ストレスチェック

A:最近、よく、ストレスチェックという言葉を聞くのですが・・・
B:はい、平成27年の労働安全衛生法の改正により平成28年から50人以上の労働者を雇用している事業場では義務とされました。
 ざっくりいうと、ストレスチェックとは、チェックの結果をその労働者に把握してもらって、ストレス状態に応じたセルフケアに役立ててもらうとか、高ストレスであった場合には受診を勧める、会社は部署ごとのストレス状態を確認できて、それの解消のための方策を検討する、というものです。
A:50人以上の会社だけ実施すれば良いのですか?
B:ストレスを受けるのは50人以上の事業場の労働者だけではないので、50人未満の事業場でもやっていただくのが望ましいと考えられています。
 法令では50人未満の事業場でのストレスチェックは努力義務とされています。
A:でも会社がやるのですよね。自分のストレス状態が会社にわかってしまうのはちょっといやだな。
 ストレスチェック、なんかうけたくないな~。
B:いいえ。ストレスチェックというのは、確かに会社が実施することとされているのですが、会社が労働者個人のストレス度合いを把握して人事等に利用する、という制度ではありませんし、労働者個人のストレス度合いを人事などに利用することは法律で禁じられています。
A:では、ストレスチェックはどうして行うこととされたのですか?
 また、ストレスチェックにはどのようなメリットがあるのですか。
B:メンタルヘルスの対策として、セルフケア、ラインケアという考え方があります。
 ストレスチェック制度は、まず、労働者個人が、自分のストレスの状況を把握して、セルフケアを行ってもらうというものなのです。
 つまり、労働者にとっては自分の状態がわかることによりセルフケアのきっかけになりますし、会社としては、労働者がメンタルヘルス不調になることを未然に防止できるということがあります。
 また、会社にとっては、職場ごとの問題点を把握するきっかけになるというメリットがあります。
B:社会が複雑になり、日本人も様々なストレスを抱えてしまうことが多くなってきたといわれており、さらに、仕事に対するストレスを感じている人も少なからずいるという統計データもあることから、法令で定められた、ということです。
A:でも、ストレスチェックは会社が行うんですよね。
B:確かにストレスチェックは、50人以上の事業場に実施義務があります。
 しかし、会社の担当者が行う、ということではなく、会社が実施を産業医等(実施主体)に依頼して行うこととされています。
A:でも、実施主体である医師等には労働者の氏名等を伝える必要があるので、やはり、会社の者が関与する必要はあるのですよね。
B:そうですね。でも、実施主体と連携するのは、人事権を持たない労働者と定められています。
 また、測られた労働者ごとのストレス度合いは、労働者本人だけにフィードバックされ、決して会社の人事を担当している者は見てはいけないこととされています。
A:ストレスチェックの結果、ストレス状態にあるとされた場合どうすれば良いのですか。自分ではどうすれば良いかわからない場合もあるのではないですか。
B:そのため、実施主体は、全ての労働者のストレス状態を検討して、再検査、治療が必要な状態の者(高ストレス者)がいるかどうか検討します。もし高ストレス者がいた場合、その高ストレス者に面談や受診などを促します。
  この場合でも、高ストレス者本人の同意がない場合には会社に氏名等は伝えてはいけないこととされています。
A:そうすると、会社はストレスチェックの結果をどのように利用するのですか。
B:ストレスチェックは、会社内で高ストレスとならないような環境をつくることを目的としているので、会社では、集団分析の結果を職場改善に用いることとされています。
 実施主体は、一定の労働者のグループごとに分析を行い、高ストレスのグループが認められた場合、ストレスの原因を調べて、業務や長時間労働がストレッサーとなっている場合にはそれらの見直しを行う必要があります。
 なお、一定の人数については、人数が少ない場合、個人が特定されてしまうおそれがあることから、おおむね10人以上とされています。

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