ここが知りたい!香川労働局監督官Q&A(理系職員編)

 公務員は全体的に理系が少ないイメージがありますが、労働基準監督官で理系の職員はどんな感じなのでしょうか?
 このページでは、「B監って何?」「安全衛生業務って理系知識が生かせるって聞いたけど監督指導業務とどう違うの?」など、皆さんが知りたいと思う疑問を、理系の先輩監督官に聞いた話も紹介しながら、説明します!

1.「B監って何ですか?」編
2.「『安全衛生業務』と「監督指導業務」の違いがよくわかりません。」編
3.「理系の中堅職員にインタビューをしてみました」編 

1.「B監って何ですか?」編

Q1-1 よく「B監」って聞くのですが、何のことですか?
 労働基準監督官採用試験には2種類あります。一つは「労働基準監督A(法文系)」、もう一つは「労働基準監督B(理工系)」で、後者の理工系試験に合格して採用された監督官を「B監」と呼んでいます。
1-2 「B監」はどんな試験内容なのですか。
 多肢選択式の選択問題を[工学に関する基礎(数学、物理など)]から全題選択できますし、記述式でも[機械系、電気系…]などから、得意な科目を選んで回答することができます。
 つまり、今まで高校・大学で学んできた知識を試験に生かすことができます。
Q1-3 「A監」と「B監」では入職後に何か違ってくるのでしょうか。
 実は特に変わりません。給与や処遇も同じです。全体としては、B監の方が安全衛生の仕事を担当することが少し多いと思いますが、「B監」で安全衛生のキャリアパスを歩まない人も多くいますし、「A監」でも安全衛生の仕事をずっとしている人もいます。
 そのため、長年一緒に仕事をしていても、A監かB監か知らないことも多々あります。職場内でA監・B監を意識することはそれほどありません。
Q1-4 監督指導における理系の仕事って?
 例えば工場へ行けば、工作機械、プレス、フォークリフト等の知識が指導を行うために必須ですが、構造の話になると理系の素養がなければとっつきにくいため、理系の知識があったほうが圧倒的に有利です。他にも、化学物質など専門用語が羅列される場合も多々あるので、自然科学に縁遠いと理解が難しいことがあります。
 

2.「『安全衛生業務』と「監督指導業務」の違いがよくわかりません。」編​

Q2-1 「監督指導業務」「安全衛生業務」って聞きますが、企業に監督に行ったときに安全衛生について指導しないんですか?
 監督指導で企業を訪問した時は、賃金、労働時間などの労働条件から、安全衛生まで一通り指導します。
 「安全衛生業務」と呼んでいるのは、例えば、クレーンの検査であったり、建設工事の計画届の審査であったり、イメージとしては、そうした安全衛生に関するより高度な業務のことです。大企業の安全衛生担当者や医師などから、法令の解釈だけでなく、技術的な事項の相談・質問を受けることもあります。
Q2-2 監督と安全衛生の部門はどのように分かれているんですか?
 香川労働局の場合、規模の大きい高松署は、「方面」という監督担当部署と、「安全衛生課」という安全衛生担当部署に分かれています。
 ほかの4署は、「監督・安衛課」という1つの組織です。課内で監督担当と安全衛生担当に分かれています。
Q2-3 監督担当と安全衛生担当の仕事の分担を教えてください。
 届出や申請の受付としては、おおまかには、監督担当部署は労働基準法の担当、安全衛生担当は労働安全衛生法の担当です。ただ、人数の少ない署は、その担当が不在であれば代わりに受付をすることもあります。
 監督指導は、監督担当部署の方が多く行いますが、安全衛生担当部署も一定数行っています。安全衛生担当が行うのは安全衛生メインの監督指導で、法令違反の取締りだけでなく、ガイドラインなど専門的な指導まで行うことも多いです。監督担当による監督指導は、法令違反の取締りを主に行い、労働条件がメインのことも、安全衛生がメインのこともあります。
 大規模な労働災害の調査は、両担当が合同で行うことが多いですが、司法捜査については監督担当の仕事です。
 

