石綿(アスベスト)関連のお知らせ

山梨労働局
 

石綿とは

 
   石綿は、天然に産する繊維状けい酸塩鉱物で「せきめん」「いしわた」と呼ばれています。
 その繊維が極めて細いため、研磨機、切断機などの設備での使用や飛散しやすい吹付け石綿などの除去等において所要の措置を行わないと石綿が飛散して人が吸入してしまうおそれがあります。
 石綿は、耐熱性、耐摩耗性等に優れた性質を有しており、さまざまな用途(スレート材、防音材、断熱材等)に使用されてきましたが、特に建材に多く使われてきました。
 石綿製品については、ほぼ使用等が禁止されていますが、今後、石綿製品を使用した建築物の解体が増加します。
 石綿は、そこにあること自体が直ちに問題なのではなく、飛び散ること、吸い込むことが問題となるため、労働安全衛生法や大気汚染防止法、廃棄物の処理及び清掃に関する法律などで飛散防止等が図られています。
 
 
 

石綿の種類




綿
分類 石 綿 名 備   考
蛇紋石系(じゃもんせきけい) クリソタイル(白石綿) 建材等の製品については労働安全衛生法に基づき製造・輸入等禁止
角閃石系(かくせんせきけい) クロシドライト(青石綿) 労働安全衛生法に基づき製造・輸入等禁止
アモサイト(茶石綿)
アンソフィライト 他の石綿の鉱床中に不純物として含まれる
日本国内の産業界で使用されていない
建材等の製品については労働安全衛生法に基づき製造・輸入等禁止
トレモライト
アクチノライト
 

石綿の有害性

石綿粉じんを吸入することにより、次のような健康障害が発生するおそれがあります。
疾病名 備   考
石綿肺 肺が線維化してしまう肺線維症(じん肺)という病気の一つである。肺の線維化を引き起こすものは他の鉱物性粉じん等多くの原因があるが、石綿のばく露によって起きた肺線維症を特に「石綿肺」として区別している。
肺がん 肺胞内に取り込まれた石綿繊維の主に物理的刺激により肺がんが発生するとされている。発がん性の強さは、石綿の種類により異なる他、石綿の太さ、長さにも関与する。
悪性
中皮腫
肺を取り囲む胸膜や、肝臓や胃などの臓器を取り囲む腹膜等にできる悪性の腫瘍である。
 
 
   これらの疾病については、石綿粉じんを少量吸入しても発症する可能性があり、また、石綿粉じんのばく露から発症までの期間が相当長いこともあります。
 石綿を直接取り扱っていない場合でも、建築物から劣化した石綿粉じんが発散し、その粉じんを吸入する可能性があります。
 
 
 

石綿障害予防規則が制定されました

 
   石綿は、1970年から1990年にかけて大量に輸入され、その多くは建材として建築物に使用されましたが、今後これらの建築物の老朽化による解体工事の増加に伴い解体工事従事労働者の石綿による健康障害の発生が懸念されます。
 石綿含有製品のうち建材、摩擦材及び接着剤については、既に製造、使用等が禁止されていますが、さらに、関係労働者の健康障害防止対策の充実を図るため、石綿障害予防規則が制定され、平成17年7月1日から施行されています。
 石綿障害予防規則に基づく健康障害防止対策は、建築物等の解体等の作業を行う事業者はもとより、石綿を使用した建築物の所有者や管理者にも一定の措置が求められています。
 
   

労災補償制度について

制度の概要
労働者の業務災害又は通勤災害について、必要な保険給付を行う制度です。
現在雇用されている方や過去に雇用されていた方が、石綿肺、肺がん、中皮腫など、石綿との関連が認められる疾病にかかり、そのために療養したり、休業したり、あるいは不幸にして亡くなられた場合には、労災補償の対象となることが考えられます。
石綿による疾病の認定基準(平成18年2月9日付け基発第0209001号)の概要
  1. 1 認定基準の対象疾病は次のとおりです。
    • (1) 石綿肺
    • (2) 肺がん
    • (3) 中皮腫
    • (4) 良性石綿胸水
    • (5) びまん性胸膜肥厚
  2. 2 中皮腫の認定要件は概ね次のとおりとなっています。
    • (1)  じん肺法に定める胸部エックス線写真の像が第1型以上である石綿肺の所見が得られている場合
    • (2)  石綿ばく露作業への従事期間が1年以上ある場合
 なお、上記の認定要件に該当しない中皮腫の事案についても、厚生労働本省と協議のうえ決定することとされております。
 

健康管理手帳制度について

制度の概要
 がんその他の重度の健康障害を発生させるおそれのある業務のうち、石綿を製造し、又は取扱う業務など一定の業務に従事して、一定の要件に該当する方は、離職の際又は離職の後に住居地の都道府県労働局長に申請することにより、健康管理手帳が交付されます。
 健康管理手帳の交付を受けると、指定された医療機関又は健康診断機関で、定められた項目による健康診断を、決まった時期に年2回(じん肺の健康管理手帳については、年1回)無料で受けることができます。
 

