第24回兵庫地方労働審議会家内労働部会議事録

 
開催日時 令和5年2月1日(水) 10時00分~11時20分
出席状況  公益を代表する委員  3人  出席3人  定数3人
 労働者を代表する委員  3人  出席3人  定数3人
 使用者を代表する委員  3人  出席3人  定数3人
主要議題    (1) 令和4年度家内労働対策について
   (2) 兵庫県但馬地区絹・人絹・毛織物業最低工賃について
   (3) 兵庫県綿・スフ織物業最低工賃について
   (4) その他
  議  事  録
泉賃金指導官   皆さんお待たせしました。
 では、定刻になりましたので、ただいまから「兵庫地方労働審議会第24回家内労働部会」を開催します。
 では、まず本日の出席状況の確認をさせていただきます。
 本日は、鷲尾委員が現在、交通事情により遅れの連絡をいただいていますが、直ちにいらっしゃいます。
 地方労働審議会令第8条第1項の規定により定足数を充足していますことを報告いたします。
 また、本日の家内労働部会、議事を公開することとしていましたが、本日までに傍聴希望はございませんでした。
 それでは、審議に入ります前に当労働局労働基準部長の木下より御挨拶を申し上げます。
木下労働基準部長  皆様おはようございます。労働基準部長の木下でございます。
 兵庫地方労働審議会第24回家内労働部会の開催に当たりまして、一言御挨拶を申し上げます。
 委員の皆様方におかれましては、業務御多忙の中当部会に御出席をいただき誠にありがとうございます。
 令和4年度の本部会におけます審議対象につきましては、第14次最低工賃新設・改正計画に基づきまして、但馬地区絹・人絹・毛織物業と、綿・スフ織物業のこの2つからとなっているところでございます。
 この後、担当から詳しい説明をさせていただきますけれども、最低工賃につきましては、その実効性の担保を図るために3年を目途に実態把握を行った上で見直しの検討を行うものとなっております。
 場合によりましては、最低工賃の設定のあり方を含めての御検討もあるかと思っておりますけれども、御審議のほどよろしくお願い申し上げます。
泉賃金指導官    それでは、まず委員の皆様の御紹介をさせていただきます。
 今年度は第11期家内労働部会委員の2期となり、昨年度から委員の皆様に変更はございませんが、昨年はウェブ開催でありました。
今期初めての集合参集形式での会議となります。
そのため、委員の皆様を改めて御紹介させていただきます。
お手元にお配りしています資料No.1委員様の名簿をお手元に用意させていただきました。
名簿順にお名前をお呼びしますので、おそれ入りますがお一人ずつ御起立いただき、一言いただければ幸いです。
   (公益代表の今井(いまい) 陽子(ようこ) 委員、梅野(うめの)  巨利(なおとし) 委員及び岡崎(おかざき) 利美(としみ) 委員を紹介。家内労働者代表の中西(なかにし) (おり)() 、三村(みむら) (さとし) 委員及び森田(もりた) 直樹(なおき) 委員を紹介。委託者代表の瀬川(せがわ) (さと)() 委員、藤嶋(ふじしま) 純子(じゅんこ) 委員及び鷲尾(わしお) (よし)(まさ) 委員を紹介。) 
泉賃金指導官  ありがとうございました。
 こちら手前に事務局職員が何人か居りますが、省略いたします。
 本日の部会につきましては、議事録を作成します。
 事務局で原案作成の上、後日すべての委員様にメールでお送りさせていただきます。
 少し先になりますが、御確認いただいて修正したものを兵庫労働局のホームページに掲載させていただく予定です。
 それでは、この後の議事進行につきましては部会長にお願いしたいと思います。
 よろしくお願いします。
今井部会長  座ったまま失礼いたします。
 今井でございます。
 引き続きよろしくお願いいたします。
 それでは、部会長として慎重に議事を進行できるよう努めてまいりたいと思いますので、皆様御協力よろしくお願いいたします。
 では、議事に入らせていただきます。
 まず、第1は、「令和4年度家内労働対策について」です。事務局から御説明お願いいたします。
田中賃金室長  この春から賃金室長をしております田中といいます。
 よろしくお願いいたします。
 まず、私から家内労働の全般的な概要、現状について御説明をさせていただきます。
 家内労働につきましては、メーカーなどから部品とか材料の提供を受けまして、物品の製造加工などを行うことになっているものでございます。
 発注する側を委託者、発注を受けて仕事をする側を家内労働者といいます。
 また、家内労働者の同居の親族で家内労働に従事する方々については補助者という定義づけをしております。
 定義づけにつきましては、皆様のお手元資料13の家内労働法の法規の中に書いてございますけれども、めくっていただいた1ページのところに第2条ということで定義づけになっています。
 家内労働者、委託者、補助者についての説明がなされておりますのでまた、御参照いただければと思います。
 続きまして、資料2家内労働部会の位置付けについてです。
 家内労働部会につきましては、兵庫地方労働審議会に設置されております常設の部会でございます。
 常設の部会につきましては、港湾労働部会、労働災害防止部会、家内労働部会の3つがございます。
 家内労働部会は、家内労働部会の他に最低工賃を実際に改正するとなった場合は、金額を審議する場で最低工賃の専門部会を別途開催することになってございます。
 めくっていただいて裏側です。
 委員・臨時委員の職務などについての記載になってございます。
 1の家内労働部会の職務の項目でございますが、家内労働法第21条1項の規定によりますところの最低工賃の専門部会が所掌する事項を除き、家内労働部会に関する専門事項を審議することとなってございます。
 本日、行われるものがこれに該当することでございます。
 最低工賃の決定以外のこと、最低工賃改正の方向性など家内労働の全般について、今日、御審議をいただくことになってございます。
