兵庫地方最低賃金審議会第1回兵庫県電子部品・デバイス・電子回路製造業、電機機械器具製造業、情報通信機械器具製造業最低賃金専門部会議事録

 
 
日時 令和3年8月20日(金)   13時58分~16時12分
場所 兵庫労働局16階 第3共用会議室
出席者 公益委員 梅野委員、坂本委員、庭本委員
労働者委員 堀井委員
使用者委員 岡本委員、高石委員、松岡委員
事務局 岸労働基準部長、青柳賃金室長、泉賃金指導官、倉本賃金主任
議題    (1)部会長及び部会長代理の選出について
   (2)兵庫県電子部品・デバイス・電子回路製造業、電気機械器具製造業、情報通信機械器具製造業最低賃金専門部会運営規程の改正について
   (3)兵庫県電子部品・デバイス・電子回路製造業、電気機械器具製造業、情報通信機械器具製造業最低賃金に係る改正決定の必要性の審議について
   (4)その他
議事録 泉賃金指導官  定刻より少し早いですが、皆さんお揃いですので、ただ今から、第1回兵庫県電子部品等製造業最低賃金専門部会を開会します。
 本日は、中島委員と末道委員が御欠席ですが、最低賃金審議会令第6条第6項の規定による定足数は、充足しておりますことを御報告します。
 また、本日の審議は、議事を公開することとしておりましたが、傍聴希望の申出はありませんでした。
本日は、第1回目の専門部会となりますので、部会長が選出されるまでの間、事務局で議事を進行させていただきます。
 それでは、審議に入ります前に労働基準部長より御挨拶を申し上げます。
岸労働基準部長  皆様こんにちは。
 労働基準部長の岸でございます。開催にあたりまして、一言御挨拶を申し上げます。
 日頃より、労働行政につきまして、格別の御理解と御協力をいただいていることにつきまして、この場をお借りして、厚く御礼を申し上げます。
 本日は兵庫県電子部品等製造業の第1回専門部会の開催となります。
 今年度は、必要性の有無から専門部会での審議を行うこととなり、委員の皆様には、大変お忙しい中、また難しい中、タイトなスケジュールで御審議をいただくこととなり、大変御苦労をお掛けいたします。
 事務局といたしましても、審議の参考としていただくための資料の準備等適切に行ってまいりたいと思っております。
 特定最低賃金につきましては、特に労使のイニシアティブによって設定されるものと理解しているところでございます。
 ぜひ審議におきましては、全会一致に向けての御努力をいただきますようお願いを申し上げまして、簡単ではございますけれども、御挨拶とさせていただきます。
 どうぞよろしくお願いいたします。
泉賃金指導官  次に、各委員と事務局の紹介をさせていただきたいのですが、時間の関係もございますので、各委員につきましては次第に添付してあります委員名簿にて、御確認をお願いいたします。
 それでは、部会長の選出に移らせていただきます。
 部会長、部会長代理の選出につきましては、慣行により、公益代表委員の皆様の御相談により候補者を御推薦いただき、その後、御推薦いただいた委員を専門部会にお諮りするということにさせていただいていますが、それでよろしいでしょうか。
各委員  異議なし。
泉賃金指導官  ありがとうございます。それでは、そのようにさせていただきます。
 では、公益委員の方から、部会長と部会長代理の推薦をよろしくお願いします。
庭本委員  公益で事前に打合せをいたしましたので、部会長に坂本委員、部会長代理に梅野委員を推薦いたします。
泉賃金指導官  ただ今、部会長に坂本委員、部会長代理に梅野委員との御推薦がございましたが、御異議はありませんか。
各委員  異議なし。
泉賃金指導官  ありがとうございます。
 異議なしとの声をいただきましたので、部会長に坂本委員、部会長代理に梅野委員が選出されたものと確認いたします。
それでは、この後の議事進行につきましては、部会長にお願いいたします。よろしくお願いします。
坂本部会長  皆さんこんにちは、部会長に選出されました坂本と申します。慎重審議に努めたいと思います。よろしくお願いします。
 では、議事を引き継ぎ進行したいと思います。
 議題(2)「兵庫県電子部品等製造業最低賃金専門部会運営規程の改正について」、事務局より御説明をお願いします。
青柳賃金室長  賃金室長の青柳でございます。よろしくお願いいたします。
 私の方から、説明をさせていただきます。
