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兵庫地方最低賃金審議会第2回兵庫県最低賃金専門部会議事録
日時 | 令和5年8月2日(水) 14時00分~15時16分 | ||
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場所 | 兵庫労働局 16階第3共用会議室 | ||
出席者 | 公益委員 | 梅野会長、桜間委員、山口委員 | |
労働者委員 | 岩﨑委員、小西委員、堀井委員 | ||
使用者委員 | 倉本委員、松岡委員、𠮷川委員 | ||
事務局 | 木下労働基準部長、田中賃金室長、飯田賃金指導官、山中労働基準監督官 | ||
議題 | (1) 兵庫県最低賃金の改正審議について (2) その他 |
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議事録 | 山口部会長 |
ただ今から、第2回兵庫県最低賃金専門部会を開会いたします。
まず、本日の会議について事務局から報告をお願いします。
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飯田賃金指導官 |
本日は、全員出席ですので、審議会令第6条第6項の規定による定足数を充足しておりますことを御報告させていただきます。
また、傍聴者の方々には遵守事項に従い、円滑な議事進行に御協力の程よろしくお願いいたします。
議事に入ります前に、中央最低賃金審議会よりビデオメッセージが届いておりますので御覧ください 藤村会長からメッセージをいただく予定でしたが体調不良のため、戎野会長代理からのメッセージとなります。
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(戎野会長代理からのビデオメッセージ) | |||
戎野会長代理 |
中央最低賃金審議会の戎野と申します。
令和5年度地域別最低賃金改定の目安について、中央最低賃金審議会答申を踏まえまして、メッセージをお伝えしたいと思います。
本来であれば、藤村会長がお伝えすべきところでありますが、会長が体調不良のため、会長代理であります私よりお話申し上げたいと思います。
どうぞよろしくお願いいたします。
1点目はこのビデオメッセージの趣旨です。
令和5年4月6日にとりまとめられた、「目安制度の在り方に関する全員協議会報告」において、目安の位置づけの趣旨が、地方最低賃金審議会の各委員にも確実に伝わるよう、都道府県労働局への周知方法について検討することを事務局に対し要望されました。
これを受けまして、目安の位置づけの趣旨に加え、この度中央最低賃金審議会においてとりまとめられた令和5年度の最低賃金改定の目安について、地方最低賃金審議会の委員に直接伝達されるよう、私からビデオメッセージを送らせていただくこととなりました。
地方最低賃金審議会の委員の皆様におかれましては、視聴いただく場を設けることとなった次第です。
視聴いただく皆様には、これから本格化する今年度の地方最低賃金額の改定に向けた議論に向け、改めて、目安並びに今年の公益委員見解の趣旨について、理解を深める機会としていただきたいと思います。
2点目は、目安の位置付けです。
目安は、令和5年全員協議会報告や、令和5年度目安小委員会報告に記載しておりますとおり、「目安は、地方最低賃金審議会が審議を進めるに当たって、全国的なバランスを配慮するという観点から参考にされるべきものであり、地方最低賃金審議会の審議決定を拘束するものではない」ことを改めて認識いただきたいと思います。
従いまして、公労使での真摯な議論の結果、目安どおりとなることもあれば、目安を上回ることも、あるいは目安を下回ることもありうるものであります。
地方最低賃金審議会におかれましては、目安及び公益委員見解で述べている3要素のデータに基づく目安決定の根拠等を十分に参酌し、公労使の三者でしっかりと議論を尽くした上での決定を心がけていただきたいと存じます。
3点目は、令和5年度目安のポイントです。
今年の目安についても、3要素のデータに基づき納得感のあるものとなるよう、公労使で5回に渡って真摯に議論を重ねてまいりました。
この結果、目安額については、Aランク41円、Bランク40円、Cランク39円となりました。
3要素のそれぞれの評価のポイントについて、簡潔に御説明申し上げます。
まず、「賃金」についてです。
連合及び経団連が公表しました賃上げ率は、30年ぶりの高い水準となっております。
また、賃金改定状況調査の第4表①②の男女計及び一般・パート計についても、平成14年以降最大となる、2.1%という結果でありました。
