労働基準監督官に興味のある方へ

 労働基準監督官は、最終試験合格後、各都道府県労働局の採用面接を経て採用されることになっています。そのため、国家公務員ではありますが、採用当初から地域に定着・密着して業務を行うことになります。
 山梨労働局では、山梨県出身者はもちろん、多くの県外出身の監督官が働いています。


■労働基準監督官とは
 労働基準監督官は、厚生労働省に所属する国家公務員です。ILO第81条条約に基づき、日本に限らず各国に設置されています。あらゆる業種の事業場に立ち入り、法に定める賃金・労働時間や安全衛生に関する基準などが守られているかを調査し、必要な指導を行うことによって、労働条件確保およびその向上を図ることが、私たちの任務です。
  詳しい業務内容は厚生労働省の労働基準監督官採用ページを御覧ください。
 労働基準監督官のプロモーションムービーもあります。
 先輩監督官のインタビュー動画  ※山梨局の中村監督官が出ています。

 山梨局若手監督官のインタビュー動画 

■山梨で労働基準監督官になるということ
 山梨県には、山梨労働局の下、労働基準監督署が3署あります。山梨県の事業所は全国の1%もなく、私たちは全国で最も規模が小さい労働局の一つです。
 それでも約3万の職場で、約33万人もの人が働いています。中小企業が多いのも、山梨県の特徴で、港湾関係を除いた一通りの産業があります。特に盛んなのが、富士五湖といった観光地を中心とした宿泊・サービス業や、電気機械器具等の製造業ですが、ジュエリー、ワイン、織物、印章、和紙といった、県の風土に根差したさまざまな地場産業もあります。
 また、生活するにも、甲府周辺であれば、異動の際に転居することもなく落ち着いて暮らすことができます。
 山梨でなら、自らのワークライフバランスを保ちながら、労働基準監督官として県内の魅力ある産業で働く人たちを守っていくことができます


■職場について
・山梨労働局
 JR甲府駅から徒歩1分。監督課に加え、健康安全課や労災補償課、雇用環境・均等室で労働基準監督官が活躍しています。





 
↑山梨労働局の庁舎
・甲府労働基準監督署
 JR甲府駅からバスで10分程度。職員は、自転車、バス、自家用車等で通勤しています。
 山梨県は甲府周辺に産業が集中しており、甲府署は多様・多種な事業場を所轄しています。
 大手の半導体装置メーカー、医薬品メーカー等の大規模工場があるほか、中規模工場が集まった工業団地も多数あります。地場産業として、宝飾品製造、葡萄酒生産が盛んです。山梨局の若手監督官の多くが、甲府署で活躍しています。

 

↑甲府署の執務風景
・都留労働基準監督署
 JR大月駅から乗り換え、富士急行線の赤坂駅の目の前にあります。
 富士山周辺には大規模テーマパークを初め観光施設が多くあり、宿泊業、商業が盛んです
 また、地場産業として郡内織物が有名で、昔からの反物に加え、ネクタイや洋傘の工場が多くあります。山梨県最大の事業場である、世界的な産業用ロボットメーカーがあります。


 
↑沿線沿いにある都留署
・鰍沢労働基準監督署
 JR鰍沢口駅から自転車で15分程度、最寄りのバス停からは徒歩2分程度の場所にあり、電車、バスいずれを利用しても、甲府駅から1時間程度で通うことができます。
 他署ほどの忙しさはありませんが、広大な地域を管轄しています。東西に山々が位置しているため、土木工事が多く、林業が盛んです。この他に、地場産業として、和紙花火の生産が盛んな地域もあります。
 敷地内に大きな桜の木があり、また、署の近くには、さくら名所100選に選ばれた大法師公園があるため、豊かな自然の中で、四季を感じながら働くことができます。
↑鰍沢署の敷地内にある桜の木
    

■山梨で監督官として働く魅力
ポイント①忙しすぎないからこそ、一つの事案に全力で取り組めます。
  監督官の仕事は、法律違反を指摘するだけでは終わりません。いかにして改善してもらうかこそが、労働基準監督官としての腕の見せ所です。
 
山梨労働局なら、一つ一つの事案に全力で取り組めるので、事業場や働く人との信頼関係を築きながら、丁寧できめ細やかな指導を行い、よりよい労働環境を実現していくことができます。
 

■山本監督官
 私たちが行う行政指導は、事業主からの是正報告を確認して終了します。しかし、ただ画一的な行政指導をしただけでは、事業主はその場しのぎの対応(報告)となってしまうことも多く、本来私たちが求めたい継続的な法令遵守に繋げることはできません。
 そのため、行政指導に至った経緯や会社の抱える課題を事業主に懇切丁寧に説明して、納得してもらったうえで改善してもらわなければなりません。時には、事業主と一緒に具体的な改善策を考えることもあります。これは、一つ一つの事案に丁寧に携わり、事業主との信頼関係を構築することができるからこそできること
であり、規模の大きい労働局では難しいことです。
 また、一つ一つの事案に丁寧に携わることは自身の能力向上にも繋がると思います。
 



