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第1回兵庫県鉄鋼業最低賃金専門部会議事録
日時 | 令和5年8月28日(月) 9時55分~10時55分 | ||
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場所 | 兵庫労働局 16階 第3共用会議室 | ||
出席者 | 公益委員 | 坂本委員、桜間委員、高階委員 | |
労働者委員 | 川端委員、小西委員、藤田委員 | ||
使用者委員 | 篠田委員、平泉委員、𠮷川委員 | ||
事務局 | 木下労働基準部長、田中賃金室長、飯田賃金指導官、山中労働基準監督官 | ||
議題
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(1) 部会長及び部会長代理の選出について
(2) 兵庫県鉄鋼業最低賃金に係る改正決定の必要性の有無の審議について
(3) その他
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議事録 | 飯田賃金指導官 |
定刻より少し早いですが、皆様お揃いですので、ただ今から、第1回兵庫県鉄鋼業最低賃金専門部会を開催します。
本日は、全員御出席ですので、最低賃金審議会令第6条第6項の規定による定足数は、充足しておりますことを御報告します。
また、本日の審議は議事を公開することとしておりましたが、傍聴希望の申出はありませんでした。
本日は、第1回目の専門部会となりますので、部会長が選出されるまでの間、事務局で議事を進行させていただきます。
それでは、審議に入ります前に、労働基準部長より御挨拶を申し上げます。
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木下労働基準部長 |
令和5年度兵庫県特定最低賃金鉄鋼業専門部会の開催にあたりまして、一言御挨拶を申し上げたいと思います。
委員の皆様におかれましては、業務御多忙の中、本専門部会の御出席、誠にありがとうございます。、
また、日頃より賃金行政への御尽力に関しまして、感謝を申し上げたいと思います。
さて、本年度の兵庫県特定最低賃金でございますが、労働者代表の方から、塗料製造業、他6業種の改正の申出が行われており、7月14日付けの本審において、兵庫労働局長金刺から当該7業種の改正の必要性の審議および改正決定、金額に係る審議を諮問させていただいたところでございます。
委員の皆様におかれまして、これから必要性の有無を含めての集中的な御審議をしていただくこととなりますが、特定最低賃金につきましては特に労使のイニシアティブの発揮より決定されるものと理解しているところです。
何卒、全会一致の御決議をいただきますよう円滑な御審議に向けてよろしくお願いいたします。
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飯田賃金指導官 |
次に各委員の紹介をさせていただきたいのですが、時間の関係もありますので、各委員につきましては、お手元の資料に添付しております委員名簿にて御確認をお願いします。
それでは、部会長の選出に移らせていただきます。
部会長、部会長代理の選出につきましては、慣行により、公益代表委員の皆様の御相談により、候補者を御推薦していただき、その後、御推薦いただいた委員を専門部会にお諮りするということにさせていただいておりますが、それでよろしいでしょうか。
御異議ありませんか。
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各委員 |
異議なし。
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飯田賃金指導官 |
それでは、そのようにさせていただきます。
では、公益委員の方から、部会長と部会長代理の推薦をよろしくお願いいたします。
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高階委員 |
公益委員で事前に打ち合わせいたしましたので、部会長に桜間委員、部会長代理に坂本委員を推薦いたします。
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飯田賃金指導官 |
ただ今、部会長に桜間委員、部会長代理に桜間委員との御推薦がございましたが、御異議ございませんか。
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各委員 |
異議なし。
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飯田賃金指導官 |
異議なしとの声をいただきましたので、部会長に桜間委員、部会長代理に坂本委員が選出されたものと確認いたします。
それでは、この後の議事進行につきましては、部会長よろしくお願いします。
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桜間部会長 |
部会長に選出されました桜間でございます。
慎重審議に努めたいと思いますので、よろしく御協力お願いいたします。
では、議事を引き続き、進めたいと思います。
議事録の確認をいただく委員を指名したいと思います。
