5年後を目途に、化学物質規制体系を見直します ~自律的な管理を基軸とする規制へ移行~

  「職場における化学物質等の管理のあり方に関する検討会」(座長:(独)労働者健康安全機構労働安全衛生総合研究所化学物質情報管理研究センター長 城内博)は、このたび、化学物質管理に関する規制の見直しについて報告書をとりまとめました。
 厚生労働省は、この報告書を受けて、労働安全衛生法に基づく関係法令の改正の検討を進める方針です。

(報告書のポイント)
・ 基本的な考え方
 労働者のばく露防止対策等を定めた化学物質規制体系を、化学物質ごとの個別具体的な法令による規制から、以下を原則とする仕組み(自律的な管理)に見直す。
 ばく露濃度等の管理基準を定め、危険性・有害性に関する情報の伝達の仕組みを整備・拡充する。
 事業者はその情報に基づいてリスクアセスメントを行い、ばく露防止のために講ずべき措置を自ら選択して実行する。


・ 化学物質の自律的な管理のための実施体制の確立
 化学物質を譲渡・提供する場合のラベル表示・安全データシート(SDS)1交付を義務づける対象を、約2,900物質2(現在、約700物質)まで拡充する。
 また、これらの物質の製造・取り扱いを行う場合、リスクアセスメントとその結果に基づく措置の実施を義務づける。
  ※1  化学物質の性状、危険有害性、取り扱い上の留意点等を記載したデータシート。国連の定めた国際
    基準(GHS)に基づき作成される。
  ※2  国によるGHSに基づく危険性・有害性の分類の結果、危険性・有害性の区分がある全ての物質。

 ラベル表示等を義務づける物質のうち、国がばく露限界値(労働者がばく露する濃度の上限値)を定める物質は、その濃度以下で管理することを義務づける。

 規制対象物質の製造または取り扱いを行うすべての事業場について、化学物質管理者の選任の義務づけや職長教育、雇い入れ時と作業内容変更時に教育を行う対象業種を拡大する。


・ 危険有害性情報の伝達強化
 安全データシート(SDS)の内容充実(推奨用途と使用制限の項目追加等)と定期的な更新を義務づける。
 事業場内で他の容器に移し替えるときのラベル表示等を義務づける。


・ 特定化学物質障害予防規則等に基づく個別の規制の柔軟化
 特定化学物質等に関する健康診断を、一定の要件を満たす場合に緩和する。
 化学物質の高濃度ばく露作業環境下でのばく露防止措置を強化する。


・ がん等の遅発性疾病に関する対策の強化
 がんの集団発生時の報告を義務づける。

資料1 化学物質規制の見直しについて(職場における化学物質等の管理のあり方に関する検討会報告書の
  ポイント)~化学物質への理解を高め自律的な管理を基本とする仕組みへ~
[PDF形式︓2.3MB]

資料2 職場における化学物質等の管理のあり方に関する検討会 報告書[PDF形式︓2.5MB]

 

(報道発表資料)
「職場における化学物質等の管理のあり方に関する検討会」の報告書を公表します(令和3年7月19日)
 (厚生労働省HPへリンク)


(本省通達)
労働安全衛生法に基づく安全データシート(SDS)の記載に係る留意事項について
(令和4年1月11日付け基安化発0111第1号)[PDF形式︓8KB]


(関連情報)
職場における化学物質対策について~職場における化学物質対策についての情報をご案内しています~
 (厚生労働省HPへリンク)

職場における化学物質等の管理のあり方に関する検討会報告書の概要紹介
 ((独)労働者健康安全機構労働安全衛生総合研究所HPへリンク)
 

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