 続きまして、家内労働の現状の対策関係についてお話しさせていただきますけれども、また、資料14ページは本省がとりまとめております資料になっており、令和4年度の「家内労働のしおり」でございます。
 こちらの32ページ、33ページですが、長年の従事者数の中の変遷を示しており、一番上の表の右端ですが、令和3年度の直近の数値は家内労働者が100,462人となってございます。
 その下の委託者ですけれども、7,139となってございまして、ずっと左を見ていただくと、昭和45年から8年あたりが家内労働の関係のピークだったということで、当時は200万人ぐらいの家内労働者がいらっしゃったということでございますので、概ね現在は20分の1、ざっと5%程度にまで減っている状況になってございます。
 また、資料3兵庫の家内労働の概況を見ていただけますでしょうか。
 めくっていただきますと、横表の記載になっている2ページの表の1に平成14年以降の兵庫県内の状況についてグラフで示してございます。
 やはり全国と同じように、長期的に見ても減少傾向ははっきりしてございます。
 3ページを見ていただきますと、業種別の従事者数の割合を円グラフにしたものでございます。
 兵庫で家内労働者の多い業種で申し上げると、繊維工業、紙加工品、皮革製品、電気機械器具、その他となってございます。
 繊維工業と電気機械器具につきましては、全国的にも家内労働者が多いということですが、それ以外のところについては兵庫の地場の産業でございます。
 次に4ページ以降6ページについてですけれども、家内労働者委託者の状態につきまして、各監督署単位で業種別に一覧にしている資料でございます。
 兵庫県内であれば姫路とか加古川、西脇、但馬、こういった地域に家内労働者がまだ今も多数いらっしゃるということでございます。
 それに併せて委託者の方も多い状況が見て取れるかと思います。
 続いて資料の7ページでございますけれども、こちらは危険有害業務。
 例えば、ミシンだとか危険性のある機械を使う労働者の概況でございますけれども、こちらについては直近の数字でいうと上の表の右下、637名の方が現在もこういった機械関係を使われているということでございます。
 また、その下の表でございますけれども、こちらは家内労働者の労災の加入の状況でございます。
 労働者災害補償保険の加入状況についての資料でございますけれども、家内労働者につきましては御承知のとおり労働基準法でいう労働者という位置付けがないものでございますので、別途、事務組合を作っていただいて任意で特別加入していただくという位置付けになってございますが、非常に家内労働者の加入の実態については現状をもって少ない状況でございます。
 続きまして、資料4でございます。
 これにつきましては、家内労働安全衛生指導員の活動実績、指導実績を示してございます。
 現在、兵庫局では1名委嘱している家内労働安全指導員が委託者を訪問させていただいて安全衛生、あるいはその他一般的な家内労働に関する指導関係を行っている状況でございます。
 今年はすでに11社回っていまして、委託状況届や家内労働手帳についても指導をしている状況でございます。
 続きまして資料5、こちらは監督の指導状況でございます。
 兵庫においては各署年間1件程度実施予定を計画しており、一番下の令和4年度の実績については4件という状況でございます。
 まだ年度途中でございますので、これから数件は現場で数字が上がる見込みがございます。
 全国的には監督指導件数は昨今50件に満たないと聞いておりまして、そういう状況を考えれば、兵庫は家内労働の監督指導実績はまだ出ているところだという状況になってございます。
 家内労働監督での違反状況につきましては、ここでも出ているのですけれども、いわゆる委託状況届が未提出という違反について指導している状況でございます。
 私からの説明については以上でございます。
今井部会長  ありがとうございます。
 議題(1)「令和4年度家内労働対策について」事務局から御説明をいただきました。
 ただいまの事務局の御説明等について、御意見または御質問等ありますでしょうか。
 はい、三村委員、よろしくお願いします。  
三村委員  最後の監督指導状況の実施事業所が令和4年度で4件、違反事業所が過去に何件か記載されているのですけれども、違反の内容はどんな内容なのですか。
田中賃金室長  今年度であれば、26条の届け出となっておりますので、委託状況届を提出していなかったというような内容です。
 あと、令和3年であれば家内労働手帳の不交付といったところ、あるいは同様に委託状況届の未提出についての指導です。
 令和2年は違反がありませんでした。
 令和元年についても、同様に家内労働手帳ですので、一般的にいうと、家内労働手帳であるとか委託状況届についての。家内労働手帳であれば不使用になるでしょうし、委託状況届であれば未提出が多いことです。
 一般的にいうと、いわゆる提出日になって出てきていないところは分かりますので、従来出していたところが出ていないので監督を回って漏れていませんかといった指導であるとかで、個別事案か何かでというのは現在少ないのかなと見ています。
 同様の違反が繰り返されているのが実態のように見えます。
三村委員  手続き上のものであれば良いのですけれども、何か例えば労災のように、怪我をするとか。
田中賃金室長  そういうものは監督の中ではほとんど見受けられないと思います。
三村委員  家内労働は、一般企業とかでもないので、通常の業務内容や環境が違う部分があるので、少しその辺が気になるところです。
 ありがとうございます。
田中賃金室長  個別事案といったものとかはいわゆる申告制度といいまして、それぞれに対して個別に対応するというのが健全な監督署のスタンスになりますので、そういったものと一般調査でずっと回っていくものとは内容的には少し違うのかなという気がします。
三村委員  ありがとうございます。
今井部会長  ありがとうございます。
 他に御質問等ございませんでしょうか。
