Q9 鹿児島県の最低賃金の現状を教えて下さい。 なお、当社では、労働能力が低い労働者を雇おうと思いますが、最低賃金額未満の金額で契約してもいいでしょうか。
A.最低賃金には、地域別最低賃金と特定最低賃金(産業別最低賃金)の2種類があります。
地域別最低賃金は、産業や職種にかかわりなく、すべての労働者とその使用者に対して適用される最低賃金として、都道府県ごとに1つずつ定められており、鹿児島県ではこの地域別最低賃金を「鹿児島県最低賃金」と呼んでいます。また、特定最低賃金(産業別最低賃金)は、特定の産業について、関係労使が一定の労働者(基幹的労働者)を対象として、地域別最低賃金より金額水準の高い最低賃金を定めることが必要であると認めるものについて設定されており、鹿児島県では現在3件の特定最低賃金(産業別最低賃金)が定められています(詳しくはこちらをご覧ください)。
これらの最低賃金は、最低賃金法に基づき国が定めた最低限度の賃金額であり、使用者は、これらの最低賃金額以上の賃金を労働者に支払わなければなりません。仮に、最低賃金より低い賃金を労働者、使用者双方の合意の上で定めても、それは法律によって無効とされ、最低賃金額と同様の定めをしたものとされます。したがって、最低賃金未満の賃金しか支払わなかった場合には、最低賃金額との差額を支払わなくてはなりません。
一方、一般の労働者と労働能率などが異なるため、最低賃金を一律に適用するとかえって雇用機会を狭める可能性があるなどの労働者がいることも事実であり、このような労働者については、使用者が都道府県労働局長(鹿児島労働局長)の許可(最低賃金の減額特例許可)を受けることを条件として、個別に最低賃金を減額することが認められています。
お尋ねの「労働能力が低い労働者」については、この許可を受けることができるか否かによって、その対応は異なります。許可基準などの詳細は最寄りの労働基準監督署又は鹿児島労働局賃金室までお問い合わせ下さい。
なお、最低賃金の減額特例許可の対象となり得る労働者は次のような方々です。
- 精神又は身体の障害により著しく労働能力の低い方
- 試の使用期間中の方
- 認定職業訓練(事業主等の行う職業訓練の申請を受けて、都道府県知事が認定を行った訓練)を受けている方
- 軽易な業務に従事する方、断続的労働に従事する方
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