・ 防災マニュアル作成の手引き

防災マニュアル作成に当たっての留意点

 (1) 防災マニュアルとは、非常時の基本的な「行動方針」
 防災マニュアルは、非常時における従業員の行動指針や役割分担を予め決めておくものです。従って、全従業員が常日頃からその内容を十分に理解し、いざという時に役立つものでなければなりません。
  なお、大規模地震対策特別措置法第7条第1項に基づく「地震防災応急計画」又は大規模地震対策特別措置法第8条第1項に基づく「地震防災規程」が作成されている場合は、本マニュアルとの整合性を図る必要があります。
 (2) 人命の安全確保を最優先
 防災マニュアルの目的は、人命や施設等資産の保護、業務や施設の回復に大きく分けられます。マニュアル作成に当たっては、その目的を明確にしておくことが必要ですが、何よりも人命の安全確保が最優先されるべきです。
 (3) 地域社会の一員としての視点も忘れずに
 企業防災マニュアルは、自社の安全確保を図るためのものであるということは言うまでもありませんが、余力があれば、近隣の事業所を助けるといった視点も忘れてはならないでしょう。災害が大規模になればなるほど、お互いに力を合わせることが必要になります。
 (4) マニュアルは、簡潔、明瞭に
 防災マニュアルは、いざという時に役立つものでなければ意味がありません。全従業員が常から内容を把握し、非常時に協力しあえるものにするには、マニュアルの目的と方針を明確にするとともに、できるだけ文章を短くし、要点が簡潔、明瞭に整理されていることが必要です。
  1. 災害時の組織体制
    1. 非常時の本部機構と活動ごとの役割分担を決めておく
        非常事態に速やかに対応できるように、方針決定機関である本部機構(名称については防災対策本部など)の構成メンバーと設置基準、設置場所、情報収集、応急救護等役割分担を予め決めておく必要があります。
    2. 本部機構の構成メンバーには、社内の最高方針を決定できる人を含めて
        本部機構には迅速な方針決定が求められます。事業所の最高方針を決定しうる職位にある人を含んでおくとともに、その代行者も予め決めておく必要があります。
    3. 交通機関や自動車を使わずに来社できる人も含めて
        夜間等で公共交通機関が運行していない時間帯や自動車が動かない状態であっても、自宅から徒歩や自転車で30分以内に事業所に到達できる人を含んでおくことが必要です。
        またトップの参集手段を考えておくことも重要です。
    4. 本部機構の設営場所は、一定の広さと設備を確保できること
       本部機構の設営場所は、本部要員が配置につけるだけの空間と、通信機器等の必要設備が常に備わっていることが求められます。
    5. 自衛消防隊が編成されている場合には、実働部隊として活用する
        消防法に基づき自衛消防隊が編成されておれば、火災以外の災害についてもその組織を活用することが効果的です。
  2. 情報の収集と提供
    1. 情報収集の内容を明確にしておく
        どのような情報を誰が収集し、また提供するのかといった点を明確にしておく必要があります。
    2. あらゆる事態を想定し、二重三重の通信手段を用意する
       通信回路が途絶した場合に備えての自転車やオートバイを含め、様々な通信、広報手段を用意しておくべきです。
    3. 情報は一元化する
        的確に情報を収集しまた伝達するためには、これらの情報を一元化する体制を組んでおくことも重要です。
    4. 平素から、社内や近隣企業との情報交換を積極的にする
        いざという時に本当に役立つシステムは、常日頃から使い慣れていることが条件です。社内だけでなく、近隣の企業と仲良くなっておくことも非常時の情報収集に大変役立ちます。
  3. 緊急連絡網
    1. 緊急連絡網をつくっておく
       情報が一元化できる構成とする。
       一つのグループ(枝)の人数は、早く連絡を完了するために、5人以内とする。
       各従業員は離れた地域の2箇所以上の連絡先を登録する。(自宅と親・兄弟姉妹・子等)
        電話連絡を前提とするが、電話回線が使えない場合のことも想定しておく。
    2. 連絡網への登録は、常に最新のものを
        連絡網の登録内容は最新のものでなくては意味がありませんし、またこの連絡網を使った訓練を定期的に行うことも非常時に有効です。
  4. 応急救護、初期消火、避難等
    1. 人命保護を最優先
    2. 避難場所や参集場所を予め決めておく
    3. 近隣企業や来訪者、従業員の家族への援助活動も
        自社の被害程度が軽く余力がある場合は、近隣企業や従業員の家族等への援助活動も素早く実施できる体制を構成しておくことが望ましい。
    4. 帰宅困難者対策
        警戒宣言が発令された場合、公共交通機関の運行が停止することを考慮し、公共交通機関を利用している従業員に対しては、注意情報が出された時点から遠距離通勤者から帰宅を促す等の配慮が必要です。