3.「理系の中堅職員に聞きました!」編

 香川労働局に在籍する理系の中堅職員に、理系職員として感じていることを語ってもらうことにしましょう。
 さらに詳細は、こちらのファイルをみてくださいね。
Q3-1 労働基準監督官を志望した動機は何ですか?
「理系科目で受験可能であったため。」
「理系の試験があったため(文系の試験で受かる気がしなかったので)」
「当時、労働基準監督官を題材にしたドラマを見て、興味を持っていたが、大学の公務員講座に、労働基準監督官になった先輩がいることを知り、直接、業務内容について話を聞いたところ、やりがいのある仕事であると感じたため。また、自身は大学で化学を専攻していたが、知識を業務に活かすことが出来るということも聞き、志望することとした。」
「長時間労働や未払い残業といった法違反を取り締まる仕事であれば、当然、労働基準監督官としての働き方に関しては、そういった問題はないだろうと、単純に思ったため。志望動機に、理系出身との関連性は全くありません。」
「大学同期で1年早く労働基準監督官試験Bを受験・採用されている者がおり(1月採用)、その者から実際の業務経験の話を聞いて業務内容に興味を持ったため。」
「前職を過重労働が原因で退職し、法律上どのような規定があるのかを知らずに生きてきたことに気が付いたため。」
「前職でブラック企業に勤務した経験から、そのような企業を一掃したかったため。」
「正直、特にありませんが、理系科目で受験できる公務員試験があるということ知って受験しました。」
「親族に労災でけがをした者がおり、労働行政に関心があったこと。大学で専攻していた化学・物理の知識を生かせる職場だと考えたこと。」
「公務員試験の勉強をする中で、労働条件などに関する法律上の取扱いについて興味がわいたため。」
「公務員試験の勉強をする中で、労働基準監督官の仕事を知りました。工場や建設現場を訪問し安全管理の状況を調査し、問題がある場合は企業と協力の上、是正・改善していき労働者の就業環境を整備する仕事はやりがいがある上、社会において非常に重要な仕事であると考え志望をしました。」
「公務員志望ではありましたが、労働基準監督官に対する志望理由は特にありません。」
「基本的に社会正義に背くことがないため」
「専門性を生かせると聞いたため」
「以前勤めていた会社が長時間労働であり、労働環境を改善させたいと考えたため。」
→人によって志望動機は様々です。監督官がしたくたまらないという人も、監督官が少し気になると思った人も、応募をお待ちしています。
Q3-2 受験した労働基準監督官採用試験の区分は?
 B区分(理工系区分):8名  A区分(法文系区分):6名
→例年B区分は倍率が低いです。理系の方は是非B区分の受験をご検討ください。
Q3-3 試験をA区分(法文系区分)で受験した理由は?
 併願した公務員試験が文系科目だったから:4名
 その他:2名(「任官後にどうせ必要となる知識であるから」「公務員になれば基本的な法律知識は必ず求められるものであるため」)
Q3-4 理系でよかったと思うことや、理系の知識や素養・思考方法を実務で生かせた場面があれば、教えてください!
「労働基準監督官の取扱う法律は、理系の知識で成り立ったものが多いため、監督指導において事業者に説明する場面で、法律一辺倒ではないより丁寧な指導ができると思います。」
「理系分野全般で、根拠や参考元を求められることが多いと思う。監督官として行政指導する際にも、指導根拠を示して相手を説得する場面は多く、また、根拠のないことは強く求められないため、この部分は共通して重要と感じた。」
「法律に関することは実地訓練や研修により、文系理系関係なく業務を行うことができる環境が整っている。安全衛生業務に関しては複雑な計算書面も確認するため、理系の基礎知識があると理解しやすい。また、監督、労災業務においても計算能力や化学物質の知識等が必要になることがあるので、理系が活躍しやすいと思う。」
「特にありませんが、しいて言えば強度計算等の数式に抵抗がないことや化学物質になじみがあることです。」
「専門知識が業務に直結する場面はほぼないですが、論理的思考は業務に役立つスキルだと思います。」
「高校物理の知識は安全衛生に役立つ場合もある。」
「工業系業種の現場で担当者とあまり違和感を感じず会話できること。災害現場での基礎的な物理現象の理解の助けになること。」
「計画届の審査(支保工の荷重の計算など)において、なんとなく計算式の意味がわかる程度。」
「監督官の仕事では、事業場で取扱う有機溶剤を確認したり、工場で化学製品を製造する現場を訪問することがあります。理系の知識や素養があれば、会社の説明を聞く際に理解をするアドバンテージになると思います。」
「荷のつり上げ中にワイヤロープが切れた災害調査において、ワイヤロープの負荷や安全率の計算を行ったとき。」
「化学物質は、製造業に監督した際、あらゆる事業場で使用されており、SDS等の資料を見る機会が多いが、大学時代、化学を専攻しており、SDSを見ることに抵抗がなく、スムーズに業務をこなすことが出来た。」
「ガラスアンプルの開封に失敗し、臭素が飛散し、労働者が中毒になったという労災の調査では、実際大学時代にガラスアンプルを取り扱っていたこともあり、さすが理系と、調査書や事業場への指導の内容についてお褒めの言葉をいただきました。所詮バイテク系はその程度ですが。」
→理系として培った素養や思考方法はもちろん、時には自分の専攻分野が活きる場面があるようです。
Q3-5 他に受けた公務員試験は?
 理系の試験:7名 文系の試験:7名
→監督官試験はB区分でも、他の公務員試験は文系のものを受けた職員が1名いました
Q3-6 監督官をB区分で、併願した公務員試験を文系区分で受けた理由や感想は?
「私の専攻は物理でしたが、他の技術系の公務員は機械、土木、建築、電気等の専攻でなければ採用してもらえないと思ったため、文系の試験区分で受験しました。監督官試験Bについては専攻を問わず受験でき、試験問題はそれほど難しくなかったので、対策を後回しにしても合格できました。」
3-7 理系で監督官を志望する受験生に、メッセージを!!
「労働局の業務は監督業務以外にも多岐にわたりますので、理系の専門知識や思考は様々な場面で活かすことができると思います。皆さんと一緒に働けるのを楽しみにしています。」
「働き始めてからも幅広い知識が必要となる仕事です。これまで勉強した専門的な知識も生かされる日が来ると思うので、監督官として活躍して欲しいと思います。」
「大学で学んだことがそのまま活かせる業務は少ないですが(本省安全衛生部署除く)、理系としての考え方は法律を扱う際にも活き、業務内容はここでしかできない業務といえるものです。ひとまず、文系職種と思わずに、興味があれば受験してみてはどうでしょうか。大学の内容を仕事にしたいと思う場合には畑違いの業務となるかもしれませんが、一緒に働いている理系出身者も多いので、不安にならなくてもよいと思います。」
「専門性を主として生かせるわけではないが、役に立つ場面もある」
「監督官の仕事は、非常にやりがいや日々新しい発見・学びがある仕事です。理系の方は法律に関係する仕事という部分に抵抗があるかもしれませんが、法律を構成する要件に事案を当てはめることは、数学や物理の公式に当てはめることと似た部分がありますし、監督官になった後に十分に研修等で学ぶ機会もありますので必要以上に心配する必要はありません。」
「法律を覚えることよりも、化学や物理学等の知識を身に着ける方が大変だと思うので、入省後は文系よりも有利ではないかと思う。」
→幅広い物事を対象に、培った理系の素養を活かすことができる仕事のようです。専門を持ちつつ、自分の見る世界を広げて、自分を成長させてみませんか?
 
