"STOP!「あわてる・あせる・あなどる」行動・声かけ100日運動”を実施します

(令和3年5月24日~令和3年8月31日)

                
 

1 趣旨

 令和2年における栃木県内の労働災害による休業4日以上の死傷者数は、過去10年間で最多となる1,997人を数え、3年連続の増加となり、9人もの尊い生命が失われた。
 令和3年においては、4月末現在で、死亡災害による被災者数は5人を数え、死傷者数に至っては613人と昨年同時期よりも154人、33.6%の増加となるなど、誠に由々しき事態となっている。
 休業4日以上の労働災害のうち、とりわけ、「転倒」災害や「動作の反動・無理な動作」災害などのいわゆる行動災害が全災害の1/3以上を占めるほか、基本的な安全対策が取られないまま作業することによる「墜落・転落」災害や「はさまれ・巻き込まれ」による機械災害の4つの事故の型を合わせると、約7割を占める状況にある。また、安全な作業手順を省いたり、急いで作業を行ったり、急ぐあまり通路を走って転倒したり、階段を駆け上がったり、駆け下りたりして階段を踏み外して転落したり、荷台から飛び降りたり、すぐ終わるから、ちょっとくらいいいだろうと思って安全対策を怠って作業したことによる災害が多数散見されている。
 これらの労働災害の背景には、まさか事故にはならないだろうと思って「あわてる」「あせる」「あなどる」という心理的要因があるものと考えられる。
 こうした中、労働災害の多数を占める行動災害を防止するためには、労働者一人ひとりの安全行動の自覚と徹底が求められている。
 さらには、コロナ禍の中、安全大会や安全パトロールなどの各種安全活動行事が中止または縮小する傾向にある中で、労働者一人ひとりの自覚や事業者・安全担当者からの指導に頼るだけでなく、事業者、安全担当者、同僚ほか取引先など産業現場で働く全員で災害に結びつく行動を自主的、継続的になくしていこうとする活動の広がりが重要である。
 これらの状況を踏まえ、全国安全週間準備期間を迎えるにあたり、栃木労働局及び管下労働基準監督署が主唱し、全国安全週間実施要綱記載の実施事項と併せて、産業現場で働く全員が声をかけあって、リスクを高め、事故に結びつきやすい「あ(A)わてる」「あ(A)せる」「あ(A)などる」の「あ(A)ぶない行動」を「しない・させない」ための「Aない声かけ運動」(略称)の展開を各労働災害防止団体、関係団体に働きかけ、行政及び関係団体が一体となって、災害撲滅のための運動を実施する。
 

2 実施期間

令和3年5月24日から令和3年8月31日までの100日間
 

3 キャッチフレーズ

“あわてず あせらず あなどらず”

4 運動スローガン

『 広がる安全活動 *点から*線へ、そして*円へ
持続可能な 安全と健康のために Aない声かけ行動 実践するときは今!

  * 点の安全活動 特定の日時における、その日、その時だけの安全活動 のこと
  * 線の安全活動 継続した安全活動 のこと
  * 円の安全活動 全員参加による企業・団体・地域をあげての安全活動 のこと
  * いずれもイメージしやすくするための造語
 

5 災害防止の重点事項

 (1)死亡労働災害及び身体に障害が生ずる重篤な災害の撲滅
 (2)職場における新型コロナウイルス感染症の感染防止
 (3)高年齢労働者による災害の撲滅
 (4)「荷役」災害の撲滅
 (5)「転倒」災害の撲滅
 (6)「動作の反動・無理な動作」災害の撲滅
 (7)機械設備による「はさまれ・巻き込まれ」災害の撲滅
 (8)「墜落・転落」災害の撲滅
 (9)熱中症災害の撲滅
 

6 各事業場の実施事項

 実施にあたっては、マスクの着用、ソーシャルディスタンスを確保するなど新型コロナウイルス感染防止対策を取った上で行うこと。

(1)求められる「Aない」行動
 ① 全労働者[しない]
  あ(A)わてない・あ(A)せらない・あ(A)などらない
 ② 事業者(取引先労働者を含む)[させない]
  あ(A)わてさせない・あ(A)せらない・あ(A)などらない

(2)期待される「声かけ」安全活動
 一人ひとりが安全行動を自覚するとともに、
  ☞事業主または安全担当者から労働者へ
  ☞同僚から同僚へ
  ☞荷主から配送業者へ
  ☞取引先から出入り業者へ
  ☞取引先(配送)業者から取引先(配送)業者へ
 
など、同一場所で働く者同士がお互いに声をかけあって、全員参加による「あ(A)ぶない(危険)行動」防止の徹底を図る。
  このためには、トップが「しない・させない」ための声かけの安全活動を積極的に実施する旨の方針を表明し、末端の労働者まで運動の趣旨を浸透させること。

(3)Aない声かけチェック
    各事業場の実状に合わせ、「Aない声かけ」の組織的チェック、個別チェックを行う。
 ① 組織的チェック
  ア 作業開始前
     職場ごと、グループごとに、全員で、
      「今日も一日 ”あわてない あせらない あなどらない“ 
            Aない行動の声かけで ゼロ災(害)で行こう! ヨシ!」
    など「Aない行動」徹底のための安全唱和を実施する。
  イ 作業終業後
     職場ごと、グループごとに、職長、責任者から一人ひとりに、または同僚同士で
      「Aない行動」ができたか、「声かけ行動」ができたかについて、確認し合う。
  ② 個別チェック
  別紙「Aない声かけ」チェックカレンダー様式を活用し、一人ひとりがチェックする。

(4)その他 あなどらないための重点チェック事項
 ① 新型コロナウイルス感染症対策チェック
 ② 高年齢労働者対策としての体力チェック
 ③ 荷役作業の安全対策チェック
 ④ 転倒予防のための点検・チェック
 ⑤ はさまれ・巻き込まれ災害防止のための点検・チェック
 ⑥ はしごや脚立からの墜落・転落災害防止のための作業前点検・チェック
 ⑦ 熱中症予防対策としての点検・チェック
 

7 栃木労働局の実施事項

(1) 災害防止団体等に対する啓発、広報の実施
(2) 関係機関、関係団体等への協力要請
(3) 重点事項に係る指導啓発用資料の作成・配布、広報の実施
(4) 報道機関への広報の実施
(5) 各種会合等における周知徹底
(6) 栃木労働局ホームページによる周知
 

8 各労働基準監督署の実施事項

(1)管内の実情に合った無災害運動の展開
(2)監督指導等の実施
(3)各種会報・機関紙等への掲載依頼
(4)各種会合・説明会等における本運動の趣旨の徹底
(5)その他
 

9 参照資料

参照資料はこちらです

(1)Aない声かけ運動実践・活用例
(2)典型的な行動災害事例
(3)栃木県内における労働災害発生状況の推移等
(4)令和2年災害統計
(5)令和3年災害統計(4月末現在速報値)
(6)各種災害防止のための点検・チェックリスト一覧


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