働き方改革に積極的に取り組む丸新志鷹建設(株)と意見交換を行いました!

 本年11月の「過重労働解消キャンペーン」 の取組の一環として、業務効率化などにより積極的に働き方改革を進める丸新志鷹建設株式会社の代表取締役社長 志鷹 茂樹 氏と富山労働局長とが意見交換を行いました。

 建設業は、他の産業に比べ労働時間が長い実態にありますが、その背景には発注条件や人材・人手不足などの個々の事業者の努力では解決が難しい状況があり、いわゆる2024年問題として社会的注目を集めました。
働き方改革関連法の全面施行から約1年半が経過した現在においても、困難な状況は続いています。

 そこで、働き方改革に積極的に取り組む建設会社の取組内容を収集(特に「建設ディレクター」の導入等)し、広く情報発信することで、県内の建設会社において課題解決に向けたヒントを得られるよう、意見交換を行いました。





(写真右手前側から)丸新志鷹建設(株) 代表取締役社長 志鷹茂樹 氏
          丸新志鷹建設(株) 取締役総務部長 窪喜治吉 氏
(写真左手前側から)富山労働局 局長   小島悟司
          富山労働局 監督課長 風間武志

建設業の2024年問題とは 

 2024年4月から建設業における時間外労働の上限規制が適用されたことで、工期の遅れや人材・人手不足などが懸念されているものです。(時間外労働の上限規制は、1年で720時間以内、1か月で100時間未満、2~6か月の月平均で80時間以内等となっています。)
 

意見交換の内容

 意見交換では、丸新志鷹建設(株) 代表取締役社長 志鷹茂樹 氏より、
  〇「建設ディレクター」を活用した働き方改革の推進
  ○「建設ディレクター」の活用が、建設業界における新たな人材の掘り起こしに繋がる可能性
についてご説明いただきました。

※「建設ディレクター」とは
 「建設ディレクターとは、ITとコミュニケーションで現場とオフィスをつなぐ新しい職域です。現場技術者の負担を軽減し、作業の効率化と就労時間の短縮を図る効果的な取組として「働き方改革への取組」にも繋がります。専門スキルを身に着け、工事施工に係るデータの整理及び処理、提出書類の作成管理やICT業務等を行います。現場とオフィスをつなぎ支援することで、技術者が品質管理や技術の継承などに集中する環境をつくります。建設ディレクターがデジタルとコミュニケーションを駆使し活躍する姿は、建設業に関わりのなかった人々にも「デジタルスキルを活かせる」と魅力的にうつり、多様な人材の採用につながっています。」(一般社団法人建設ディレクター協会HPより引用)


【課題は現場技術者の長時間労働の解消】

 丸新志鷹建設(株)では、現場技術者の長時間労働の解消が課題となっていました。
 現場技術者は、日中は建設現場の施工管理を行い、業務終了後に発注者へ提出する資料や報告書などの作成を行っており、時間外労働が前提となった働き方となっていたほか、県内の建設事業者に先駆けて、2017年に完全週休2日制度を導入したものの、業務量は減っていなかったため、結果として時間外労働により対応せざるを得ない状況でした。


【建設ディレクターを活用し、現場技術者の業務負担を軽減】

 そこで、現場技術者の業務負担を軽減し、長時間労働を解消するため、「建設ディレクター」を活用し、これまで現場技術者が行っていた資料や報告書の作成の一部を「建設ディレクター」が担うこととしました。
 なお、「建設ディレクター」の導入に当たっては、社内システムのクラウド化、社内の業務の洗い出しと「建設ディレクター」の業務分担の検討、「建設ディレクター」の仕事内容に対応した人事評価制度の整備などの対応が必要とのことでした。


【現場技術者からは・・・】

 現場技術者は、自身の仕事に誇りを持っている方が多く、導入当初は、「建設ディレクター」が現場に関する資料作成を適切に行うことができるのか、懐疑的な意見があったといいます。
 しかし、「建設ディレクター」に任命した従業員の努力によって、徐々に対応可能な業務が増え、現在では現場技術者からの信頼を得るに至り、円滑な業務支援が可能となったということです。


【「建設ディレクター」のこれから】

 現在、丸新志鷹建設(株)では、3名の「建設ディレクター」を配置し、専任として現場技術者のサポートを実施しています。
 今後、建設業界では、BIM/CIMなどの専門性の高いICT技術が必要になってきますが、「建設ディレクター」にこれらの技術を習得させることによって、現場にとって必須の職種に発展させたいということです。
 また、「建設ディレクター」はオンライン上での書類作成業務も多いため、必ずしも現場に行く必要はなく、社屋にいながら、また、自宅にいながら仕事をすることができることから、従来の建設業界の働き方を大きく変える職種です。そのため、これまで建設業界になじみのなかった方々の雇用の受け皿となることも期待されています。
 
 建設業界における「現場技術者の長時間労働」と「人材・人手不足」の2つの課題に対する解決策となりうる「建設ディレクター」の仕事に、今注目が集まっています!











 

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