、改正の申出をいただいております。
 今回申出がございました7件の特定最低賃金の改正につきましては、いずれも形式的要件は具備されていると判断をさせていただきましたので、7月16日の本審におきまして、改正の必要性の有無について諮問をさせていただいております。
 一昨年は、特定最低賃金の改正の必要性の有無について本審において一括での諮問、答申を行ったところですが、昨年から、必要性の有無に関しましても専門部会を設置しての審議を行うことになったものでございます。
 今年度7月14日の小委員会におきまして、労使で話し合いを行っていただきまして、コロナの影響による各業況が大きく異なること等を考慮いたしまして、当初から個別に専門部会を設置して審議をすることの方向性がまとめられたところでございます。
 その後、7月16日の本審で、必要性の諮問と同時に専門部会の設置を決議いただきまして、専門部会を早期に設置し必要性の審議を行うこととしたものでございます。
 また、審議会におきましては、必要性の審議が膠着したまま回数を重ねるという状況を避けるため、効率的な審議に努力するということが労使の確認事項とされたところでございます。
 以上から、今年につきましては例年よりも早い日程で専門部会を開催いたしまして、必要性の審議を行うこととしているものでございます。
 続きまして特定最低賃金の改正について触れさせていただきます。
 特定最低賃金につきましては、その金額改正の必要性の調査審議を求める諮問、答申、必要性があるという場合について、金額をいくらにするのかという改正の調査審議を求める諮問、答申、という2つの段階の手続きを踏みまして金額改正に至るということになっております。
 机上配布しております「特定最低賃金について」の2ページをご覧ください。
 特定最低賃金については法15条から19条に規定されているところでございますけれど、特定最低賃金は、企業内の水準を設定する際の労使の取組みを補完するものということで、特定最低賃金は地域別最低賃金よりも高い額で決定するものでなければならないものと定められているところでございます。
 現在、全国では228件設定されており、3ページにその内容が記載されておりますが、兵庫におきましてはこのうち9件の特定最低賃金が決定されている状況でございます。
 4ページには、特定最低賃金と地域別最低賃金の比較をまとめてございます。
 地域別最低賃金につきましては、年齢、性別に関わらずすべての労働者の賃金の最低限を保障するセーフティネットという位置付けでございます。
 一方、特定最賃につきましては、企業内の賃金水準を設定する際の労使の取組を補完するもの、また、公正競争を確保するものというようなことで、その位置付けの違いがあるということでございます。
 5ページは地域別最賃と特定最賃の適用の関係ですが、先ほど申上げましたように最低賃金法第16条により、特定最低賃金は、地域別最低賃金よりも高い金額で決定する必要があるということでございますので、地域別最低賃金よりも低い額で決定することは法定上できないということでございます。
 6ページは特定最低賃金の決定・改正の流れということでございます。
 まず関係労使からの申出をいただきまして必要性の諮問を行う。必要性の調査審議を行って、必要性ありとの答申があった後に金額の諮問、それから金額改正の調査審議を行う流れになっているところでございます。
 今現在は、必要性についての諮問をいただきまして必要性の調査審議、こちらは専門部会を設置して各専門部会で調査審議を行っているところでございます。
 特定最低賃金の改正の必要性の有無についての考え方を7ページにまとめてございます。
 必要性の有無につきましては、昭和57年の中賃の了解事項といたしまして、新産別の設定の趣旨に鑑み全会一致の議決に至るよう努力するとされているところでございまして、必要性の有無に関しましては、現在まで全会一致以外の運用は行われていないということでございます。
 これにつきましては、本審でも専門部会でも同じ考えとなります。
 この点が金額審議とは異なりまして、金額審議の場合は、全会一致に至らない場合については採決で決定することもあり得るということでございますが、必要性の有無に関しましては全会一致のみということでございます。
 整理いたしますと、過去、必要性有、引上げなしという運用はないということで、必要性有の場合につきましては、金額は未定ですが最低1円以上の引上げを行うという御判断をいただいたということになり、かつ、最低賃金法第16条の関係から地域別最低賃金以上の金額に改正いただくことになります。