 特にないようでしたら議題(1)についてはここまでとさせていただきまして、次の議題に移らせていただきたいと思います。
 次は2件の各最低工賃についての実態調査結果を基に御意見を伺うことになりますが、まずは最低工賃に関して事務局から御説明をお願いいたします。
田中賃金室長  実態調査の結果はこの後細かな説明をさせていただきますが、それに先立ちまして少し全般的なお話をさせていただきます。
 最低工賃につきましては、御承知のとおり一定の地域であるとか、一定の業務に従事する家内労働者について、その最低額、最低工賃というものを一部ですけれども定めている状況になってございます。
 先ほどの資料で言いますと、資料14の「家内労働のしおり」を見ていただけますでしょうか。
 その22ページ、23ページでございますけれども、これが全国で定められている最低工賃の一覧となってございます。
 23ページの左の表の真ん中あたりに兵庫がございます。
 最低工賃は全国では96件、昨年時は98件だったので2件廃止の状況になっております。
 兵庫は5件ある状況にございます。
 全国的に見れば、縫製業とか電気機械器具製造業の関係がやはり多数を占める状況になってございます。
 先ほど部長からの説明にもございましたけれども、最低工賃の見直しにつきましては、3か年の最低工賃の新設・改正計画がありまして、それに基づいて行っている状況でございます。
 兵庫では5つの最低工賃の設定がございますので、これらを3か年で2つ・2つ・1つと分けまして、毎年最低工賃につきまして実態調査を行った上で、新設・改正、廃止といった計画についての御意見をいただく状況になっているものでございます。
 今年度は第14次最低工賃新設・改正計画の初年度となってございます。
 資料6を御覧ください。この上の欄ですけれども、前計画の第13次の結果を一覧にまとめたところでございます。
 下の欄が第14次最低工賃の新設・改正計画の実地状況になってございます。
 この中で、令和4年度は兵庫県但馬地区絹・人絹・毛織物業最低工賃と、兵庫県綿・スフ織物業最低工賃の2つが今年度の調査対象でございます。
 また、工賃の新設・廃止の基本的な考え方につきましては、3年を周期に見直しなど検討することになってございます。
 新設につきましては、こちらに記載がありますとおり関係団体から要請されている、あるいは特定の作業に従事する家内労働者数が300人以上いらっしゃって、今後も増加傾向で最低工賃を選定することが望まれる状況にあるということになってございます。
 現在、家内労働の現状、また、要請もない状況になってございますので、新設するような環境にはないというところでございます。
 また、見直しにつきましては、改正の有無や、廃止の有無を判断するわけですが、廃止については、該当する作業についての家内労働者数が100人未満に減少しておりまして将来も増加する見通しがない場合、要するに実効性を失っている場合につきましては統合・整理等検討した上で、廃止を検討することになってございます。
 改正でございますけれども、当該最低工賃にある程度、これは人数的な意味が大きいと思われるのですが、ある程度実効性がある場合で、家内労働者数の工賃の状況、あるいは委託者の状況から当該産業の最低工賃の引上げ・統合が必要といった場合については改正を検討することになってございます。
 最低工賃の新設・改正の場合につきましては、地方労働審議会で諮問を行いまして、その後で「最低工賃専門部会」を設置いたしまして、最低工賃の金額審議を行う運びになってございます。
 改正する場合につきましては、最低工賃専門部会の所掌となるわけですけれども、家内労働部会におきましては、その前段階における方向性、あるいは改正をするかしないか、また、廃止を検討するべきかどうかにつきまして実態調査を踏まえて、事務局から説明をさせていただきたいと思います。
 その後御意見を伺う運びになってございます。
 以上となっております、よろしくお願いいたします。 
今井部会長  最低工賃についての実態調査の説明の前に、最低工賃全体の概要説明をしていただきましたが、ここで御意見・御質問等ある方おられましたらお願いいたします。
 特によろしいでしょうか。
 では、個別の最低工賃についての議事を進めてまいりたいと思います。
 最初は議題(2)の「兵庫県但馬地区絹・人絹・毛織物業最低工賃について」ということですので、まず事務局から資料等の説明をお願いいたします。 
今村労働基準監督官  賃金室の今村です。
 では、兵庫県但馬地区絹・人絹・毛織物業について資料のNo.7・8で説明いたします。
 但馬地区絹・人絹・毛織物業は強い撚りをかけた経糸を用いた織物関係の最低工賃です。
 資料7では最初に設定された昭和48年から平成14年までの改正状況を記載しております。
 平成14年が最後の改正となっておりまして、それが現行の最低工賃額となっております。
 適用につきましては、兵庫県但馬地区で絹・毛織物・人絹に従事する家内労働者に適用されるということになっております。
 その品目としましては、後染の正絹無地・正絹紋りんず・正絹銀無地・正絹紋意匠ちりめん、先染につきましては正絹着尺・正絹コート・帯が設定されています。
 表の1番右の金額の欄が最低工賃額ということになっております。
 最低工賃の金額につきましては、一万越しに付きいくらという形で設定されています。
 越しとは経糸と緯糸を通して交差の1回分、これが一越しという形になります。
 実際の製品の発注におきましては、越数ではなくて1反という単位の発注がほとんどになりますが、1反あたりの越数というのは品目によって変わってきますので、最低工賃では越数あたりいくらという決め方になっております。
 1反あたりの金額というのを越数に換算いたしまして、最低工賃との比較を行うことになっております。
 続きまして資料8は、令和4年度6月に実施した調査結果になります。平成26年までは但馬絹織物協同組合がありましたが、それが解散し、その後、兵庫県絹・人絹・織物工業組合が引き継いだ形になりましたが、令和2年8月にこれも解散したという状況になっております。
