生産性向上のための取り組みは、製造業において長年の経験・蓄積があります。そこで、トヨタ自動車(株)など、我が国の名だたる製造業の企業に所属する生産工程改善の専門家やコンサルタントが、これまで生産性向上の取り組みが弱かった異業種の企業に対してアドバイスをすることで、劇的にその生産性をあげることができた好事例を集めています。
下表のうち、「説明資料」は生産性向上の取り組みの内容を説明したスライドですが、「解説」は、これを当の専門家やコンサルタントご本人が解説した様子をおさめており、両者をあわせてごらんください。なお「議事録」のほうは、アドバイスを受けた企業側をはじめ、業界の代表者、経団連会長、連合会長、総理大臣などのコメントも収録されています。
業界No 事例の概要 説明資料 解説 議事録 飲食業 事例1 ムダ取りと廃棄ロス削減によって生産性向上 ○ ○ ○ 事例2 注文データや顧客アンケートなどを通じたメニューの工夫によって売上増加 ○ ○ 小売業 事例1 物や情報の流れの改善、ムダな作業の削減、作業の標準化によって生産性向上 ○ ○ 事例2 店員の行動分析を通じて把握されたハイパフォーマーの販売ノウハウを、勉強会によって店内で共有し売上増加 ○ ○ 道路貨物運送業 事例1 荷物の積み下ろし時間を管理するシステムの導入、複数社でのパレット共用システムの導入によって労働時間短縮・生産性向上(44%増)・積載率向上
○ ○ ○ 事例2 荷物の積み下ろしや配達の工程の見直しと高速道路の利用によって労働時間短縮 ○ ○ 宿泊業 事例1 タブレットとLINEの導入による連絡体制、1人3役化による繁忙期の応援体制によって、労働時間短縮と人手不足解消 ○ ○ 事例2 作業分析に基づいたムダな作業の排除によって労働時間削減(15~20%減) ○ ○ 介護 事例1 服薬ボックスの導入、作業分析を通じた職員の役割・業務分担・手順の見直しにより、効率的な業務体制を構築し、生産性向上(33%増)
○ ○ 事例2 ヘルパーとサービス提供責任者の間の情報の分析を通じた、情報の量・質の向上、優先度の判断基準の明確化、目標管理によって売上増加・生産性向上(15%増) ○ ○
「業務改善助成金」とは、生産性向上のための設備投資、人材育成に係る研修、業務改善のためのコンサルティングを受けるなどにより、事業場内の最低賃金を一定額以上引き上げた場合、経費の一部が労働局から助成されるものです。
ここでは、この助成金を活用しながら生産性の向上に成功した好事例を集めています(厚生労働省)
事例の概要 説明資料 平成28年版 平成29年版
平成30年版 企業事例 従業員のスキルアップを図るための教育研修によって、業務を効率化 事例1 コンサルタントによる業務フロー見直しとシステム導入により業務効率化 事例1 レイアウト変更や動線改善によって、業務の効率化と顧客回転率を向上 事例2 機材の導入により、従業員の作業時間を短縮
事例6~8 ホームページに見積もり作成システムを掲載し、営業コストの削減等に活用 事例2 機材・システムの導入により業務負担を軽減し、創出された時間や人員を他の業務に再配分 事例1
事例4
事例3
~6
事例5・9 データの収集・管理をより早く正確に行うシステムを導入し、管理や営業等に活用 事例3
事例7
事例7 事例3・4 業務をシステム化することによって、手間のかかる手作業や単純なミスを減少 事例2
事例3
事例8
事例9
事業場で認証や資格等を取得して、事業基盤を強化 事例5 機器導入により外注していた業務を内製化し、時間や費用を削減 事例6 事業範囲の拡大をするためのツールとなるような機材を導入 事例8 業種別中小企業団体において、作業手法のマニュアル化、官公需適格組合資格保有の周知 事例1 業種別中小企業団体において、営業活動等を効率化するためのシステムを構築 事例2 業種別中小企業団体において、事業の組織化に普及・拡大を図るための各種ツールを作成 事例1 業種別中小企業団体において、拡販ツール管理のシステム化や、作業環境改善手法のマニュアル化 事例2
生産性の向上は、自社内部の取り組みだけではなく、取引先や同業他社などとさまざまな連携を図ることによって成果をあげられる場合があります。ここでは、このような他社との連携によって生産性の向上に成功した好事例を集めています(内閣官房)。