「労働基準監督官は、労働法を基に、指導を行うため、法律に詳しくないと業務をこなすことが出来ないのではないか?と不安に感じるケースが多いと思います。しかし、実際には、先輩、上司が丁寧に指導してくれますし、研修も充実しているため、そのような心配はいらないです。また、理系の知識を活用出来る機会も少なくないですし、理系の知識が重宝されることもありますので、興味を持った方は、是非、一緒に仕事をしましょう。」
「理系の知識を存分に活かしたいという方には不満足な職業と思いますが、理系でも務まるだろうかという不安に関しては全く問題ありません。2、3年あれば大概のことは1人で出来るようになりますし(1年目は電話の1本もまともに対応できなかった私でも)、数字や化学物質名に嫌悪感がないというだけで、法学部以外の文系よりも即戦力になり得ると思います。」
「理系でも文系でもあまり関係なく、入省してから一から学ぶことができますので、問題なく業務をやっていけると思います。」
「昇進や業務内容において、文系、理系の違いはありません。逆に言うと理系だからといってずっと技術的な業務を担当することはありませんが、文系の監督官となんら違いがなく業務に取り組むことができます。」
→法律など文系の知識がないことは全く心配ないようです。
 
「試験勉強頑張ってください!」
「いっしょに社会を良くしましょう!」
「これまでの皆さんの経験が、働く人の労働環境の改善につながるかもしれません。このことは間違いなく大きなやりがいを得ることができると思います。さらなる「働き方改革」に向けて、みなさんと一緒に働ける日をお待ちしています。」
→皆さんの応募をお待ちしています。
 

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