妊娠・出産、育児休業等を理由とする不利益取扱いの禁止について
男女雇用機会均等法第9条第3項、育児・介護休業法第 10 条等では、妊娠・出産、育児休業等を
理由として不利益取扱いを行うことを禁止しています。
一方、妊娠・出産等を理由とする不利益取扱い等の相談件数は引き続き高い水準で推移して
いることや、平成 26 年 10 月 23 日には男女雇用機会均等法第9条第3項の適用に関して
最高裁判所の判決があったことなどを踏まえ、男女雇用機会均等法及び育児・介護休業法の
解釈通達が改正されました。
内容は、上記の最高裁判所の判決に沿って、妊娠・出産、育児休業等を「契機として」なされた
不利益取扱いは、原則として法が禁止する妊娠・出産、育児休業等を「理由として」行った不利益
取扱いと解されるということを明確化するものです。
●詳しくは厚生労働省ホームページへ
例えば…「妊娠したから解雇」「育休取得者はとりあえず降格」は違法です
解雇の禁止等(労働基準法第19条、男女雇用機会均等法第9条)
事業主は、産前産後休業中及びその後30日間はその女性を原則として解雇できません。
また、女性労働者が結婚したこと、妊娠したこと、出産したこと、産前産後休業を請求し、
又は産前産後休業をとったこと、男女雇用機会均等法の母性健康管理措置や労働基準法の
母性保護措置を求め、又は当該措置を受けたこと、妊娠・出産に起因する症状(つわり、切迫
流産等)により労務の提供ができないこと、できなかったこと、又は労働能率が低下したことを
理由とする解雇その他不利益取扱いは禁止されています。
なお、妊娠中・産後1年以内の解雇は、「妊娠・出産・産休などによる解雇でないこと」を事業
主が証明しない限り無効です。
さらに、女性労働者が結婚、妊娠、出産した場合に退職する旨をあらかじめ就業規則等に定
めることも禁止されています。
禁止されている解雇その他不利益取り扱いの典型例
(1)解雇すること
(2)期間雇用者について、契約の更新をしないこと
(3)あらかじめ契約更新回数の上限が明示されている場合に、更新回数を引き下げること
(4)退職を強要すること、正社員をパートタイム労働者等の非正規社員とするような労働契約
内容の変更の強要を行うこと
☆労働者の表面上の同意を得ていても、労働者の真意に基づくものではないと認められる場合、
これに該当します。
(5)降格させること
(6)就業環境を害すること
(7)不利益な自宅待機を命ずること
(◆例:医師の指導に基づく休業措置期間を超えた休業を労働者に強要すること)
(8)減給をし、又は賞与等において不利益な算定を行うこと
(9)昇進・昇格の人事考課において不利益な評価を行うこと
(◆例:賞与等の算定や人事考課にあたり、不就労期間や労働能率の低下を考慮の対象とする場合
に、疾病等の場合と比較して不利に取り扱うこと)
(10)不利益な配置の変更を行うこと
(◆例:産前産後休業からの復帰に当たって原職又は原職相当職に就けないこと)
(11)派遣先が当該派遣労働者の労働者派遣の役務の提供を拒むこと
(◆例:派遣契約に定められた役務提供ができると認められるにもかかわらず、派遣先が派遣労働者
の交代を求めること。)
この記事に関するお問い合わせ先
雇用環境・均等室(指導担当) TEL : 0776-22-3947