熱中症予防対策の徹底を 7月は「重点取組期間」

～「STOP！熱中症　クールワークキャンペーン」展開中～

　山形労働局（局長小森則行）では、職場における熱中症^※1予防対策の一層の推進を図るため、「STOP！熱中症　クールワークキャンペーン」（以下「キャンペーン」という。）（準備期間：4月、実施期間：5月から9月）を展開しています。
　山形県内では平成22年8月以降、熱中症による死亡災害こそ発生していませんが、過去5年間の休業4日以上の死傷災害を見ると、平成29年を除き毎年10人以上の労働者が仕事中の熱中症により被災し、令和2年も13人が被災しているなど、長期的に増加傾向が認められる状況です。（資料1参照）
　熱中症の発生と気温、湿度等の気象状況には因果関係があることから、熱中症を予防するためには、気象情報等を確認する体制を構築し、WBGT値(暑さ指数)^※2の把握等に基づく対策の徹底が求められるほか、休憩場所の整備等の作業環境管理、作業時間の短縮等の作業管理、労働者の健康管理、労働衛生教育などが必要です。
　また、気象庁仙台管区気象台が5月25日に発表した東北地方の向こう3か月（6月～8月）の天候の見通しにおいては、平均気温が平年並みか高い見込みとなっていることから、山形県内においても、特に気温や湿度の高い作業環境等においては、新型コロナウイルス感染症予防対策を講じつつ、熱中症予防対策をより一層推進する必要があります。


・	職場における熱中症予防基本対策要綱
	本年4月、WBGT基準値^※3、着衣補正値等に関する改正を踏まえ、新たに「職場における熱中症予防基本対策要綱」が定められました。（資料2参照）　山形労働局では、県内50の関係機関・団体（労働災害防止団体、建設工事発注者等）に対して4月26日付けでこれを通知し、関係事業場への周知等を要請しています。

・	STOP！熱中症　クールワークキャンペーン
	山形労働局では、キャンペーンの「重点取組期間」となる7月を前に、熱中症による災害発生状況や各種対策等を周知し、熱中症予防対策の徹底を呼びかけています。（資料3参照）　令和2年の職場における熱中症の発生状況を見ると、キャンペーン期間中の全国の死亡者数は5月に1人、7月に4人、8月に16人、9月に1人の計22人（年間22人）で、令和元年と比較して3人減少しました。しかしながら、死亡者数は平成30年から毎年20人超の状況となっています。（資料4参照）

・	職場における熱中症予防情報（熱中症ポータルサイト）
	厚生労働省では、上記内容や社内教育用動画教材等を含めた熱中症予防等に係る各種情報を掲載したポータルサイトを運営し、広く周知等を図っています。（https://neccyusho.mhlw.go.jp/）（資料5参照）

※1	熱中症とは
	熱中症は、高温多湿な環境下において、体内の水分及び塩分（ナトリウム等）のバランスが崩れたり、体内の調整機能が破綻する等して、発症する障害の総称。　めまい・失神、筋肉痛・筋肉の硬直、大量の発汗、頭痛・気分の不快・吐き気・嘔吐(おうと)・倦怠(けんたい)感・虚脱感、意識障害・痙攣(けいれん)・手足の運動障害、高体温等の症状が現れる。

※2	WBGT値（暑さ指数）とは
	WBGT（Wet-Bulb Globe Temperature：湿球黒球温度（単位：℃））の値は、気温に加え、湿度、風速、輻射（放射）熱を考慮した暑熱環境による熱ストレスのレベルの評価を行うことにより、熱中症の発症リスクの有無をスクリーニングする指標。

※3	WBGT基準値とは
	身体作業強度（代謝率レベル）ごとに、健康な労働（作業）者を基準にして、それ以下の暑熱環境にばく露されてもほとんどの者が有害な影響を受けないレベルに相当するものとして設定された値で、把握したWBGT値との評価により熱中症リスクを見積もるための値。