 資料8の1ページですけれども、12件に対して調査を行いまして、回答のあった10件のうち、現在も家内労働者があるというのは8名ということになりました。
 また、補助者については3名ということでした。
 累計では専業が7名・内職が1名という形になります。
 ここでいう専業とは家内労働をその世帯の本業とする世帯主であって、単独または家族とともに従事する者、内職とは、主婦や高齢者等世帯主以外の家族であって、世帯の本業とは別に家計補助のために家内労働に従事する者、副業とは、ほかに本業を有する世帯主であって、本業の合間に単独または家族とともに家内労働に従事する者を指しております。
 また、現在、但馬地区で行っている絹織物については、丹後または西陣の京都の業者の委託を受けており兵庫県内に委託者は0という回答になっております。  
 続いて4ページ別表1の「家内労働者調査表より見た年齢別及び経験年数別家内労働者数」ですが、この表は縦が年齢区分、横が経験年数区分となっております。
 年齢につきましては、平均年齢が76.87歳ということで高齢化が進んでいるという状況です。
 また経験年数も30年以上の方ばかりという状況でして、新規に増加・新規参入というのがされる見込みというのは薄いと思われます。
 5ページ別表2「家内労働者調査表より見た家内労働者の累計別及び1か月あたりの工賃額別家内労働者数」を見ると、1か月あたりの工賃額の平均は113,575円となります。  
 続きまして6ページ別表3「家内労働者調査表、家内労働調査から見た品目別工賃及び使用時間等の状況」では、各品目におきます最低工賃額・最高工賃額の一覧です。
 こちらは先ほど申し上げましたとおり1反あたりの調査表の結果を一万越しに換算して記載しております。
 無地ちりめん・正絹銀無地ちりめん・帯の両六丁・十丁については該当なし、また、平均工賃額で一万越しあたりの最低工賃を下回っているものは無かったという状況になります。
 7ページ別表4「家内労働者調査から見た品目別工賃等の推移」です。
 直近4回の調査結果を一覧にしたものがこの表になっております。
 最後に家内労働者の意見としまして、3ページの13、または8ページの各個別の自由意見記入欄の内容となります。
 ここでは最低工賃を引き上げてほしいというのが5名、最低工賃は必要だというのが2名という回答です。
 前回調査で1番多かったのが仕事量を確保してほしいという意見は今回の調査においては自由記入欄を書かれた1件という形になっております。
 調査結果については以上です。
 この調査結果をもちまして事務局意見としましては、最低工賃額について適用労働者数が少ないことや新規参入の予見がされないということから、工賃改正の必要が乏しく改正は見送り、また、ここで廃止を検討する基準としての家内労働者数100名というものを下回っている状況ではありますが、委託が兵庫県内ではなく県外の京都から出ているという状況や、その京都が最低工賃を設定している中、兵庫県が廃止することによって現在の但馬地域の家内労働者に影響があるということを踏まえまして、近い将来の廃止を見据えるものの現時点での廃止は見送るものと御提案させていただきます。
 以上です。 
今井部会長  ありがとうございました。
 では、ただ今の事務局の御説明について御意見・御質問のある方はよろしくお願いいたします。
瀬川委員  はい。
今井部会長  はい、お願いいたします。
瀬川委員  前回令和2年度は但馬地区の人絹・毛織物の対象年度になるのですけども、その際にも多分同じ説明を伺ったように思います。
 というのは県内で委託者がいない状況で兵庫県を廃止してしまうと京都府とのバランス上、廃止してしまうのは都合が悪いという申し出のことと伺ったのですけど、影響はもちろんすると思うのですけど、もう労働者の数も減ってきて10名程度ですよね。
 おそらく京都から発注をされているので京都の委託者側も相当コスト増で発注されているような実態があると思うので工賃を上げるどころでもないですし、光熱費も異様な上がり方とか考えますと、さらに家内労働者として継続してやっていくのが次年度以降さらに難しい状況が来るのだろうなと思います。 
 単純に現状が廃止の基準に十分見合っているように思うので、逆に但馬を廃止してしまうことによって京都府にどのようなマイナスの影響があり、なので廃止は出来ないという合理的と思えるのなら良いと思うのですけど、具体的にはどうでしょうか。
 もう少し突っ込んだ御説明をいただければ、でないとこれ以降ずっとやはり同じような理由の結論となりますし、京都が家内労働者何人ほどいらっしゃってという辺りも特にデータとしては示されていないので、そこを併せて御説明いただければと思います。 
田中賃金室長  前回説明の中ではさせていただいていたみたいなのですが、直近の京都の数値というのは把握しきれてないところはあるのですが、概ね平成26年当時改正をしているという経緯があると聞いており、その参考資料については皆さんの資料に参考と右上に書いたものをお入れしております。
 京都府絹織物の最低工賃ということで、これは直近平成26年に改正をしており、この時にざっと900人ぐらい家内労働者がいらっしゃって、その後も減ってはいると聞いているのですが、800人とか数百人はいらっしゃるというふうに聞いている状況です。
 京都は地場産業ということで特別のいろんな補助をしたりといった環境となる中でのことなので、兵庫とはちょっと環境が違うということで聞いているところでございます。
 前回、事務局としても廃止の話が出ていたというときに、委託者の方はいないという状況にはなっているけれども、受注して家内労働をされている方がまだ一定数いらっしゃるということで見送りということとなっています。
 今京都は兵庫より少し高い工賃設定が出ているかと思います。
 京都が生絹の無地ちりめん平織の場合最低工賃250円となっていますので、これをそのままこちらの兵庫のほうに持っていきますと最低工賃180円ということです。