  5. 工場・設備の復旧(2次災害の防止)
    1. 操業再開のための基本条件を設定しておく
        被災後は罹災程度の調査に基づいて保安・防犯体制を確立するとともに、応急復旧のための再建計画が速やかにたてられなければなりませんが、その優先順位を決定するに当たって操業再開のための基本条件を予め想定し、設定しておくことが有効です。
    2. 復旧作業に係る安全衛生を確保する
        復旧作業には通常作業とは異なる危険が伴いますので、復旧作業独自の災害防止対策が必要です。
        崩壊、倒壊、爆発等の発生の危険のある箇所へ立ち入る場合、2次災害の防止が必要です。
    3. 同業他社との相互支援体制を確立しておく
        災害直後は、建設・設備業者の手配も困難になります。非常時の同業達者との相互支援や応援体制についても取り決めておくことも望まれます。
       また、ライフライン休停止期間中の代替案を関係企業と調整しておくことも重要です。
  6. 災害予防対策
    1. 日頃から建築物・機械設備・什器類等の耐震対策や火気使用・危険物等の安全確認を行う
        事業所の建築施工図面は、万一の場合の復旧作業のためにも必要なものですから、保管には十分な注意が必要です。
    2. 非常持ち出し品は最小限とする
       人命の安全第一という観点から、重要書類や物品の持ち出しは行わず、耐火金庫等に保管し、持ち出すとしても極めて限られたものにすべきです。
        非常持ち出し品は、リストに整理し、責任者やその代行者が予め決められている必要があります。
    3. 非常用持ち出しナップザックを常備しておく
        非常持ち出し品とは別に、緊急避難時の安全を確保する必需品をつめたナップザックを用意しておくことも必要です。
      緊急避難用ナップザックの収納品例
       ・救急医療品セット ・携帯ラジオ ・懐中電灯 ・社員名簿
       ・予備電池 ・硬貨 ・軍手 ・笛
    4. 災害に備え、非常用品を備蓄する
        備蓄は3日間程度対応ができることを前提にすべきです。
        また、その保管場所は災害時に被害を受けにくい安全な箇所を確保すべきです。
       生活用水の確保手段として、受水槽やスプリンクラー用水の残水を活用することが有効です。
    5. 備蓄品は定期的に点検する
      備蓄品リストの例
      <食糧・炊事用具>
      飲料水 缶入り飲料 非常食 粉ミルク 米 梅干 味噌 醤油 食塩
      ポータブルコンロ 調理用燃料 やかん フライパン 鍋 包丁 まな板
      缶きり栓抜き 食器 バケツ ポリタンク ビニール袋 水筒 飯盒 哺乳瓶
      ボンベ式コンロLPガスボンベ
      <衣料>
      毛布 ビニールシート タオル 寝間着 布団 枕 シーツ 寝袋 軍手 靴下
      下着ビニール合羽
      <生活用品>
      懐中電灯 電池 ローソク 電球 カイロ 石鹸 歯ブラシ くし 髭剃り 洗剤
      ロープ 洗濯ばさみ 洗面器 たわし スポンジ 布巾 ほうき 雑巾
      生理用品トイレットペーパー ティシュペーパー 水のいらないシャンプー
      <救急器材>
      救急医薬品 消毒薬 ガーゼ 脱脂綿 三角巾 包帯 絆創膏 はさみ ピンセット
      担架
      <復旧機材>
      大工道具セット 荷造り紐 針金 エンジンカッター 小型発電機 発光機
      油圧ジャッキ スコップ バール はしご 脚立 かけや
      <その他>
      ラジオ テレビ トランシーバー 自転車 バイク テント リヤカー 携帯電話
  7. 防災の訓練・教育
    1. 防災マニュアルの内容を、従業員一人ひとりが十分に理解する
        防災マニュアルは全従業員がその内容を理解し、初期対応の重要性を認識していてこそ役立つものです。常から防災教育は欠かせません。
    2. 防災訓練を定期的に開催する
        防災訓練は一部の従業員だけでなく、全従業員が参加すべきです。
      防災訓練の内容
       例緊急連絡、非常召集訓練
        緊急連絡網による訓練、非常参集訓練
       防護訓練
        地震によるガラスの飛散、物品の転倒等を想定し、わが身を守る訓練
       出火防止訓練
        電源遮断、ガスの供給停止、石油等の漏洩防止等の訓練
       通報・連絡訓練
        119番通報、放送設備による連絡訓練等
       消火訓練
        出火を想定し、消火器、屋内消火栓等の取扱い訓練
       救出・救護訓練
        けが人の救出、応急手当、搬送等の訓練
       避難訓練
        避難誘導訓練 広域避難場所までの避難等の訓練情
       報収集訓練
        事業所内や周辺地域の被害状況についての情報収集・伝達訓練
       水防訓練
        防止板の取り付け作業や土嚢積み等の訓練