 例年ですと、専門部会運営規程の第7条の規定によりまして、議事録の署名委員の方を御指名いただくのですけれども、ご存じのとおり、昨年12月に押印の廃止ということがございまして、各審議会の議事録においても、署名押印の廃止というような取扱いも可能ということになっております。先日の本審また各専門部会におきまして、運営規程の改正について、準備を進めているところですが、本専門部会におきましても、運営規程の改廃等につきましては、各専門部会の決議事項となっておりますので、まずは運営規程の改定についての御確認をお願いいたします。
 資料1に事務局で作成いたしました改正案、赤字で修正部分を記載したもの、それと2枚目に溶け込み版を付けております。よろしくお願いいたします。
坂本部会長  今回、専門部会運営規程の改正ということで、本審と同様に事務局からテレビ会議システムの対応及び議事録の署名廃止に沿った改正に関しての改正案が示されました。今後の状況等に対応しての改正ですので、審議会規定と同様に特に御意見等がないようであれば、今回の改正に承認することとして良いと思いますが、よろしいでしょうか。
各委員  異議なし。
坂本部会長 では、今回の電子部品等製造業専門部会の運営規程の改正については専門部会として認めることとしたいと思います。
それでは、専門部会運営規程が改正されましたので、早速にそれに沿って、今回からは議事録の確認をいただく委員を指名したいと思います。
部会長及び部会長が指名した委員2名が議事録の確認を行うこととしましたので、労使委員から1名ずつ指名したいと思います。
労働側の委員はどなたにされますか。
堀井委員  私、堀井でお願いします。
坂本部会長  はい、よろしくお願いします。使用者側委員は、どなたにされますか。
松岡委員  私、松岡でお願いします。
坂本部会長  はい、よろしくお願いします
 それでは、当専門部会において議事録の確認をいただく委員は私と堀井委員、松岡委員とすることといたします。
 また、この確認を行う委員が欠席された場合は適宜代わりの委員を指名することとしたいと思いますが、それでよろしいでしょうか。
各委員  異議なし。
坂本部会長  それでは、審議に入りたいと思います。
 本日の議題(3)は「兵庫県電子部品等製造業最低賃金に係る改正の必要性の審議について」となっています。
 今年も昨年同様、新型コロナウイルスの景気や雇用に与える影響が非常に大きいということ等から、本審で「必要性の有無」の審議を一括して行うということが困難という理由により、「必要性の有無」の審議から専門委員を交えて、専門部会で行うこととなったものです。
 この辺りの経過等は労使それぞれお聞きいただいているとは思いますが、確認のため、今回の経過や改正の流れも含めて、事務局から説明をお願いします。
青柳賃金室長  では、説明をさせていただきます。
 資料2を御覧いただければと思います。こちらに今年度申出をいただきました7件の特定最低賃金の改正を一覧にまとめております。
 今年につきましては、7月5日、7日、12日に改正の申出をいただいたということでございます。
 いずれも形式的要件については具備されていると判断いたしましたので、7月16日の本審におきまして、改正の必要性の有無についての諮問をさせていただいております。
 一昨年までは特定最低賃金の改正の必要性の有無につきましては、本審での一括審議になっていたのですが、昨年から専門部会を設置して審議を行うことになり、本年度も引き続き専門部会で行うということになっています。
 今年度につきましては、7月14日の小委員会において、話合いを行い、コロナの影響により、やはりその各業況が大きく異なるということを考慮して、最初から個別に専門部会を設置するということになったということでございます。
 7月16日の本審におきまして、必要性の諮問と同時に専門部会の設置を決議いたしまして、専門部会を早期に設置して、必要性の審議を行うこと、また審議会におきましては、必要性の審議が膠着したまま、回数を重ねるという状況は避けるということから、効率的な審議に努力するということが労使の確認事項とされたところでございます。
 以上から、今年につきましては、例年よりも早い日程で専門部会を開催いたしまして、必要性の審議を行うということになったということでございます。
 つきましては、特定最低賃金の改正について、若干説明をさせていただきます。
 特定最低賃金につきましては、その金額改正を行うことの必要性の調査審議、そして改正する場合の金額をいくらにするのかという調査審議という2段階の手続きを踏んで初めて金額改正に至るということでございます。
