職場におけるセクシュアルハラスメント対策
 


  職場におけるセクシュアルハラスメントは、労働者の個人としての尊厳を不当に傷つける社会的に許されない行為であるとともに、労働者の能力の有効な発揮を妨げ、また、企業にとっても職場秩序や業務の遂行を阻害し、社会的評価に影響を与える問題です。

 

◇ 男女雇用機会均等法のセクシュアルハラスメント対策規定

第11条 事業主は、職場において行われる性的な言動に対するその雇用する労働者の対応により当該労働者がその 

  労働条件につき不利益を受け、又は当該性的な言動により当該労働者の就業環境が害されることのないよう、当該   

  労働者からの相談に応じ、適切に対応するために必要な体制の整備その他の雇用管理上必要な措置を講じなけれ

  ばならない。

2  厚生労働大臣は、前項の規定に基づき事業主が講ずべき措置に関して、その適切かつ有効な実施を図るために       

  必要な指針を定めるものとする。


1 男女雇用機会均等法におけるセクシュアルハラスメント対策のポイント

 

セクシュアルハラスメント対策として雇用管理上必要な措置を講ずることが義務づけられています。

 

○  

 講ずべき具体的な措置の内容及び措置の例示は指針(セクハラ指針)9項目示されています。

男性に対するセクシュアルハラスメントも措置の対象です。
セクシュアルハラスメントに関する事業主と労働者間の紛争は、調停など紛争解決援助の対象です。
事業主が措置義務違反に対する是正勧告に応じない場合、企業名が公表されます。

事業主が報告徴収に応じない又は虚偽の報告をした場合、過料に処せられます。


2 「職場におけるセクシュアルハラスメント」とは?
 
 
◇「職場」とは
  事業主が雇用する労働者が業務を遂行する場所を指し、労働者が通常就業している場所以外の場所であっても、労働者が業務を遂行する場所であれば「職場」に含まれます。
 
 
◇「労働者」とは
  いわゆる正規労働者のみならず、パートタイム労働者、契約社員等の非正規労働者を含む、事業主が雇用する労働者のすべてをいいます。また、派遣労働者については、派遣元事業主のみならず、労働者派遣の役務の提供を受ける者(派遣先事業主)についても規定が適用され、派遣先事業主は、自ら雇用する労働者と同様に、措置を講ずる必要があります。
 
 
◇「性的な言動」とは
  性的な内容の発言及び性的な行動を指します。
  〔性的な言動の例〕
  (1) 性的な内容の発言
   

性的な事実関係を尋ねること、性的な内容の情報(噂)を意図的に流布すること。

性的な冗談やからかい、食事やデートの執拗な誘いなど。

 
  (2) 性的な行動
    性的な関係を強要すること、必要なく身体へ接触すること、わいせつ図画を配布することなど。
 
 
3 「職場におけるセクシュアルハラスメント」の種類
 
◇「対価型セクシュアルハラスメント」
  労働者の意に反する性的な言動に対する労働者の対応(拒否や抵抗等)により、その労働者が解雇、降格、減給等(労働契約の更新拒否、昇進・昇格の対象からの除外、客観的に見て不利益な配置転換等)の不利益を受けることです。
 
 
◇「環境型セクシュアルハラスメント」
  労働者の意に反する性的な言動により労働者の就業環境が不快なものとなったため、能力の発揮に重大な悪影響が生じる等その労働者が就業する上で看過できない程度の支障が生じることです。
 
 
4 事業主が雇用管理上講ずべき措置
   企業の規模や職場の状況如何を問わず必ず講じなければなりません。
 
(1) 事業主の方針の明確化及びその周知・啓発
  1  職場におけるセクシュアルハラスメントの内容・セクシュアルハラスメントがあってはならない旨の方針を明確化し、管理・監督者を含む労働者に周知・啓発すること。
 →方針を明確化し、労働者に周知・啓発していると認められる例は?
  2  セクシュアルハラスメントの行為者については、厳正に対処する旨の方針・対処の内容を就業規則等の文書に規定し、管理・監督者を含む労働者に周知・啓発すること。
 →方針を定め、労働者に周知・啓発していると認められる例は?
 
(2) 相談(苦情含む)に応じ、適切に対応するために必要な体制の整備
  3  相談窓口をあらかじめ定めること。
 →あらかじめ定めていると認められる例は?
  4  相談窓口担当者が、内容や状況に応じ適切に対応できるようにすること。また、広く相談に対応すること。
 →相談窓口の担当者が適切に対応することができる体制と認められる例は?
 
(3) 事後の迅速かつ適切な対応
  5  事実関係を迅速かつ正確に確認すること。
 →確認していると認められる例は?
  6  事実確認ができた場合は、行為者及び被害者に対する措置を適正に行うこと。
 →措置を適正に行っていると認められる例は?
  7  再発防止に向けた措置を講ずること。(事実が確認できなかった場合も同様)
 →再発防止に向けた措置を講じていると認められる例は?
 
(4) (1)から(3)までの措置と併せて講ずべき措置
  8  相談者・行為者等のプライバシーを保護するために必要な措置を講じ、周知すること。
 →プライバシーを保護するために必要な措置を講じていると認められる例は?
  9  相談したこと、事実関係の確認に協力したこと等を理由として不利益な取扱いを行ってはならない旨を定め、労働者に周知・啓発すること。
 →不利益な取扱いを行ってはならない旨を定め、労働者に周知・啓発することについて
措置を講じていると認められる例は?
 
 
上記9項目のうち、1~4、8、9については、セクシュアルハラスメントの具体的な問題がなくても、平素から措置しなければならない事項です。
 
 
自社の対策を自主点検してみましょう
 
 
もっと詳しく知りたい方は…
 
 
厚生労働省HP
 
セクシュアルハラスメント対策に取り組む事業主の方へ
 
 
富山労働局雇用環境・均等室

職場におけるセクシュアルハラスメント対策の例 …ダウンロードできます

 ○ セクシュアルハラスメントに関する規定の例

 ○ チラシ、社内報、パンフレット等の例

 ○ 行為者に厳正に対処する方針・対処内容を就業規則に記載した例

 ○ 相談対応マニュアルの例

 
周知啓発用ポスター [Word・横版] [Word・縦版]
 
 
このページのトップに戻る

リンク集

     

 

富山労働局 〒930-8509 富山市神通本町1丁目5番5号富山労働総合庁舎

Copyright(c)2000-2011 Toyama Labor Bureau.All rights reserved.