部会長及び部会長が指名した委員2名が議事録の確認を行うこととしますので、労使委員から1名ずつ指名したいと思います。
労働側の委員は、どなたにされますか。
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小西委員 |
小西でお願いします。
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桜間部会長 |
使側はどなたになさいますか。
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𠮷川委員 |
𠮷川でお願いします。
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桜間部会長 |
それでは、当専門部会において議事録の確認をいただく委員は、小西委員、𠮷川委員、そして部会長である私が行うということとします。
また、もし部会長が欠席の場合は、部会長代理が署名することになりますが、労使の委員の場合は、出席委員の中で、その都度お決めいただいた上で、部会長が指名するということにしたいと思いますが、それでよろしいですか。
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各委員 |
異議なし。
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桜間部会長 |
それでは、審議に入ります。
本日の議題は「兵庫県鉄鋼業最低賃金に係る改正の必要性の審議について」となっております。
今年も昨年同様に、「改正必要性の有無について」も、鉄鋼業界事情に通じた専門部会委員で判断を委ねるべきとの意見を踏まえ、各専門部会において審議することなったものです。
この辺りの経過等は労使それぞれお聞きいただいているとは思いますが、確認のため、今年の経過や改正の流れも含めて事務局から説明をお願いいたします。
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田中賃金室長 |
賃金室長の田中です。
説明させていただきます。
よろしくお願いいたします。
お忙しい中、お越しいただきましてありがとうございます。
まず、情報のほうからお伝えさせていただきます。
皆様のお手元に厚生労働省の発表資料、2枚綴りでございますが、全国の地域別最低賃金の答申状況一覧をお配りしております。
これによりますと、目安額が示された時点では、全国加重平均は1,002円となっておりましたが、Cランクのところが大きく上がったこともありまして、全国加重平均1,004円となりました。
2点目ですが、兵庫の特定最低賃金改正の必要性の審議経過をお伝えします。
先週月曜日、はん用の改正必要性の審議がありまして、「必要性有」の結論になり、金額審議は9月20日、水曜日の10時となりました。
続いて、8月22日、午前中に自動車小売業で必要性の審議があり、これについては継続審議となりました。次回は8月31日、午前10時となりました。
同じく、8月22日の午後に計量器の必要性の審議があり、これについても継続審議となり、次回は9月11日、午前10時になりました。
8月23日の午前中、兵庫県最低賃金の異議審があり、答申原案通り1,001円で決まりました。
9月1日官報公示の予定をしております。
8月23日の午後は塗料があり、改正の必要有となり、金額審議は9月15日になりました。
8月24日午前には輸送用があり、こちらも改正の必要有となり、金額審議は9月11日の午後になりました。
8月24日午後には電子があり、こちらは継続審議となり、次回は今週金曜日の午後となりました。
まとめますと、はん用、塗料、輸送用の3つは必要性有となり、自動車、計量器、電子の3つは継続審議となっております。
参考情報は以上でございます。
これから少し中身のお話をさせていただきます。
兵庫県最低賃金につきましては、9件の特定最低賃金がございます。
そのうち今年は、7月6日、7日にかけまして7件の特定最低賃金について、改正の申出を労側の方からいただいております。
お手元の資料1に特定最低賃金改正の申出状況をまとめさせていただいております。
今回、申出をいただきました7件の特定最低賃金の改正つきましては、いずれも形式的要件を具備されているものと判断いたしましたので、7月14日の本審におきまして、改正必要性の有無についての諮問をさせていただいております。
兵庫の場合は令和元年までは本審で一括して改正必要性の審議を行った上で専門部会においては金額審議のみ行っておりましたが、令和2年以降、各業界事業に通じた専門部会委員での判断にゆだねるべきとの御意見を踏まえ、各専門部会において改正必要性の有無の審議から行う運びとなっておりました。
本年も昨年に引き続き、各専門部会において改正必要性の審議から行っていく、ということが審議会で決定されたところでございます。
特定最低賃金の改正は、金額の改正を行うことの必要性に係る諮問、答申、そして必要性有の答申が出た場合は金額をいくらにするかという金額改正の諮問、答申の二つの段階を経て金額改正に至るという形になっております。
その辺りについて詳しく説明させていただきます。
机上配布させていただきました特定最低賃金についての説明資料を御覧ください。