継続労働者に限定した第4表③は2.5%でありました。
次に、「通常の事業の賃金支払能力」についてです。
これは、個々の企業の賃金支払能力を指すものではないと解され、これまでの目安審議においても、業況の厳しい産業や企業の状況のみを見て議論するのではなく、各種統計資料を基に議論を行ってまいりました。
各種統計資料を見ますと、改善がみられる資料もいくつかありました。
しかしながら、今年度の議論におきましては、企業の支払能力の厳しさを示すものとして、価格転嫁の状況が特に注目されました。
価格転嫁が進んでいる企業も増加する一方で、転嫁が進まない企業も増えておりまして、2極化がみられました。
価格転嫁が不十分な状況が、賃上げ原資確保を難しくしている状況にもつながっている、その状況にも留意をいたしました。
最後に、3要素のうち、今年度の公益委員見解で最も重視した、「労働者の生計費」についてです。
ここは少し詳しく申し上げたいと思います。
消費者物価指数については、昨年の改定後の最低賃金額が発効した10月から今年6月までの「持家の帰属家賃を除く総合」の対前年同期比は4.3%と、全国加重平均の最低賃金の引上げ率3.3%を上回る水準でありました。
直近の月次を見ると、対前年同月比で、今年4月に4.1%、5月に3.8%、6月に3.9%となっております。
昨年10月から今年1月にかけて「持家の帰属家賃を除く総合」4%超え、5%以上にも達する高い伸びとなった時期と比べますと対前年同月比の上昇幅は縮小傾向にありますが、しかしながら引き続き高い水準であります。
消費者物価指数の「総合」、とりわけ「基礎的支出項目」といった必需品的な支出項目については、経済産業省が実施するエネルギー価格の負担軽減策である「電気・ガス価格激変緩和対策事業」の影響で一定程度押し下げられております。
「総合」では、6月は1%ポイント押し下げられているという試算が出ております。
なお、6月の使用分から電気の規制料金の値上げが行われている上に、当該事業の適用は、9月使用分までとされておりまして、10月使用分以降の扱いについては現時点では決まっていないことを確認しております。
このような中、最低賃金に近い賃金水準の労働者の購買力を維持する観点から、最低賃金が消費者物価を一定程度上回る水準であることが必要であると考えております。
さらに、昨年以来、継続的に消費者物価の高騰が見られる状況であり、昨年の改定後の最低賃金額が発効した10月から今年6月までの消費者物価指数の対前年同期比は4.3%と、昨年度の全国加重平均の最低賃金の引上げ率3.3%を上回る高い伸び率であったことも踏まえることが、今年度は適当と考えました。
こうした3要素のデータを総合的に勘案しまして、今年は4.3%を基準としてランク別の目安額を検討することといたしました。
次にランクごとの目安額についてです。
新しい資本主義実行計画などの閣議決定文書においても、「今後とも、地域別最低賃金の最高額に対する最低額の比率を引き上げる等、地域間格差の是正を図る」とされていることも踏まえ、地域間格差への配慮の観点からも少なくとも地域別最低賃金の最高額に対する最低額の比率を引き続き上昇させていくことが必要であると考えました。
その上で、賃金改定状況調査の第4表や、消費者物価指数のランク別上昇率を見ますと、各ランクに大きな状況の差異があるとは言いがたいと思います。
しかしながら、地域別最低賃金額が相対的に低い地域における負担増にも一定の配慮が必要であることから、Aランク、Bランク、Cランクの目安額の差は1円とすることが適当であると考えました。
公益委員見解で参照したデータについては、別添の参考資料としてまとめておりますので参照していただきたいと思います。
また、これまで目安に関する小委員会で提示いたしました資料については、地域別のものも含まれておりますので、適宜参照いただければと思います。
また、今般の最低賃金改定の目安は、過去最高額となる高い額でありまして、地方最低賃金審議会の委員の中には、なかなか受け入れがたいとの御意見があることも認識しております。
こうしたことも踏まえまして、中央最低賃金審議会の公益委員といたしましても、今年度の最低賃金の引上げが着実に行われるよう、政府に対して、中小企業・小規模事業者が継続的に賃上げしやすい環境整備を行うよう各種要望を例年以上に盛り込んだところであります。
具体的には、生産性向上の支援につきましては、可能な限り多くの企業が各種の助成金等を受給し、賃上げを実現できるように、政府の掲げる生産性向上等への支援の一層の強化を求めました。
