労基署ってどんなところ?定期監督って??

 ●この前、労働基準監督署から調査依頼の手紙が届いたんですが…そもそも労働基準監督署って何をしている役所なんですか?

 
労働基準監督署は、厚生労働省の出先機関です。労働基準法に基づいて、管内の会社の監督指導をしたり、労働安全衛生法に基づいて、特定の機械の検査をしたり、労働者災害補償保険法に基づいて、労災保険の支給の調査を行ったりしています。

 
●指導とか調査とか、なんだか少し怖い役所ですね。今回の手紙には、労働条件の調査と書いてありますので、監督指導のひとつということでしょうか。今回は、手紙によって来署を求められていますが、労基署の監督指導は全てこのような形式で行っているんですか?
 
〇いいえ。今回のように手紙で来署を依頼することもありますが、監督指導の多くは立入調査で、予告なく立入することを原則としています。実態を把握するためですので、事業主のみなさまには、ご理解をいただきたく思います。
 
●そういえば、数か月前に、同業者にも、労基署の調査が入ったと聞いたんですが、特定の会社だけ狙い撃ちしていないですか?
 
〇法改正の内容や管内の遵法状況を踏まえて、組織的に、計画を組んで、調査する会社を選定しています。また、働いてらっしゃる方や退職した方からの情報提供を受けた場合や安全管理上問題のありそうな労働災害が発生した場合も調査の対象とすることがあります。労基署は国の組織ですから、監督官の個人的な趣味嗜好で調査対象を選定することはありません。
 
●うーん…最近は労働災害も起きていないし、労基署の調査の対象となる心当たりがないなぁ。調査の対象になったからと言って、必ずしも後ろ向きな理由があったということではないということですよね。
 
〇そのとおりです。ただ、どのような理由で調査の対象となったかに関わらず、指導結果をもとに、今後、従業員が安心して働ける環境を整備するよう努めていただきたいと思います。

 
●分かりました。でも、経営者の立場を考えずに、一方的に指導されるのかと思うと、なかなか労基署に行く足取りが重いです…
 
〇そんなことないですよ。厚生労働省では、労働基準監督官の行動規範を作成しており、単に法違反の指摘に留まることなく、その後の是正方法や改善方法について、きめ細やかな情報提供やアドバイスをすることとしています。

 
●それを聞くと、創業以来慣習的に行ってきたことのなかで、労働基準法に照らして、誤っていたり、足りなかったりすることがないかを顧みるいい機会のような気がしてきました。とは言っても強面の監督官に色々と厳しいことを言われるんでしょう…?
 
〇指導の根拠となる法律が、労働条件の平均的な標準を定めるものではなく、労働条件の最低条件を定める法律ですからね。これに違反していた場合、時には、厳しい態度を取ることもあります。
 
●なるほど。どのような指導を受けるにせよ、指導内容をしっかり理解して、是正や改善に取り組むようにします。ちなみに、指導に従わなかった場合はどうなりますか?

 
〇指導に従わなかった場合に限らず、法違反の内容が重大または悪質であると判断した場合、労基署は、行政指導を終了し、送検手続に移行します。一般的な役所と違って、労基署は、自らが送検手続を行うことができます。ただ、監督指導で指摘した法違反の多くは、事業主の方々によって、是正していただいています。
送検されないようにという後ろ向きな考え方ではなく、よりよい労務管理を行うためという前向きな考え方で、労基署の調査やその後の是正に臨んでいただけるとうれしく思います。
●従業員に、前向きに気持ちよく働いてもらうことは、当然事業主にとっても望ましいことですので、労基署の調査をきっかけにして、指導事項以外にも何か取り組めることがないか考えてみます。
 

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