特定最低賃金については最低賃金法第15条から第19条に定められ、企業内の賃金水準を設定する際の労使の取組を補完するものとされています。
その決定については、労使のイニシアティブにより決まり、全国には226件設定されている状況でございます。
兵庫県では先ほど述べましたとおり、9件設定されている状況でございます。
うち7件で改正申出がある状況でございます。
特定最低賃金と地域別最低賃金の関係ですが、法第16条により、特定最賃は地域別最賃よりも高くなければならないとのことですので、地域別最低賃金より低い特定最低賃金を決定するということは、法律上出来ないということになっております。
地域別最低賃金は現在960円ですが、こちらはすべての労働者の賃金の最低限を保障するセーフティーネットという役割・機能に対しまして、特定最低賃金につきましては、企業内の賃金水準を設定する際の労使の取組を補完するもの、或いは公正競争を補完するものという役割設定であるということが、大きく異なるところでございます。
次に特定最低賃金の決定、改正までのプロセスですが、労使からの申出がありましたら、労働局長が諮問を行い、審議会又は専門部会で必要性の調査審議、必要性の答申があった場合は金額の諮問、金額の調査審議、改定額の決議、答申、異議審、決定、官報公示、効力発生という流れになりますが、本日は必要性の調査審議を行っている状況でございます。
特定最低賃金の改正の必要性の有無の考え方をまとめていますのが、昭和57年の中賃の答申ですが、「必要性の有無は全会一致の議決に至るよう努力する」とされております。
つまり、改正の必要性は全会一致によらねばならないということです。
平成14年12月6日の全員協議会報告につきましては、金額に関する調査審議については、「全会一致の議決に至るよう努力することが望ましい」とされています。
金額審議につきましては全会一致だけではなく採決にて決定することもあり得るという違いがありますので御理解ください。
必要性の有無に関しては、必要性有という場合は最低1円以上の引上げを行うという御理解をいただいたものということになります。
加えて、地域別最低賃金以下の改正ということは法の趣旨に反しますので、改正された特定最低賃金は地域別最低賃金以上、つまり今年の場合は960円から1,001円に引上げる答申をいただき、異議審を受けて9月1日公示されるという予定になっておりますので、改正される特定最低賃金は地域別最低を上回る1,002円が最低ということになります。
特定最低賃金は申出を行った事業場内最低賃金を超える金額での改正は出来ませんので、改正額の上限については、事業場内の最低賃金額が限度となります。
具体的に言いますと資料1の申出状況の最も低い金額例の中の労働協約の申出いただいております金額が最も低い金額、鉄鋼ですと1,111円となっておりますので、改正有の場合はこの金額を超えることはできないということでございます。
簡単ではございますが、流れの説明については以上でございます。
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桜間部会長 |
ただ今の説明について、御意見、御質問はございますでしょうか。
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各委員 |
(特になし。)
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桜間部会長 |
それでは、兵庫県鉄鋼業最低賃金の改正必要性の有無についての審議に入りたいと思います。
では事務局から、本日お配りいただいている各種資料の説明をお願いします。
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田中賃金室長 |
引き続き私から、配布している経済状況等の資料を説明させていただき、その後、担当官から基礎調査の結果について概要を説明させていただきます。
(次の資料について説明)
資料No.5 一般職業紹介状況(令和5年6月分)抜粋 (兵庫労働局職業安定部職業安定課 令和5年8月1日公表)
資料No.6 管内金融経済概況(日本銀行神戸支店 2023年7月20日)抜粋
資料No.7 毎月勤労統計調査地方調査月報(令和5年5月)抜粋(兵庫県)
資料No.8 兵庫県の経済・雇用情勢(産業労働部地域経済課 令和5年8月10日公表)抜粋
資料No.9 兵庫県鉱工業指数月報(令和5年5月速報)抜粋
資料No.10 連合兵庫2023春季生活闘争 平均賃金方式 第6回 回答集計(連合兵庫2023年6月1日)
資料No.11 2023年度春季賃上げ状況(兵庫県経営者協会2023年6月21日)
資料No.12 輸送用機械器具製造業関係最低賃金(令和3年度,令和4年度,全国)
私からは以上ですが、基礎調査の関係について担当より説明させていただきます。
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山中労働基準監督官 |
賃金室の山中です。私からは基礎調査について説明させていただきます。
(以下の資料について説明)
資料No.4 令和5年度最低賃金に関する基礎調査結果(特定最賃)
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桜間部会長 |
ただ今の説明について、御意見、御質問はございますか。
