1.現状
■ 建設労働者の働き方の現状(国交省・厚労省資料)
(1) 建設労働者数の推移
(2) 建設労働者の雇用の現状(年齢・性別・事業所規模・雇用形態)
建設業では、若年労働者の入職が減少しており、全体的に高齢化が進んでいます。
(3) 建設労働者の労働条件
建設労働者の労働時間は他職種に比べて長い傾向がありますが、週休2日制の導入が遅れていることがその大きな要因となっています。
・賃金
(4) 建設労働者の採用・離職状況
建設技能労働者は平成23年以来人手不足状況にあります。
■ 建設業における労働災害の現状
■ 建設労働者の長時間労働規制
平成29年3月28日に策定された政府の「働き方改革実行計画」において、時間外労働の上限規制を設けることとされました。このような中で建設事業については、その規制の適用が、一般則の施行期日の5年後となりましたが、今後それに向けて、長時間労働を是正するための環境整備を強力に推進することが求められています。
■ 建設労働者の「労働環境の改善」を図るための方向性(国交省・厚労省資料)
「働き方改革実行計画」においては、長時間労働是正のため、取引条件改善など業種ごとの取組の推進を図ることが必要であるとされ、特に建設事業については、適正な工期設定や適切な賃金水準の確保、週休2日の推進等の休日確保など、その具体的な取り組み方針が示されています。
さらに、この方針に沿って、首相官邸の「建設業・自動車運送事業の働き方改革に関する関係省庁連絡会議」と「建設業の働き方改革に関する協議会」において具体的な検討が行われ、その方向性が示されています。
(1) 適正な工期設定・施行時期の平準化
建設労働者の長時間労働是正のためには、週休2日工事の推進や施行時期の平準化が不可欠です。
(2) 社会保険の法定福利費や安全衛生経費の確保
建設労働者の処遇を改善により人材の確保を図り、労災を防止するためには、社会保険の加入や安全衛生経費の確保が不可欠です。
建設技能労働者の適切な賃金水準の確保によりその処遇改善を進めましょう。
(4) 生産性向上
建設労働者の賃金確保と長時間労働是正の両立を図るためには、建設現場における生産性向上を図ることが重要です。
・i-Construction(建設現場におけるICTの活用)による生産性向上
(参考1)「建設労働者雇用改善法」に基づく施策
建設労働者の労働環境の改善を図るための基本施策は、「建設労働者雇用改善法」に定められており、政府はこれに基づき、各事業所に対して、雇用管理責任者の選任とその研修、雇入通知書の交付等の徹底、元方事業主による請負事業の従事者の把握及び請負人に対する指導を求めるとともに、建設労働者確保育成助成金の支給、雇用管理改善促進事業(啓発実践コース)などを進めています。
(参考2)「第9次建設雇用改善計画」
政府においては、建設雇用改善を進めるための5カ年計画を策定しています。
■ 建設労働者の「人材確保」「人材育成」を図るための方向性(国交省・厚労省資料)
建設業における人材確保と育成に向けた現状分析と今後の方針が整理されています。
建設産業の担い手の確保・育成を図るためには、建設労働者の処遇改善、改正品確法の徹底、若者・女性の入職促進の取組強化を図るとともに、業界自体の生産性向上を図ることが重要です。
■ 建設労働者の労働条件改善のため、発注者のご理解・ご協力を!
建設労働者の労働条件の改善のためには、週休2日制の確保ができるような適正な工期設定や、適切な賃金水準の確保の実現を図ることが重要です。
建設業の長時間労働是正のため、適正な工期の設定等について、発注者の取組が必要です。このため、受注者・発注者が相互の理解と協力の下に取り組むべき事項が指針(手引き)として取りまとめられています。
■ 建設業における労働災害の防止対策
(1)建設三大災害とその防止のための対策
安心・安全な職場(現場)を確保するため、特に、死亡につながりやすい「建設三大災害」について、防止のための取り組みを進めることが重要です。
ア 「墜落・転落災害」の防止対策・足場・作業床の端部などへの手すり、囲いの確実な設置とその点検
・手すり・囲いの設置が困難な作業場所における安全帯、防網の確実な使用
イ 「建設機械・クレーン災害」の防止対策・機械、器具の点検、整備の励行
・機械の適正な使用(能力の範囲内の使用、用途に限定した使用)
・オペレーターによる基本的な運転操作の遵守
ウ 「崩壊・倒壊災害」の防止対策・地質の事前調査と調査結果に応じた勾配の遵守
・上下水道工事においては、土止め先行工法の実施
・足場の点検及び補修
(2)建設労働災害防止のためのガイドライン建設現場における労働災害防止のため、ガイドラインが定められています。
3.具体的な支援策
■ 建設労働者の「労働環境の改善」に対する支援策(国交省・厚労省資料)
建設労働者の人材確保を図り、働き方改革を進めるためには、その職場自体を、働きやすく働きがいのある「魅力ある職場」にしていくことが不可欠です。そのための労働環境の改善(雇用改善)に対して次のような支援策があります。
(1) 労働環境の改善のためのノウハウ・好事例
(2) 雇用管理研修
建設業の雇用管理責任者を対象として、労働者の雇い入れ、配置、その他雇用環境の改善に関し必要な知識を習得することを目的とした雇用管理研修(無料)を実施しています。
■ 建設労働者の「人材確保」「人材育成」に対する支援策(国交省・厚労省資料)
(1) ハローワークによる人材確保支援
・人材総合支援コーナー
ハローワークにおいては、「人材総合支援コーナー」等において、求職者に対する担当者制個別相談、職場見学会、就職セミナー、面接会などの開催等を通じて、建設業の事業主の人材確保を支援しています。
(2) 人材確保の好事例
人材確保を図るために効果的な各種のノウハウ・好事例を収集し整理した事例集です。
(3) 建設キャリアアップシステム
建設労働者のキャリアアップの道筋を示すシステムです
■ 上記の支援策に対応する労働関係助成金制度のごあんない
建設労働者の労働環境の改善や人材の確保・育成を図る建設事業者のために、特別な助成金制度が設けられています。
パンフレット(平成30年度版)(763KB、PDFファイル)
建設労働者の技能向上・人材育成のためにはこのコースをご利用ください
※平成30年3月31日までに技能実習を開始する場合と平成30年4月1日以降に技能実習を開始する場合では助成金の名称、様式が異なります。ご注意ください。
【平成30年3月31日までに計画届を提出した場合】
建設労働者確保育成助成金(技能実習コース)
「建設事業主等に関する助成金(旧建設労働者確保育成助成金)」のほかにも、各種労働関係助成金制度の中に、労働時間短縮、賃金引き上げ、生産性向上など、働き方改革を進める事業主のための助成金制度が設けられています。