○○株式会社  防災マニュアル(例)

平成  年  月  日作成

目次
   はじめに
   第1章 地震防災応急対策に係る措置
   第2章 初期活動
   第3章 災害の防止又は軽減を図るための措置等
   第4章 警戒宣言の解除に係る措置
   第5章 復旧
   第6章 災害予防対策
   第7章 防災訓練・防災教育

・・・・・・・・はじめに・・・・・・・・・・・

 当マニュアルは、従業員や資産、業務の推進等に大きな被害をもたらすおそれのある東海地震に備えるためのものである。

   第1  人命の保護を最優先する。
   第2  資産を保護し、業務の早期復旧を図る。
   第3  余力がある場合には近隣事業所への協力に当たる。

以上を基本方針とする。
当マニュアルによって迅速的確な対応をすることが、災害による被害を軽減することになるので、全従業員は予めこの内容をよく理解しておかなければならない。

 第1章 地震防災応急対策に係る措置

  1. 東海地震に係る情報(観測情報、注意情報、予知情報)の収集伝達
    1. 社長は○○課長を情報責任者に、○○係長を同代理人に指名する。
    2. 情報責任者は、東海地震に係る情報収集に努める。
    3. 情報責任者は、大震法に基づく警戒宣言が発令されたことを知った場合は、速やかに警戒宣言等の内容について、テレビ、ラジオ等により記録、確認し「警戒宣言予知情報受信票」により社長に報告する。
    4. 社長は、警戒宣言等の発令の報告を受けたときは、2以下に定める事項を行う。
    5. 地震予知情報に係る情報等の伝達組織
      1. 別表1による
      2. 勤務時間内においては、所内一斉放送により事業所内にいるすべての者(外来者を含む。)に確実に伝達する。
    6. 緊急連絡網の整備
        就業時間外に地震予知情報等が発せられた場合等、防災対策本部と従業員間又は従業員同士間の情報伝達等を確実に行うため、緊急連絡網を別表2により整備する。
      緊急連絡網の使用上の注意事項
      ア  情報伝達文は、あらかじめ定型化して定めておく。
      イ  長電話になりがちであるので、指定された次の従業員への連絡は速やかに行う。
      ウ  次の従業員と連絡がとれないときは、その従業員を飛ばして次の従業員へ連絡する。
      エ  電話で連絡がとれない従業員については、指定した者(連絡がとれない従業員宅の最寄に住む従業員等)が直接訪問する。
      オ  この緊急連絡網は、防災対策本部からの情報伝達用連絡網として使用される。
  2. 地震防災応急体制の確立
    1. 警戒宣言が発令された場合、地震防災対策を迅速かつ確実に実施するため、直ちに防災対策本部を設置する。
    2. 防災対策本部の組織は別表3、構成員の任務は別表4とする。
      (警戒宣言が休日、夜間等に発令された場合における防災対策本部の設置・組織構成についても定める必要があります。)
    3. 防災対策本部の設置場所は○○とする。
      (設置場所は、地震が発生しても安全な場所である必要があります。)
  3. 避難の指示又は勧告等
    1. 避難の指示又は勧告
      1. 防災対策本部長(以下「本部長」という。)は、防災対策本部設置後直ちに防災対策本部要員以外の従業員に対し、避難計画により、避難を指示し、事業所内の外来者に対し避難を勧告する。
        (避難場所、ルートは、掲示できる大きさの地図をあらかじめ作成しておく必要があります。市町村の指定する、津波・がけ崩れ等の避難対象地区にある場合は指定避難場所を記載する必要があります。)
      2. 避難する場合は、救護係○○の指揮に従い避難する。
      3. 避難の確認
        救護係○○は、避難が完了後、避難確認簿により、本部長に報告する。
    2. 防災対策本部要員の待機
      防災対策本部要員は、所定の防災活動を行い、完了後は本部長に報告し、定められた安全な場所に待機して災害の発生に備える。
    3. 非常持ち出し用として、非常用ナップザックを準備し、次のものを収納しておく。
      (後記 第5章 2)
      応急手当セット、ラジオ、懐中電灯、社員名簿等