 今年につきましては、現在900円の地域別最低賃金ですが、8月5日に928円で答申され、異議申出によって変更がなければ9月1日に928円が決定するということですので、928円以下の金額での特定最低賃金ということは法の趣旨にそぐわないということでございます。
 また、補足ですが、特定最低賃金につきましては申出を行った事業場内最低賃金を超える金額での改正はできない。つまり、先ほどの資料2の各特定最低賃金の申出状況にあります、各事業場内の最低の賃金額を超える改正、上限としてのはん用機械等ですと960円、こちらを超える金額に改正することはできない、ということでございますので、御了解いただければと思います。
 7月16日の本審におきましては、全会一致の場合には、必要性の答申を専門部会において行うということで、6条5項の適用につきまして決議をいただいているところでございますので、必要性の有無、また金額改正につきましては、全会一致で決議に至った場合は、専門部会におきまして部会報告、答申を行うことができるということになっております。
一方、全会一致に至らない場合につきましては、6条5項の適用はできませんので、本審において必要性の判断あるいは金額の判断を行っていただくという流れになるということでございます。
 また、8ページに令和3年の特定答申日と発効日の関係を記載しています。例年どおり、12月1日の発効日を目指す場合につきましては答申期日が10月1日となるということでございます。
 逆に言いますと、答申日が10月1日からずれますと発効日も同じように後にずれていく流れになるというところでございます。
 以上、簡単ではございますけれども特定最低賃金についての状況につきましての説明でございました。
 また、他の部会の状況ですが、本日午前中の塗料製造業につきましては、必要性ありで既に答申をいただいている状況でございます。
 以上でございます。
桜間部会長  ただ今の説明につきまして、御意見、御質問等はございますか。
各委員 (特になし)
桜間部会長  それでは、兵庫県はん用機械器具等製造業最低賃金の改正決定の必要性の有無についての審議に入りたいと思います。
 まず、事務局から本日お配りいただいている各種資料の説明をお願いいたします。
青柳賃金室長  引き続き資料について、簡単に搔いつまんで説明させていただきます。
 以下の資料について説明)
  資料No5 一般職業紹介状況(令和3年6月分)(兵庫労働局職業安定部職業安定課)
  資料No6 管内金融経済概況(2021年7月12日 日本銀行神戸支店)
  資料No7 毎月勤労統計調査地方調査月報(令和3年5月 兵庫県)
  資料No8 兵庫県の経済・雇用情勢(産業労働部政策労働局産業政策課 令和3年7月28日)
  資料No9 兵庫県鉱工業指数月報(令和3年5月速報 兵庫県)
  資料No10 2021 春季生活闘争 第6回回答集計 平均賃金方式(兵庫県構成組織)(2021/6/4 連合兵庫)
  資料No11 2021季賃上げ状況(2021/6/9 兵庫県経営者協会調査)
  資料No12  はん用機械器具製造業関係最低賃金(令和元年度、令和2年度、全国)
 続きまして、お配りさせていただいております基礎調査の概要につきまして、担当から説明させていただきます。
倉本賃金主任  賃金主任の倉本でございます。私からは基礎調査の結果について御説明させていただきます。
 (以下の資料について説明)
  机上配布資料 令和3年度最低賃金に関する基礎調査結果(特定最賃)
 以上でございます。
各委員 (特になし)
桜間部会長  それでは、審議を続けます。
 今回は、改正の必要性の有無から専門部会で審議を行っていくということでございます。
 事務局の説明にもありましたが、必要性の有無に関しては、全会一致が原則ということになり、全会一致に至らない場合は、必要性が認められないということになります。また、全会一致で決議された場合は、最低賃金審議会令第6条第5項の適用により専門部会の決議をもって審議会の決議となります。
 限られた時間の中で、大変御苦労をおかけいたしますが、よろしくお願いいたします。
 それでは、まず労使双方から、はん用機械器具等製造業最低賃金の改正決定の必要性の有無の審議に当たっての基本的な考え方を伺わさせていただきたいと思います。
 その段階で、双方が御意見を同じくするのであれば、必要性についての結論が出たこととなり答申を行い、御意見が異なる場合は、審議を続けていくこととしたいと思います。
 最初に労使双方それぞれで意見調整されますか。
労使委員  はい。
桜間部会長  では、15分程度でお願いいたします。
  (労使それぞれ意見調整会議)
 (第2回全体会議)