 机上に別置きさせていただいております「特定最低賃金について」という説明資料を御覧いただければと思います。
 1枚めくっていただきまして、2ページを御覧ください。
 こちらに特定最低賃金について、若干説明をさせていただいております。特定最低賃金につきましては、最低賃金法第15条から第19条に規定がある各産業別に設定されている最低賃金で、全国で今228件設定されているということでございます。
 1枚めくっていただきまして、3ページに228件の設定状況の概要が掲げられております。兵庫におきましては、そのうちの9件の特定最低賃金の設定があるということでございます。
 続きまして、1枚めくっていただきまして、4ページに特定最低賃金と地域別最低賃金の比較ということで表にしたものがございます。
 地域別最低賃金につきましては、現在900円という時間額ですけれども、こちらは兵庫県で働く全ての労働者の賃金の最低限を保障するセーフティネットという位置付けで、年齢、性別、使用期間等にかかわらず、全てこの金額が適用になるということでございます。
 一方、特定最低賃金といいますのは、各産業の基幹的な労働者に適用する最低賃金であり、その企業内の賃金水準を決定する際の労使の取組を補完するもの、また公正競争を保つという位置付けのもので、役割・機能が若干異なっているということでございます。
 1枚めくっていただきまして、5ページに適用の関係ですけれども、最低賃金法においては、2つ以上の最低賃金が適用される場合については、高い方の金額を適用するということになっております。特定最低賃金よりも地域別最低賃金が高い場合につきましては、地域別最低賃金、逆に特定最低賃金が地域別最低賃金より高い場合については、特定最低賃金と高い方の賃金が適用されるということでございます。
 最低賃金法第16条によりまして、特定最低賃金につきましては、地域別最低賃金よりも高い額で決定する必要があるということになっております。
 地域別最低賃金については、今現在900円ですけれども、すでに8月5日に答申が出ておりまして、このままの予定でいきますと、9月1日に官報公示によって決定されるという形になっております。したがって、9月1日以降につきましてはこの地域別最低賃金の改正額、要するに928円を上回る額で決定をする必要があるということでございます。
続きまして、6ページですけれども、「特定最低賃金の決定・改正までのプロセス」ということでフローチャートになっております。まず関係労使からの申出をいただきましたら、労働局長が必要性の諮問を行います。その後、本審または専門部会で調査審議を行いまして、必要性有りという場合につきましては、今度は金額についての諮問を行って、調査審議を行うという形になっております。兵庫の場合につきましては、必要性の調査審議から専門部会で行うという形になっておりますので、今はその必要性の調査審議を専門部会で行っている状況にあるということで御理解いただければと思います。
 続きまして、7ページですけれども、こちらに特定最低賃金の改正の必要性の有無の考え方について、書いてありますので、御確認いただければと思います。
 必要性の有無につきましては、改正の必要性の有無についての中賃の昭和57年答申の中では、特定最低賃金の設定の趣旨に鑑み、最低賃金審議会は全会一致の議決に至るよう努力するものとするということになっております。努力するものとはなっておりますけれども、今現在必要性の有りの判断につきましては、全会一致以外の運用というのは行っていません。金額審議の場合につきましては、採決で最終的には金額を決定するというケースがあるのですけれども、必要性の判断につきましては、全会一致以外の運用というのがないということでございます。この点が金額審議とは異なる点ということになります。
 整理しますと、必要性有り、引上げなしという運用はないということで、必要性有りという場合につきましては、金額については金額審議を行いますけれども、最低1円以上の引上げを行うという御判断をいただいたということになります。なおかつ、先ほど申し上げましたように最低賃金法の関係から、改定する場合については、地域別最低賃金以下の改正ということは法の趣旨に反するということになりますので、改正された特定最低賃金は1円以上なおかつ地域別最低賃金以上になるということで御理解いただければと思います。