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各委員 |
(特になし。)
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桜間部会長 |
それでは、審議を続けます。
今回も、改正の必要性の有無から専門部会で審議を行っていくということでございます。
事務局の説明にもありましたが、必要性の有無に関しては全会一致が原則ということになり、全会一致に至らない場合は必要性が認められないということになります。
また、全会一致で決議された場合は、最低賃金審議会令第6条第5項の適用により、専門部会の決議をもって、審議会の決議となります。
限られた時間の中で、大変御苦労をおかけいたしますが、よろしくお願いします。
それでは、まず労使双方から、兵庫県鉄鋼業最低賃金の改正必要性の有無の審議に当たっての基本的な考え方を伺わせていただきたいと思います。
その段階で、双方が御意見を同じくするのであれば、改正必要性についての結論が出たこととなり、答申を行い、御意見が異なる場合は、審議を続けていくこととしたいと思います。
では最初に労使双方、それぞれで意見調整をされますか。
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各委員 |
お願いします。
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桜間部会長 |
労使それぞれ意見調整が必要とのことですので、10分から15分程度でお願いします。
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(労使それぞれ別室で意見調整)
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桜間部会長 |
それでは、審議を再開します。
では改正の申出をされた労側委員から金額改正の必要性に係る考え等をお聞きしたいと思います。
それではお願いします。
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小西委員 |
それでは労働側の小西より改正審議について述べたいと思います。
まず初めに必要性審議に対するスタンスですが、これまで鉄鋼業の最低賃金につきましては、産業の魅力、技術・技能の伝承、人材の確保・定着など将来にわたる発展と成長を見据え、労使のイニシアティブを発揮し導き出したものと認識しております。
また、鉄鋼産業は専門性が求められることや過酷な環境での作業も多く、それに見合う水準として地賃よりも優位性のある水準であることが必要と考えます。
従いまして、今年度におきましても鉄鋼業における特定最低賃金の改正を行うスタンスである事をまず表明しておきたいと思います。
改正の必要性ですが、足元を取り巻く環境は、ウクライナ情勢の長期化やエネルギー資源価格高騰の懸念はあるものの、新型コロナウイルス感染症が本年5月より2類相当から5類に位置付けが変わる中で、個人消費、設備投資の持ち直しの動きが継続しており、国内及び兵庫県の景気は緩やかに回復しております。
鉄鋼業におきましては、粗鋼生産量では2022年度9,000万トン割れ前年度比8%減少となり、2023年度につきましては前年度比微増の見通しとなっております。
一方で鋼材価格では日本銀行発表の企業物価指数2023年6月によりますと、2022年比154.3となっており、価格の上昇がみられております。
また、消費者物価の面では、直近の消費者物価指数は4%前後で推移しており、2021年度後半からの上昇が継続しています。
加えて、電気・ガス価格激変緩和対策事業によって表面的な消費者物価の数値は押し下げられており、この激変緩和措置が終了する本年10月以降を含め家計に大きな影響を与えることになります。
これらは労働者の生活を直撃するものであり、特に最低賃金近傍で働いている非正規労働者や未組織労働者は最低賃金の引き上げがなければ生活が立ちいかなくなる懸念があります。
一方で、鉄鋼業においては、生産年齢人口が減少していく中で優秀な人材の確保、定着が鉄鋼業の維持、発展に向けた重要な課題の一つとなっていると認識しております。
こうした状況のもと、兵庫県鉄鋼業の現行の最低賃金1,024円は近隣地域との格差は改善されたものの、年間2,000時間働いてもワーキングプアと呼ばれる年収200万にようやく届く水準であり昨今の物価上昇傾向にある中では、十分な水準とは言えません。
また、今年度の兵庫県地域別最低賃金がプラス41円、1,001円と過去最大の引上げとなりました。
昨今の継続的な地域別最低賃金の上昇を踏まえ、優秀な人材の確保、定着に向けた鉄鋼業最低賃金の水準を引上げ、地域別最賃との優位性確保が必要不可欠と考えます。
加えまして、今年の春闘におきましては、兵庫県の製造業の賃上げ率は3.68%アップを始め、兵庫県の基幹労連に加盟する鉄鋼業においても大幅な賃上げが実現しております。
この労使の懸命な努力により実現した賃上げの流れを、鉄鋼業に関わる労働者へも波及させることが鉄鋼業の魅力を高めると共に、消費の拡大を始めとする経済の好循環の流れを作る起爆剤となると考えます。
なお、鉄鋼業最低賃金の改正の必要性の審議につきましては、現時点で広島県での必要性有の答申が得られております。
