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1箇月単位の変形労働時間制

 
  1箇月単位の変形労働時間制の場合
 
 変形労働時間制は、業務の繁閑に応じて所定労働時間をあらかじめ計画的に配分することができる制度です。
 1箇月単位の変形労働時間制とは、「労使協定または就業規則その他これに準ずるもの」により、 1箇月以内の一定の期間を平均して1週間の労働時間が44時間を超えない定めをした場合においては、当該変形期間内の特定された日または週について1日および1週間の法定労働時間(1日8時間、1週44時間)の規制に関わらず、これを超えて労働させることができる制度です。
 
 具体的には、次の要件を具備する必要があります。
(イ) 「労使協定または就業規則その他これに準ずるもの」により、1箇月以内の一定期間を平均し、 1週間の労働時間が44時間を超えない定めをすること。
   規模10人未満の事業場の場合は、就業規則を作成して定めるか、これに準ずるものに定めるか、労使協定に定めるかの3つのうちのいずれかによって、1箇月単位の変形労働時間制を実施することができます。
   
(ロ) 労働時間を特定し、周知すること。
   「労使協定または就業規則その他これに準ずるもの」により、変形期間における各日、各週の労働時間を具体的に定めておく必要があります。各日の労働時間は、単に「労働時間は1日8時間とする。」というような定め方ではなく、長さのほか、始業および終業の時刻も具体的に定め、かつ、これを労働者に周知することが必要です。
 なお、これらの就業規則や労使協定は次の方法により労働者に周知させなければなりません。
 
(1) 常時各作業場の見やすい場所へ掲示し、または備え付けること。
(2) 書面を労働者に交付すること。
(3) 磁気ディスク等に記録し、かつ、各作業場に労働者が当該記録の内容を常時確認できる機器を設置すること。
   また、変形期間の労働時間を平均して、1週間の労働時間は法定労働時間を超えないこととされているため、変形期間中の総労働時間数は、次の式によって計算された変形期間における法定労働時間の総枠の範囲内とすることが必要となります。
  44時間 × 変形季刊の暦日数÷7日間(1週間)
  これによって計算した1箇月の労働時間の総枠は、次表のとおりです。
 
1箇月の日数 労働時間の総数
31日 194.8
30日 188.5
29日 182.2
28日 176
(注) 労働時間の総枠は、1箇月31日の場合
  44時間×31日/7日=194.857となりますが、本表では小数点第2位以下を切り捨てました。 端数については、そのままとするか切り捨てる必要があります。
 
労使協定の協定事項
   変形労働時間制の規定は「労使協定または就業規則その他これに準ずるもの」に定めておかなければなりません。
   労使協定の協定事項は、
 
1. 1箇月以内の一定の期間を平均し、1週間当たりの労働時間を44時間以内とすること
2. 変形期間
3. 変形期間の起算日
4. 対象労働者の範囲
5. 変形期間の各日および各週の労働時間
6. 労使協定の有効期間です。
   「就業規則その他これに準ずるもの」に定めるのは、労使協定の1.から4.の事項です。
   これらの規定については、労働基準監督署長に届け出るとともに、労働者に周知することとされています。
 なお、就業規則には、始業および終業の時刻、休憩時間、休日等を定めておくことが必要ですので、注意してください。
労使協定の当事者
   労使協定は、使用者と事業場に労働者の過半数で組織する労働組合がある場合には、その労働組合、労働者の過半数で組織する労働組合がない場合には、労働者の過半数を代表する者との間で書面でなされることが必要です。また、当該労使協定は、事業場を所轄する労働基準監督署へ届け出ることが必要です。
 なお、労働者の過半数を代表する者の要件は
 
1. 労働基準法第41条第2号に規定する監督または管理の地位にある者でないこと
2. 労使協定の締結等をする者を選出することを明らかにして実施される投票、挙手等の方法による手続きにより選出された者であり、使用者の意向によって選出された者でないこと
  です。
   また、使用者は、労働者が過半数代表者であること、過半数の代表者になろうとしたこと、過半数代表者として正当な行為をしたことを理由として不利益な取扱いをしないようにしなければなりません。「過半数代表者として正当な行為」には、法に基づく労使協定の締結の拒否等も含まれます。
   
(ハ) 特別の配慮を要する者に対する配慮
   使用者は、1箇月単位の変形労働時間制を導入する場合に、育児を行う者、老人等の介護を行う者、職業訓練または教育を受ける者その他特別の配慮を要する者について、これらの者が育児等に必要な時間を確保できるような配慮をしなければならないこととされています。

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