■ 労働基準法違反の契約(第13条)・労働契約期間(第14条)・労働条件の明示(第15条)
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労働基準法違反の契約(第13条)
労働基準法に定める基準に満たない労働条件は無効であり、無効となった部分は、同法に定める基準が適用されます。
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例)
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「年次有給休暇は雇入れの日から起算して3年目から与える。」
と規定していても無効となり、労働基準法第39条に基づいて
『年次有給休暇は6ヵ月経過後から与える。』となります。
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労働契約期間(第14条)
労働契約は、期間の定めのないものを除き、一定の事業の完了に必要な期間を定めるもののほかは、3年(特定の業務に就く者を雇い入れる場合や満60歳以上の者を雇い入れる場合には5年)を超える期間については締結してはなりません。
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【5年以内まで可能なケース】
次のうちいずれかに該当する場合に限られます。
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(1)
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高度で専門的な知識等を有する者(高度で専門的な知識等の基準については下記参照)
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(2)
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満60歳以上の者
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厚生労働大臣が定める高度の専門的知識等の基準
[1] |
博士の学位(外国で授与を含む)を有する者
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[2] |
次の資格を有する者
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公認会計士
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医師
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歯科医師
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獣医師
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弁護士
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一級建築士
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税理士
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薬剤師
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社会保険労務士
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不動産鑑定士
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技術士
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弁理士
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[3] |
次の能力試験合格者
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システムアナリスト試験
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アクチュアリー試験
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[4] |
次に該当する者
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特許開発者
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登録意匠の創作者
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登録種苗品種の育成者
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[5] |
一定の学歴・実務経験を有するもので、年収1075万円以上の者
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(1)
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対象職種
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農林水産業の高度専門技術者
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鉱工業の高度専門技術者
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機械・電気の高度専門技術者
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建築・土木の高度専門技術者
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システムエンジニア
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デザイナー
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システムコンサルタント
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(2)
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学歴・実務経験の要件
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大学卒(専門的な知識等の専攻) +実務経験5年以上
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短大・高専卒+実務経験6年以上
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高卒+実務経験7年以上
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システムコンサルタントは、実務経験5年以上(学歴は問わない)
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[6]
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国等により有する知識が優れたものと認定された者
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労働条件の明示(第15条)
1.
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使用者が労働者を採用するときは、賃金、労働時間その他の労働条件を書面などで明示しなければなりません。
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2.
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明示された労働条件が事実と相違している場合、労働者は即時に労働契約を解除することができます。
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3.
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2の場合、就業のために住居を変更した労働者が、契約解除の日から14日以内に帰郷する場合、使用者は必要な旅費等を負担しなければなりません。
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(1)
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労働契約の期間
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(2)
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就業の場所・従事する業務の内容
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(3)
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始業・終業の時刻、所定労働時間を超える労働の有無、休憩時間、休日、休暇、交替制勤務をさせる場合は就業時転換に関する事項
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(4)
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賃金の決定、計算・支払いの方法、賃金の締切り・支払いの時期に関する事項
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(5)
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退職に関する事項(解雇の事由を含む。)
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(1)
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昇給に関する事項
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(2)
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退職手当の定めが適用される労働者の範囲、退職手当の決定、計算・支払いの方法、支払いの時期に関する事項
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(3)
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臨時に支払われる賃金、賞与などに関する事項
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(4)
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労働者に負担させる食費、作業用品その他に関する事項
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(5)
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安全・衛生に関する事項
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(6)
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職業訓練に関する事項
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(7)
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災害補償、業務外の傷病扶助に関する事項
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(8)
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表彰、制裁に関する事項
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(9)
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休職に関する事項
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(注)
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就業規則に当該労働者に適用される条件が具体的に規定されている限り、契約締結時に労働者一人ひとりに対し、その労働者に適用される部分を明らかにした上で就業規則を交付すれば、再度、同じ事項について、書面を交付する必要はありません。
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