総理官邸の「中小企業・小規模事業者の長時間労働是正・生産性向上と人材確保に関するワーキンググループ」(第2回:2017年11月22日)において報告されました。
No事例の概要
事例1
中小企業間での顧客情報の共有等によって、工数の効率化、工場の稼働率を向上 事例2
旅館同士で、食材、備品、顧客情報を相互活用するネットワークサービスを構築し、繁忙期の異なる旅館同士で労働力を融通 事例3
共同配送によって配送コスト・残業時間を削減、オンラインを活用した共同倉庫によって管理コストを削減 事例4
大手企業が、系列販売会社等の人手不足解消・事業承継を支援 事例5
物流プラットフォームによる輸送の効率化、企業連携によるスケールメリットを活かした共同購入等により高い売上高を実現 事例6
ロボットの導入によって人手不足を解消 事例7
情報一元化による物流費削減・企業間連携による地域プロモーション・地域活性化 事例8
長時間労働の是正等の取り組みをパートナー企業に共有
中小企業における生産性向上の好事例です(経済産業省)。各産業分野にわたる事例が、「新規顧客層への展開 」「商圏の拡大」「独自性・独創性の発揮」「ブランド力の強化」「顧客満足度の向上」「価値や品質の見える化」「機能分化・連携」「IT利活用(付加価値向上に繋がる利活用)」「サービス提供プロセスの改善」「IT利活用(効率化に繋げるための利活用)」などの観点から整理されています。
「中小サービス事業者の生産性向上のためのガイドライン」に掲載されています。
総理官邸の「未来投資会議(構造改革徹底推進会合(地域経済・インフラ(中小企業・観光・スポーツ・文化等)))」において、生産性向上に向けた各業界別の取り組みと好事例が報告されています。会議では、生産性の現状・課題・今後の方向性についても業種別に整理されて報告されています。
第3回:2018年3月16日
第2回:2017年11月14日
効率性向上や付加価値向上から生産性向上を図った各業界の好事例です。
サービス産業は機械化などがしにくいため、他産業に比べて生産性の向上の取り組みが遅れている傾向があります。このような中にあっても、さまざまな創意工夫によりサービス業の生産性の向上の取り組みが進められています。サービス業以外の企業においても大いに参考になります。
東北地方のサービス業における生産性向上に向けた取り組みの好事例集です(東北経済産業局)
(2)「サービス業のための生産性向上ワンポイント事例集」サービス業における生産性向上に向けた取り組みの好事例集です(経済産業省)
サービス産業の生産性向上の取り組みに関する28のケーススタディです(サービス産業生産性協議会)
「ハイ・サービス日本300選」は、イノベーションや生産性向上に役立つ先進的な取り組みを行っている企業・団体を表彰・公表する制度です(サービス産業生産性協議会)。本サイトでは各種条件から受賞企業の取り組み内容を検索できます
生活衛生関係営業(飲食業・宿泊業・洗濯業・理美容業)の生産性・収益力向上の取組事例集です。(厚生労働省)
宿泊業における生産性向上の取り組みの好事例集です(観光庁)
(7) 外食産業・中食産業における生産性向上の好事例「外食・中食の生産性向上に向けた手引き」(農林水産省)に掲載されている、外食産業・中食産業における生産性向上の好事例です
介護分野(施設、居宅、医療系)において生産性向上を図るためのガイドラインです。
参考となる事例が豊富に盛り込まれています。
7.トラック運送業における生産性向上の好事例
(1) トラック運送業における生産性向上の好事例(国土交通省)「トラック運送における生産性向上方策に関する手引き」に掲載されている、トラック運送業における生産性向上の好事例です。
・「人材活用面での工夫」による労働生産性の向上
・「IT 利活用」による労働生産性の向上
・「設備投資」による労働生産性の向上
・「M&A を中心とする事業再編・統合」を通じた労働生産性の向上
【関連ページ】
生産性とは何か、生産性向上の方法、生産性向上の取り組みに対する支援策などについて解説しています
【相談窓口】
・宮城労働局(雇用環境・均等室) TEL 022-299-8834