 しかし、京都の最低工賃が兵庫ではそのまま適用されるわけではないですし、兵庫の最低工賃が京都で適用されるわけではない、実際は京都の工賃額で発注はしていることが多いのかなというふうには聞いているところでございますが、法律論的にはそうなってないと。
 兵庫はなくなった時にどうなるかといわれると、ここは細かな検討はないということでございますけれども、まずは兵庫で従来から兵庫の工賃設定の中でお仕事をしていただいている方がいらっしゃるということを法律上担保しているという現状がありますし、これを考慮して事務局としては御提案をさせていただいていた次第でございます。 
瀬川委員  データとしての意味合いという点で10人の方がおられて、それのために残しておくと意味では無駄だとかという意味ではなくて、廃止のための基準が書かれてあるので、それをはるかに下回っている状況でなぜ残す必要があるのだろうというのは単純に思います。
 もし、10名程度でも残しておくのであれば廃止の基準をもっと下げられればどうかなと。
 例えば限りなく0に近づいたのであれば廃止にしましょうというふうにこの廃止基準の見直しこそが良いのではないかという気がいたします。
 以上です。 
今井部会長  今の瀬川委員の御意見に対しては特に事務局からは、他にコメントはないですか。
田中賃金室長  この廃止基準につきましては、本省のほうで示されているものでございますので、御意見として承りさせていただいたということでございます。
今井部会長  他にございませんか。 
中西委員  はい。
今井部会長  中西委員お願いいたします。
中西委員  すみません、すごく基本的な質問で申し訳ないのですけれども、例えばその京都の委託者が兵庫県の家内労働者の方に委託をする場合の工賃というのは、京都の企業から依頼であっても兵庫の最低工賃がその適用されるという認識で良いのですよね。 
田中賃金室長  最低保障額として兵庫の最低工賃が適用されるから、それを上回っていればいいということです。
中西委員  例えば、その兵庫が最低工賃をなくしたことで、その兵庫において値崩れが起こる可能性があるということでその京都の最低工賃に合わせてずっと残しておきたいという認識なのかなと私は思ったのですけど、そういう意味ではないということですか。
田中賃金室長  厳密な検討の結果ということではないのですが、今おっしゃられたような意味合いもあるのかなとは思います。
 やはり最低工賃というもの自体の大きなお話しになるかと思うのですけど、もともと最低工賃を設定するということは、その家内労働について、そういう商売をする上でその地域の中で一定の水準を守るという意味合いもあります、 例えば仮に、そういった最低工賃がなくなるということは完全に工賃設定が自由になってしまいますので、それを防ぐというところはあろうかと思います。 
中西委員  すみません、ありがとうございます。
今井部会長  ほかに御意見・御質問等ございませんでしょうか。
 特にございませんでしょうか。
 そうしましたら、これ以上御意見・御質問等ないようでございましたら議題2についてはここまでとさせていただきまして、意見を取りまとめさせていただきたいと思います。
 家内労働者数が非常に少なくなっており、増加する見込みもない状況ではございますが、廃止するにはちょっと今現在まだ少ないながら働いている方いらっしゃるということで廃止するというのが早急過ぎるということで、この兵庫県但馬地区絹・人絹・毛織物業最低工賃につきましては、廃止また最低工賃引上げも含めまして、改正諮問の見送りは妥当であるということで改正諮問見送らせていただきたいと思いますが、よろしいでしょうか。 
各委員 (異議はなかった)
今井部会長  ありがとうございます。
 それでは本部会といたしましては、兵庫県但馬地区絹・人絹・毛織物業最低工賃については、「改正諮問の見送り妥当」ということで結論とさせていただきたいと思います。  
 では引き続き次の議題3「兵庫県綿・スフ織物業最低工賃について」に移らせていただきます。
 では、事務局から御説明お願いいたします。  
今村労働基準監督官  はい。
 では、兵庫県綿・スフ織物業最低工賃につきましては、資料の9・10・11をもって説明いたします。
 まず資料9「播州織企業数、織機台数等の推移」は播州織工業組合のほうから提供いただきました企業数・台数の推移となります。
 これを見ますと平成初期以降減少しているという状況が見て取れるかと思います。  
 次に資料10「兵庫県綿・スフ織物業最低工賃の推移」です。
 綿・スフ織物業最低工賃は昭和50年に設定されておりまして、その後改正し、今現在は平成11年が1番直近の改定となりまして、現在の最低工賃の適用となっております。
 こちらの工賃につきましては、1ヤール=0.915mですけども、その1ヤールという単位を用いて工賃額が決まっております。
 品目につきましては、ポプリン・ピンポイント・ドビークロスとなっており、これらは織り方の種類となっております。
 こちらは綿の糸の太さや本数によって規格が決まっておりまして、この金額になっております。 実際の発注においてはヤールよりは基本メートル単位での発注をしているということですので、太さについてはメートルの部分をヤールに換算いたしまして、最低工賃と比較しております。
 資料11は、「令和4年度兵庫県綿・スフ織物業家内労働実態調査結果」となります。
 綿・スフにつきましては、先程の但馬地区の織物業と異なりまして、委託者・家内労働者がどちらも県内におります。
 ですので、その調査対象は委託者・家内労働者の両方となります。
 委託者につきましては、播州織産元協同組合の加入事業所のほうに調査票を送りまして、これを回収した結果となります。
 また、家内労働者の調査結果につきましては、播州工業組合のほうから組合委員名簿の提供を受けまして、この名簿から51名、また工業組合の情報から非組合員11名を加えた62名について調査を実施したという状況でございます。