これらの状況を勘案すると共に、当該産業の労使がイニシアティブを発揮してその産業にふさわしい水準を設定する特定最低賃金の趣旨を踏まえ、本年度の鉄鋼業の最低賃金改定については必要性有が妥当であるとの判断に至りました。
よろしくお願いいたします。
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桜間部会長 |
それでは次に使用者側委員から、お願いします。
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篠田委員 |
それでは、使用者側として意見を表明させていただきたいと思います。
まず冒頭に、日本経済全体は先ほど労側委員からもありましたが、一部指標に弱さがみられるものの、緩やかに持ち直していると、先ほど労働局の説明にもありましたが、そういったところは認識しております。
ただ、鉄鋼需要を取り巻く環境をマクロで俯瞰して見ますと、ロシア・ウクライナ問題の影響に伴う資源エネルギー価格の高騰が継続していること、気候変動対応の潮流の更なる加速、米国における金融不安、中国における不動産市場の低迷、直近では日本の処理水に対する中国との関係悪化が懸念されます。
この様なことを踏まえまして、不確実性、不透明性が増していると我々は捉えております。
また、個別産業で見ていきますと、自動車生産の回復は一定程度に留まる見通しであることや、IT半導体分野の本格的な回復は2023年度下期になることが見込まれる等、需要環境につきましても不透明な状況が継続するものとして見ております。
次に鉄鋼市場の直近の動きを見てみますと、国内市場では産業機械や自動車では前年同月比を上回る一方で、主要な顧客であります建設業では前年同月比で数か月連続の減少となっております。
粗鋼生産全体では微増となったものの、依然として低水準で盛り上がりに欠けていると捉えております。
海外市場では最近若干持ち直していると認識しております。
冒頭で申し上げた部分と重複しますが、鉄鋼需要の下振れリスクとして、各国中央銀行の金融引き締めの長期化であったり、金融システム不安における景気減速、資源価格の高止まり、物価上昇による消費者マインドの冷え込み、地政学リスク、人手不足による生産活動への影響等が挙げられ、引き続き動向を注視する必要があると考えております。
こうした状況の中で最低賃金に関しましても下振れリスクがあると認識しておるのですけれども、一方で消費者物価が高騰を続けているという事実もございます。
兵庫県の地域の最低賃金はプラス41円ということで、その決定のプロセスで1,000円という具体的な金額まで示された政府指針への配意を求められたことは、我々としては従来とは異なるものであったと認識しております。
目安につきましても、Bランク40円と過去にない引上げ額が基準になり、労使議論が膠着する中、公益見解で採決することになったと認識しております。
このような状況の中、使用者側といたしましては、やはり一番過酷な状況にある中小企業の方々を重視すべきという考えが常にございます。
先ほど申し上げましたように、材料高は中小企業の方々にとっては経営状況に直撃すると我々は認識しております。
以上を踏まえまして、今回の鉄鋼業の特定最低賃金の改定の必要性については、我々は必要有と考えております。
ただ、地域最賃の議論や現状を踏まえ、鉄鋼業の実態や同業種の関係性等に着目しながらその増額の程度につきましては我々としては慎重に検討する必要があるという前提ではありますが、必要性有と考えております。
以上でございます。
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桜間部会長 |
ただ今、労使双方の主張をお聞きしたところ必要性有というところで意見が一致したように思われますので、本専門部会としての意見をまとめさせていただきたいと思います。
7月14日の本審において、専門部会が全会一致で決議した場合は、最低賃金審議会令第6条第5項を適用することを議決していますので、まずは全会一致の確認をさせていただきます。
兵庫県鉄鋼業の最低賃金の改正の必要性の有無について、本専門部会として「兵庫県鉄鋼業最低賃金については改正決定することを必要と認める」 との内容で報告書を作成することについて異議はございませんか。
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各委員 |
異議なし。
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桜間部会長 |
出席者全員の御賛同をいただきましたので、本専門部会におきましては、全会一致により「兵庫県鉄鋼業最低賃金については改正決定することを必要と認める」 との結論に至った、ということを確認いたしました。
では事務局は、「兵庫県鉄鋼業最低賃金については改正決定することを必要と認める」との専門部会報告及び答申文についてそれぞれ(案)を作成していただけますか。
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田中賃金室長 |
それでは、準備をいたしますので、しばらくお待ちください。
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(事務局、「報告文案」を作成後、各委員に配布)
