「平均賃金」とは

労働基準法(昭和22年4月7日法律第49号、以下「労基法」という)第12条に定める平均賃金は、労働者の通常の生活資金をありのままに算定することを基本原理として、労基法上、下表に掲げる事由が生じた場合に算定されます。
 また労災保険の給付基礎日額(労働者災害補償保険法第8条)やじん肺法上、じん肺管理区分により都道府県労働局長が作業転換の勧奨または指示を行う際の転換手当の計算に用いられています(じん肺法第22条)。

支給事由 根 拠
解雇する場合の予告に代わる解雇予告手当 労基法第20条
使用者の都合により休業させる場合に支払う休業手当 労基法第26条
年次有給休暇を取得した日について平均賃金で支払う場合の賃金 労基法第39条
業務上負傷したり疾病にかかり、または死亡した場合の災害補償 労基法第76条、第77条、第79条、第80条~第82条
減給制裁の制限額 労基法第91条
  

1 常用労働者についての原則的な計算方法

(1) 労基法第12条第1項本文:
「この法律で平均賃金とは、これを算定すべき事由の発生した日以前3箇月間にその労働者に対し支払われた賃金の総額を、その期間の総日数で除した金額をいう。」
 
平均賃金= 算定事由発生前3か月間の賃金の総額 当該3か月間の総歴日数
 
[具体例]

平均賃金算定内訳
 
 
(2) 労基法第12条第1項但書:日給制等の最低保障
「ただし、その金額は、次の各号の一によって計算した金額を下ってはならない。
  1.  賃金が、労働した日若しくは時間によって算定され、又は出来高払制その他の請負制によって定められた場合においては、賃金の総額をその期間中に労働した日数で除した金額の100分の60
  2.  賃金の一部が、月、週その他一定の期間によって定められた場合においては、その部分の総額をその期間の総日数で除した金額と前号の金額の合算額」
 
(3) 労基法第12条第2項:賃金締切日から起算
「前項の期間は、賃金締切日がある場合においては、直前の賃金締切日から起算する。」
 
(4) 労基法第12条第3項:控除期間(業務上休業、産前産後休業等)
「前2項に規定する期間中に、次の各号のいずれかに該当する期間がある場合においては、その日数及びその期間中の賃金は、前2項の期間及び賃金の総額から控除する。
  1. 業務上負傷し、又は疾病にかかり療養のために休業した期間
  2. 産前産後の女性が第65条の規定によって休業した期間
  3. 使用者の責めに帰すべき事由によって休業した期間
  4. 育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律(平成3年法律第76号)第2条第1号に規定する育児休業又は同条第2号に規定する介護休業(同法第61条第3項(同条第6項において準用する場合を含む。)に規定する介護をするための休業を含む。第39条第10項において同じ。)をした期間
  5. 試みの使用期間」
 
(5) 労基法第12条第4項:参入しない賃金(臨時賃金等)
「第1項の賃金の総額には、臨時に支払われた賃金及び3箇月を超える期間ごとに支払われる賃金並びに通貨以外のもので支払われた賃金で一定の範囲に属しないものは算入しない。」
 
(6) 労基法第12条第5項:実物給与で算定するもの
「賃金が通貨以外のもので支払われる場合、第1項の賃金の総額に算入すべきものの範囲及び評価に関し必要な事項は、厚生労働省令で定める。」
 
(7) 労基法第12条第6項:雇入れ3か月未満
「雇入後3箇月に満たない者については、第1項の期間は、雇入後の期間とする。」
 
(8) 労基法第12条第8項:第1項から第6項により算定しえない場合
「第1項乃至第6項によって算定し得ない場合の平均賃金は、厚生労働大臣の定めるところによる。」
 

2 日雇労働者

労基法第12条第7項:
「日日雇い入れられる者については、その従事する事業又は職業について、厚生労働大臣の定める金額を平均賃金とする。」

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