特に、業務改善助成金につきましては、対象となる事業場を拡大するとともに、最低賃金引上げの影響を強く受ける小規模事業者が活用しやすくなるよう、より一層の実効性ある支援の拡充と、最低賃金の地域間格差を是正しつつ引き上げていくために、最低賃金が相対的に低い地域における重点的な支援の拡充を強く要望いたしております。 さらに、中小企業・小規模事業者において業務改善助成金の活用を推進するための周知等の徹底を要望いたしました。
加えて、中小企業・小規模事業者の賃上げ実現に向けて、賃上げ税制や補助金等における賃上げ企業の優遇、ものづくり補助金、事業再構築補助金等を通じた生産性向上等への支援の一層の強化に取り組むことが必要であること、赤字法人においても賃上げを促進するため、課題を整理した上で、税制を含めて更なる施策を検討することも必要であることも記載いたしました。
さらに、中小企業・小規模事業者がこれらの施策を一層活用できるよう、周知等の徹底も要望したところであります。
さらに、価格転嫁対策については、「中小企業・小規模事業者の賃上げには労務費の適切な転嫁を通じた取引適正化が不可欠である」という考え方を社会全体で共有するとともに、中小企業・小規模事業者が賃上げの原資を確保できるよう、労務費、原材料費、エネルギーコストの上昇分の適切な転嫁に向けた取組の強化を要望いたしました。
4点目は、発効日についてです。
発効日については、10月1日にこだわらず、賃上げ効果を速やかに波及させるために前倒しすべきという意見もあれば、引き上げの準備のために後ろ倒しすべきという意見もあると承知いたしております。
令和5年全員協議会報告において、発効日とは審議の結果で決まるものであり、発効の時点を規定する最低賃金法第14条第2項におきましても発効日は公労使で議論して決定できるとされています。
このことを、地方最低賃金審議会の委員に周知することが適当であるというふうに記載されています。
この趣旨を踏まえまして、丁寧な議論を行っていただきたいと思っております。
5点目、最後になりますが、これは公労使による真摯な議論についてです。
これまで述べてきましたとおり、目安額を示す際に、様々な資料に基づいて公労使で真摯な議論を行ってきたところであります。
地方最低賃金審議会におきましても、公労使による真摯な議論が行われますことを期待しております。
中央最低賃金審議会の委員として、地方最低賃金審議会の審議の結果については、注目していきたいと思っております。
皆様には、中央最低審議会の報告も参考になさって、公労使による真摯な議論をお願いしたいと存じます。
以上です。
どうもありがとうございました。
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飯田賃金指導官 |
それでは、この後につきましては部会長に議事進行をお願いいたします。
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山口部会長 | それでは、議事に入りますが、まずは事務局から配布された資料の説明をしてください。 | ||
田中賃金室長 |
それでは資料の説明をさせていただきます。
(次の資料について、説明)
資料No.1 一般職業紹介状況(令和5年6月分)兵庫労働局 関係部分抜粋R5.8.1付
資料No.2 管内金融経済概況 日本銀行神戸支店(2023年7月20日 )
資料No.3 消費者物価指数 神戸市(令和5年6月分)R5.7.24付
資料No.4 兵庫県毎月勤労統計地方調査月報(令和5年5月) 関係部分抜粋R5.7.26付
資料の説明については以上で終わらせていただきます。
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山口部会長 |
ただ今の説明について、御質問、確認等はありますでしょうか。
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各委員 |
(特になし)
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山口部会長 |
それでは、前回7月31日の専門部会では、労使から基本的な考え方をお伺いいたしました。
前回の労使のお考えを簡単にまとめますと、
労働側は、全国加重平均1,000円を目指し、地域間格差是正も意識しなければならない。
目安ではBランク40円が示されたが、公益委員見解を参酌し自主性の発揮を強く期待されている。
1,000円達成後のさらなる引き上げに向けた段階にある。
最低賃金の注目は年々高まり、デフレマインド転換の意味を持つ。
春闘で実現した賃金引上げの成果を労働組合のない労働者へも広く波及させたい。
