高校生や中学生などを雇用するときの注意点

   ~高校生について~
Q:高校生のアルバイトについては、大学生や専門学校生と同様の労務管理をすればいいですか?また、高校生と、年齢的には高校生相当だが学校には行っていない場合とで取扱に差がありますか?
 
A:18歳未満であれば労働基準法では「年少者」に当たり、特別な保護規定があります。学校に在籍しているかどうかということは、「年少者」の判断には関係ありません。そのため、高校三年生でも満18歳になれば「年少者」ではなくなるので、通常の労働者と同様の労務管理をしても労働基準法上は問題ないですが、学校とアルバイトの両立については一定の配慮が必要でしょう。  
 
Q:「年少者」であることによる保護規定とは、どのような内容ですか?
A:満18歳以上の労働者に比べ、労働時間関係では、時間外労働の禁止、原則として深夜業の禁止という規制があり、また、衛生学的に抵抗力が弱く、危害を十分に自覚しない発育過程にあることから、重量物を取り扱う業務、クレーンの運転などの危険な業務、毒劇物や危険物を取り扱う有害な業務への従事禁止などの規制があります。
 
Q:具体的にコンビニやファーストフード店、ガソリンスタンドなどでのアルバイトで注意点はありますか?
A:まず、コンビニやファーストフード店で年少者を雇う時の注意点としては、一部例外を除いて深夜業に従事させられないということです。そのため、22時以降のシフトに就かせることはできません。
 次に、ガソリンは危険物に該当していますが、スタンドでの給油作業過程に発火又は引火の危険は認められないことから給油作業に高校生アルバイトも従事させられます。 仕事内容に疑問がある場合は具体的な作業内容を労働基準監督署に相談するとよいでしょう。
 また忘れてならないことは、コンビニなどに限らずすべての事業場は、年少者であることを確認するため年齢を確認する年齢証明書として「住民票記載事項証明書」または「戸籍記載事項証明書(一部記載事項証明書)」を労働者から提出させ、事業場に備え付けておく必要があります。戸籍記載事項証明書(一部記載事項証明書)については、労働基準法第111条により、労働者の本籍地の市町村長もしくは区長に無料で証明を請求することができ、また労働者からだけではなく、労働者を使用する者からも請求できます。
 
Q:インターネットなどでアルバイト募集広告情報をみると、高校生は一般の人と比べ時給が低くなっていることがありますが違法ではないのですか?
A:パート・有期労働法第8条において、同一企業内の、正社員と非正規労働者の間での不合理な待遇差の禁止をしています。
 高校生などのアルバイト募集の時給が低い求人がままあるのは事実で、様々な理由があると思います。しかしながら、パート・有期労働法で規定されているのは、正社員と非正規雇用労働者との間の不合理な待遇差の解消ですので、非正規雇用労働者間の格差については解消の対象としていません。

 
  ~中学生について~
Q:中学生は働かせて良いのですか?
A:労働基準法では使用できる労働者の最低年齢を定め、「児童」(満15歳に達した日以後の最初の3月31日までの者)を労働させることは、原則としてできません。
 しかし、13歳以上の児童については、労働基準法第56条第2項にて、労働基準監督署長の許可を受けた場合には、就学時間を含め1日7時間以内の範囲で労働させることができるとしています。「映画演劇業」に限っては、子役が必要であるため、13歳未満であっても使用許可申請をすることができます。
ただし、製造業、建設業、運送業などの指定業種のほか、旅館、飲食店、娯楽場における業務など、「児童の健康及び福祉に有害であり、かつその労働が軽易でないもの」とされている業務については、労働基準監督署長の許可を受けることができません。過去、許可された代表的な業務は「新聞配達」でした。
 使用許可申請は、児童の年令を証明する戸籍証明書、その者の修学に差し支えないことを証明する学校長の証明書及び親権者又は後見人の同意書を添えて、管轄する労働基準監督署長に行います。 申請書のひな形及び記載例は、山梨労働局ホームページ内「様式集」に掲載されていますので参考にしてください。
 
    ~成人年齢が18歳になることについての労働基準法への影響~
Q:成人年齢が18歳になると聞きましたが、労働基準法にも影響があるのですか?
A:労働基準法で「未成年者」に関する条文は、第58条の「未成年者の労働契約」があります。 内容は主に親権者等からの保護で、第1項には親権者又は後見人は、未成年者に代って労働契約を締結してはならないということ、第2項には親権者、後見人に加え、行政官庁も、労働契約が未成年者に不利であると認める場合においては、将来に向ってこれを解除することができるということを定めています。成年の具体的な年齢は民法第4条の定めるところですので、改正に伴い第58条の対象も18歳未満になります。改正法の施行は令和4年4月1日です。
 
Q;なるほど。これで労働基準法での「年少者」の保護がなくなるときと民法の「成人」の年齢が一致したことになるのですね。
A:そのとおりです。
  参考  令和4年4月1日施行予定 民法(抄)
第四条 年齢十八歳をもって、成年とする。


こちらのページ(厚生労働省作成「高校生等を使用する事業主の皆さんへ」も参考になります。
 

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