社屋も使用できなくなるような壊滅的な大被害をもたらす大地震時には従業員の落ち合い場所を決めておくことも必要です。

<避難確認簿例>
番号 氏名 職場名 避難先 避難経路 備考

 第2章 初期活動

  1. 応急救護
    1. 従業員による応急処置
      とりあえず救護係による応急手当を実施する。
    2. 医療機関への搬送
      119通報により救急車を要請するが、救急車の到着が望めない場合は、社用車に(又は担架)より○○病院へ搬送する
  2. 初期消火
      万一、火災が発生した場合は、防火・消火・防水係が中心となり、火災が大きくならないうちに初期消火に努める。(併せ119番通報するが、大地震の場合は、消防車の到着が遅れることを考慮する。)

 第3章 災害の防止又は軽減を図るための措置等

  1. 本部長の指示により、各担当者は別表5に掲げる措置を行うとともに、機械設備点検係は巡視点検を行い、災害の防止又は軽減を図る措置を行う。
  2. 警戒体制及び連絡措置
    本部長の指示により、総括係は各係を通じ次の確認を行う。
    (1)  事業所内の火気制限の確認
    (2)  事業所内の警戒態勢の確認
    (3)  通信連絡手段の確保及び情報の伝達
    (4)  事業所内外の状況把握
    (5)  その他安全対策上必要な措置の確認

 第4章 警戒宣言の解除に係る措置

  1. 本部長は、警戒宣言の解除が発令されたときは、第3章に定める災害の防止又は軽減を図るための措置に係る指示を解除する。
  2. 工場内立入りは、警戒係の工場内安全確認巡視後とする。
  3. 本部長は災害のおそれがないと認めたときは、防災対策本部を解散する

第5章 復旧

  1. 復旧に着手するまでの流れは、別表6とする。
  2. 復旧に係る留意事項
    (1)  事務所使用不能時の仮事務所を確保する。
    (2)  被災建物の警備体制を確保する。
    (3)  被災事業所の所在する地域社会の救護活動及び復旧計画には、進んで協力する。
    (4)  避難場所の提供に協力する。
  3. 復旧作業に係る安全衛生の確保(2次災害の防止)
     被災した自社の建築物等に係る復旧作業を自社の従業員に行わせる場合には、従来の労働災害とは異なる労働災害の発生するおそれがあるので、別紙1の「復旧作業に係る安全衛生作業要領」に基づき安全作業に努める。

第6章 災害予防対策

  1. 事務所、工場等の建物その他機械設備の耐震強化
    1. 建物の全般的定期点検と補強及び補修箇所の必要事項を洗い出し、計画的に実施する。
    2. 重心の高い機械設備等は、床、壁、柱等に固定する等倒壊防止対策を実施する。
    3. 看板、ブロック、ガラス等の落下転倒防止対策を実施する。
    4. ロッカー類什器の転倒防止を実施する。
    5. ストーブ、湯沸かし器、消防用設備等の安全確認と点検を実施する。
    6. コンピューター、複写機、FAX等情報機器類の安全対策を実施する。

  2. 火気使用設備等の火災・爆発防止
    1. 火気使用設備については、感震装置による燃料・空気のしゃ断又は放水装置等の自動消火設備を設置する。

  3. 有害物等の漏洩防止
    1. 特定化学物質等の有害物の大量漏えいのおそれのある設備については緊急しゃ断装置又は防油堤等を設置する。
    1. 出入口の屋外側には、上部からの落下物を防護するため庇等を設ける。


    2. 5  重要書類の保管と非常用ナップザックの管理
      (1 )重要書類は、耐火金庫に保管する。
      (2 )非常用持ち出し書類は最小限とし、火災又は爆発の危険のあるときに限る。
      (3 )非常用ナップザックに下記のものを収容し、救護係は内容物の数量及び有効期限を確認して常に使用可能な状態にしておく。
      (4 )非常用ナップザックは、( 保管場所を記載 )に各セット保管する。