桜間部会長 それでは、審議を再開いたします。
 まず、改正の申出をされた労働者側委員から金額改正の必要性についてのお考えをお聴きしたいと思います。
 それでは、お願いいたします。
高瀬委員  それでは、私から、必要性に対する考え方を主張させていただきたいと思います。
 令和3年度地域別最低賃金の改定におきまして、ご存じのとおり全国加重平均は930円となりまして、兵庫県におきましてもプラス28円、928円の改定が示されました。
 これはコロナ禍におきましても最低賃金を引上げていくことの必要性が受け入れられたものと認識しております。
 この賃金の引上げによって可処分所得の継続的な拡大と将来の安全・安心の確保を図り、さらに消費の拡大に繋げるという経済の好循環、こちらを実現させていくということや、非正規労働者の処遇改善が社会的に求められている、ということだと思います。
 コロナ禍での特定最賃の引上げにおきましてもこの流れは止めるべきではないと考えております。
 足下では昨年来、新型コロナウイルス感染症の影響があり、この影響で非常に厳しい経営状況に置かれている企業があることも当然ながら承知しておりますが、ワクチン接種によりまして日本経済は徐々に回復して来ており、昨年落ち込んだ実質GDP成長率はマイナス4.6%から本年は3.7%程度のプラス成長を見通しているというところでございます。
 兵庫県の製造業におきましても、売り上げ、経常利益ともに昨年度を上回る計画をされている企業も多くあります。
 はん用機械におきましても、コロナ禍で先送りされていた工場の自動化等の投資や、医療、自動車半導体といったところの設備投資が増加すると見込まれています。
 こういった状況を勘案しますと、昨年までの本当に先行き不透明な状況だった環境とは大きく異なってきているのではないか、というように労働側としては認識しております。
 そして、春闘の関わりですが、2021年度における賃上げ率につきましては、連合全体としましては平均として1.78%、金額で5,180円となりました。先ほど事務局の方からもございましたが兵庫県の製造業におきましては2.02%、金額としては5,700円の賃上げとなっておりまして、昨年の賃上げ率は下回るものの、コロナ禍においても賃上げの流れは継続しているというのが実情でございます。
 また人材確保の観点といたしましては、本年6月時点の兵庫県における有効求人倍率が0.97ということで、昨年同月期を下回るものの、3か月連続で増加しているということもありますし、製造業の新規求人数につきましても、足下で2か月連続上回る状況になって持ち直しの動きも見えているという状況でございます。
 こういったところも含めまして、本年の地域別最低賃金全体の引上げによりまして特定最低賃金との差が安易に狭まることとなれば、やはり我々の産業の魅力が低下して優位性も損なわれ、優秀な人材の確保と技術の継承といった、これまでも述べてきた課題についても他産業に劣後することになります。
 加えて他府県において、特に大阪でございますが、大阪につきましては、昨年特定最低賃金のところは地賃に比べプラス4円の優位性を持っておりましたが、本年度の地賃の上昇によりまして完全に飲み込まれた形になります。
 大阪と兵庫の差は24円ございましたが、こちらが自然体で何もしなければ48円という差に広がるということになります。
 こういった状況で、同じはん用機械、産業機械に携わる業種がある中で同じ働き方をしてそれほどの差が生まれてよいのか、県外に人材が流出していく方向に動くということが進んでいくのではないかと懸念しております。
 そういった意味も含めまして、他の県におきましても必ずと言っていいほど特定最賃の具体的な金額論議、こういったところは進められるものと認識しておりますので、仮に兵庫県が必要性なしとなれば、その格差がさらに広がるということは言うまでもございません。
 こうした状況を総合的に勘案するとともに、我々労使がイニシアティブを発揮してこの産業にふさわしい水準というものを設定する特定最賃の趣旨、こういったものに鑑みまして、本年のはん用機械最低賃金につきましては必要性有ということが妥当である、という労側の判断に至りました。
 少し長くなりましたが、以上でございます。
桜間部会長  はい、それでは次に、使用者側委員からお願いいたします。
松下委員  使用者側からの意見を申し上げます。
 おっしゃるように兵庫県最賃は中央の目安どおりの28円ということにはなりましたけれども、その際、やはり意見は大きく分れまして最終的には使用者側全員反対で決まっているというところが、先ず28円に対する考え方の違いに表れています。
