第2回兵庫県鉄鋼業最低賃金専門部会議事録

日時  令和5年9月20日(水)  14時56分~16時06分
場所 兵庫労働局 16階 第3共用会議室
出席者 公益委員 坂本委員、桜間委員、高階委員
労働者委員 川端委員、小西委員、藤田委員
使用者委員 篠田委員、平泉委員、𠮷川委員
事務局 木下労働基準部長、田中賃金室長、飯田賃金指導官、山中労働基準監督官
議題
(1) 兵庫県鉄鋼業最低賃金に係る改正決定の審議等について
(2) その他
議事録 桜間部会長
少し早いですが、皆様お揃いですので、ただ今から第2回兵庫県鉄鋼業最低賃金専門部会を開催します。
まず、本日の会議について事務局から報告をお願いします。
飯田賃金指導官
本日は、委員の皆様全員御出席ですので、最低賃金審議会令第6条第6項の規定による定足数を充足しておりますことを御報告します。
また、本日の議事は公開することとしておりましたが、傍聴希望はございませんでした。
桜間部会長
それでは、議事に入りたいと思いますが、事務局から何かございますでしょうか。
田中賃金室長
まず、一点目が皆様のお手元に新しい最低賃金のチラシが出来ましたので、またご入り用がございましたらおっしゃっていただいたらと思います。
もう一点が、カラー刷りの日程表を入れております。
こちらは他部会の関係も含めまして参考までにお配りをしております。
自動車小売を除きまして、それ以外は「必要性有」の結論が出ました。
9月11日から順次金額改正の審議に移っております。
輸送用についてはこれまで二度金額審議を行いましたがまとまっておりません。
塗料は一度金額審議をしておりますが、まとまっておりません。
今週に入りまして、はん用の一回目の金額審議に入りましたが継続となっております。
来週のところですが、斜体にしておりますのがまだ未定ではありますが、候補日として入れております。
以上です。
桜間部会長
前回8月28日の部会において、全会一致で改正必要性は有との決議を行いましたので、本日は、改正する金額についての審議となります。
今までの審議の中でお話しいただいている部分もありますが、ここからは金額審議ということですので、まずは、労使から金額審議に当たっての、金額提示及びその理由等を御発言いただき、そこから審議を進めていきたいと思います。
よろしくお願いいたします。
最初に、労使それぞれで打ち合わせの時間を設けた方が良いですか。
労使委員
お願いします。
桜間部会長
それでは10分程度でお願いします。
  (労働者側委員、使用者側委員それぞれ別室で意見調整)
桜間部会長
それでは審議を再開します。
まず、申し出いただいた労働側委員から金額提示とその理由をお願いします。
小西委員
それでは、小西から労働側の説明をさせていただきます。
前回の必要性審議の中で、我々労側からは、物価上昇に伴う特定最賃が適用されている非正規労働者や未組織労働者の生活への懸念をはじめ、生産年齢人口が減少していく中での優秀な人材の確保・定着に対する課題、今年の春闘における回答状況等を踏まえ、今年度の鉄鋼業の最低賃金改定の必要性を主張いたしました。
使用者側からも、鉄鋼業の最賃改定について、日本経済、鉄鋼業における下振れリスクがみられるものの、消費者物価の上昇や、周辺地域の状況も見据えながら、慎重に検討しなければならないとの表明もあり、労使ともに最賃改定の必要性有となりました。
そのもとで、具体的な金額改正額につきましては、現行の最低賃金額1,024円は年間2,000時間働くことでワーキングプアと呼ばれる年収200万円にようやく届く水準にあることや、継続している物価上昇を踏まえた改定の必要があります。
一方で、兵庫県内の鉄鋼業の魅力向上と人材確保の観点では、41円アップした兵庫県の地域別最低賃金1,001円との優位性の確保等を考慮した改定が必要と考えます。
更に、今年度の最低賃金改正申出時の最も低い賃金は1,111円で、昨年度の1,064円と比べて47円増加している等、基幹労連内の各企業の最低賃金協定額においても昨年と比べて大幅な改善がみられております。
また、今年の賃上げ状況、基幹労連、兵庫県、鉄鋼業では、ほとんどの組合が賃上げを確保しています。
これらのことは鉄鋼業及び企業の発展と強化に向けた人への投資の必要性はもとより、昨今の物価上昇への対応について使用者側の理解が示されたものと受け止めております。
これを鉄鋼業の特定最賃にも波及させ、兵庫県の鉄鋼業で働く人達の生活の安心・安定を図り、ひいては鉄鋼業全体を魅力あるものとし、現場力の強化、優秀な人材の確保・定着にも繋げる必要があります。
以上を踏まえ具体的な改正額につきましては、現行1,024円に対し必要な積上げ額プラス47円として合計1,071円を主張します。