 回収率は、委託者が91.7%、家内労働者が35.2%という状況です。
 では、委託者の状況調査結果について御説明いたします。
 資料11の3ページ以降となります。 4ページの1-1「委託者の家内労働者数による規模別区分」は委託者が何人の家内労働者の方に委託をしているかということを規模別に区分したものになります。
 これを見ますと平均で11.2人ということになります。
 それから6ページの1-6「1か月あたりの工賃額別家内労働者数」を見ますと、5万円未満が8名である一方で、100万円以上は7名いらっしゃいまして、平均368,750円となります。 同じページの1-7につきましては、1-6の状況を令和2年の前回調査と比較したものになります。
 令和2年の平均額は328,682円となっていますので、前回調査と比較して平均額は増加となっております。  
 続きまして、7ページの2-1、「現行設定品目比較の品目別委託状況」です。家内労働者につきましては、ピンポイントオックス(ストライプ物)とジャガードクロス(多杼ジャガード組織)については家内労働者がゼロ。
 1番多いドビークロスの多丁杼で10名というところです。 8ページの2-2は、「最低工賃の設定品目以外の品目を含む調査表」となります。
 以前の部会の際に設定外の品目についても確認を取っていただきたいという御意見がありましたので、前回からこちらの資料を載せております。
 設定外の品目を含んだ場合であっても、設定品目と大きな分布の差がないという状況が見て取れるかと思います。  
 続きまして、9ページの3-1「最低工賃設定品目別委託状況」(令和2年度調査との比較)を見ますと、上段が今年令和4年の結果、下段が前回の令和2年の調査結果となっております。
 今年につきましては、ポプリン(ストライプ物)、単丁杼・多丁杼のドビークロスが増額。50ポプリン(ストライプ物)、ドビー朱子ハンカチが前年度より下がっているという状況です。
 また、最低額はいずれも上がっているという結果が出ているところです。
 10ページの3-2「最低工賃設定品目別工賃額」(令和2年度調査との増減率)では、50ポプリン及びポプリン(ストライプ物)、単丁杼・多丁杼のドビークロスについては結果として調査で最も低い工賃額、または加重平均が現行の最低工賃を下回っているという結果が出ております。
  11ページの4「最低工賃設定比較品目別の工賃改定値の分布状況」を見ますと、太枠が最低工賃額の分布にあたりますけれども、これより少し下の回答に調査結果が出ているという傾向が見て取れます。
 また12ページの5・6は、委託者の個別意見で記載があったものをそのまま全て転記しているという形になります。
 これに対しまして13ページ以降は家内労働者の調査結果となります。
 14ページ1-1「家内労働者数類型別分布状況」を見ますと、家内労働者が16名、補助者が15名、合計31名となります。  
 15ページの「家内労働者の年齢・職歴」を見ますと、やはり、高齢化が進んでいるということで、家内労働者16名は経験年数が30年以上の方がすべてを占めているという状況が見て取れます。  
 18ページの4-1「1ヶ月あたりの工賃額別家内労働者数」は、工賃1ヶ月あたりの収入分となります。  
 これに加えまして、19ページ4-2「工賃額別家内労働者数(補助者数)」で、補助者を含めた工賃の1ヶ月あたりの収入分となります。  
 こちらの表では500,000万円以上の収入がある家内労働者は5名おりまして、前回調査ではここの部分は2名でしたので割合としては高くなっている傾向です。  
 20ページ4-3「家内労働者6月度の必要経費状況」を示しております。
 4-3に示しております必要経費を差し引いたものが、下表の4-4「6月度の月額工賃と必要経費を差し引いた工賃区分分布」となります。
 差し引いた額では、平均額が293,800円となります。  
 21ページの5-1、22ページの5-2は「最低工賃設定品目別工賃額」で、21ページが本年度の委託者調査との比較。
 22ページが前回調査(令和2年調査)との比較になります。  
 今年の家内労働者の調査結果では、ジャガードクロス(多丁杼ジャガード組織)とドビー朱子ハンカチは回答が0件。 ピンポイントオックスを除いて最低額は、最低工賃より低いところに委託者の回答と同じように維持しているという状況です。  
 26ページ8・9は、「家内労働者の個別意見」をすべて転記したものとなっております。
 調査結果については以上となります。  
 これらの調査結果を踏まえましての事務局意見としましては、最低工賃が適用されます委託者・家内労働者数というのが少なくなってきており、廃止基準であります100名を下回っているという状況です。
 業界の置かれた状況からいいますと、今後、家内労働者が増加をしてゆくということを予想することも難しいかと思います。  
 また、一方で、現在の最低工賃の設定業務の品目からしますと、10名前後の家内労働者の方が認められる品目というのも複数品目ございまして、100名を下回りながらも、一定数の家内労働者数というのが認められるところでございますので、現行設定されている最低工賃の実効性というのも完全には失ってはいないと思われます。  
 以上から事務局としましては、改正見送りが妥当ではないかという御提案をさせていただきます。
 以上です。 
今井部会長  ありがとうございます。 ただいまの事務局からの御説明等について、御意見・御質問等ある方、よろしくお願いいたします。 
藤嶋委員  はい。
今井部会長  はい、お願いいたします。 
藤嶋委員  すみません、質問なのですけれども。
 特にこの播州織に関しては地場産業ということで、理解しております。