 また、補足ですけれども、特定最低賃金改正の場合の上限ということですが、それにつきましては、各産業での申出をいただきました事業所内の最低賃金を超える金額での改正はできないということになります。先ほどの資料2の申出状況の一覧の各最低賃金のところの左の列の中ほどに最も低い金額例というのがございます。こちらの金額というのが、今回申出いただきました各事業場内最低賃金額ということになっているということでございます。ちなみに電子部品の場合ですと、最も低い金額例といたしましては、983円という金額になっております。改正する場合におきまして、これを超える改正というのは、法が事業場の最低賃金を上回ってしまうということになりますので、上限につきましても、あくまでもこの983円までということになるということで御理解をいただければと思います。
 7月16日の本審におきましては、全会一致の場合につきまして、必要性の答申を専門部会において行うということで、第6条第5項の適用、つまり、専門部会で全会一致の場合につきましては、部会で答申ができるという形の決議いただいておりますので、必要性の有無、また金額改正につきましては、専門部会で全会一致の場合については、報告、答申まで至るということが可能だということになっております。
 続きまして、先ほどの資料の8ページですけれども、特定最賃の答申日と発効日の関係ということでございます。こちらにつきましては、答申の日が決まりますと、異議申出、また官報公示の期間を置きまして、機械的に発効日の方が定まってくるということでございまして、例年どおり12月1日の発効を目指すという場合でありましたら、今年は10月1日金曜日、この日までに答申をいただくというのが期限ということになっております。その10月1日を超える場合につきましては、その都度発効日が後ろにずれていくという流れになっておりますので、また御確認をいただければと思います。
 あと、今までの兵庫で行っている専門部会の状況ですけれども、昨日行いました塗料につきましては、必要性が有りということになっておりますが、はん用機械につきましては、再度2回目の審議を行うという予定でございます。
  以上でございます。
坂本部会長  ただ今の説明について、御意見、御質問等ありませんか。
各委員 (特になし)
坂本部会長  よろしいでしょうか。
 それでは、兵庫県電子部品等製造業最低賃金の必要性の有無についての審議に入りたいと思います。では、事務局から、本日お配りいただいている各種資料の説明をしてください。
青柳賃金室長    では、兵庫県の電子部品の製造業関係の資料について、説明をさせていただきたいと思います。
 資料の5から12について、簡単にかいつまんで、説明をさせていただけければと思っております。
 (次の資料について、説明。)
  資料No5 一般職業紹介状況(令和3年6月分)について
(兵庫労働局職業安定部職業安定課)
  資料No6   管内金融経済概況(日本銀行神戸支店 2021年7月12日)
  資料No7   毎月勤労統計調査地方調査月報(令和3年5月)兵庫県
  資料No8   兵庫県の経済・雇用情勢(産業労働部政策労働局産業政策課 令和3年7月28日)
  資料No9   兵庫県鉱工業指数月報(令和3年5月速報)
  資料No10 連合兵庫2021春季生活闘争 平均賃金方式第6回回答集計(連合兵庫2021年6月4日)
  資料No11 令和3年度 春季賃上げ状況(兵庫県経営者協会調査2021年6月9日)
  資料No12 電気機械器具製造業関係最低賃金(令和元年度、令和2年度、全国)
倉本賃金主任   続きまして、私から、基礎調査の結果について、説明をさせていただきます。
 (次の資料に基づき、基礎調査結果を説明。)
   机上配布
  令和3年度最低賃金に関する基礎調査結果(特定最賃)
  令和3年度最低賃金に関する基礎調査結果(特定最賃)Ⅱ
坂本部会長  ただ今の説明について、御意見、御質問はありませんか。
各委員 (特になし)
坂本部会長  よろしいでしょうか。
 それでは、審議を続けたいと思います。
 今回は、改正の必要性の有無から専門部会で審議を行っていくということです。
 事務局の説明にもありましたが、必要性の有無に関しては、全会一致が原則ということになり、全会一致に至らない場合は、必要性が認められないということになります。
 また、全会一致で決議された場合は、最低賃金審議会令第6条第5項の適用によって、専門部会の決議をもって、審議会の決議となります。
