令和3年度 第2回兵庫県鉄鋼業最低賃金専門部会議事録

 
 
日時 令和3年9月22日(水)   10時04分~11時00分
場所 兵庫労働局16階 第3共用会議室
出席者  公益委員 坂本委員、桜間委員
 労働者委員 角田委員、重宮委員、堂園委員
 使用者委員 田辺委員、中島委員、𠮷川委員
事務局 岸労働基準部長、青柳賃金室長、泉賃金指導官、倉本賃金主任、赤松職員
議題    (1) 兵庫県鉄鋼業最低賃金に係る改正の審議等について
   (2) その他
議事録 坂本部会長  それでは、ただ今から、第2回兵庫県鉄鋼業最低賃金専門部会を開会します。
 まず、本日の会議について、事務局から報告をお願いします。
泉賃金指導官  本日は原委員が御欠席ですが、最低賃金審議会令第6条第6項の規定による定足数を充足しておりますことを御報告いたします。 
坂本部会長  それでは、議事に入りたいと思いますが、事務局から何かございますか。 
青柳賃金室長  机上に配布しております資料を簡単に御説明いたします。
 資料の1から5までですが、こちらは前回お配りした資料が更新されましたので添付させていただいております。
(以下の資料について説明)
  資料No1 一般職業紹介状況(令和3年7月分)について(兵庫労働局職業安定部職業安定課)
  資料No2 管内金融経済概況(令和3年9月7日)
  資料No3 毎月勤労統計調査地方調査月報(令和3年6月) 兵庫県
  資料No4 兵庫県の経済・雇用情勢(産業労働部政策労働局産業政策課 令和3年8月27日)
  資料No5 兵庫県鉱工業指数月報(令和3年6月速報)
 続きまして、机上に2枚配布しておりますが、「兵庫県の最低賃金経年表(時間額)」と「令和3年度兵庫地方最低賃金審議会事務局名簿」ですが、こちらは「審議会委員資料」の訂正が2か所ございまして、その差替えでございます。
 事務局名簿につきましては、今月14日に局長の異動がございましたので、その関係で修正をさせていただいております。
 次に他の部会と、他局の状況につきまして簡単に御説明させていただきます。
 兵庫の他の専門部会につきまして、改正の必要性につきましては全て全会一致で必要性有の答申をいただいております。
 金額審議につきましては電気機械器具製造業と計量器等製造業が昨日までに金額改正の答申まで至っております。
 電気については28円引上げで930円、計量器につきましても28円引上げで931円の答申をいただいております。
 他局の状況ですが、鉄鋼の関係につきまして現在までに金額まで決定している局はございません。
 一番早いところは大阪で9月27日、埼玉が9月30日頃の予定と聞いております。
 以上でございます。
坂本部会長  今までの説明で確認等はよろしいでしょうか。
 特にございませんか。
 前回8月30日の部会において、全会一致で必要性は有との決議を行いましたので、本日は、改正する金額についての審議となります。
 今までの審議の中でお話しいただいている部分もありますが、ここからは金額審議ということですので、まずは、労使から金額審議に当たっての金額提示及びその理由等を御発言いただき、そこから審議を進めていきたいと思います。
 よろしくお願いいたします。
 最初に、労使それぞれで打ち合わせの時間を設けた方が良いですか。
各委員  お願いします。
坂本部会長  それでは10分程度でお願いします。
  (労使それぞれ意見調整)
坂本部会長  それでは、審議に入ります。
 まず申し出いただいた労働側委員から金額提示とその理由をお願いできますか。 
重宮委員  それでは労働側の主張ということで重宮が述べさせていただきます。
 まず、改正審議に向けた状況の確認と考え方全般について述べさせていただきます。
 昨年については、鉄鋼産業の業績が非常に厳しい状況でありました。
 こういった中にあって加えて新型コロナ感染症の世界的な拡大が重なりました。
 各企業とも通期見通しが示せないという異常事態になっておりました。
 こういった状況の中でもこれまでの兵庫県の鉄鋼業の良好な労使関係のもと、異例の取り扱いとなった必要性審議についても専門部会として必要性有を導き出していただき、更にプラス1円で全会一致で結審に至ったと、こういった経緯については尊重していきたいと思います。
 本年についても新型コロナウイルス感染症の収束には至っていないものの、ワクチン接種も進んで来ており、今後更に接種が進めば感染抑制への一定の効果も見込まれると考えております。
 こういったことから、昨年の先行き不透明感から一歩前進が図られて来ているという認識であります。
 また、鉄鋼業界の業績につきましては、鉄鋼大手ではありますが、来年の3月期通期見通しの上方修正等、回復傾向は一定の確実な形へと移行しつつあるという認識もございます。
 ただ一方で未だ新型コロナウイルス感染症による業績不振に悩まされている企業があることは労側としても承知しており、これらに対する対応については基本的には政府、行政の責任のもと、可及的速やかな対応を今後も労使で要請をしていかなければならないと考えております。
