建設業対策(墜落・転落災害防止)|花巻監督署

はじめに

花巻労働基準監督署管内の建設業における休業4日以上の労働災害は「墜落・転落」が最も多く、死亡災害や重い後遺障害となる事例が毎年発生しています。

また、建設業に対する監督指導結果では、足場の手すり・中さん・幅木等の不備や適切な昇降設備が無いなど、墜落・転落防止対策が確実に講じられていない状況も認められています。
墜落・転落災害は死亡事故や重篤な災害につながりやすく、様々な状況下で発生します。

本ページを参考に墜落・転落災害防止のためのポイントを再確認し、安全対策の遵守徹底をお願いします。
目次

高さ2m以上の箇所での作業の際は墜落防止措置が必要です

ポイント1 作業床の設置
高さ2m以上の箇所で墜落のおそれのあるときは、足場を組み立てる等の方法のより、作業床を設けなければなりません。
作業床を設けることが困難なときは、防網を張り、労働者に要求性能墜落制止用器具を使用させる等の措置が必要です。
(労働安全衛生規則第518条)
墜落防止措置1
ポイント2 作業床の端、開口部等の墜落防止措置
高さ2m以上の作業床の端、開口部等には、囲い、手すり、覆い等を設けなければなりません。
囲い等を設けることが困難なときは、防網を張り、労働者に要求性能墜落制止用器具を使用させる等の措置が必要です。
(労働安全衛生規則第519条)
墜落防止措置2
 
ポイント3 要求性能墜落制止用器具の使用
高さ2m以上の箇所で要求性能墜落制止用器具等を使用するときは、安全に取り付けるための設備を設置し、異常の有無を随時点検しなければなりません。
また、労働者は、要求性能墜落制止用器具等の使用を命じられたときは、これを使用しなければなりません。
(労働安全衛生規則第520条、第521条)
墜落防止措置3
ポイント4 スレート等の屋根上の危険防止
スレート、木毛板等の材料で、ふかれた屋根上の作業時は、幅30cm以上の歩み板の設置、防網を張る等の踏み抜き防止措置が必要です。
(労働安全衛生規則第524条)
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作業内容や高さに応じた墜落制止用器具を使用しましょう

ポイント1 「墜落制止用器具の規格」の器具の使用
製品ラベル等に「墜落制止用器具の規格」の表示があるものを使用してください。
「安全帯の規格」と表示されているものは旧規格のため使用できません。
墜落制止用器具1
ポイント2 作業条件に応じた適切な器具の選定
墜落制止用器具は「フルハーネス型」が原則となりますが、フルハーネス型の着用者が地面に到達するおそれのある場合(高さが6.75m以下)は、「胴ベルト型(一本つり)」を使用することができます。
一般的な建設作業の場合は、5mを超える箇所では「フルハーネス型」の使用が推奨されます。
墜落制止用器具2
ポイント3 特別教育の実施
高さ2m以上の箇所で、作業床を設けることが困難な場合で、「フルハーネス型」を使用して行う作業(ロープ高所作業を除く)業務を行う労働者には、特別教育を行うことが必要です。
 
ポイント4 墜落制止用器具の取付設備
墜落制止用器具の取付設備は、ランヤードが外れたり、抜けたりするおそれのないもので、墜落制止時の衝撃力に耐えうるものにすることが必要です。
 
ポイント5 墜落制止用器具の点検、保守・保管
取扱説明書を確認し、安全上必要な部品が揃っているか確認し、緩みなく確実に装着しましょう。
墜落制止用器具の点検や保守・保管は、責任者の定める等により確実に行い、管理台帳等により結果等を記録しましょう。
一度でも落下時の衝撃がかかったものは使用できません。
参考資料

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適切な墜落防止措置を講じた足場を使用しましょう

労働安全衛生規則に基づく墜落防止措置を講じた上で、次のことを徹底しましょう。

足場1
ポイント1 手すり等を臨時に取り外した際の措置
手すり等を臨時に取り外して作業を行う場合には、墜落制止用器具の使用を徹底するとともに、関係労働者以外の立入禁止措置を実施しましょう。
また、臨時に外した手すり等は、作業終了後、速やかに復旧しましょう。
ポイント2 点検の実施
日々の作業開始前や悪天候等及び足場の組立・変更等後の点検を確実に実施し、異常があれば直ちに補修するとともに、点検記録を残しましょう。
新規入場者教育や朝礼等で、労働安全衛生規則に基づく措置の必要性、不安全行動等による問題点について、労働者の理解を深め、作業床の整理整頓に努めましょう。
参考資料

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はしごや脚立は適切な方法で使用しましょう

はしごや脚立を使用した作業については、
・使用自体を避けられないか
・ローリングタワー(移動式足場)、可搬式作業台、手すり付き脚立、高所作業車などに変更できないか
を検討し、これらの対策が取れない場合に、はしごや脚立を使用するようにしてください。
ローリングタワー、可搬式作業台、高所作業車
はしご作業のポイント
  1. はしごの上部・下部の固定状況を確認する
  2. はしごの上端を、上端床から60cm以上突出させる
  3. はしごの立て掛け角度は、75度程度とする
  4. はしごの踏み桟に明らかな傷みがないことを確認する
  5. はしごの足元に、滑り止め(転位防止措置)がある
  6. ヘルメットを着用し、あごひもをしめる
  7. 靴は脱げにくく、耐滑性のあるものを履く
  8. (はしごをボルトで取付けている場合)ボルトが緩んだり腐食していないか確認する
はしご作業のポイント
脚立作業のポイント
  1. 脚立は安定した場所に設置する
  2. 開き止め金具を確実にロックする
  3. ねじ、ピンの緩み、脱落、踏み桟の明らかな傷みがないことを確認する
  4. ヘルメットを着用し、あごひもをしめる
  5. 靴は脱げにくく、耐滑性のあるものを履く
  6. 身体を天板や踏み桟に当て、身体を安定させる
  7. 天板上や天板をまたいで作業しない
  8. 作業は2段目以下の踏み桟を使用する
  9. 荷物を持って昇降しない
脚立作業のポイント
チェックリストの活用
はしご、脚立を使う時は、チェックリストを使って作業現場の点検を行いましょう。
すべてにチェックがついた状態になってから、作業を始めましょう。
参考資料

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リーフレット

【様式】足場点検チェックリスト

その他関連情報

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