 とはいうものの、それをベースに色々な物事を考えないといけないとは思っています。
 特に製造業に関しては回復してきている、というような新聞報道もあるのですけれども、このはん用機に関しましては、昨年度のコロナの状況に対して、本年度の進捗というのは、やはりまだ全体的にコロナの影響が出ています。製造業はテレワークでは追いつかないところがありますので、やはりその辺で、特に中小企業などには色々な問題の影響が出ていると思います。
 まだこれが収束するとか、という先行きのことが分らない今の段階で、力の差が激しく出ていまして、優良な企業は業績を伸ばしているけれども、そうでないところに関しましては、非常に厳しい状況が続き、先行き不透明な現状であります。
 そのような中で、特定最賃引上げの色々な要素を考えても、使用者側としては、昨年と状況は変わらず、昨年同様に雇用の継続、雇用調整助成金を使って雇用の継続をしている状況であり、賃上げという議論にはなかなか結びつくには難しい、まだ改善できていない状況ではないかと思っています。
 賃上げの実績を見ても、今回、はん用機は公正競争となっていて、組合のないところもあるのですけれど、先ほどの資料の中では組合ありのところと組合なしのところで、やはり歴然と組合なしのところの賃上げ率は少なかったようです。
 中小の会社のことを考えると、今回、まだまだ経済情勢が厳しい中で賃上げをするよりも、雇用を維持継続する方を重視するために、結論としては、必要性はないと考えております。
 以上です。
桜間部会長  労使双方より考え方を伺ったところでございますが、御意見は異なるようでございますので、ここからは公益が労使それぞれから御意見をお伺いすることにしたいと思います。
 では最初に労働者側からお話をお伺いいたします。
  (公労会議)
(公使会議) 
(第3回全体会議)
桜間部会長  労働者側、使用者側それぞれからお話をお伺いしましたけれども、なかなか意見が揃わず、時間の関係もございますので、本日は、このあたりで一旦終了し、次回に引き続き審議したいと思います。
 労使双方のお話をお伺いしましたけれども、本日の段階では、労働者側は、経済の好循環あるいは非正規の待遇改善というようなことを考えれば、賃金を引上げていく賃上げの流れを止めるべきではないということです。昨年とは状況が異なるということです。
 このまま、はん用機械等製造業の賃金を積み上げていかないということは他産業に見劣りするとか、大阪との差とかも考えれば、必要性は非常にあるということでございました。
 それに対して使用者側は、必要性なしということなのですが、そもそものところで言いますと、地賃の28円プラスになったところについては、使用者側全員が反対するという形になったことがまず前提としてあるわけですけれども、コロナの影響というのがまだ出ていて、収束がどうなるかも分からない状況である。企業間の格差が非常に大きく先行きは不透明であり、一方で原材料価格が上がるというような側面もある。中小の現状を見ると賃上げより雇用である。
 以上から必要性はなしとの御意見でございました。
 ということで労使の意見の一致には至っておりません。
 ただ、審議は続けていきたいというお考えはございます、ということですので、労使共、もう少し審議を重ねていきたいということでございます。
 次回、引き続き必要性の有無について審議したいと思います。
 それでは次回の日程ですが、次回は8月25日(水)午前10時からの開催といたします。
 次回は金額審議にも関係する部分がありますので、「率直な意見の交換、若しくは、意思決定の中立性が不当に損なわれるおそれがある場合」に該当し、会議は非公開としたいと思います。
 事務局から他に何かございますか。
青柳賃金室長  特にございません。
桜間部会長  それでは、本日はこれで閉会いたします。
 皆様、お疲れ様でした。
各委員  ありがとうございました。
                                                                                        桜間 裕章
                                                                                         岩﨑 和人
                                                                                         松下 田佳子

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