      No. 品名 数量 No. 品名 数量
      1 救急医療セット 1セット 軍手 1
      2 携帯ラジオ 1 ごみ袋 1セット
      3 懐中電灯 1 ウォーターパック 1セット
      4 予備電池(ラジオ、電灯用) 1セット
      5 現金(小銭) 1セット
      6 テレホンカード 3
      7 社員名簿 1
      8 ライター 1
      9 タオル 1
      10 コップ 3

      6  非常用備品の保管整備
      非常等備品は下記のとおりとする。
      食糧夜具係は、毎年9月1日現在の数量、内容物の保存状態を確認し、本部長に報告する。 No. 品名 数量 保管場所 保管責任者
      食料 1 飲料水
      2 食料品(乾パン、ラーメン、缶詰等)

      生活用品 3 毛布
      4 炊き出し道具(カセットコンロ、カセットボンベ、鍋)
      5 食器セット(皿、紙コップ、箸)
      6 ポリタンク

      各種機材 7 防水シート
      8 土のう
      9 ロープ
      10 救急箱
      11 スコップ
      12 照明器具

      その他


第7章 防災訓練・防災教育
1  防災訓練
  迅速かつ的確な行動がとれるよう、総合防災訓練を毎年2回以上実施する。
(内1回は、原則として毎年9月1日に実施する。)
訓練には、次の事項を盛り込むものとする。
(1)  地震発生時の初期対応に関すること。
(2)  災害対策室の設置及び運用に関すること。
(3)  情報の収集、伝達に関すること。
(4)  火災発生時の対応に関すること。
(5)  救出救護に関すること。
(6)  通報・初期消火・避難に関すること。

2 防災教育
  次の教育を毎年1回以上実施する。 (1)  各員の任務と行動基準について
(2)  地震災害の一般知識について
(3)  応急措置について

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別表1  地震情報伝達組織

 

 

 

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別表2  緊急連絡網

 

 

 

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別表3  防災対策本部の組織

 

 

 

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別表4 防災対策本部構成員の任務等

役  割 任  務
本部長 ・防災対策本部全般を統括し、人命の保護、火災の発生等二次災害発生防止対応策を決定し、指示する。
・防災対策本部の対応内容を関係官公署、協力事業所への連絡を迅速にとる。
隊長 ・隊長は総括係を統括し、各課及び防災対策本部各係の対応策の進行状況について指示及び監督をする。
情報責任者 ・警戒宣言の受領、製造所内外の地震に関する情報及び防災対策本部要員等の報告を処理し、管理する。
防災対策本部要員 ・防災対策本部の組織を構成するものをいい、事業所責任者より指名された者で、各係の任務を行う。

各係の任務

総括係 ・防災対策本部の設営
・その他対策本部の運営に必要な事項
食糧・夜具係 ・食糧、飲料水、炊飯用具等の確保
・テント、寝具の確保
渉外係 ・ラジオ、テレビ、無線機等の確保
・その他渉外として必要な事項
救護係 ・救急用具、医療品の確保
・避難場所の設営(負傷者等受入れ準備を含む。)・その他救急体制に必要な事項・
防火・消火・防水係 ・消火器、消防ポンプ、消火栓、消火ホース等の点検整備
・消火設備の作動確認及び水量の確認
・漏水及び冠水等に係る水防対策
・その他、水防上必要な事項
設備点検係 ・防災資機材の確保及び整備、点検
・非常用電源の点検
・非常用照明器具の整備、点検・ガス漏れ検知器の整備、点検
・動力源の供給、切断と二次災害の防止策
・その他施設及び設備の防災上必要な整備、点検*施設、設備及び防災資機材については、警戒宣言の解除後においても常に整備されていること。

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別表5 災害の防止又は軽減を図るための措置

1  すべての機械・装置・機器の運転及び作業を直ちに停止し、次の措置を取る。
ア 機械、電熱等の電源の遮断を行う。
イ 配管類について、バルブを閉止する。
ウ ポンプ設備について、電源を遮断する。
エ ボイラー・焼却炉等の遮断を確認する。
オ 非常通報・警報設備について、非常用電源等の作動確認を行う。
カ 安全装置(緊急停止)について、作動の点検、開閉の確認を行う。
キ 消火設備について、作動の点検、水利の確保、消火機械の配置を行う。
ク 補修用資機材は点検し、必要な場所に分散配置する。
ケ 製品・原材料置き場等において、製品・原材料の落下・転倒防止措置を図る。
コ 台車等の走り出すものは固定する。