石綿を取り扱う作業等に従事していた方は健康診断を受けましょう

 
   石綿による健康被害が多発しており、今後も増加することが懸念されています。
 以下の作業に従事していた方は、石綿にばく露している可能性がありますので、最寄りの医療機関に御相談の上、胸部レントゲン検査等による健康診断を受診するようにしてください(受診の際、医師に自分が過去に石綿に係る作業を行っていた旨お伝え下さい)。
 
 
(1) 石綿鉱山又はその附属施設において行う石綿を含有する鉱石又は岩石の採掘、搬出又は粉砕その他石綿の精製に関連する作業
(2) 倉庫内等における石綿原料等の袋詰め又は運搬作業
(3) 以下の石綿製品の製造工程における作業
石綿糸、石綿布等の石綿紡績製品
石綿セメント又はこれを原料として製造される石綿スレート、石綿高圧管、石綿円筒等のセメント製品
ボイラーの被覆、船舶用隔壁のライニング、内燃機関のジョイントシーリング、ガスケット(パッキング)等に用いられる耐熱性石綿製品
自動車、捲揚機等のブレーキライニング等の耐摩耗性石綿製品
電気絶縁性、保温性、耐酸性等の性質を有する石綿紙、石綿フェルト等の石綿製品(電線絶縁紙、保温材、耐酸建材等に用いられている。)又は電解隔膜、タイル、プラスター等の充填剤、塗料等の石綿を含有する製品
(4) 石綿の吹付け作業
(5) 耐熱性の石綿製品を用いて行う断熱若しくは保温のための被覆 又はその補修作業
(6) 石綿製品の切断等の加工作業
(7) 石綿製品が被覆材又は建材として用いられている建物、その附属施設等の補修又は解体作業
(8) 石綿製品が用いられている船舶又は車両の補修又は解体作業
(9) 石綿を不純物として含有する鉱物(タルク(滑石)、バーミキュライト(蛭石)、繊維状ブルサイト(水滑石))等の取扱い作業
(10) 上記(1)~(9)の石綿又は石綿製品を直接取扱う作業の周辺等において、間接的なばく露を受ける可能性のある作
 

たばこを吸わないようにしましょう

 
   石綿を取扱う作業等に従事していた方は、発がんリスクを高めることになるので、たばこを吸わないようにしてください(石綿にばく露した方が喫煙をした場合、肺がんによって死亡するリスクが50倍以上になるといわれています)。  
 
 

建築物等の解体作業等における石綿のばく露防止対策等の掲示について

 
   石綿による健康障害については、石綿を製造、取り扱う作業に従事する労働者はもとより、関係事業場の周辺住民にも、石綿による健康障害に対する不安が生じています。
 とりわけ、今後、石綿を使用した建築物等の解体等の作業が増加することが予想される中、石綿のばく露防止策及び石綿粉じん飛散防止対策の徹底とその周知は、当該作業に従事する労働者はもとより、解体等の作業が行われる現場の周辺住民が等からも強く求められています。
 このため、関係事業者が石綿のばく露防止対策等の実施内容を作業現場に掲示することで、適切なばく露防止対策等、確実な実施を促進するとともに、関係労働者及び周辺住民等の石綿のばく露の不安解消に資することとしたところです
 関係事業者におかれてはこの趣旨を御理解いただき、石綿のばく露防止対策等の掲示に御協力を御願いします(掲示様式は別掲の例1,例2,例3を参考にして下さい。)
 
 
 

各種相談窓口について

 
おたずねになりたい内容によって、それぞれの相談窓口に御連絡下さい。
石綿障害防止規則、石綿のばく露防止対策に関する一般的事項、労災補償制度、健康管理手帳等
○山梨労働局労働基準部 健康安全課 (電話 055-225-2855)
○山梨労働局労働基準部 労災補償課 (電話 055-225-2856)
○甲府労働基準監督署 安全衛生課  (電話 055-224-5617)
○都留労働基準監督署        (電話 0554-43-2195)
○鰍沢労働基準監督署        (電話 0556-22-3181)
 
産業保健関係者、石綿による健康障害を受けられた労働者及びその家族からの健康に関する相談
○山梨産業保健推進連絡事務所    (電話 055-220-7020)
 
事業者からの建築物の解体作業等における石綿ばく露防止対策に関する相談、石綿作業主任者技能講習、石綿作業特別教育日程に関する照会

○建設業労働災害防止協会山梨県支部 (電話 055-221-8810)

 

石綿ばく露歴のある労働者、その家族、開業医等からの診断・治療、健康診断に関する相談
○東京労災病院           (電話 03-3742-7301)
○関東労災病院           (電話 044-411-3131)
○横浜労災病院           (電話 045-474-8111)

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