 このような状況下ではありますが、特定最賃は特定最賃として労働条件の向上及び事業の公正競争の観点からその水準を求めて行くこと、こういった趣旨に沿った審議が必要であると考えておりますので、本年の審議につきましても例年にも増して慎重な審議を重ねる必要があると考えております。
 以上の状況認識、そして考え方の中から改正額について触れていきたいと思います。
 鉄鋼業につきましては日本の基幹産業として今後も経済、産業をリードしていく立場にあります。
 ここ兵庫においても鉄鋼業の中心として大きな役割を担っております。
 そして、コロナ禍においても現場第一線で働く仲間の中には、産業別最低賃金の近傍で働く未組織労働者もおられることから、この様な方々に対して産業別最低賃金の改定を波及させていくことは、社会的セーフティーネットの観点からも見ておかなければならないと思っております。
 また一方で、現在の964円という金額につきましては、年間2,000時間働いても約192万円であり、ワーキングプアと呼ばれる年収200万円にも届いておりません。
 健康で文化的な最低限の生活を営むのに足る水準ではないと言えます。
 また、日本の生産年齢人口は1995年の8,700万人をピークに減少を続けております。
 2019年時点では7,500万人で、この20年余りで1,000万人以上減少しているのが現実であります。
 更に、2030年未来に向けては6,700万人、2055年には5,000万人を割り込むと予想されておりますので、兵庫県においても働く人口が減少する中において、継続的な産業別最低賃金の引き上げを実現すること、そのことこそが産業の魅力を更に向上させる重要なポイントとなるのではないでしょうか。
 とりわけ鉄鋼産業の中で働く若い人達はなかなか採用が難しいという状況も続いておりますので、そういった意味でも継続的に引き上げていく、ここがポイントになると思っております。
 更に本年の兵庫県最低賃金の金額につきましてはプラス28円の928円で結審をしていることでもありますし、2010年の雇用戦略対話で示されました地域別最低賃金の全国平均1,000円を目指す方針に加え、大阪の968円との地域間格差を縮小させる等を加味しなければなりません。
 これらの状況を見極めたうえで更に春闘結果として兵庫県の製造業の賃上げ率は1.68パーセントの改定を得ております。
 昨年も鉄鋼業の一部は春闘をしていないところもありますが、全体的に見ますと引上げされているところも確かにあるということであります。
 加えて政府の8月の月例経済報告の日本鉄鋼連盟の鉄鋼生産状況等を総合的に勘案しますと、本年の引上げ要請額については労働協約との差の額となります52円、金額で言いますと1,016円ということも考えられるのですが、ただ一方で先ほど縷々述べました通り、コロナ禍の状況、それからまだ鉄鋼業界が良くなってきているとはいえ確実なものではないという使側の主張もございましたので、そういったことをきちんと労側として把握した上で今回の状況の水準につきましては、本年の引上げ額を次のとおりとさせていただきたいと思います。
 金額としてプラス30円、現在の964円を994円ということで、28円プラス2円の引上げということで示させていただきます。
 この水準につきましては、これまでの労使関係、兵庫県の鉄鋼業の労使関係の中で検討した水準でありますので真摯に受け止めていただいて、前向きな検討をお願いしたいということを改めてお願いをしたいと思います。
 以上でございます。 
坂本部会長  では続いて使用者側委員お願いします。
田辺委員  それでは使用者側でございますが、私、田辺より使側としての考え方を表明させていただきたいと思います。
 先程来、重宮委員からもお話がございましたとおり鉄鋼業界全体で見ますと、昨年の状況からすると、見えている景色自体はかなり改善をしているという状況だと認識しております。
 足元で見ても民間設備投資がかなり持ち直してきており、コロナの影響ありということでございますが、国内で見れば環境的には昨年と比べると緩くなっているという実態だと認識しております。
 ただ一方で先ほど御指摘がございましたとおりで、コロナの影響もございますが、昨年はコロナの影響も当然かなり大きな要素でございました。
 ただ一方構造的な問題として、国内の鉄鋼需要がかなり減少しているという構造的な問題を抱えています。
 その中で大手中心になりますが、生産体制をかなり大きく見直しているということもございますし、価格の改定等もユーザー各社の御理解の下である程度実現をしているという実態にはなってございます。
 ただ、内需が絶対的に減っていること自体は、やはりこれは今後のリスクとしても相当大きく捉えなければならないと思っております。
 加えて、やはり原材料、エネルギーコストもそうですが、こういったコストの高騰も当然のごとく、今後のリスクとして見ていかなければならないという状況でございます。
