第666回兵庫地方最低賃金審議会議事録 

日時 令和6年3月11日(月)  9時58分~10時25分
場所 兵庫労働局16階 第3共用会議室
出席者 公益委員 梅野会長、坂本委員、桜間委員、千田委員、山口委員
労働者委員 岩﨑委員、小西委員、檀上委員、森田委員
使用者委員 倉本委員、瀬川委員、松岡委員、松下委員、𠮷川委員
事務局 金刺労働局長、木下労働基準部長、田中賃金室長、飯田賃金指導官、山中労働基準監督官
議題
(1)第1回兵庫地方最低賃金審議会小委員会報告(令和5年10月27日開催)について
(2)特定(産業別)最低賃金改正申出の意向確認について
(3)特定(産業別)最低賃金設定業種の適用使用者数及び適用労働者数について
(4)最低賃金の周知広報の状況について
(5)次年度の実地視察等について
(6)次年度の審議会の日程等について
(7)その他
議事録 梅野会長
おはようございます。
ただ今から、第666回兵庫地方最低賃金審議会を開会します。
本日の会議について、事務局から報告をお願いします。
飯田賃金指導官
本日は、堀井委員が御欠席ですが、最低賃金審議会令第5条第2項の規定による定足数を充足しておりますことを御報告します。
本日傍聴の申込者が1名おられましたが、予定時間になっても来られておりませんので、始めさせていただきたいと思います。
それでは、最初に兵庫労働局長の金刺より御挨拶を申し上げます。
金刺労働局長
年度末のお忙しい中お集まりいただきまして、ありがとうございます。
令和5年度を振り返りますと、物価高の影響が続く中、兵庫県最低賃金につきましては、過去最大の41円の引上げとなり、厳しい審議であったと思います。
委員の皆様方には、このような大変難しい情勢の中での審議会、各専門部会において、全会一致に向け、慎重かつ丁寧に御審議をいただきましたことに、深く感謝を申し上げる次第でございます。
おかげ様で、今年度は兵庫県最低賃金と6件の特定最低賃金につきまして、例年どおりの期日に発効することができました。
本日は、令和5年度最後となりますが、次年度に向けましての貴重な御意見等をいただければと考えています。
どうぞよろしくお願いいたします。
梅野会長
それでは、議事を進めます。
まず、議題(1)の「第1回兵庫地方最低賃金審議会小委員会報告について」です。
これは昨年令和5年10月27日に開催いたしました小委員会の報告のことであります。
お手元の資料No.1ですが、委員長の私から議事内容について報告いたします。
資料No.1には委員名簿及び議事経過が添付されております。
開催日は令和5年10月27日金曜日、9名の委員全員が出席いたしました。
冒頭、委員長、委員長代理の選出が行われました。
委員長には私、梅野が、委員長代理には桜間委員が選出されました。
特定最低賃金の改正申出要件についてが議論の中心ですが、まず、①として、事務局から小委員会開催に至る経緯について説明がありました。
7月14日の特賃諮問において、「塗料製造業にかかる合意者割合が28.3%」になっていたことに対して、使側委員から、この数値が30%を下回っており、概ねの許容範囲について、質問がありました。
事務局からは、「概ね3分の1」に関して、具体的で計量的に定められた基準はないので、必要があれば、審議会において、審議すべきものであるという説明がありました。
その後、8月7日の本審議会において、労側委員から合意労働者数の積算を再確認し、正しくは40.1%であったとの口頭での訂正申出がありました。
ただ、訂正はありましたが、今後この基準というものについて、労使双方で見える化をした方が良いのではないかとの御意見があったため、小委員会が開催されたわけです。
続いて、使用者側から、事務局提案が求められました。
事務局より、公益との協議案として「概ね3分の1とは、30%である」という数字案が提案されました。
これについて、使用者側からは30%については、受けても良い。
本来「概ね3分の1」とは、33.3%の端数の問題ではないかと思うとの意見もありました。
他方、労働者側からは、今回の不手際を踏まえ、数字の概ねの見える化も大事だが、もう少し慎重な判断が必要ではないかという意見、あるいは数字でぴしゃっと決めてしまうというのはどうだろうかという意見もありました。
その後、公労使で協議の結果、この概ねについて、数字化することはなく、引き続いて、「概ね3分の1以上」というのをよりきちんと運用していくということを再確認したわけです。
以上が「概ね3分の1」の議論です。
その他の議論として、労側から、地賃の大幅引上げが続く中、特定最低賃金の埋没・廃止議論が出てくることがあるのですが、基幹労働者の優位性を確保するための在り方、特に計量器においても熟練度を踏まえた適用除外の見直し等が必要ではないかという意見がありました。
使用者側からは、職業に貴賎なし、尊い卑しいというものはないということで、できるだけ業種にとらわれなく、多くの現場で働く人を一括りにもっていくような在り方というのを求めていくべきではないという意見がありました。