 限られた時間の中で、大変御苦労をお掛けいたしますが、よろしくお願いします。
 それでは、まず、労使双方から、電子部品等製造業最低賃金の必要性の有無の審議にあたっての基本的な考え方を伺わせていただきたいと思います。
その段階で、双方が御意見を同じくするのであれば、必要性についての結論が出たこととなり、答申を行い、御意見が異なる場合は、審議を続けていくこととしたいと思います。
 では、使用者側の委員ですが、意見調整をされますでしょうか。
使用者側委員  お願いします。
坂本部会長  では、別室で調整をお願いします。
  (使側委員打合せ)
坂本部会長  よろしいでしょうか。それでは、審議を再開したいと思います。
 では、最初に改正の申出をされた労側委員から金額改正の必要性に係る考え等をお聞きしたいと思います。お願いします。
堀井委員  冒頭、本日緊急事態宣言が発出されたということで会社の方で出張禁止の方針が示されたということもあって、急遽労働者委員で欠席になった方もおられて、私一人になっているということで御理解いただきたいと思います。
 それでは、本日、必要性有に関して、労働者の代表として、触れたいと思います。
2月末に意向表明をさせていただき、本日この段に臨むに当たって、先ほど事務局から説明がありましたように、7月頭に労働協約ケースという形で資料を添えて、申出をさせていただきました。
 資料を見ていただいたら、分かるとおり、適用労働者数と合意労働者数での合意者割合としては、65%を超える形で申出をさせていただいています。
この資料上、県内の多くの方々が983円以上で労働されているという位置付けになっておりますが、最低賃金は現在902円となっています。改定を進めて、そこの差を少しでも、詰めていくということが必要だろうと考えていますので、労働側としては必要な資料を添えて、数値上も改正の必要性は有りと改めて判断をさせていただいているということです。
 以上です。
坂本部会長  それでは、次に使用者側委員からお願いします。
高石委員  それでは、使用者側高石から話したいと思います。
 まず、最初に確認ですけれども、今回地域最賃がすでに特定最賃を上回っているという状況になっていくというところから、この地域最賃が前提ということになるのかなと考えてはいるのですけれども、そこは間違いないということでよろしいでしょうか。
要は902円の特定最賃はすでに26円アップするというのが前提となり、その26円をさらにアップさせるかどうかということの必要性の審議という建付けでよろしいのでしょうか。
坂本部会長  その理解で良いです。
高石委員  そういうことですね。分かりました。
 まず21年に入った後、感染が拡大する中で緊急事態宣言というのが断続的に発出されているという状況は御承知のとおりかと思います。
新型コロナの感染リスクこれを踏まえた政府の感染拡大防止への取組みであるとか企業の事業継続と雇用維持、この取組みが継続されているかなと考えております。
 一方で、ワクチンの接種完了率も10月までに5割を超すという見通しもある中で、諸外国と比較すれば非常に大きく遅れているという状況です。このワクチン接種自体が一般医療機関、若しくは専門の機関でどこまで進むかというところも注視する必要があるかなと考えています。
 加えて、既存のワクチンの効果が、ある意味明確でない新たな変異株の発現もあって、コロナをめぐる様々な状況悪化につながるリスクもまだまだ多分に含まれている状況ではないかという認識でございます。特に50歳以下での急増というのもその一つの表れかなと思います。
 経済状況につきましては、すでに事務局等からも御説明をいただいたとおりではございますけれども、総じてコロナ危機による落込みからは徐々に回復という動きを見せているというのは認識してございます。
 一方、日本も同様に、世界的な期待感の高まりもあるということも認識はしてございますけれども、やはり一進一退の動きを見せていて、諸外国の回復と比較しても、まだまだ弱い回復に留まっているのではないか考えております。
 国内の生産状況についても、輸出の増加は顕著に現れていると考えますが、これを背景に徐々に回復傾向という状況にあるものの、伸び率からすると鈍化してきているという見方もあるのかなと思います。