2  機械、装置等設備の運転及び作業を直ちに停止できない場合の措置
緊急停止した場合、火災が発生するおそれのある(  設備名  )の作業工程についいては、次により制御運転を行う。 (安全を図りながら操作する手順、地震を感知した場合に取るべき手順等を記載する。)

3  その他災害の発生防止又は軽減を図るための措置
(各事業所の施設、設備に応じて具体的に作成する必要があります。)

 

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別表6  復旧の流れ

 

 

 

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別紙1 地震発生後の復旧作業に係る安全衛生作業要領

1  目的
    本要領は、事業者が自社の被災建築物、機械設備等(以下「建築物等」という)に係る復旧作業を労働者に行わせる場合において、震災後の混乱の中において、短期間かつ事前準備が不十分のまま作業が行われることが想定されるため、通常作業の労働災害とは違った労働災害の発生が懸念されることから、復旧作業に対応した安全衛生管理体制を確立すること等により、復旧作業に係る労働災害を防止することを目的として定めるものである。
2  安全衛生管理体制の確立
    被災後において、被災前のメンバーによる安全衛生管理体制が組織できれば、この組織を利用し、復旧作業に係る安全衛生管理体制を整備する。
  なお、復旧作業については、通常作業とは異なる災害が発生するおそれがあるので、復旧作業に係る十分な知識、経験を有する者を加える必要がある。
  また、自社の建築物等の復旧工事を建設業者等専門業者に請負わせる場合には、発注者として対応が必要である。

3  事前調査
    復旧作業に当たっては、建築物等の被災状況を十分把握し、作業の安全性を考慮に入れ、自社労働者に当たらせるか、専門業者に請負わせるか、機械設備関係技術者を加えて十分検討する。
4  作業計画
    事前調査結果に基づいて、作業箇所、作業方法、安全対策等に係る復旧作業計画を策定し、当該作業計画により作業を行う。
  当該作業計画は、関係労働者に十分周知する。
5  作業指揮者
    復旧作業には、作業ごとに作業指揮者を定め、その者に作業計画に基づき作業の指揮を行わせる。
6  復旧作業の安全確保
  (1)自社労働者に対する安全確保
(1)  震災後、事前調査を含め、建屋内に入る場合は、保護帽を着用し、建屋の安全状況、ガス・有害物等の漏れ、電源の遮断状況等を確認してから入る。
(2)  建屋内では、飛来落下のおそれのある物の有無、転倒のおそれのある機械設備の有無等を確認し、あれば除去又は転倒防止策を講じた後作業に取りかかる。
(3)  フォークリフト等運役運搬機械については、通常の用途とは別の使われ方がされるおそれがあるので用途外使用について留意する。
(4)  高所作業では、安全帯の使用を徹底する。
(5)  粉じんが発散する作業では、防じんマスクの着用を徹底する。
(6)
(2)請負業者に対する安全対策
(1)  工事等を専門業者に発注する場合には、施工方法、工期等について安全で衛生的な作業の遂行をそこなうおそれのある条件を附さないよう配慮する。
(2)  建屋の修理等に当たっては、事前に新築時及び増改築時の設計図書等を提供し、配管等の位置を確認させる。
(3)  機械設備の修理についても、事前に仕様書等の情報を提供する。
(4)  自社労働者と輻輳して作業が行われる場合には、請負業者との連絡調整を密にとる。
(5)

7  操業再開に当たって安全の確保
    操業再開に当たっては、機械設備に係る点検整備チェックリストを使用し、機械設備の安全性を確認し、試運転を行ってから労働者に使用させる。
8  安全衛生教育
  (1) 地震が発生し、復旧作業が生じることを想定し、復旧作業に係る安全衛生教育を防災教育に併せ実施する。
(2) 復旧作業は下記災害の発生が想定されるので、作業前には必ずKYKを実施する。

屋根作業におけるスレートの踏み抜き災害
脚立、はしご、機械設備等からの墜落災害
不安定な機械設備の倒壊災害
散乱した原材料等による転倒災害
不安定な場所に置かれた原材料の飛来落下災害
操業再開時における機械設備による挟まれ・巻き込まれ災害
散乱した原材料等の片付け作業による切れ・こすれ災害
重量物運搬に係る運搬機械災害
ガス等の漏洩による爆発災害・急性中毒
感電災害
重量物取扱いによる急性腰痛


   
     
     
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