長崎県内企業の働き方改革推進に係る意見交換会の開催

長崎県内企業の働き方改革推進に係る意見交換会の開催
 令和6年11月6日(水)、長崎労働局において時間外労働の上限時間の適用が猶予されていた運送業を対象に、業務効率化等に積極的に取り組む企業や行政の好事例等を紹介及び意見交換を実施しました。(事前告知のページはこちら
 
<意見交換会の様子>
 
<参加者一覧>
 
各参加者から発表された取り組み内容の概要は以下の通りとなります。
 
【 意見交換で交わされた意見など】
<運送企業からの質問>
● モーダルシフトに取り組んでいるが費用が約2倍かかっており、荷主に協力を依頼して承諾いただき大幅に値上げした。
● 2年前に九州運輸局が福岡で開催したマッチングイベントが役に立った。 長崎労働局のパレット導入費用の助成制度は知らなかった。使える助成制度をトラック協会へ情報提供いただければ我々運送業者へ周知されるので、行政機関には協会への情報発信をお願いしたい。
 
(行政からの回答)
トラック協会との連携を密にして運送企業に必要な情報を提供していきたい。
 
 
 
<行政からの質問>
● 運送業者からフェリーを使おうにも予約がとれないと聞くが、事前に予約しているのか。
● 荷主との価格交渉には信頼関係のほかに何か秘訣があるか。
● 船便の増便の需要がある中で、フェリー会社では増船の検討はされているか。

(運送会社からの回答)
 2024年問題を見据えてモーダルシフトを検討した際に、フェリー乗船の枠を得るために取り組んだものである。荷主に対しては時間外労働の上限などの周知に取り組んだ。2024年問題は運送会社の問題で荷主には関係ないと、今でも荷主が考えられている印象がある。荷主の理解を得られるように説明し、運賃の値上げに取り組んだ。
 

 
(フェリーサービス提供企業からの回答)
 建造費用、検査費用、燃料費用、運航許可、港湾整備の問題をクリアする必要があるが、船を建造して増便できるよう検討している。
 
【2024年問題に関する解説】
1 長崎労働局
<解説のポイント>
● 自動車運転者は令和6年4月1日から時間外労働の上限規制がスタートしており、同時に拘束時間や休息期間を規制する自動車運転者の改善基準告示も従前より厳しく改正されている。
● 自動車運転者の有効求人倍率は平均の2倍程度高く人手不足が深刻化している。
● 長崎県は農水産物の産地であり、大量消費地である首都圏などに輸送しているが、首都圏等から遠隔地に位置しているため、長距離輸送にならざるを得ない。結果、自動車運転者の労働時間が長くなってしまう恐れがある。
● 2024年問題の想定される影響として、物流事業者は人材確保ができず長距離輸送が困難になるなどが考えられる。荷主企業は物流事業者から依頼を断られ、指定した日時での配送が困難になるなどが考えられる。一般消費者は必要なときに必要な物資が手に入らなくなるなどが考えられる。
 
【運送事業者等による取り組み】
2 有限会社長崎水産運輸及び東京九州フェリー株式会社の取り組み概要
<ポイント>
● 長崎と関東地方間の長距離輸送において、関東からの復路(横須賀港から門司港)で印刷物の輸送を、東京九州フェリーを利用することでドライバーの拘束時間を縮減。
● フェリー内には、就寝用ベッド、レストラン、入浴施設等の宿泊施設が充実しており、ドライバーの身体的、精神的負担を軽減。
● フェリーを利用することでCO2排出量を削減。環境負荷軽減に貢献し、国土交通省が行う令和5年度「エコシップ・モーダルシフト事業優良事業者」海事局長表彰を受賞。
● 荷主企業が出版メーカ(最上位荷主)と荷の集荷時間や到着時間を調整し、到着時間を1日遅らせる体制を整え、海上輸送への切り替えにつなげた。
 
3 公益社団法人長崎県トラック協会 
<ポイント>
● 地方適正化事業実施機関として、以下の取り組みを実施
   ・トラック運送事業者に対する改善指導や好事例などの情報提供などの巡回指導
   ・ Gメン調査員として、トラック事業者からの情報収集及び物流拠点周辺で荷待ちを
       行っているドライバー等に対する広報
   ・啓発活動を実施 ・ 輸送の安全を確保するため、街頭パトロールの実施
   ・ 新規事業者向けの各種法令等の説明会の実施
● 運転免許取得促進やフォークリフト技能講習にかかる助成事業を実施
● 健康管理、過労死等防止対策、改善基準告示解説セミナーなどを実施
 
【行政の取り組み】
4 国土交通省九州運輸局 長崎運輸支局
<ポイント>
● 「物流革新に向けた政策パッケージ」に基づき、トラックGメンの設置による荷主・元請事業者への監視体制を強化
   ・令和5年7月21日、162名体制で本省及び地方運輸局等にトラックGメンを設置
    (九州は18名)
   ・ トラック事業者へのプッシュ型の情報収集を開始し情報収集力を強化。
   ・ トラック法に基づく「働きかけ」「要請」「勧告・公表」制度の執行力を強化
● トラックGメンによる荷主等への是正指導等の取り組み
   ・令和5年11月、12月を「集中監視月間」と位置づけ取り組みを強化。「勧告」(2件)、「働きかけ」(47件)、「要請」(164件)による是正指導を実施。フォローアップを継続し、改善が図られない場合は更なる法的措置の実施も含めて厳正に対処。
   ・ 九州運輸局では、諫早トラックステーションでのドライバーヒアリングや、セミナー等での講演を通じ荷主・運送事業者への周知活動も実施。
 
 
5 長崎労働局
<ポイント>
● 県内の主要事業者団体に対して、物流業務の発注時に運用企業や自動車運転者への配慮にか かる協力要請を関係行政機関や業界団体とともに官民合同で実施予定(令和6年11月13日(水)11時~)。
● 県内各地で発注者となる得るすべての業種の企業向けに、物流の2024年問題で生じる得る影響、発注時に配慮すべき点、生産性向上のための訓練制度などをレクチャーするセミナーを実施。
● 業務効率化のための施策としてパレットの導入やバース予約システムの構築などの費用の助成金(働き方改革推進支援助成金)を周知。
● 運輸分野等の人材不足分野の職種について、求人者・求職者の両面から人材確保支援を行う総合専門窓口を、長崎と佐世保のハローワークに設置。
 

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