 特に製造業においては、海外の需要の回復にけん引されて持ち直しの動きというのはあるのですけれども、中国の生産の鈍化、若しくはアメリカでの給付金による内需押上げの一服感、こういったところを見ていきますと、輸出生産は減少する可能性もあるのではないかと考えます。
そういった状況において、今世界規模で課題になってございますけれども、半導体部品の需給制約の強まり、こういった要因もあります。
 また、一方で原材料の価格上昇ということによる他企業への影響というのも大きな課題ではないかなと考えます。特に中小企業の中ではこの原材料価格の上昇による収益の圧迫を防ぐべく、あらゆる手段で無駄を取り除く努力が今必要不可欠な状況ではないかと思います。
 そういったことも踏まえ、仕入れ価格が上昇している一方で販売価格の上昇幅というのは限定的であるという状況からすると、コストの上昇を販売価格で転嫁できないという状況は企業にとっても大きな負担になってございますし、結果的に賃金並びに雇用を減らすということにもつながり兼ねない状況であるという見方もあるのではないかと考えます。
 こういった状況の中ではあるのですけれども、すでに地域最賃の方で28円の増額ということが確定したということで、特定最賃と合わせますと、前回から比較すれば26円のアップという形になるかなという認識でございます。
先ほどの事務局からの資料の御提示の中にもございましたけれども、電子部品デバイスの事業分野においては26円のアップに対しての影響率というのが13.71%ということで2ケタ台の大きな影響を及ぼす結果になるというところでもありますし、結果的に未満労働者数の増加につながってしまうということも想定されると考えてございます。
 こういった状況から、今後の動向をもう少し時間を掛けて、しっかりと見極めた上で、まずは事業と雇用の維持を前提とした考えの下に今回の判断を慎重にしていきたいと思ってございますし、また地域最賃のアップ額、率を鑑みますと、今回の特定最賃としての審議については必要性は無しと考えてございます。
 以上です。
坂本部会長  労使双方の御意見が異なるようですので、ここからは公益が労使それぞれからお聞きすることにしたいと思います。
では、最初労側からお話をお聞きしてもよろしいでしょうか。
  (公労・公使・労使会議)
(第2回全体会議)
坂本部会長  お話合いの結果、どうなりましたでしょうか。
高石委員  はい、今までの経緯と特定最賃の位置付けというものに関して、労使で改めてその必要性を議論させていただいた結果、やはり適用除外という部分との差については、ある程度必要性はあるだろうということに結論づきましたので、使用者側としても改定の必要は有りという形で進めさせていただければと思います。
坂本部会長  労使で意見が一致したということですので、本専門部会としての意見をまとめさせていただきたいと思います。
 7月16日の本審において、専門部会が全会一致で決議した場合は、最低賃金審議会令の第6条第5項を適用することを議決していますので、まずは全会一致の確認をさせていただきます。
 兵庫県電子部品等製造業の最低賃金の改正の必要性の有無について、本専門部会として「兵庫県電子部品等製造業最低賃金については改正決定することを必要と認める」との内容で報告書を作成することについて異議はございませんでしょうか。
各委員  異議なし。
坂本部会長  出席者全員の御賛同をいただきましたので、本専門部会におきましては、全会一致により、「兵庫県電子部品等製造業最低賃金については改正決定することを必要と認める」との結論に至ったということを確認いたしました。
 では、事務局は、「兵庫県電子部品等製造業最低賃金については改正決定することを必要と認める」との専門部会報告及び答申文について、それぞれ案を作成していただけますでしょうか。
青柳賃金室長  それでは、準備をさせていただきます。
  (事務局にて、報告文案及び答申文案を作成)
(事務局より、報告文案を配布)
坂本部会長  では、まず報告文案から確認をしたいと思いますので、事務局で報告文案を読み上げてください。
泉賃金指導官
令和3年8月20日
兵庫地方最低賃金審議会
会長 梅野巨利 殿
兵庫地方最低賃金審議会
兵庫県電子部品・デバイス・電子回路製造業、電気機械器具製造業、情報通信機械器具製造業最低賃金専門部会
部会長 坂本知可

 兵庫県電子部品・デバイス・電子回路製造業、電気機械器具製造業、情報通信機械器具製造業最低賃金の改正決定の必要性の有無について(報告)
 