ポイント②全体の規模が小さいからこそ、手応えを感じられます。
  通報などがなくても能動的に実施する定期監督は、監督官の本来業務であり、継続的な労働環境の向上のためには、とても重要な仕事です。また、法令の周知をしたり、より良い労務管理を行うための講習会を開催することもあります。全体の事業場数が少ないからこそ、より地域に密着した指導ができ、地域全体の労働環境が改善されていく手応えがあります

 
■甲府署 篠原署長
 労働基準監督官の業務は、事業場への監督指導、クレーン等特定機械の検査、労災補償など非常に幅広いものです。大規模な労働局や監督署では、それぞれの業務を担う部署も大きいため、所属する部署以外の業務を理解するのは容易ではありません。
 しかし、山梨局は規模が小さいからこそ、部署を超えた業務連携も頻繁に行われるため、広い視野、高い視点を持って業務を遂行することが可能です。これは、労働基準監督官としての能力・資質を向上させる点で、非常に恵まれた環境と言えます。
 また、大都市よりも地域に密着した活動が可能であり、行政指導による改善効果が身近に感じやすいことから、やりがいのある仕事であることが大いに実感できます。



ポイント③積極的に司法警察業務を行っています。 

 監督官は、行政官として、そして司法警察官としての二つの顔を持っています。できる限りの解決を目指すため、行政官として細やかな指導を心がけていますが、それでも解決できなかったり、悪質な事案である時には、私たちは司法警察官として活動することになります。
 山梨労働局では、若手監督官に司法警察業務のノウハウを培ってもらうため、積極的に主任捜査官に登用しています。
 
■中村監督官
 山梨は小規模な労働局なので、捜索差押、通常逮捕などを行う際は、局内監督官全員体制で臨むことが多くあります。局内で発生する大きな事件に
早い時期から関与する機会がある山梨では、早い段階から司法警察官としてもスキルアップ出来る環境があります。
 6年目監督官が主任捜査官となり、大規模な強制捜査を実施したこともあります。

 


ポイント④若手の労働基準監督官のための研修が充実しています。
 労働基準監督官の仕事の中には、机上の知識だけで解決できない問題が生じることも多くあります。このような問題を解決するには、労働基準監督官としての経験こそが物を言うのですが、山梨労働局では、このような経験をいち早く身に着けてもらうため、実際の業務に近い状況を想定した研修を多く実施しています。具体的には、労災事故の発生状況や原因を調べる実況見分や災害調査のロールプレイング研修を実施したり、日常の生活に馴染みがなく、専門的な用語が多い業種の定期監督に、先輩の職員が同行したりしています。当然、これらの現場での研修の前に座学研修も行いますので、知識と実際の業務を紐付けながら、労働基準監督官の業務に必要な能力を培っていくことができます。規模の小さい山梨労働局だからこそ、一人一人の状況に応じた丁寧な研修を行うことができます。
 

↑実際の研修風景


■よくあるご質問
・給料や福利厚生はどうなっていますか?
 初任給は186,900円+地域手当です。このほか、扶養手当、住居手当、通勤手当、期末・勤勉手当等が支給されます。
 年次有給休暇は、採用年は15日、以降は年20日付与され、山梨労働局の職員は高い有給消化率となっています。
 住宅手当は家賃額によりますが、月額最高28,000円です。山梨県内の
1K/1DK~1LDK/2K/2DKの平均家賃は、月額4万円~5万1千円くらいと言われています。
 また、山梨県内には単身用・世帯用の公務員宿舎が用意され、多くの若手監督官が入居しています。
↓ 写真は山梨県内の若手監督官が住んでいる宿舎の一例です。

キャリアパスを含め、詳しい情報は厚生労働省の労働基準監督官採用ページを御覧ください。

・山梨県以外の出身ですが、大丈夫でしょうか?
現在山梨労働局にいる労働基準監督官の多くが県外出身者です。
  首都圏からのアクセスが良い。
  県内異動でも転居不要。
  小規模局だからこそ働きやすい。
  趣味のアウトドアをしたい。

こういった理由で山梨を希望して定着した監督官が多くいます。また、多くは甲府市内在住ですが、中には北杜市や富士山麓の別荘地帯に住んでいる監督官もいます。

・質問をしたい。官庁訪問をしたい。
随時受け付けております。もし少しでも興味を持っていただけたなら、山梨労働局監督課(Tel.055-225-2853)まで、お気軽にご連絡下さい。

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