死亡災害の増加に懸念 ~ 山形県内の令和4年労働災害発生状況(確定)まとまる ~

【照会先】

山形労働局労働基準部健康安全課
健康安全課長    阿部 浩志
地方産業安全専門官 鈴木 圭

TEL 023-624-8223

 山形労働局(局長 小林 学)は、令和4年(1月から12 月)に山形県内で発生した労働災害の発 生状況を取りまとめましたので公表します。
 


【ポイント】
    休業4日以上の労働災害による死傷者数は2,703 人で、前年と比較して1,286 人(約1.9 倍)の大幅な増加となった。
    うち半数以上の1,404 人が新型コロナウイルス感染症(以下「新型コロナ」という。)による休業災害だった。
    死亡者数は8人で、前年と比較して2人増加した。平成28 年以来の一桁を維持したが、死亡災害の増加が懸念される。
    新型コロナ関連を除いた労働災害を業種別にみると、前年と比較して、製造業で1.6%の増加、建設業で11.2%の減少、陸上貨物運送事業で21.4%の減少、小売業で20.9%の減少、社会福祉施設で5.5%の増加、飲食業で37.0%の増加となった。
    新型コロナによる労働災害を除いた労働災害を事故の型別にみると、「転倒」が最も多く、次いで「墜落、転落」が多かった。この二つで全体の52.2%を占めている。
 

1 令和4年の労働災害発生状況
    休業4日以上の労働災害による死傷者数は2,703 人で、前年と比較して1,286 人(90.8%)の大幅な増加となった。死亡者数は8人で、前年と比べて2人増加した。(資料1)
    業種別の死傷者数をみると、前年と比較して、製造業で25.2%の増加、建設業で4.1%の減少、運輸業で13.9%の減少(うち、陸上貨物運送事業は19.8%の減少)、商業で13.4%の減少(うち、小売業で17.3%の減少)、保健衛生業で563.4%の増加(うち、社会福祉施設で413.6%増加)となった。(資料2)
   
業種別の死傷者数(新型コロナを除く)をみると、前年と比較して、製造業で 1.6%の増加、建設業で 11.2%の減少、運輸業で 14.7%の減少(うち、陸上貨物運送事業は 21.4%の減少)、商業で 16.7%の減少(うち、小売業で 20.9%の減少)、保健衛生業で 5.4%の増加(うち、社会福祉施設で 5.5%増加)となった。(資料2)
    第三次産業の死傷者数は 1,894 人で、前年と比べ 1,239 人(189.2%)の増加となった。一方、第三次産業の死傷者数(新型コロナを除く)は 609 人で、前年と比べ 1 人(0.2%)の増加だが、このうち社会福祉施設においては継続的に増加傾向にある。(資料1、2)
    新型コロナ以外の労働災害を事故の型別でみると、「転倒」による災害が最も多く、全体の33.9%となっており、これに「動作の反動・無理な動作」を加えた「行動災害」によるものが%と大きな割合を占めている。また、「墜落・転落」が 18.2%と依然として多いほか、「はさまれ・巻き込まれ」、「激突され」といった機械設備等に関連する災害も多く発生した。 (資料3)
    新型コロナ以外の労働災害について、月別に死傷者数を集計すると降雪・凍結等の影響により1月、2月、12 月で多く労働災害が発生している。(資料4)
    死傷者数を年代別にみると、50 歳代 630 人(23.3%)、60 歳以上 589 人(21.7%)、40 歳代 577人(21.4%)となっており、50 歳代以上の者が 45%を占めている。(資料4)

2 第 13 次労働災害防止計画の進捗状況
    第 13 次労働災害防止計画(計画期間:2018 年度から 2022 年度)における計画目標について、死亡者数に係る目標(2022 年までの5年間で 15%以上減少させる)については計画期間中の死亡者数が新型コロナを除き 37 人(目標値 41 人)であったことから目標達成となった。一方、死傷者数(休業4日以上)に係る目標(2017 年と比べ 2022 年までに5%以上減少させる)については、2022 年の休業4日以上の死傷者数が新型コロナを除き 1,299 人(目標値 1,069 人)であったため、目標達成とならなかった。(資料5)

3 今後の主な取組
       山形労働局では、令和5年3月に「山形労働局第 14 次労働災害防止計画」(資料6)を策定し、職場における安全衛生対策の更なる推進を図るため、事業場、関係機関等と連携を図りながら安全衛生対策の周知啓発、指導のほか、以下の取組を行うこととしている。
 

 山形労働局第 14 次労働災害防止計画 (計画期間:2023 年度から 2027 年度)

【主な目標】
    死亡災害について、死亡者数を 2023 年から 2027 年までの5年間で 5%以上減少させる。
    死傷災害(休業4日以上)について、2021 年までの増加傾向に歯止めをかけ、2022 年と比較して 2027 年までに減少に転じさせる。
    「STOP!熱中症 クールワークキャンペーン」、「冬の労災をなくそう運動」、「やまがたゼロ災運動」(仮称)の展開などにより、県内企業の安全衛生意識の高揚と自主的安全衛生活動の促進を図る。
    転倒災害対策(ハード・ソフト両面からの対策)に取り組む事業場の割合を 2027 年までに50%以上とする。
    「高年齢労働者の安全と健康確保のためのガイドライン」に基づく高年齢労働者の安全衛生確保の取組を実施する事業場の割合を 2027 年までに 50%以上とする。
    「陸上貨物運送事業における荷役作業の安全対策ガイドライン」に基づく措置を実施する陸上貨物運送業等の事業場(荷主となる事業場を含む。)の割合を 2027 年までに 45%以上とする。
    墜落・転落災害の防止に関するリスクアセスメントに取り組む建設業の事業場の割合を 2027 年までに 85%以上とする。
    機械による「はさまれ・巻き込まれ」防止対策に取り組む製造業の事業場の割合を 2027 年までに 60%以上とする。
 

資料1 山形県内過去10年の死傷者数の推移(60KB;PDF)
資料2 令和3年と令和4年の労働災害発生状況の比較(15KB;PDF)
資料3 令和4年に発生した労働災害の事故の型別死傷者数(18KB;PDF)
資料4 年代別の死傷者数の割合(44KB;PDF)
資料5 山形労働局第13次労働災害防止計画の災害減少目標と実績 ≪計画期間:2018年度~2022年度≫(22KB;PDF)
資料6 山形労働局第14次労働災害防止計画(1,006KB;PDF)

報道発表資料(令和5年4月27日) (82KB;PDF)

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