 先ほど鉄鋼業界を取り巻く環境としてかなり需要が戻ってきているというお話をさせていただきましたが、ただ一方でコロナ期に限れば、今もコロナ期でございますが、ある程度改善はしていると言いながら、例えばコロナの前の19年に比べてもまだ十分に戻りきっていないという実態になっているということも現実として捉えていただきたいと思ってございます。
 メディアでも流れておりますが、例えば半導体の不足といったところ、正に自動車、我々にとってのヘビーユーザーである自動車業界を含めて相当減産を余儀なくされているという状況になっておりますし、これがまたコロナの中で国際的なサプライチェーンに痛みが出ている状況にもなってございますので、かなり慎重に取り扱っていかなければいけない。
 先行きの不透明さというのは、やはりまだ継続していると御認識いただきたいと使側としては考えているところでございます。
 そうした中で、この最低賃金、特に特定最賃は賃金指標としてはかなり重要な指標であると思ってございます。
 確かに地域最賃自体が28円プラスという形になってございますが、この協議の中にあって使側としてやはりかなり厳しいということで賛同という立場ではなかったというのも事実でございます。
 そういった中で、我々としては特定最賃の改定については必要性有と、それは昨年の状況とは一転しているということもあって、ここについては合意をしてございますが、ただ金額という観点に関しては相当慎重に関わっていかなければいけない、考えていかなければならない、という立場でございます。
 先ほど重宮委員からもお話がございましたが、やはり基幹産業としてもリードしていかなければいけないというところ、いわゆるセーフティーネットとしての最賃の意味合い、ここについては使側としても否定をするという立場ではないということもございます。
 そうした中でこの鉄鋼業での採用の難しさの話もしていただきました。継続的な最賃の見直し、上昇ということもおっしゃっていただいたと思っておりまして、ここに関しても使側として否定をするということは一切ございません。
 ただ、先ほど来ずっと申し上げてございますが、先行きの不透明さという中で賃金の重要指標である最賃を大きく高めていいのかということはかなり厳しいところでございまして、そういった中でぎりぎりの逡巡をして行って、結論を先に申し上げますが、使側として提示させていただく金額としてはプラス20円の984円という金額で提示させていただきます。
 これが現時点において使側として協議をした中でぎりぎりの提案内容という形になろうかと思っております。
 御理解をよろしくお願いいたします。
 以上でございます。
坂本部会長  労使双方より、金額についての提示とその理由、お考えをお聞きいたしました。
 労働側は30円引上げの994円
 使用者側は20円引上げの984円
という御主張でした。
 双方の基本のところをお聞きしましたので、これから、さらに詰めていきたいと思います。
 では、申し出いただいた労働側の委員の方々から先にお話を伺うこととします。
 別室でよろしくお願いします。 
  (以下 公労会議、公使会議) 
坂本部会長  労使双方からお話をお聞きしました。
 では、時間の関係もありますので、本日は、このあたりで一旦終了しまして、次回に引き続き審議したいと思っています。
 9月27日の大阪での金額審議の結果も踏まえながら次回審議を行いたいと思っております。
 次回の日程ですが、事務局から説明いただけますか。
青柳賃金室長  次回は9月29日午前10時に予定されておりますが、調整等はよろしいでしょうか。
坂本部会長  もし可能であれば変更をお願いしたいところですが。 
  (各委員との日程調整)
坂本部会長  それでは、私は出席出来ませんが、桜間部会長代理にお願いして次回は予定通り9月29日午前10時からの開催といたします。
 次回も金額審議となりますので「率直な意見の交換若しくは意思決定の中立性が不当に損なわれるおそれがある場合」に該当し、会議は非公開とします。
 本日はこれで終了とします。御苦労様でした。 
 
                                                                                              坂本 知可
                                                                                              重宮 秀人
                                                                                              𠮷川 和宏

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