就業規則は、労働者の労働条件や職場で守るべき規律などを定めたものですから、労働者全員に知らせておかなければ意味がありません。できれば労働者の一人ひとりに就業規則を配付することが望ましいのですが、少なくとも各職場の見やすい場所に掲示するか、あるいは労働者がいつでも見ることができるような場所に備え付けるなどの方法により、労働者に就業規則を周知させなければなりません。
周知方法として、就業規則を磁気テープ、磁気ディスク、その他これらに準ずるものに記録し、各作業場に当該記録の内容を常時確認できる機器を設置し、労働者が必要なときに容易に見ることができるようにしておくことでもよいこととなっています。
特に、新たに就業規則を作成し、あるいはその内容を大幅に変更した場合には、その内容がすべての労働者に確実に、かつ速やかに周知されるようにすることが必要です。
以上、就業規則作成に当たって注意すべき9つのポイントを紹介してまいりましたが、これらのポイントに注意しながら、実際に就業規則を作成していく場合の手順の例を紹介すれば、次のようなものとなります。
■就業規則の作成手順(例)
1 案の作成(ポイント1~6参照)
(1)現在、実施している労働条件、職場規律などを箇条書きに整理
(2)(1)の中から就業規則に記載すべき事項を選定
(3)労働条件、職場規律などの内容の具体的な検討
(4)各事項を章別に分類し、条文化
(5)条文ごとの見出しの設定
2 労働者代表からの意見聴取(ポイント7参照)
3 労働者代表からの意見を踏まえての検討
4 労働基準監督署長への届出(ポイント8参照)
5 労働者への周知(ポイント9参照) |
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