以上、今回の改正額について考え方を述べさせていただきました。
鉄鋼業は、日本の基幹産業として、今後も経済・産業をリードしていく立場にあり、ここ兵庫県においても、鉄鋼業の中心都市として大きな役割を担っています。
また、産業の魅力を高め、技術・技能の伝承、人材の確保・定着など将来にわたる発展と成長を見据えるとともに、鉄鋼業特有の専門性や厳しい環境での作業に見合う水準であることが必要と考えます。
今回の改正額に対し、改めて我々に与えられた責務を今一度労使で再確認すると共に、労使のイニシアティブを発揮し、議論を深めて参りたいと考えており、使用者側のより一層の御理解・御協力をお願いいたします。
以上です。
桜間部会長
それでは続いて使用者側委員、お願いします。
篠田委員
それでは、使用者側から主張させていただきます。
前回、必要性審議の中で労働者側と同様に使用者側としても最低賃金については事業を取り巻く環境の不確実性や不透明性が増しており、多分の下振れリスクがありながらも、消費者物価指数の上昇や、本年度の賃金動向等を踏まえながら改定の必要性有だと申し上げたところでございます。
一方でマクロの経済を見ますと、資源エネルギー価格や原材料価格の高騰が継続していること、鉄鋼市場の盛り上がりに欠ける動き、また地域経済、つまり兵庫県内の生産活動の一進一退の動き等、こうした状況は決して軽視できるものではなく、加えて一番過酷な状況にある中小企業の方々への影響を重視べきだと前回も述べてきたところでございます。
従って、改定の金額については慎重に検討する必要があると申し上げたところでございます。
鉄鋼の最低賃金については御承知のとおり既に1,024円と4桁水準になっており、現時点で兵庫県の地域最賃と有意な差があるということ、更に近接の同業種間との格差、これも地域最賃と比較して近似しているというのが実態であると認識しております。
この状況下、企業収益への影響、特に中小企業への影響、これを最大限危惧しておりまして、加えて一昨年、昨年のカーボンニュートラルへの対応という鉄鋼業界の最重要課題への対応がこの先にあるということを踏まえ、使用者側として改定に慎重であるべきという見解を今回も述べさせていただきたいと考えております。
ただ、昨年も申し上げましたが、この部会におきましてこれまで築き上げてきました兵庫県の鉄鋼業の良好な労使関係を今後も維持、継続するためにも三者合意を目指したいという気持ちもあるというのも正直なところでございます。
そうした中でぎりぎりまで逡巡した結果として昨年は32円に歩み寄ったと認識しております。
今回につきましてはこれらを勘案いたしまして、使用者側としましては2023年度の春季賃上げ率3.04%を一つのベンチマークとしてこれに相当する31円相当程度の改定が妥当ではないかと判断しました。
従いまして、使用者側としまして本年度は1,024円プラス31円、結果として1,055円の金額を鉄鋼最賃として主張させていただきたいと考えております。
以上でございます。
桜間部会長
労使双方より、金額についての提示とその考えをお伺いしました。
労働側は47円引上げの1,071円、使用者側は31円引上げ1,055円という御主張でした。
双方の基本のところをお聞きしましたので、これから、さらに詰めていきたいと思います。
では、個別にお聞きしますので、申し出いただいた労働側から先にお話を伺うこととします。
 
(以下 別室にて公労会議、公使会議)
桜間部会長
それでは再開します。
労働者側、使用者側労使双方からお話をお聞きしました。
これまでも鉄鋼では三者合意をしてきております。
今回も議論を重ねて合意に持っていきたいということは感じております。
ただ、現在のところ金額的にはプラス47円とプラス31円で16円の開きがありまして、それぞれの御主張はまだ隔たりがあります。
近隣との格差是正についての認識も異なるところです。
改定の必要性というところでは御意見は一致するところですが、使用者側は厳しい状況というお話もあります。
ということで、本日はこのあたりで終了し、次回に引き続き審議したいと考えております。
次回の日程ですが、事務局から御説明をお願いします。
田中賃金室長
次回は、冒頭にお配りしました日程表の斜体の文字で記載させておりますが、9月27日、水曜日13時30分、場所はこの会議室でお願いしたいと思います。
桜間部会長
それでは次回は9月27日、水曜日13時30分からの開催とします。
それでよろしいでしょうか。
各委員
はい。
桜間部会長
次回も金額審議が続きますが、会議は公開とします。
本日はこれで終了となります。
ありがとうございました。
 

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