 工賃の動向であったりとか、播州織の産業の盛衰、盛り上がったり盛りさがったり、そのようなところと、最低工賃と連動して実際の給料を報酬として貰っているところが上がっているということは、それだけニーズがあるということなのか、あるいは、先ほど御説明をいただきました資料11の26ページにも最低工賃の引上げよりも、まずは仕事量を確保してほしいということからしますと、少し衰退傾向にあるのか、その辺りの産業そのもの自体と最低工賃とが連動するような関係性としてはあるものなのでしょうか。
 素人的な質問になっているかもしれませんが、よろしくお願いいたします。 
田中賃金室長  最低工賃自体は、たぶんこの全体の播織の中のごく一部のごく部分的な品目だけが定めとしてありますので、その工賃額と産業全体が盛り上がっているとか、盛りさがっているとか、連動性というのはあまり関連がないようには思います。 
藤嶋委員  少し言い方を変えますと、委託業者さんからしますと、やはり家内労働者の方の存在が専門職的なものとして、非常に必要と思われているところでいらっしゃるかどうかというところもちょっと違う見方としてはどうなんですかね。
 それはあまり関係のない部分ですか。
今井部会長  三村委員が少し今の御質問に関連した御発言で。  お願いします。 
三村委員  私も地域的には播州織物の地場産業の地域におりますので、その現場の感じ的なものを申し上げますと、産業的にももちろん数量的にもやっぱりコロナ前までには戻りつつはあるのですけれども、もともと産地全体として抱えてくる数量というのはやはり年々減ってきているのは事実です。  
 そしてその委託された、家内労働者の方を含め、工業組合に加盟されています機屋さん、織りを専門にされておられる会社というのも結構あるんですけれど、その中でやっぱり発注されるのを待つという姿勢ばかりではいけないと思っています。
 元々のそういう生地やシャツ地などの、定番品がメインで、収入の大半はそこなのでそこがバッと盛り上がらないと、収入にも影響しますので大量にはできないですが、新たに自分のところの差別化をしていくことが求められると思います。  
 例えば機屋さんの中にも機械の特色といいますか、その織りの特徴的なものもあって、それぞれの職場でみんな求められている生地を織れるかということでやはり違いがあったりとかします。
 そういう意味では、播州織産元協同組合のもと、分業制をやっていますから、染めは染めの業界がありますし、織りは織りの業界がありますし、生地を最終的に加工する業界もありまして、業界の中で、工賃の取り決めなんかも産地では決めているのですけれども、個々にやっぱりどうしても請け負うときに個別に工賃を上げなければという意見もあると思います。
 そういう意味では、業界間でのルール決め・工賃の加工賃の見直しとかをやるのですけれども、やはりその値崩れといいますか、「うち、もうちょっと安くでするわ。」ということをやってしまうと、そこへ仕事が流れてしまったりということがあるという意味では、業界間の縛りというものをもう少しきつくする必要があるのかなとは思います。
 とはいえ、それこそやはり商売ですから、機械を休ませるよりも仕事があるほうが良いという感覚・感情が働いてしまうと、全体としてはやはりなかなか工賃、要するに収入も上がらないという悪循環はあります。  
 ただ、ここに来て部材費、電気・機燃費がこれだけ上がっていますので。
 これは結局、家内労働者負担になっていますから、価格転嫁一切できていない状況は、そういう意味では、「かなりしんどいな」というのが声だと思います。  
 その数量を維持しても、固定費で持って行かれる部分というのはやはりかなり大きいと思いますから、これまでも中国のほうの国際情勢的などで部材が入ってこないとか、必要な色がないとか、そういう染めの関係の展開の中の課題・悩み、その中でさらに材料費もまた上がってきているというのは、どこの企業さんの家内労働の方も抱えられておられる問題だと思います。  
 地域でそういう盛り上がりを作るというのは、いろいろな催し物であったりとか、個々にまた違う意味で共同的に一緒にこういう商売をやろうよというのは、個々やいろいろな産業を地域でもやられていると思います。
 もちろん播州織地域でも産地の中ではいろいろ取組や、特化したものや、イベントをやったりなど、播州織といろいろ共同をしながら、なにか産業復興という大きなテーマ・目標を掲げつつ、地域や播州織が元気になるような手助けができないかというので、いろいろと播州織工業協同組合さん然りですけれども、播州織産元協同組合さん、個々の個人事業主さん、各商工会や業者と連携できるところはどんどんやりたいという思いもあって、ここ何年かは続けてきています。  
 実態はなかなかそう簡単なものではないなというのもすごくわかりますが、まだまだ裾野が広いと思います。
  従事者がやはり多いですから、そういう意味ではそれぞれ細かく決められた工賃というのももちろんクリアをされていると見ますと、ある程度価格転嫁的なものができつつあるのかわからないですが、月のいわゆる給与ベースが少し上がっていると見えるその実態調査を見させてもらうと、すこし明るい希望もあるかなと思います。
 努力もされているというのも大前提にあるというのは思うのですけれども、そういうところの良い水準で見えてくると、ちょっと安心する部分もあります。
 まとまりのないお話で申し訳ないのですが、地域の状況を見ますとこのような感じになると思います。 
藤嶋委員  ありがとうございます。
 詳細に御説明をいただきました。すごくイメージとしてつかみやすかったです、ありがとうございます。  
 そうやって、頑張っていこうというふうなことで委託業者、労働者がお互いにそんな思いで思っていらっしゃるということも理解がよくできましたし、これからは例えば電気代だといろんなことの環境がありますけれども、それが良くなったときにも、やっぱりせっかく県のほうでも地場産業として推していらっしゃる播州織を、その時に備えるような形で、最低工賃の設定がされておれば良いのかなというふうに感じました。
 ありがとうございました。 
今井部会長  他に、御意見・御質問等ございませんでしょうか。はい、鷲尾委員、お願いいたします。
