建設工事現場に対する一斉監督の結果を公表します ~122現場に監督指導を行い、法違反のあった32現場(26.2%)に是正指導~

【照会先】

山形労働局労働基準部監督課
監督課長
  嘉副 崇夫
主任地方労働基準監察監督官
  阿久津 拓也
監督主任
  水無瀨 美咲
TEL  023-624-8222

 山形労働局(局長 ()(ばやし) ( まなぶ))では、公共工事等の建設工事の最盛期を迎える年末に向け、労働災害の発生件数の増加が懸念されることから、例年10月1日から同月31日までの1か月間、建設工事現場(以下「工事現場」という。)に対する一斉監督を実施しています。
 今般、本年の実施結果を取りまとめたので公表します。

1 監督結果の概要
 期間中に、122の工事現場に対し監督指導を実施しました。
 業種別では、土木工事20現場、建築工事102現場(うち59現場は木造建築等低層住宅工事)であり、発注者別では、国発注の現場が3現場、県・市町村発注の工事現場が24現場、民間発注の工事現場が95現場でした。
 122現場のうち32現場(26.2%)(うち土木工事4現場(3.3%)、建築工事28現場(23.0%))において労働安全衛生法違反が認められたため、その是正を指導しました。
 そのうち、足場や高所の作業床等からの墜落・転落防止措置に関する法違反が認められた5現場に対し、重篤な災害につながる危険性が高いとして立入禁止や作業停止を命じました。 


2 主な違反の内容
  主な違反の内容 違反現場数(※) 違反率(%)
1 関係請負人等が労働安全衛生法に違反しないよう、元方事業者として必要な指導を行っていなかったもの。 22 18.0
2 高さ2メートル以上の足場に問題が認められたもの。
(手すり及び中さん等墜落防止措置の未実施など。)
12(4) 9.8
3 車両系建設機械に係る問題が認められたもの。
(作業計画の未作成、用途外に使用、接触防止措置の未実施、定期自主検査の未実施など。)
10 8.2
4 特定元方事業者が、労働災害を防止するための協議組織の設置・運営を行っていなかったもの。 5 4.1
5 足場の通路や作業場の床面が不安全な状態であったもの。 4 3.3
6 足場の組立て等作業主任者の氏名等を周知していなかったもの。 3 2.5
7 移動式クレーンによる作業方法等をあらかじめ定めていなかったもの。 3 2.5
※ 違反現場数は、1つの現場で複数の違反が認められた場合があるため、全体の法違反現場数(32現場)とは一致しない。なお、()内は立入禁止・作業停止等を命じた数であり、違反現場数の内数である。

3 労働災害の発生状況
 県内の建設業における11月末現在の休業4日以上の死傷者数は、前年同期と比べて39人(19.3%)減少し163人、死亡者数は前年同期と比べて1人(50.0%)増加し3人となっています。
 事故の型別でみると、墜落制止用器具(安全帯)の未使用等による屋根や足場、脚立等からの「墜落・転落」が最も多く全体の34.4%を占めており、次いで路面の凍結や積雪等による「転倒」、車両系建設機械やクレーン等の重機との接触による「はさまれ・巻き込まれ」による事故が発生しています。

4  今後の取組
   山形労働局では、監督指導等により、引き続き建設業等に対する労働災害防止対策の推進に取り組みます。
   本格的な冬を迎えるに当たり、今年度も「冬の労災をなくそう運動」(運動期間:令和5年12月1日~令和6年2月29日)を実施しており、路面の凍結や積雪による転倒や墜落といった冬に特有の災害(冬期型災害)を減少させるための対策の推進に取り組んでいます。


報道発表資料(令和5年12月19日)

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