 当専門部会は、令和3年7月16日、兵庫地方最低賃金審議会において付託された標記について、慎重に審議を重ねた結果、兵庫県電子部品・デバイス・電子回路製造業、電気機械器具製造業、情報通信機械器具製造業最低賃金について改正決定することを必要と認めるとの結論に達したので報告する。
なお、本件の審議に当たった当専門部会の委員は下記のとおりである。
公益代表委員
 梅野 巨利
 坂本 知可
  庭本 佳子

労働者代表委員
 末道 辰也
 中島 洋
 堀井 説也

使用者代表委員
   岡本 富男
 高石 圭悟
 松岡 直哉

 以上です。
坂本部会長  ただ今読み上げていただいた報告文案の内容でよろしいでしょうか。
各委員  はい。
坂本部会長  それでは、報告文案から案を消したものを報告文といたします。
  (事務局より、報告文の写しを配布)
坂本部会長  続いて、今回は全会一致での議決となりますので、局長あての答申を行います。
  (事務局より、部会長に答申文案の確認を求め、確認を得た後、その写しを配布)
坂本部会長  それでは、事務局の方で答申文案を読み上げてください。
泉賃金指導官  では、私の方から読み上げさせていただきます。
令和3年8月20日
兵庫労働局長
荒木祥一 殿
兵庫地方最低賃金審議会
会長 梅野巨利

 兵庫県電子部品・デバイス・電子回路製造業、電気機械器具製造業、情報通信機械器具製造業最低賃金の改正決定の必要性の有無について(答申)
 
 当審議会は、令和3年7月16日付けをもって最低賃金法第21条の規定に基づき貴職から諮問のあった兵庫県電子部品・デバイス・電子回路製造業、電気機械器具製造業、情報通信機械器具製造業最低賃金の改正決定の必要性の有無について、慎重に審議した結果、兵庫県電子部品・デバイス・電子回路製造業、電気機械器具製造業、情報通信機械器具製造業最低賃金について改正決定することを必要と認めるとの結論に達したので答申する。

以上です。
坂本部会長  ただ今読み上げていただいた答申文案の内容でよろしいでしょうか。
各委員  はい。
坂本部会長  それでは、答申文案から案を消した文を答申文として、審議会長名で局長あてに答申することにいたします。 では、労働基準部長に答申文をお渡しすることとしますので、事務局で準備をしてください。
  (部会長より、労働基準部長に答申文を手交)
岸労働基準部長  ありがとうございます。
  (事務局より、答申文の写しを配布)
岸労働基準部長  本日電子部品等製造業最低賃金につきましては、全会一致で必要性有りとの答申をいただきました。 最後まで全会一致に向けて、真摯に御議論いただきましてありがとうございます。
坂本部会長  では、事務局からほかに何かございますか。
青柳賃金室長  それでは、次回の日程について、説明させていただきます。
 次回の日程ですけれども、机上に日程表を予定として置いております。そちらを御覧いただければと思います。
 今日電子部品につきましては、1回目の必要性の審議で御答申までいただきましたので、9月2日に予定しております必要性2回目の専門部会については、中止という形にさせていただければと思います。
 今日答申をいただきましたので、9月9日まで意見聴取の期間を置くことになります。
 この次につきましては、予定どおり9月17日金曜日午前10時から、こちらの同じ場所で開催を予定しておりますので、確認をお願いいたします。
あと、次回の金額審議の公開・非公開の確認をお願いしたいと思います。
 よろしくお願いいたします。
坂本部会長  では、次回は9月17日金曜日午前10時からの開催といたします。
 次回は金額審議となりますので、「率直な意見の交換若しくは意思決定の中立性が不当に損なわれるおそれがある場合」に該当しますので、会議は非公開としたいと思います。
 それでは、本日はこれで終了します。お疲れ様でした。
 
                                                                   坂本 知可
                                                                   堀井 説也
                                                                   高石 圭悟

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