プレス災害を撲滅しよう【新見労働基準監督署】

~備北地区プレス災害防止協議会が開催されました~



 令和3年12月6日、備北地区プレス災害防止協議会が開催されました。
 この協議会は、プレス災害防止のため、会員事業場相互の連絡と情報交換を密にして、効果的な災害防止活動を推進することを目的に設立された協議会となります。
 協議会では、これまでも、会員の工場をパトロールし、危険箇所の洗い出しを行うなど、様々な活動を行ってきました。
 今年は、新型コロナウイルス感染症の影響により、パトロールなどは実施できませんでしたが、「できる活動からやろう」ということで、今回の協議会では、各会員がプレス災害などの災害事例やリスクアセスメントの実施状況などの安全対策の取組事例を持ち寄り、会員間で情報提供、意見交換などを行いました。
 他社の取り組みや安全対策から、今後の安全衛生管理のヒントを得るなど、大変有意義な協議会となりました。
 また、今後の活動について、従来の活動に加えて、厚生労働省の補助事業「中小規模事業場安全衛生サポート事業」などを活用することについても検討しました。

 新見労働基準監督署からは、石橋署長、安全衛生担当の伊藤監督官が出席し、労働災害発生状況、労働災害防止対策について説明しました。

 石橋署長から
石橋署長プレス災害防止協議会説明
① 安全装置の未設置、調整不足による災害がいまだに発生していること
② 監督指導時においても、安全装置の機能・取付方法に不備があるもの、作業主任者の職務が実施されていないもの、作業標準が整備されていないものが散見されること
③ 災害防止のポイントとして、プレス機械・安全装置などの安全化、安全管理体制の確立、作業標準に基づいた作業の確実な実施が重要であること
④ 作業標準は、定常作業だけでなく、災害が多い非定常作業(点検、異常時対応、金型・安全装置の取付・調整など)を含め、整備を図ること
⑤ 重量物である金型の交換作業における災害を防止するため、省力化などの安全対策を講じる必要があること
を説明しました。

 また、安全衛生担当の伊藤監督官から
伊藤監督官プレス災害防止協議会
① 岡山県内のプレス災害について、昭和に比べて減少しているが、直近10年は横ばいに推移していること
② 岡山県内のプレス災害(昭和63年から令和2年まで)の原因について、安全装置関係(未設置、機能無効化、調整不良)が66%、非定常作業関係(プレス機械等の調整作業、材料位置の調整作業、金型の取替・調整作業)が26%であること
③ プレス災害防止のポイントとして
・有効な安全装置の選択と維持
・プレス機械作業主任者の職務励行
・キーの保管の徹底
・金型の交換時の安全措置
・作業標準の整備
・作業の監視、教育指導
・リスクアセスメント
があること
について説明しました。

 この他、機械のリスクアセスメントの適切かつ効果的な実施を促進するため、機械製造業者などから、「残留リスク一覧・残留リスクマップ」と設計・製造段階でのリスクアセスメントの前提となる機械の「制限仕様書」を受領して、機械災害防止を図るよう、助言しました。
 また、新見労働基準監督署が独自に作成したリーフレットを配布し、災害防止対策、改正法令への対応状況の再点検をお願いしました。

 プレス災害は、発生すると、身体障害が残ったり、死亡に至ったりするなど重篤な被害を及ぼすことがあります。
 安全衛生管理体制を確立し、継続して総合的な安全衛生活動を行うことが重要になりますので、今後とも、積極的な安全衛生活動の推進をお願いいたします。

関連サイト

厚生労働省ホームページ
 転倒災害防止対策
 令和2年4月の特定化学物質障害予防規則・作業環境測定基準等の改正
 ストレスチェック等の職場におけるメンタルヘルス対策・過重労働対策等

岡山労働局ホームページ
 「溶接ヒューム」特設サイト
 【参考】
 【東京労働局】WEBによる改正特定化学物質障害予防規則(溶接ヒューム)セミナー
   https://www.youtube.com/watch?v=LiG9bxMm4TI


中央労働災害防止協会ホームページ
 「機械に関する危険情報の通知」を活用しましょう
 中小規模事業場安全衛生サポート事業

その他関連情報

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