連合のとりまとめの「最低限必要な賃金水準」の金額に到達したいが、今の物価上昇に賃金が追い付けていない。
最低賃金はセーフティネットにも関わらず、現在の960円では年間2,000時間働いても年収190万円程度にとどまる。
最賃法1条の主旨に立ち返って審議を尽くすべきであり、お互いの立場と法の趣旨に沿って、最低賃金を決定したい。
ということでした。
これに対し使用者側は、
今年示された目安4%台は、大手中堅の労使交渉の妥結結果を上回るもので、相場を超えた最低賃金は中小企業を危険にさらすことになる。
中賃では「今年、全国加重平均1,000円、達成」と具体的なキーワードで昨年を上回る39円以上の答申を迫られたと言え、政府方針に反対しないが審議会の形骸化が気になる。
一番過酷な状況にある経営者には価格転嫁が難しく、またコロナでの停滞期に借り入れたゼロゼロ融資等の返済が悩ましい状況にある。
「賃上げできない会社は置いていく」ではなく、誰一人取り残すことなく持続可能な最低賃金の改正が望まれており、精一杯の審議を尽くしたい。
という内容をお話しいただきました。
本日からは金額の審議に入りたいと思います。
目安額についてはBランク40円という目安が示されたことについては、労使とも御承知いただいていることと思います。
例年どおりですと、まずは労使から各々金額提示をしてもらい、続いて公益が労側、使側それぞれからの意見をお聞きして、金額審議を進めていくということになります。
今年もまずは労使から金額を提示できるかどうかも含めて、御意見をお聞きし、そこからスタートしていきたいと思いますが、よろしいでしょうか。
ではまずは労使それぞれで、打合せをされますか。
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各委員 |
お願いします。
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山口部会長 |
では10分を目処に、別室で打ち合わせをお願いします。
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(労働者側・使用者側委員が別室で打ち合わせ)
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山口部会長 |
それでは再開します。
これから双方の御意見をお伺いしますが、まずは労働者側委員から金額提示とその理由についてお願いします。
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小西委員 |
小西と申します。
よろしくお願いします。
兵庫県最低賃金改正審議にあたって労働側からの主張をさせていただきたいと思います。
今年度の最低賃金審議を取り巻く環境については、ウクライナ情勢の長期化や、エネルギー・資源価格の高騰などの懸念はあるものの、新型コロナウイルス感染症が本年5月より2類相当から5類へと位置付けが変わる中で、個人消費・設備投資の持ち直しの動きが継続しており、国内の景気は緩やかに回復している。
また、2023年6月16日に閣議決定した「経済財政運営と改革の基本方針2023」では、30年ぶりの高水準での賃上げの流れの維持・拡大を図ることとし、最低賃金においては、今年は全国加重平均1,000円を達成することや、地域間格差の是正、1,000円達成後の最低賃金引上げの方針議論が示されております。
そのもとで、中央最低賃金審議会では、2023年度の最低賃金額改定の引上げ額の目安を40円、兵庫県Bランクが示された。
このような状況を受け、労側として、2023年度の改正額については、引上げ率5%台を考えております。
改正額の根拠ですが、日本経済は、個人消費・設備投資等に持ち直しの動きなど、景気の緩やかな回復が継続しており、兵庫県下においても同様の景況感にあります。
一方、政府は、「経済財政運営と改革の基本方針 2023」に基づき、30年ぶりとなる高い水準の賃上げ、企業部門における高い投資意欲などの前向きな動きをさらに力強く拡大すべく、未来への投資の拡大と構造的賃上げの実現に向けた新しい資本主義の取り組みを加速させるとしています。
こうした状況のもと、コロナ禍で落ち込んだ経済回復とともに自律的な成長軌道にのせるためには、経済・社会の源となる「人への投資」が必要であり、その重要な要素の1つが最低賃金の引上げにあります。
また、消費者物価については、消費者物価指数、持ち家の帰属家賃を除く総合の直近において4%前後で推移しており、2021年度後半からの上昇が継続しています。