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桜間部会長 |
では、まず、報告文案から確認をしたいと思いますので、事務局で報告文案を読み上げてください。
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飯田賃金指導官 |
それでは、報告文案を読み上げさせていただきます。
案
令和5年8月28日
兵庫地方最低賃金審議会
会長 梅野 巨利 殿
兵庫地方最低賃金審議会
兵庫県鉄鋼業最低賃金専門部会
部会長 桜間 裕章
兵庫県鉄鋼業最低賃金の改正決定の必要性の有無について(報告)
当専門部会は、令和5年7月14日、兵庫地方最低賃金審議会において付託された標記について、慎重に審議を重ねた結果、兵庫県鉄鋼業最低賃金について改正決定することを必要と認めるとの結論に達したので報告する。
なお、本件の審議に当たった当専門部会の委員は下記のとおりである。
記
公益代表委員
坂本 知可、桜間 裕章、高階 利徳
労働者代表委員
川端 智之、小西 啓介、藤田 修平
使用者代表委員
篠田 兼、平泉 博史、𠮷川 和宏
以上でございます。
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桜間部会長 |
ただ今読み上げていただいた、報告文案の内容でよろしいですか。
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各委員 |
異議なし。
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桜間部会長 |
それでは、報告文案から案を消したものを報告文とします。
引き続いて、今回は全会一致での議決となりますので、局長あての答申を行います。
事務局は答申文案を配ってください。
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(各委員に「答申文案」を配布)
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桜間部会長 |
それでは、事務局で答申文案を読み上げてください。
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飯田賃金指導官 |
案
令和5年8月28日
兵庫労働局長 金刺 義行 殿
兵庫地方最低賃金審議会
]
会長 梅野 巨利
兵庫県鉄鋼業最低賃金の改正決定の必要性の有無について(答申)
当審議会は、令和5年7月14日付けをもって最低賃金法第21条の規定に基づき貴職から諮問のあった兵庫県鉄鋼業最低賃金の改正決定の必要性の有無について、慎重に審議した結果、兵庫県鉄鋼業最低賃金について改正決定することを必要と認めるとの結論に達したので答申する。
以上です。
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桜間部会長 |
ただ今読み上げていただいた答申文案の内容でよろしいでしょうか。
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各委員 |
異議なし。
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桜間部会長 |
それでは、答申文案から案を消した文を答申文として、審議会長名で局長あてに答申することとします。
では労働基準部長に答申文をお渡しすることとしますので、事務局で準備をお願いします。
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(桜間部会長より木下労働基準部長に答申文を手交)
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木下労働基準部長 |
ただ今兵庫県鉄鋼業最低賃金につきまして、労使イニシアティブを遺憾なく発揮していただいた結果、全会一致での「必要性有」との御答申をいただいたところでございます。
誠にありがとうございました。
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桜間部会長 |
事務局から、ほかに何かございますでしょうか。
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田中賃金室長 |
次回の日程ですが、次回は金額審議になりまして、9月20日、水曜日、午後3時の開催でお願いいたします。
本日、改正必要性有の答申をいただきましたので、意見聴取の公示を今後15日間行うこととなります。
あと、次回の公開、非公開についての確認をお願いいたします。
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桜間部会長 |
では、次回は9月20日、水曜日、午後3時からの開催とします。
次回は金額審議となりますが、今年度から、専門部会においても、「公労使三者が集まって議論を行う部分については公開」と決定されておりますので、公開としたいと思います。 それでは本日はこれで終わります。
皆様、お疲れ様でございました。
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