秋季における死亡・重大労働災害の根絶に向けた集中取組を実施します

連絡先

富山労働局 労働基準部 健康安全課

課   長
松平 理加子
地方産業安全専門官
元井 幸樹

(電話) 076 (432) 2731

 富山労働局(局長 杉 良太)では、このたび、令和2年1~9月の労働災害発生状況(速報値)を別添1及び以下のとおり取りまとめましたので公表します。
 これによると、休業4日以上の死傷者数が790人となり、前年同期比で+52人(+7.0%)となっています。
 とりわけ、9月に3件の死亡災害が相次いで発生し、死亡者数が10人(製造業2人、建設業3人、農林業2人、畜産・水産業1人、商業1人、清掃・と蓄業1人)と前年同期比で+2人となったことに加え、重大災害(一時に3人以上の労働者が死傷又は罹病する災害事故)の発生件数も4件(昨年は年間を通じ0件)となる等、深刻な事態となっています。
 富山労働局と各労働基準監督署では、このような死亡災害や重大災害の多発に歯止めをかけるため、令和2年10月15日から令和2年12月31日までを

  「秋季死亡・重大労働災害根絶集中取組期間」

と定め、次の事項を実施します。

集中取組の内容
1.労使団体や労働災害防止団体等に対する死亡・重大労働災害根絶に向けた取組強化の要請
  労使団体及び各労働災害防止団体等に対して、別添2の文書により要請を行います。
  また、別添3のリーフレットを要請文書に併せて配布し、
  各団体による傘下会員事業場に対する周知啓発を依頼します。

2.労働基準監督署による監督指導及び個別指導
  県内4労働基準監督署は、期間中に集中的に監督指導等を行うほか、
  リーフレットの配布により周知啓発を実施します。

3.集団的な周知活動の実施
  取組期間中、各種団体との協議会や集団指導・説明会の場において、
  別添3のリーフレットの活用により周知啓発を実施します。


富山県労働基準協会あての要請文書を交付する杉局長(左)


建設業労働災害防止協会富山県支部あての要請文書を交付する杉局長(左)  

◎死亡災害一覧(富山県内・令和2年1~9月)
番号 発生月 業      種 年       代 経   験   年   数 災 害 発 生 状 況
1 3月 新聞
販売業
50歳代 1年
未満
新聞を配達するため、被災者が運転していた軽自動車が電柱に衝突、搬送先の病院で死亡した。
2 4月 農業 60歳代 1年
未満
被災者がフォークリフトによるはい崩し作業中、下段の土嚢からこぼれ出た内容物を清掃していたところ、上段の土嚢(約1トン、高さ80cm)が落下しその下敷きとなり窒息、死亡した。
3 4月 漁業 50歳代 1年 被災者は漁船に乗り、定置網の引き上げ作業を行っていたところ、海中に転落し水死した。
4 4月 産業廃棄物処理業 50歳代 4年 被災者は、パッカー車(ゴミ収集車)で収集した古紙類を出先の作業所で廃棄する作業を一人で行っていたところ、パッカー車後部の圧縮板に頸部を挟まれ死亡した。
5 5月 その他の製造業 30歳代 9年 被災者は、午前中より屋外において機械修理を行っていたところ、正午過ぎ頃までに体調を崩し、日陰で横になっていた。その後、事務所の休憩所で休憩するも体調が改善せず、夕方、救急車で病院へ搬送されたものの、熱中症が原因で死亡した。
6 7月 その他の建築工事業 30歳代 2年 高所作業車を使用して作業を行っていたところ、突然天井のスプリンクラーに高所作業車のバケットが激突し、死亡した。
7 8月 建築設備工事業 30歳代 6年 被災者は、既存建築物の天井裏で電気配線の変更作業を行っていたが、意識のない状態で発見され、その後死亡した。ペンチ使用時に誤って感電したものと推定される。
8※ 9月 橋梁建設工事業 20歳代 1年 被災者は、橋梁の塗料を剝がすための剥離剤吹付け作業を行っていたところ、倒れているのを発見され、その後死亡した。
9 9月 自動車整備業 70歳代 8年 被災者は、使用済のドラム缶をガスバーナーで溶断したところ、突然ドラム缶が爆発した。その際、被災者の顔面にドラム缶、ガスバーナーが当たり、その勢いで地面に頭を強打した。病院搬送後、死亡した。
10 9月 林業 70歳代 2年 木材運搬のため、被災者がトラックの荷台上で木材の荷締め作業をしていたところ、突然トラックが逸走した。その途中で、被災者が荷台から木材とともに沢に転落し、出血性ショックで死亡した

◎重大災害(一時に3人以上が死傷)一覧(富山県内・令和2年1~9月)

番号 発生月 業               種 年          代 災 害 発 生 状 況
1 4月 病院
20代2名
30代1名
給食の作業において、圧力鍋でゼンマイを煮込んでいたところ、
50分経過してもフロート(鍋内の圧力を下げる弁)が上がらないため、水をかけてから蓋を開けたところ、中のゼンマイと湯が噴き出し、作業員3名らが顔面や上肢を火傷し受診に至ったもの。
2 6月 食料品
製造業
30代2名
40代2名
オゾン水によりペットボトルの内部殺菌処理作業をしていたところ、作業室内にオゾンが充満し、作業員4名らが同時に受診に至ったもの。
3 8月 自動車
整備業
20代3名
40代1名
苛性ソーダを積載したトレーラーの横転事故の処理のため、そのレッカー移動作業に従事していた際、作業者ら4名が苛性ソーダに触れたため受診に至ったもの。
4※ 9月 橋梁
建設工事業
10代1名
20代2名
30代1名
40代2名
橋梁の塗料を剝がすための剥離剤吹付け作業を行っていたところ、作業員1名が死亡し、同時に作業を行っていた5名の作業員らが体調不良等を訴え受診に至ったもの。

 ※印は同一の労働災害です。

プレスリリース文
別添1 令和2年1~9月業種別署別労働災害発生状況(速報値)
別添2 労使団体及び労働災害防止団体等あて要請文書(写)
別添3 リーフレット「死亡・重大労働災害の根絶のために」   [ PDF - 28KB ]

リーフレット「ラベルでアクション」運動実施中  [ PDF - 2MB ]
リーフレット「剥離剤による中毒が多発しています!」 [ PDF - 663KB]
パンフレット「エイジフレンドリーガイドライン」(高年齢労働者の安全と健康確保のためのガイドライン)   [ PDF - 1MB ]                                  

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