労働契約
■労働契約に関するルールの概要
事業主が労働者を使用(雇用)する場合、労働契約法及び労働基準法に定められたルールに従って、労働者との間で適切に労働契約を締結しなければなりません。
労働契約に関するルールの概要は以下のとおりです。
なお労働基準法に基づくルールについては、違反があった場合、労働基準監督署において是正の監督指導等が行われます。
※1 平成24年改正により平成24年8月1日から施行
※2 平成24年改正により平成25年4月1日から施行
<平成24年改正事項以外の事項の解説>
<平成24年改正事項の解説>
<平成24年改正事項を含む労働契約法全体の解説>
■労働契約の基本原則
労働契約の締結や変更は、以下の原則に基づいて行うことが必要です。
a.労使の対等の立場によること。【労働契約法第3条第1項】
b.就業の実態に応じて、均衡を考慮すること。【労働契約法第3条第2項】
c.仕事と生活の調和に配慮すること。【労働契約法第3条第3項】
d.信義に従い誠実に行動しなければならず、権利を濫用してはならないこと。【労働契約法第3条第4・5項】
■労働契約の締結
(1)労働条件の明示等
a.使用者が労働者を採用するときは、賃金・労働時間その他の労働条件を書面などで明示しなければなりません。平成31年4月1日からは、労働者が希望した場合は、FAX・電子メール・SNS等でも明示できます。【労働基準法第15条】
(2)就業規則
a.常時10人以上の労働者を使用する場合は、就業規則を作成し、労働基準監督署に届出しなければなりません。またそれを変更したときも届出しなければなりません。【労働基準法第89条・90条】
b.労働者と使用者が労働契約を結ぶ場合に、使用者が、合理的な内容の就業規則を労働者に周知させていた場合には、就業規則で定める労働条件が労働者の労働条件になります。【労働契約法第7条】
c.労働者と使用者が個別に合意していた労働条件が、就業規則を下回っている場合には、労働者の労働条件は、就業規則の内容まで引き上がります。【労働基準法第93条、労働契約法第12条】
d.就業規則の内容は、法令及び労働協約に反するものであってはなりません。【労働基準法第92条】
e.法令や労働協約に反する就業規則は、労働者の労働条件にはなりません。【労働契約法第13条】
(3)契約期間
a.契約期間に定めのある労働契約(有期労働契約)の期間は、原則として上限は3年です。なお、専門的な知識等を有する労働者、満60歳以上の労働者との労働契約については、上限が5年とされています。【労働基準法第14条】
b.使用者は、有期労働契約によって労働者を雇い入れる場合は、その目的に照らして、契約期間を必要以上に細切れにしないよう配慮しなければなりません。【労働基準法第17条第2項】
c.有期労働契約が5年を超えて反復更新された場合は、労働者の申込みにより、無期労働契約に転換されます。(有期労働契約の無期転換ルール)【労働契約法第18条】※1
d.有期労働契約の反復更新により無期労働契約と実質的に異ならない場合、または有期労働契約の期間満了後の雇用継続につき、合理的期待が認められる場合には、雇止めが客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められないときは、有期労働契約が更新(締結)されたとみなされます(雇い止め法理の法定化)。【労働契約法第19条】※1
e.有期契約労働者と無期契約労働者との間で、期間の定めがあることによる不合理な労働条件の相違を設けてはなりません。【労働契約法第20条】※2
■労働契約の変更
a.労働者と使用者が合意をすれば、労働契約を変更できます。【労働契約法第8条】
b.合意による変更の場合でも、就業規則に定める労働条件よりも下回ることはできません。【労働基準法第93条、労働契約法第12条】
c.使用者が一方的に就業規則を変更しても、労働者の不利益に労働条件を変更することはできません。なお、就業規則によって労働条件を変更する場合には、内容が合理的であることと、労働者に周知させることが必要です。【労働契約法第9・10条】
■労働契約の終了
(1)解雇の有効性
a.解雇は、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合、権利を濫用したものとして無効となります。【労働契約法第16条】
b.契約期間に定めのある労働者については、やむを得ない事由がある場合でなければ、契約期間が満了するまでの間において労働者を解雇することができません。【労働契約法第17条第1項】
裁判例によれば、契約の形式が有期労働契約であっても、期間の定めのない契約と実質的に異ならない状態に至っている契約である場合や、反復更新の実態、契約締結時の経緯等から雇用継続への合理的期待が認められる場合は、解雇に関する法理の類推適用等がされる場合があります。
(2)解雇予告手当
a.やむを得ず解雇を行う場合でも、30日前に予告を行うことや、予告を行わない場合には解雇予告手当(30日分以上の平均賃金)を支払うことが必要です。【労働基準法第20条】
■無期転換ルールの特例
労働契約法に基づく「無期転換ルール」については、「専門的知識等を有する有期雇用労働者等に関する特別措置法(有期特措法)」に基づき、次に該当する労働者について特例が適用されます。
ア.専門的知識等を有する有期雇用労働者(高度専門職)
イ.定年後引き続いて雇用される有期雇用労働者(継続雇用の高齢者)
この特例の適用においては、雇用管理に関する特別の措置が講じるなどの一定の条件を満たした上で、労働局に対して認定申請を行うことが必要となります。
■会社分割・事業譲渡又は合併を行うとき
会社分割を行う際は、会社分割に伴う労働契約の承継等に関する法律(労働契約承継法)等で定められた労働者保護のための規定に従わなければなりません。
事業譲渡等を行う際は、事業譲渡又は合併を行うに当たって会社等が留意すべき事項に関する指針(事業譲渡等指針)で定められた労働者保護のための手続等が適切に行われるようにしてください。
・詳細は こちら(厚生労働省HP)をご覧ください。
賃金の支払い、労働条件の変更、解雇・雇い止めなどに関し、関係法令と裁判例をわかりやすく整理した資料集です。
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