このようなことを中心に特定最低賃金の適用除外の検討に関する意見もこの当日交わされました。
この点については、事務局から考えられる手続き等について説明があり、今後特定最低賃金専門部会等の場において、計量器等での適用除外の在り方について、協議するという確認がなされたわけです。
以上ですが、もう一度まとめますと、今後具体的に特定最低賃金、なかでも計量器等の適用除外に関して見直しの検討が必要となれば、その内容に応じて事務局とも相談しながら協議する場を設けていこうということを確認した次第です。
以上が小委員会の報告です。
ただ今説明の「概ね3分の1」要件についての議論に関して、当時の小委員会の委員の方で何か付け加える説明や御意見等はございますか。
労使委員
(特になし)
梅野会長
よろしいですか。
ありがとうございます。
では、特定最低賃金の改正申出にかかる「概ね3分の1」に関しては、数字化することなく、「概ね3分の1以上」をより厳格に運用していくという結論でよろしいでしょうか。
各委員
はい。
梅野会長
では、そのようにいたします。
続いて、小委員会報告のその他の部分ですが、何か付け加えること、説明等はございますでしょうか。
各委員
(特になし)
梅野会長
それでは、特定最賃の適用除外に関する見直し等の議論については、今後の特定最賃専門部会等の場において必要に応じて協議していくことでよろしいでしょうか。
各委員 はい。
梅野会長
ありがとうございます。
では、(1)の議題を終わり、次の議題(2)「特定最低賃金改正申出の意向確認について」です。
事務局から説明をお願いいたします。
田中賃金室長
それでは説明をさせていただきます。
3月5日に、労働側から次年度の特定最低賃金につきましての意向表明をいただいております。
それについて、御報告をさせていただきます。
資料No.2を御覧ください。
こちらは、令和6年度兵庫県特定最低賃金の金額改正に関する意向表明ということで、3月5日にいただいたものになります。
●表示で書いておりますとおり、例年と変わりはないのですが、7件の特定最低賃金につきまして、金額改定について意向を表明するという内容でございます。
続きまして、資料No.3の方に現行の特定最低賃金に関する産業分類表もつけておりますので、御確認いただければと思います。
以上となります。
梅野会長
今回の意向表明について、労働者側委員から補足等があれば、御発言をお願いいたします。
森田委員
特にありません。
梅野会長
使用者側から、次年度に向けての意向表明に関して、御質問、御意見等はございますでしょうか。
松岡委員
特にありません。
梅野会長
では、特定最賃の改正等の今後の流れについて、事務局から、簡単に説明をお願いいたします。
田中賃金室長
それでは、説明をさせていただきます。
特定最低賃金の改正等につきましては、まず事務局におきまして、意向表明のあった業種に係る最低賃金に関する基礎調査の準備などをこれからさせていただきます。
その後、関係労使から正式な申出ということになるわけでございますが、例年でありますと7月初旬までに、今回意向表明のございました特定最低賃金につきまして、労働側から、改正等の決定の申出書というものを兵庫労働局長あてにいただくということになってございます。
正式な申出書が提出されましたら、申出の要件、適用労働者数、企業内最低賃金額といったものを事務局の方で確認をさせていただきまして、要件を満たした特定最低賃金につきまして、改正等の決定の必要性につきまして、最低賃金審議会に諮問をさせていただくということになります。
次年度の審議会等の日程については、この後もう少し詳しいことを説明させていただきたいと思います。
以上でございます。
梅野会長 ただ今の説明で何か、御質問や御意見がございますか。
各委員
(特になし)
梅野会長
では、次の議題(3)「特定(産業別)最低賃金設定業種の適用使用者数及び適用労働者数について」、そして、続いて議題(4)「最低賃金の周知広報の状況について」です。
続けて、事務局から説明をお願いいたします。
山中労働基準監督官
それでは、議題(3)について、説明させていただきたいと思います。
資料No.4を御覧ください。
適用使用者数・適用労働者数とは、各特定最低賃金適用業種における使用者数、労働者数を示したものになります。
こちらの使用者数及び労働者数は経済センサスでの使用者数・労働者数から、基礎調査にて判明した廃止事業場数及び廃止事業場の労働者数を減じ、その他倒産情報など、別途労働局が把握した情報がある場合はそれらについても考慮し算出したものとなっております。
年齢、業務等による適用除外労働者数とは、特定最低賃金業種ごとに定められた適用除外する労働者数をいいます。
令和5年度につきましては、令和3年経済センサスをもとに適用使用者数・適用労働者数を算出いたしました。
昨年までは、平成28年度経済センサスを用いて適用使用者数・労働者数を算出しておりましたので、今年度集計より母体となるデータが変わっております。
