公正な採用選考のために

採用選考時に配慮すべき事項

次の事項について質問や作文を課すこと等は、就職差別につながるおそれがあります。応募者の適性・能力を基準とした公正な採用選考を行なってください。

本人に責任のない事項

1.本籍・出生地に関すること
2.家族に関すること(職業、続柄、健康、地位、学歴、収入、資産など)
3.住宅状況に関すること(間取り、部屋数、住宅の種類、近隣の施設など)
4.生活環境・家庭環境等に関すること

本来自由であるべき事項

5.宗教に関すること
6.支持政党に関すること
7.人生観・生活信条などに関すること
8.尊敬する人物に関すること
9.思想に関すること
10.労働組合・学生運動など社会運動に関すること
11.購読新聞・雑誌・愛読書などに関すること

その他の事項

12.身元調査などの実施
13.全国高等学校統一応募用紙等に基づかない事項を含んだ応募書類(社用紙)の使用
14.合理的・客観的に必要性が認められない採用選考時の健康診断の実施

採用選考に当たっては、次の2点を基本的な考え方として実施することが大切です。

選考基準・選考方法のチェックポイント

1.職務遂行能力を条件とした公正な基準ができていますか。
2.公正に評価する方法がとられていますか。
3.応募者の基本的人権を尊重する体制がとられていますか。
4.応募者の資質や長所を見出すための配慮がなされていますか。
5.募集・応募書類は適正なものですか。
6.画一的な健康診断を実施していませんか。

採用選考時に配慮すべきポイント

ポイント-1
  1. 面接時の質問内容については、公正な採用選考を実施するために、面接担当者全員で事前に打ち合わせを行うなど十分検討しておくことが必要です。
  2. 本籍地や家族の職業などの「本人に責任のない事項」や宗教、支持政党などの「本来、自由であるべきもの」に関わる事項は差別につながるおそれがあります。
  3. たとえば、「家族状況や家庭環境」を聞いた場合、このこと自体「本人に責任のない事項」であるとともに、応募者にとっては答えにくい場合があります。また、応募者を精神的に苦しめ、その心理的打撃は面接態度に現れることがあります。
  4. 面接時の「流れ」の中でうっかり聞いた事柄や応募者の気持ちを和らげようと聞いた事柄の中にも、かえって応募者を傷つけ、また、応募者の人権を侵す場合があります。
ポイント-2
  1. 採用選考時の健康診断を、職務内容との関連においてその必要性を慎重に検討することなく実施することは、応募者の適性と能力を判断する上で必要のない事項を把握する可能性があり、結果として就職差別につながるおそれがあります。
  2. したがって、採用選考時にいわゆる「血液検査」等の健康診断を実施する場合には、健康診断が応募者の適性と能力を判断する上で真に必要かどうか慎重に検討してください。

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