I |
最低賃金制とは? |
II |
最低賃金とはすべての人に適用されるのですか? |
III |
最低賃金にはどのようなものがありますか? |
IV |
最低賃金はどのような賃金を対象にしているのですか? |
V |
最低賃金額以上になっているかどうかは、どのようにして調べるのですか? |
最低賃金法に基づき国が賃金の最低限度を定め、使用者は、その最低賃金額以上の賃金を労働者に支払わなければならないとされている制度です。
仮に最低賃金額より低い賃金を労使合意の上で定めても、それは法律により無効とされ、最低賃金額と同額の定めをしたものとみなされます。
II |
最低賃金とはすべての人に適用されるのですか? |
最低賃金は、事業場で働く常用・臨時・パート・アルバイトなどの雇用形態や呼称の如何を問わず、すべての労働者とその使用者に適用されます。また、派遣労働者は派遣先事業場に適用され る地域又は特定最低賃金が適用されます。
しかし、次の労働者については、使用者が石川労働局長の許可を受けることを条件として、個別に最低賃金の減額の特例が認められています。
1 |
精神又は身体の障害により著しく労働能力の低い者 |
2 |
試の使用期間中の者 |
3 |
職業能力開発促進法に基づく認定職業訓練を受ける者のうちの一定の者 |
4 |
軽易な業務に従事する者 |
5 |
断続的労働に従事する者 |
最低賃金の減額の特例許可を受けようとする使用者は、それぞれの所定様式による申請書を2部作成し、管轄の労働基準監督署長を経由して石川労働局長に提出して下さい。
次の2種類の最低賃金があります。
1 地域別最低賃金
「石川県最低賃金」は、県内のすべての労働者とその使用者に適用されています。
2 特定最低賃金
「石川県○○製造業最低賃金」などの名称で、県内の特定の産業の労働者とその使用者に適用されています。
なお、使用者は、地域別と特定の両方の最低賃金が同時に適用される場合には、高い方の最低賃金額以上の賃金を支払わなければなりません。
IV |
最低賃金はどのような賃金を対象にしているのですか? |
最低賃金の対象となる賃金は、通常の労働時間、労働日に対応する賃金に限られます。具体的には、実際に支払われる賃金から次の賃金を除外したものが最低賃金の対象となります。
1 |
臨時に支払われる賃金(結婚手当など) |
2 |
1か月を超える期間ごとに支払われる賃金(賞与など) |
3 |
時間外労働、休日労働及び深夜労働に対して支払われる賃金(割増賃金など) |
4 |
精皆勤手当、通勤手当、家族手当 |
V |
最低賃金額以上になっているかどうかは、どのようにして調べるのですか? |
1. 現行の最低賃金は、時間額で決定されています。
2. 実際に支払われる賃金額が最低賃金額以上となっているかどうかを調べるには、臨時に支払われる賃金などの除外賃金を差し引いた後の賃金額を時間額に換算して、適用される最低賃金時間額と比較します。
時間給制の場合………時間給≧最低賃金の時間額
日給制の場合………日給÷1日の所定労働時間=時間額換算≧最低賃金の時間額
月給制の場合………月給÷1月の平均所定労働時間=時間額換算≧最低賃金の時間額
3. 月給の換算と比較は次の手順で行います。 |
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1)まず月給額を「時間当たりの金額」に換算します。
1年間の総所定労働時間を就業規則・カレンダーなどから積算し、以下の算式で計算します。
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〔月給-(時間外・休日手当+精皆勤手当+家族手当+通勤手当)〕 |
=A |
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(年間総所定労働時間数÷12) |
2)次に最低賃金の時間額BとAの金額を比較します。
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4. (計算例) |
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最低賃金が時間額673円のとき、年間休日日数105 日、1日の所定労働時 間8時間の方が、月給128,0,00 円(基本給110,000 円、職務手当6,400 円、精皆勤手当5,000 円、家族手当4,000 円、通勤手当2,600 円)で雇われていた場合、最低賃金法違反となるでしょうか。ただし、当該年はうるう年ではないとします。
(〔1〕月給の時間当たりの金額)
〔月給128,000円-(精皆勤手当5,000円+家族手当4,000円+通勤手当2,600円)〕÷〔(365日-105日)×8÷12〕=116,400円÷173.3334時間=671.53円
したがってこの例の場合、最低賃金の時間額673円を下回っていますので、法違反となります。この例の場合には、基本給と職務手当の合計部分を116,654円以上になるように引き上げる必要があります。 |
5. 石川県洋食器・刃物・手道具・金物類製造業最低賃金(略称)と石川県建設用・建築用金属製品製造業最低賃金(略称)の場合は、日額の最低賃金と時間額の最低賃金が定められています。
この場合、最低賃金の時間額は賃金の大部分が時間給制の労働者に、最低賃金の日額は賃金の大部分が時間給制以外の日給制、月給制などの労働者にそれぞれ適用されます。
実際に支払われる賃金額が最低賃金額以上となっているかどうかを調べるには、臨時に支払われる賃金などの除外賃金を差し引いた後の賃金額と適用される最低賃金額とを次の方法で比較します。
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時間給制の場合……… |
時間給≧最低賃金の時間額 |
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日給制の場合……… |
日給≧最低賃金の日額 |
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月給制の場合……… |
月給額と最低賃金の日額のそれぞれを「時間当たりの金額」に換算して比較します。 |
6. この場合の時間額の換算と比較は次の手順で行います。 |
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1)まず月給額を「時間当たりの金額」に換算します。
1年間の総所定労働時間を就業規則・カレンダーなどから積算し、以下の算式で計算します。
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〔月給-(時間外・休日手当+精皆勤手当+家族手当+通勤手当)〕 |
=A |
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(年間総所定労働時間数÷12)
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2)次に最低賃金の日額を「時間当たりの金額」に以下の算式で換算します。
(日によって1日の所定労働時間が違う場合は1週間を平均した1日当たりの所定労働時間数)
3)AとBの金額を比較します。
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7. (計算例) |
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最低賃金が日額6,102円、時間額763円の石川県洋食器・刃物・手道具・金物類製造業最低賃金(略称)が適用される場合、年間休日日数105日、1日の所定労働時間7.5時間の方が、月給140,000円(基本給125,000円、精皆勤手当6,000円、家族手当4,000円、通勤手当5,000円)で雇われていた場合、最低賃金法違反となるでしょうか。ただし、当該年はうるう年ではないとします。
(〔1〕月給の時間当たりの金額)
〔月給140,000円-(精皆勤手当6,000円+家族手当4,000円+通勤手当5,000円)〕÷〔(365日-105日)×7.5÷12〕=125,000円÷162.5時間=769.23円
(〔2〕最低賃金の日額の時間当たりの金額)
6,102円÷7.5時間=813.6円
したがってこの例の場合、最低賃金の時間額763円以上は支払っていますが、最低賃金の日額を時間換算した額813.6円を下回っていますので、法違反となります。この例の場合には、基本給部分を132,210円以上になるように引き上げる必要があります。 |
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