令和6年度「冬の労災をなくそう運動」

1 趣旨
 東北地方の日本海側に位置する山形県は、県全域が豪雪地帯に指定された積雪寒冷地域であることから、例年、12月から3月頃までの冬期間には、凍結や積雪による転倒災害、墜落・転落災害、交通事故など冬期特有の労働災害(以下、「冬期型災害」という。)が多発します。
 冬期型災害を防止するためには、基本的な作業手順や交通ルールの厳守といった労働者自身による安全対策の実施はもとより、事業者自らが冬期型災害の防止に向けた安全方針を表明し、刻々と変化する自然環境に即応し、作業環境を整備することが重要です。
 そのため、山形労働局及び各労働基準監督署では、12月から2月までの3か月間を実施期間とした「冬の労災をなくそう運動」を提唱し、冬期型災害を大幅に減少させるための取組を呼びかけます。
2 実施期間
令和6年12月1日(日)から令和7年2月28日(金)
3 スローガン
「見える化」と 転ばぬ意識と行動で みんなでなくそう 転倒災害  
4 主唱者
山形労働局 ・ 各労働基準監督署
5 協賛者
山形県労働災害防止関係団体連絡協議会・各地区労働基準協会
(一社)山形県労働基準協会連合会、建設業労働災害防止協会山形県支部、陸上貨物運送事業労働災害防止協会山形県支部、林業・木材製造業労働災害防止協会山形県支部、(公社)建設荷役車両安全技術協会山形県支部、(公社)ボイラ・クレーン安全協会山形事務所、山形県ボイラ工業協会、(一社)山形県溶接協会、山形県建設労働組合連合会、独立行政法人労働者健康安全機構山形産業保健総合支援センター
6 事業場における実施事項
ア 最重点実施事項

(ア)気象情報の活用による安全対策の実施
  1. 大雪、低温等に係る気象情報を迅速に把握し、事業場内で共有するための体制を構築する。
  2. 凍結、積雪等が始まる前までに、把握した気象情報から事業場として講ずべき措置、関係労働者が順守すべき安全ルール等を明確にしておく。
  3. 把握した気象情報を踏まえ、必要に応じて、屋外作業、出張業務等に係る作業計画の見直しを行う。

(イ)凍結等による転倒災害防止対策の徹底
  1. 過去の労働災害、ヒヤリハット事例等から、転倒危険マップの作成、転倒危険箇所の「見える化」等により、視覚による注意喚起を図る。
  2. 凍結等により転倒のおそれのある通路、作業床等に対しては、融雪剤の散布、温風機、融雪マットの設置等、実効ある凍結防止措置を講ずる。または、立入(通行)禁止区域を設定する。
  3. 屋外及び屋外に通じる階段には滑り止めを設ける。
  4. 滑りにくい履物の着用を徹底するとともに、靴底がすり減った履物は使用しない。
  5. 歩行に際しては、足裏全体を使って小さな歩幅で急がずにゆっくり歩く。
  6. 上着やズボンなどのポケットに手を入れたまま歩行しない。
  7. 凍結した路面、除雪機械通過後の路面等では、荷物を担いだり、手に持って運搬しない。

イ 重点実施事項

(ア)屋外作業における安全対策の実施
  1. 大雪や吹雪等の悪天候時には作業を行わない。
  2. 建設機械等の運転席には、悪天候による非常事態に備え常時連絡できる無線機等を備え付ける。
  3. 作業通路の路肩等、転落のおそれのある箇所には、あらかじめポール等の標識を設置し、注意喚起を行う。
  4. 誘導者には、悪天候時でも運転者が容易に認識できる色彩の服装を着用させ、また、旗などを持たせる等、車両等との接触防止対策を講ずる。