鷲尾委員  繊維ということでの、今兵庫県における状況は全国的にもほぼ一緒なのですけれども、意見として、その概要をいちばん近くにいる私として皆様の共通認識になればなと思う部分だけ少し申し上げます。  
 御存じのとおり、平成の元年からすると、今、各繊維トータルの輸入浸透率が現状98%を超えている状況です。
 ということは、靴下に限っていうと平成元年は靴下は国産85%ありました。靴下は結構頑張っているほうなのですけれども、現状は8%となっており、10分の1ですね。 こういった状況の中で、この資料9の播州織企業数・織機台数の推移というところですべてのところにおいての企業数や、従業員数に至るところで、やはり平成元年よりも以前でピークの数字が見られると。
 逆に今、令和3年というところでいうと、ほぼ最低の数量になっておられる。企業数においても、1,488が113になっているという現状が、日本の繊維産業という部分の衰退というか、海外の安いものに押されているという状況が見て取れると思います。  
 何が言いたいかといいますと、そんな中で、昨年・一昨年と、今回の議題ではないところですが、従業員の最低賃金が大幅にアップされました。
 そんな中にいて、我々中小企業者としては本当に苦しい状況になっております。  
 そんな中で、今回の家内労働に関しても、これはお目付役というような意味でないといけないことは十分重々に承知をしているのですけれども、西脇市と加古川市が中心に、原料としての染色をした糸を巻く「本巻工程」というのと、「下巻工程」というものがございます。  
 実際に去年もあった話なのですけれども、やはりその下請け事業者の方々、本業のそれぞれの播州織・靴下屋ではないところの協力業者さんがことごとく廃業になっております。
 昨年、弊社もその影響を受けたというのが、やはり、毎日朝4時に車を走らせて西脇まで行って、帰ってきて糸を巻く、こういった方々が加古川でも一生懸命やっていただいていた方が80歳を超えられまして、昨年、不慮にも事故を起こされて結果廃業となりました。
 そのため、日本国中を飛び回って原料を作らざるを得なくなっていて、内職というところの密接した距離感ではないところですけれども、糸があって、その糸を染色し、そして巻くという段階までは今日本国中、広島や、愛知県というところに飛び回っております。  
 いわゆる、地元で今までは成り立っていたものが、成り立たなくなってきている現状の中での、比較的近くにおられる家内労働の方の収入を守ろうという趣旨はとてもよく分かるので、ただし、今、現状の皆さんの数字を見ていただいたらわかるように、平成10年・平成11年あたりから最低工賃がすべて据え置きになってしまっている事実ですね。
 これは労働局さんのほうへのお願いの部分ではないのですけれども、やはり、日本の繊維業というものを国はどうしたいのかというところが根本にはなってしまうかなと思います。  
 そんな中でも、決めないといけないことは決めないといけないということで、実直にこういう審議の時間を持つことは必要なことだとは認識しているのですけれども、現状の先ほど申し上げましたように、国産での比率が2%を切っているという状況をどう考えるのかというのが、そもそもの一番大きな課題かとは思います。  
 賃金室のほうからも国に対して「意見」として挙げていっていただくという、そういう繊維産業をどうするんだというところで私も去年経済産業省・生活製品課課長にも御相談にも伺いました。
 日本の産業・繊維産業をなんとか、経産省のほうからもなにか手助けで手を伸ばしていただく、中小企業に対するというところが、ひとつの諮問として別な項目ではありますけれども、やはり今の日本の状況、兵庫県の中にある繊維産業の地場産業の現状を鑑みての意見というところでの、それぞれの上に挙げていただけるというところがあれば、とても嬉しいかなと思います。  
 すみません、脱線をした話ですけれども、以上です。 
今井部会長  ありがとうございました。  他に、御意見・御質等はございませんでしょうか。 
各委員 (異議なし)
今井部会長  御意見・御質問がないようでございましたら、議題3についてはここまでとさせていただきまして、意見のとりまとめに進めさせていただきたいと思います。  
 皆様から業界団体・現場の実体的なお話、それを踏まえたような御意見をいただきましてありがとうございました。  
 改定諮問の見送りに関しては、こちらの委託者も家内労働者数は減ってきている状況・仕事量も減ってきている状況ではございますが、まだ品目によっては10名を超える品目もございますし、実際にまだ続いているということで実効性は失われていないということでございますので、改正する状況にはないということで、この兵庫県綿・スフ織物業最低工賃につきまして、廃止それから最低工賃引上げも含めまして、改正諮問の見送りが妥当であるということで、改正諮問を見送りたいと思いますが、よろしいでしょうか。 
各委員 (異議なし)
今井部会長  ありがとうございます。  
 それでは、兵庫県綿・スフ織物業最低工賃につきましても、本部会として「改正諮問の見送りが妥当である」との結論にしたいと思います。  それでは、続いて議題(4)その他について、委員の方から全体を通してなにか確認事項、御質問等がございましたらお願いいたします。  
 特にないようでございましたら、事務局のほうから最後に何か連絡事項等ありましたらお願いいたします。 
泉賃金指導官  本日の御議論をいただいた「議論の結果」につきましては、来月の3月6日に「兵庫地方労働審議会」が開催されます。
 そこの場で部会につきましては部会長のほうからお伝えいただくことになります。
 以上です。お願いいたします。
今井部会長  他にないようでございましたら、これで「第24回家内労働部会」を終了させていただきます。
 皆様ありがとうございました。
各委員  ありがとうございました。

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