職場におけるセクシュアルハラスメントとは
■ 男女雇用機会均等法のセクシュアルハラスメントの定義
<対価型セクシュアルハラスメント>
労働者が、意に反する性的な言動を拒否したことによって
解雇や降格、不利益な配置転換、減給などの不利益を受けること。【典型的な例】
- 事務所内において事業主が労働者に対して性的な関係を要求したが、拒否されたため、その労働者を解雇すること。
- 出張中の車中において上司が労働者の腰、胸等に触ったが、抵抗されたため、その労働者について不利益な配置転換をすること。
- 営業所内において事業主が日頃から労働者に係る性的な事柄について公然と発言していたが、抗議されたため、その労働者を降格すること。
<環境型セクシュアルハラスメント>
労働者が、意に反する性的な言動よって、就業環境が不快なものになったために、
労働者の意欲が低下したり、苦痛に感じて業務に専念できないなど、能力の発揮に悪影響が生じること。【典型的な例】
- 事務所内において上司が労働者の肩、腰、胸等に度々触ったため、その労働者が苦痛に感じてその就業意欲が低下していること。
- 同僚が取引先において労働者に係る性的な内容の情報を意図的かつ継続的に流布したため、その労働者が苦痛に感じて仕事が手につかないこと。
- 労働者が抗議をしているにもかかわらず、事務所内にヌードポスターを掲示しているため、その労働者が苦痛に感じて業務に専念できないこと。
◆改正男女雇用機会均等法第11条 (職場における性的な言動に起因する問題に関する雇用管理上の措置)
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「職場」とは
事業主が雇用する労働者が業務を遂行する場所を指し、労働者が通常就業している場所以外の場所であっても、労働者が業務を遂行する場所であれば「職場」に含まれます。
【職場の例】
- 取引先の事務所、取引先との打合せをするための飲食店(接待の席も含む)、
- 顧客の自宅(営業職等)、取材先(記者)、出張先、
- 業務で使用する車中(営業、バスガイド等)等
★注意★
勤務時間外の「宴会」等であっても、実質上職務の延長と考えられるものは「職場」に該当しますが、その判断にあたっては、職務との関連性、参加者、参加が強制的か任意か等を考慮して個別に行う必要があります。
「労働者」とは
名称、雇用形態にかかわらず、事業主が雇用するすべての男女労働者をいいます。
- 正規労働者
- パートタイム労働者
- アルバイト
- 契約社員
- 派遣社員 など
★注意★
派遣労働者については、派遣元事業主とともに派遣先事業主についても規定が適用されます。
派遣先事業主は、自ら雇用する労働者と同様に、措置を講ずる必要があります。
「性的な言動」とは
性的な内容の発言及び行動を意味します。
【性的な言動の例】
- 性的な内容の発言
性的な事実関係を尋ねること、性的な内容の情報(噂)を意図的に流布すること、性的な冗談やからかい、食事やデートへの執拗な誘い、個人的な性的体験談を話すことなど- 性的な行動
性的な関係を強要すること、必要なく身体へ接触すること、わいせつ図画(ヌードポスター、ヌードスクリーンセイバー等)を配布・掲示すること、強制わいせつ行為、強姦など★注意★
事業主、上司、同僚に限らず、取引先、顧客、患者及び学校における生徒等もセクシュアルハラスメントの行為者になり得るものであり、また、女性労働者が女性労働者に対して行う場合や、男性労働者が男性労働者に対して行う場合についても含まれます。