適用使用者数、適用労働者数については、以上となります。
飯田賃金指導官
続きまして、議題(4)について、説明させていただきます。
資料はNo.5です。
そちらを御覧いただければと思います。
最低賃金の周知広報につきましては、例年兵庫県最低賃金と兵庫県特定最低賃金の改定発効前を中心に業務改善助成金を始めとする支援策とともに実施しております。
従来から、主な方法として、地方公共団体ですとか使用者団体、労働組合などを中心に県内の約3,000か所にリーフレット、ポスターを郵送して、周知依頼を行うとともに、各自治体に広報誌やホームページへの掲載依頼を行っております。
県内の自治体が発行している広報誌やホームページでの掲載状況がお手元にある資料No.5のとおりになります。
ここにある他、兵庫労働局のホームページですとか労働局や傘下の労働基準監督署が実施する各種説明会での周知活動を実施しており、また監督署が行う調査時には中小企業庁の助成金とか税制優遇などの周知も積極的に行っているところです。
また、近年は最低賃金への注目の高まっていることもあり、特に夏から秋にかけて、テレビや新聞による報道がなされました。
その他にも昨年10月発効時には労働局からの依頼で前年度と同様ケーブルテレビ2社とラジオ局1社の協力を得て、周知を図っております。
次年度以降もまた改正された最低賃金額だけでなく、業務改善助成金を始めとした各種助成金や支援策の周知、これを積極的に行いたいと考えております。
以上です。
梅野会長
2つの議題について、続けて説明いただきました。
御質問、御意見等はございますか。
各委員
(特になし)
梅野会長
ないですか。
それでは、次の議題(5)「次年度の実地視察等について」です。
事務局から説明をお願いいたします。
山中労働基準監督官
それでは、「次年度の実地視察等について」御説明をさせていただきます。
資料No.6を御覧いただけますでしょうか。
実地視察と意見聴取は、いずれも委員の皆様に地域や各業界の実態を御認識いただき、その後の審議に生かしていただくために例年実施しているものです。
また、当審議会では、近年実地視察を地域別最低賃金、意見聴取を特定最低賃金の実態把握を目的として実施しております。
本日は次年度の対象業種等について、御提案をさせていただきたいと思います。
まず、実地視察についてですが、対象業種は例年、基礎調査の結果、最低賃金改正の影響が高いと考えられる業種を選定しております。
次年度につきましては、「宿泊業・飲食サービス業」と「卸売業・小売業」から、それぞれ1事業場ずつ、合計2事業場を選定したいと考えております。
対象地域につきましては、賃金水準に地域差も認められるところではあるのですが、県内全域から選定したいと考えております。
続きまして、意見聴取についてですが、こちらにつきましては、例年7月の審議会で事業所の方に御出席いただき、企業実態、業界の事情等について、お話しいただいているものです。
次年度につきましては、兵庫県内の特定最低賃金設定業種のうちから、今年度対象にしなかった「鉄鋼業」、「電子部品等製造業」の2業種を対象としたいと考えております。
以上です。
梅野会長
次年度の実地視察、意見聴取について、説明がありました。
御質問、御意見等はございますか。
各委員
(特になし)
梅野会長
では、次年度の実地視察についても、例年どおり実施することとします。
対象とする業種、地域については、事務局(案)のとおりといたします。
では、次の議題(6)「次年度の審議日程について」です。
説明をお願いします。
田中賃金室長
それでは、次年度の日程関係を中心に少し説明をさせていただきます。
次年度の関係ですが、その前に資料No.7「令和5年度の最低賃金審議経過一覧表」、それから資料No.8「今年度の最低賃金審議会等の開催日」の一覧を入れております。
まず、今年度のおさらいになりますが、県最賃につきましては、7月3日に諮問をさせていただきまして、7月31日から8月7日にかけまして、専門部会を合わせて4回開催をいたしました。
8月7日答申をいただきまして、異議審につきましては、8月23日に開催したという状況にございます。
特定最低賃金につきましては、7月14日に改正必要性の有無の諮問をさせていただきまして、今年度も各専門部会で改正必要性の審議をするということになりまして、改正必要性につきましては、延べ12回、金額改正につきましては、延べ11回専門部会を開催いたしました。
10月3日に本審、その後特定最低賃金につきましては、異議の申出がなかったということもございまして、10月19日に予定しておりました異議審につきましては中止させていただいたということでございます。
以上が今年度の審議の状況でございます。
次年度令和6年度になりますが、答申と発効日の関係につきまして、先日本省の方から通知がございましたので、それをついて、説明をさせていただきます。
資料の方はNo.9でございます。