(イ)雪下ろし作業等における安全対策の実施
  1. あらかじめ作業場所の状況を確認し、作業手順を定める。
  2. 「墜落防止のための安全設備設置の作業標準マニュアル」に基づき親綱等を設け、墜落制止用器具等を確実に使用する。
  3. 必ず墜落時保護用の保護帽を着用する。
  4. 昇降用はしごは十分な長さのものを使用し、転位しないよう上部を固定する。
  5. 上下同時作業を行わない。また、合図を徹底する。
  6. 軒先からの落雪のおそれのある場所は立入禁止措置を行う。
  7. 建設機械等による除排雪に際しては、合図等による接触防止措置を徹底する。また、機械に氷や雪が詰まったときは動力を完全に停止させてから対処し、すべての労働者が安全な場所に退避したことを確認してから動力を再始動する。

(ウ)交通労働災害防止対策の徹底
  1. 冬用タイヤについては、磨耗状況、製造年月等を点検し、所定の性能を有したタイヤを使用する。
  2. 気象情報、道路状況等を把握し、路面凍結、降雪が始まる前までには冬用タイヤへの交換を完了させる。また、路面状況に応じて、タイヤチェーンを併用する。
  3. 気象情報を踏まえた所要時間、制限速度等を考慮し、雪道に合わせた無理のない運行計画を策定する。
  4. 走行速度は控え目にし、車間距離を十分にとる。
  5. 急ハンドル、急ブレーキは極力行わない。
  6. 橋の上やトンネル出入り口、日陰部分では凍結していることがあるので、走行速度を落とす。
  7. 送迎車両の運転者は、冬期間の運転に対し十分な技能を有する労働者を選任する。
  8. 異常な天候、豪雪等が発生した場合は、その状況を正確に把握し、運転者に対して迅速に伝達する。その際、必要に応じて、走行の中止、安全な場所での一時待機等適切な指示を行う。

(エ)高年齢労働者対策
  1. 「高年齢労働者の安全と健康確保のためのガイドライン」(エイジフレンドリーガイドライン)に基づき、筋力、平衡機能、視力(薄明順応)、反射神経等の高年齢労働者の身体機能の低下を踏まえた設備面の対策(明るさの確保、手すりの設置等)を講ずる。なお、低温環境下ではより身体機能が低下することを十分に考慮する。
  2. ストレッチ等足腰を中心とした柔軟性や筋力を高めるための軽い運動等を取り入れ、基礎的な体力の維持により転倒災害防止を徹底する。

(オ)一酸化炭素等の中毒予防対策
  1. 自然換気が不十分な場所では、原則として内燃機関、練炭コンロ等を使用しない。
  2. やむを得ず内燃機関、練炭コンロ等を使用する場合は、一酸化炭素濃度の測定、継続的な換気等、一酸化炭素等の中毒防止ガイドラインに沿った対策を行う。
  3. 燃焼式暖房器具を使用する場合は、換気を徹底する。

(カ)雪崩災害防止対策の徹底
  1. 山間部や斜面の下等では、斜面のこう配、植生の状況等雪崩発生の危険について事前に十分な調査を行う。
  2. 気象情報を随時把握し、大雪や大雨、気温の上昇等急激な天候の変化の直後は作業を行わない。
  3. 積雪面を十分に点検し、雪崩の兆候を観察する。
  4. スコップ、ゾンデ棒及び雪崩ビーコンを必ず携行する。
  5. 救助とそ生の方法について周知する。
  6. その他、山形労働局版「雪崩災害防止対策要領」(平成13年11月)に基づく雪崩災害防止対策を講ずる。

(参考資料)クリックでダウンロードできますのでご活用ください。
令和6年度「冬の労災をなくそう運動」実施要領
令和6年度「冬の労災をなくそう運動」自主点検表(参考)
冬期型災害発生状況
雪崩災害防止対策要領(山形労働局作成)
山形労働局労働災害防止イメージキャラクター「てんとうぼうしくん」
「冬の労災をなくそう運動」リーフレット

その他関連情報

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