加えて「電気・ガス価格激変緩和対策事業」によって表面的な消費者物価の数値は押し下げられており、この激変緩和措置が終了する10月以降も見通す必要もあり、実質賃金を維持しなければ最低賃金近傍の労働者の生活は苦しくなるばかりであります。
生活水準の維持・向上の観点からも消費者物価も考慮した、継続的な最低賃金の引上げが必要と考えます。
さらに、兵庫県での2023年度の春闘結果では、昨年度を大幅に上回る3.35%の賃上げ率、全国平均では3.58%、有期・短時間・契約等労働者の賃上げ額は52.78円、率では5.01%となっています。
この労使の懸命な努力により実現した賃上げの流れを労働組合のない労働者へも広く、確実に波及させることが、消費の拡大をはじめとする経済の好循環の流れを作ることにつながるものと考えます。
一方で、兵庫県の最低賃金額は、「全国加重平均961円」に届いていないことや、今年度も全国加重平均値が上昇する可能性もあり、人口減少に伴う労働人口の減少と労働力の流出が懸念される中、近隣地域や首都圏との地域間格差是正も必要と考えます。
このような観点から兵庫県として最低賃金の改正は必要不可欠であるとともに、兵庫県の将来にわたる発展の礎を築くためにも、今年度も改正を図り、全国目安+αに到達させておく必要があると考えています。
今回の改正額に対し、様々な御意見をお持ちであることは推察されますが、我々に与えられた責務を今一度労使で再認識し、議論を深めて参りたいと考えており、使用者側のより一層の御理解・御協力をお願いしたいと思います。
最後に、今年度の金額審議にあたっては速やかな金額提示をお願いし、限られた時間の中で、引き続き、公労使三者合意での結審に向けて有効に議論を尽くしたいと考えていますのでよろしくお願いしますい。
以上です。
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山口部会長 |
引上げ要求は5%台ということですね。
続いて使側委員から金額提示とその理由についてお願いします。
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松岡委員 | では、使用者側を代表いたしまして松岡から申し上げます。
我々に示されました目安は、「新しい資本主義のグランドデザイン及び実行計画2023改訂版」並びに「経済財政運営と改革の基本方針2023」に配意したものでした。
地域別最低賃金は、法第9条2項で地域における労働者の生計費及び賃金並びに通常の事業の賃金支払い能力を考慮して定めなければならないとあります。
労働者の生計費及び賃金は共に上昇しており、最低賃金の改定は必要だということは我々使用者側も認識しておりますが、使用者側といたしましては、企業の支払い能力に注目せざるを得ません。
企業物価指数は依然、消費者物価指数以上に上昇しており、資材費等の高騰が収まらない中で、いわゆるゼロゼロ融資の返済に直面し、返済資金の工面に追われる状況で、最低賃金に近い水準で働く多くの労働者を抱える中小零細製造業では、過去にない危機を迎えております。
東京商工リサーチ神戸支店は、兵庫県内の2023年1月から6月で負債1千万円以上の企業倒産が前年同期比74.8%増の243件だったと発表しています。
この増加率は都道府県別で全国最高で、件数も5番目の多さです。
また、一昨日は今年3月末で事業活動を停止し、工場資産の処分を進めていた姫路にあるパナソニック液晶ディスプレイの清算が発表されました。
県下の大企業においても、大きな期待を集めた生産拠点をも失うような厳しい状況が続いております。
このような状況にあって、最低賃金の金額を提案させていただくわけですが、使用者側といたしましては、従来より賃金並びに通常の事業の賃金支払い能力を最も正確に示す資料と考えられております賃金改定状況調査の第4表①をやはり重視します。
賃金改定状況調査第4表①の、今年のBランクにおける賃金上昇率は2.0%です。
2.0%の上昇が中小零細企業をはじめ多くの企業に求めることのできる支払い能力で、法律の強制力を持って行政対応すべきギリギリのラインです。
ルールは決めた以上は徹底する事が必須で、徹底できないようなルールは決めるべきではありません。
したがいまして、本年は県内すべての事業所に昨年より2.0%の最低賃金の上昇を求める金額が適当と考え、使用者側の提案とさせていただいたところではありますが、この金額の提示は「全国加重平均1,000円を達成」と具体的な金額が記載された「新しい資本主義のグランドデザイン及び実行計画2023改訂版」及び「経済財政運営と改革の基本方針2023」の意向をくんだものとはならず、政権批判との誤解を招く恐れがありますので、誠に申し訳ありませんが、具体的な金額提示は明日の第3回専門部会以降で提示させていただきますので、よろしく御理解をお願いいたします。