まず、県最賃ですが、今年度と同様、例年どおり10月1日の発効を目指すということであれば、30日前の9月1日が休日という関係がございまして、直前の平日である8月30日の金曜日が官報の公示日になります。
こういった場合は指定日発効という言い方をいたしますが、答申期限につきましては、8月5日月曜日となります。
その場合は異議申出の期限が、8月20日火曜日ということになりまして、異議審につきましては、翌日8月21日水曜日ということになります。
次に、特定最低賃金の方でございますが、こちらも例年どおり、12月1日の発効を目指すということであれば、官報公示日が11月1日、そして10月3日木曜日が答申の期限ということになります。
この場合、異議申出の期限が10月18日金曜日ということになります。
異議審につきましては、その次の平日ということで10月21日月曜日ということでございます。
次に、例年の開催状況を踏まえましたものですが、皆様のお手元に審議会委員限りということで配付させていただいた「令和6年度 兵庫地方最低賃金審議会等開催予定((案))」を見ながらということでお願いをします。
現時点の情報でございますが、中賃での目安の諮問の日が6月25日になると聞いております。
その後の7月1日から5日の間に本審を開催させていただいて、県最賃の改正諮問を行いたいと考えているところでございます。
そして、中賃の目安の答申については、7月24日ないしはその翌日の7月25日に中賃の目安の答申が出る予定ということを聞いているところでございます。
ですので、7月25日から29日の間に開催する本審で、目安の伝達をさせていただいて、併せてその日に意見聴取をできればと考えているところでございます。
地賃の専門部会につきましては、改正諮問後委員の推薦公示等を行いまして、部会委員を任命してからということになりますが、7月下旬に1回目、その後8月5日にかけまして、専門部会を開催するということができればと考えているところでございます。
例年どおりほぼ連日専門部会を開催いたしまして、先ほども説明をしましたが、そのスケジュールであれば8月5日にできれば御答申をいただければと考えているところでございます。
異議審につきましては、先ほど申し上げましたとおり8月21日水曜日となってございます。
以上が県最賃の主なスケジュールということになります。
次に、特定最賃の関係でございますが、例年ですと先ほどの意向表明を受けまして、特定最低賃金についての正式な申出を7月上旬頃までに提出をしていただいているところでございます。
ですので、7月16日から19日までの間に開催する本審におきまして、改正必要性の有無についての諮問を行いたいと考えているところでございます。
改正必要性の審議の進め方につきましては、例年毎年協議しているというところではございますが、2つのパターンがございまして、スケジュール感が変わってくるということもございますので、2通り入れております。
緑色の記載をしているのが、令和2年以降のパターンということで改正必要性の審議を専門部会の方でその段階から行っていくというパターンです。
青色の記載の方が、それ以前のパターンでございますが、一括で答申をいただくという場合の日程案ということで、書かしていただいているところでございます。
特定最低賃金の改正必要性の審議のあり方につきましては、準備の関係もございますので、来年度につきましても、早い時期に審議会の方で御意見をまとめていただければと考えているところでございます。
簡単ではございますが、日程関係については、以上とさせていただきます。
梅野会長
日程等で御質問、御意見はございますか。
各委員
(特になし)
梅野会長
令和2年度以降改正必要性の有無の審議については、各専門部会を設置して、審議を行ってきました。
次年度はどうするのかということについて、労使それぞれの方向性をまた検討をいただければと思います。
では、最後の議題その他です。
来年の審議に向けて、委員の方から何か御意見等はございますでしょうか。
各委員 (特になし)
梅野会長
それでは、最後事務局の方から連絡事項はございますか。
田中賃金室長
皆様のお手元の資料にNo.10の資料をつけております。
これは参考情報として、お聞きいただければと思うのですが、日本標準産業分類の改定がございました。
現在兵庫では、各種商品につきましては、埋没状態で申出も出ていない状態でございますので、現行の審議におきましては、直接影響はないのですが、一応設定があるということで変更になる産業分類の中身について資料をお付けしているということでございます。
また、内容については読んでいただければと思います。
私の方から以上でございます。
梅野会長
ただ今の説明に御質問等はございますか。
各委員
(特になし)
梅野会長
特にないようですので、これにて閉会いたします。
本審議会は今年度最後です。
皆様御協力ありがとうございました。
 

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