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平成20年度 申告事案の概要【監督課】

神奈川労働局発表
平成21年6月1日

 


当 
 監 督 課 長           久 富 康 生
 監察監督官           古 屋  強
電   話    045-211-7351
 


 

賃金不払い事案等が増加し、過去20年で申告件数は最高に
~平成20年の申告事案の概要~



 

 神奈川労働局(局長 森岡雅人)管下12労働基準監督署が平成20年に受理した申告事案は、前年に比べ13.1%増加し、平成元年以降過去20年で最高の件数となった。
 前年と比較して増加傾向が顕著であったのは、賃金不払事案(13.5%増)、解雇事案(17.8%増)で、この二つで総件数の9割以上を占めた(賃金不払事案1636件 約75% 解雇事案390件 約18%)。
 申告事案の件数増加の要因は、平成17年以降増加基調にあったところ、昨年10月以降の世界的な金融危機の顕在化による景気の落ち込みにより、賃金不払事案や解雇事案が急増したためであると考えている。
 神奈川労働局においては、申告事案について、引き続き、迅速・的確に対応し、労働者の権利救済を図るほか、重大・悪質な事案については、送検手続をとるなど厳正に対処することとしている。




 

1 申告事案の概要

申告事案が大幅増。平成20年は過去20年で最高の2,195件

 平成18年から増加に転じた申告事案は、増加傾向が顕著となっており、平成20年は前年に比べ13.1%増加し、過去20年で最高となった。(グラフ1)
 また、増加傾向が顕著であったのは、賃金支払と解雇の事案であり、平成20年は前年に比べ賃金支払で194件13.5%、解雇で59件17.8%増加した。(表1 - グラフ2)



 

申告事案の9割以上は賃金不払と解雇

 申告事案の内訳は、賃金不払に係る申告が1,636件(74.5%)、解雇に係る申告が390件(17.8%)、その他の申告が164件(7.5%)となっており、賃金不払、解雇が全体の92.3%を占めている。(表1 - グラフ2)

 

※ 申告事項別処理件数計は、1名の労働者が複数の事項を重複して申告する場合もあるため、申告受理件数とは一致しない。



 

商業、接客娯楽業、その他の事業の申告が増加

 申告の増加が顕著だった業種は、商業(68件増)、接客娯楽業(62件増)、その他の事業(43件増)であった。

 また、増減率では保健衛生業の23.8%増、接客娯楽業の22.5%増が顕著であった。
 一方、受理件数が減少した業種においても、その数は小さくいずれも5件以下であった。(表2 - グラフ3)

※ 申告とは、労働者から労働基準監督機関に対して、労働基準関係法令に係る違反事実の通告がなされ、同通告を受けた労働基準監督機関は、通告された違反事実の有無を確認し、違反事実が認められた場合には、事業主にその是正を勧告し、改善を図らせることにより労働者の救済を行うことをいう。



 

2 今後の対応について

 申告事案は、平成18年から増加傾向に転じたが、平成20年は景気の状況を反映してその傾向が強まっている。
 申告事案については、労働関係の基本的ルールを定めた労働基準法等に違反するとして労働者から行政機関に救済を求めているものであることから、引き続き、申告・相談者が置かれた状況に配慮の上、懇切・丁寧な対応に留意し、迅速・的確に処理を行う方針である。






  

 

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