以上です。
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山口部会長 |
ただいま、労側使側双方より意見をお伺いしましたが、審議を進めていきたいと思います。まずは、公益と労側とでお話するという形でよいですか。
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各委員 | (異議なし) | ||
山口部会長 |
それでは別室でお話を聞かせていただきます。
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(公労・公使会議等)
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山口部会長 |
それでは再開します。 公益委員が労働側委員及び使用者側委員から本日の提案の趣旨や考え方を確認させていただきました。 本日はこれ以上審議してもなかなか金額がまとまらないと公益側としては判断して、今日の審議はここまでにしたいと思います。 本日お聞きした内容につきまして、簡単に説明をいたします。 まず労側からお聞きした内容を申し上げますと、数字として有期雇用の労働者の賃金上昇率5%を考えている。併せて、大阪や京都との地域間格差の是正、全国加重平均との差の是正を考えた時に引上げ率を5%台にしたい。正確な数字につきましては明日以降の審議でお示しいただけると伺っております。 一方、使用者側からお聞きした内容について申し上げますと、改定状況調査の第4表①での2%という数字は中小企業まで含めて全体として最低賃金として受け入れられる数字ではないか。ただ、これだと大きく政府の見解とかい離してしまうので、それはできるだけ避けたいと考えているということで、政府見解と矛盾しない金額を協議した上で明日以降の専門部会で提示したいということでした。 本日は2%台と5%台と大きな開きがありますので、これについて今日持ち帰っていただいて、明日以降の専門部会で改めて金額の協議を進めたいと思います。 各委員から何か補足はございませんでしょうか。
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各委員 |
(特になし)
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山口部会長 |
では、今後の専門部会開催日程案について、事務局から説明していただけますか。
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田中賃金室長 |
今後の日程を再確認させていただきます。
第3回専門部会は既に御案内しておりますが、明日8月3日木曜日午後2時、この場所でお願いします。
第4回専門部会は、来週8月7日月曜日午前9時半、同じくこちらの場所を用意しております。
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山口部会長 |
では、次回は明日8月3日午後2時から、次々回は来週8月7日、月曜日の午前9時30分からで、よろしいですか。
来週8月7日、月曜日は午後2時から本審が予定されており、それを踏まえますと8月7日の専門部会は本審の時間までに結論を出せればと思いますが、今後の審議日程について、御意見ございますか。
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各委員 |
(異議なし)
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山口部会長 |
それでは、次回は明日8月3日午後2時、場所はこの会議室です。 その次は8月7日、月曜日午前9時半、同じくここでの開催となります。
また、引き続き金額審議が続きますが、公開とします。
最後に事務局から何かありますか。
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田中賃金室長 |
特にございません。
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山口部会長 |
それでは本日はお疲れ様でした。
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各委員 | (お疲れ様でした。) | ||
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