主な相談内容(事業主の方へ)

1.年次有給休暇

Q:退職間際の労働者から、残った年休を退職日までの勤務日に充てたいといわれたら、拒むことはできませんか?
A:年次有給休暇(年休)は労働者の権利ですから退職間際の年休の申請に対して拒むことはできません。実際上、退職前の業務の引継ぎなど必要がある場合は、退職日を遅らせてもらうなど、退職する労働者と話し合ったほうがよいでしょう。
 
Q:消化しきれなかった年休の分の賃金を支払って買い上げることはできますか?
A:年次有給休暇(年休)の目的は、日ごろの業務から離れて休むことですから、買い上げる代わりに休めなくなってしまっては、意味がありません。したがって、原則として年休を買い上げることはできません。
(法定の年休を買上げることは違法となります。ただし、法定を上回る年休(労働基準法の規定を上回る日数を独自の年休として与えているもの)の買い上げは違法とはなりません。)
 
Q:年次有給休暇とはどのような制度ですか。パートタイム労働者でも有給休暇があると聞きましたが、本当ですか?
A:厚生労働省Q&Aのページへ
 
Q:パートタイマーに年休を付与しなければならないでしょうか。付与する場合、基準日はいつでしょうか。また、年度途中で所定労働日を変更した場合、付与日数をどのように取り扱うべきでしょうか?
A:6ヶ月間継続勤務し、8割の出勤率があれば、比例日数(1週間あたりの出勤日数)に応じた年休を付与しなければならず、6か月の継続勤務期間の終了する日の翌日を一般に基準日と呼んでいます。
 年休は基準日に、所定の労働日数に応じて付与するものであり、年度途中で労働日数が、増減したとしても付与日数は変更されません。
 しかし、年度途中において労働日数が増加した場合に、会社と労働者の話し合いで、年休の日数を増やすことは差支えありません。
 
Q:定年退職後、再雇用した場合、勤続年数を通算して年休を与えなければならないでしょうか?
A:年次有給休暇を付与することが必要となるための要件のひとつとして、労基法第39条では「6ヶ月以上継続勤務」することを定めとしていますが、この「継続勤務」とは、労働契約が存続している期間の意であり、いわゆる在籍期間のことであると解されています。 労働契約が存続しているか否かの判断は、実質的に判断されるべき性格のものであり、形式上労働関係が終了し、別の契約が成立している場合であっても、前後の契約を通じて、実質的に労働関係が継続していると認められる限りは、労基法第39条にいう継続勤務と判断されます。 定年退職による退職者を引き続き委嘱等として再採用している場合(退職手当規定に基づき、所定の退職手当を支給した場合を含む。)は、継続勤務となります。
 
Q:当社は従業員5名と規模が小さく、それでも従業員からの請求があれば有給休暇を与えなくてはなりませんか?
A:年次有給休暇は、事業場の業種、規模に関係なく、全ての事業場の労働者に適用されます。労働基準法は、労働条件の最低基準を定めた強行法規ですので、有給休暇の制度を設けないことは許されません。(労働基準法第39条)
 
Q:今度、初めて労働者を雇い入れることになりました。年次有給休暇はいつから与えなければなりませんか?
A:年次有給休暇は、雇入れの日から起算して6ヶ月間継続勤務し全労働日の8割以上出勤した労働者に対して与える必要があります。年次有給休暇日数は初年度は10労働日ですが、週4日以下の勤務など通常と比較して労働日数が少ない場合は比例付与として10日より少ない日数でもかまいません。
 その後は、1年毎に8割以上出勤した場合は、法令で定められた日数を付与することになります。(労働基準法第39条)
 
Q:当社では正社員には当然有給休暇の制度がありますが、パート、アルバイトにはありません。このような取扱いでよろしいでしょうか?
A:労働基準法上、パート、アルバイトも労働者であることから、正社員と同様に請求があれば年次有給休暇を与えなければなりません。
 ただし、週所定労働時間が30時間未満で、かつ、所定労働日数が週4日以下のパート、アルバイトについては、労働日数に応じて権利として発生する休暇日数が少なくなります。
 ちなみに、発生する休暇日数は半年継続勤務、8割以上の出勤を条件として一般労働者10日、週4日のパート、アルバイト7日などとなっています。(労働基準法第39条)
 
Q:有給休暇を請求してきた労働者がいるのですが、仕事が忙しいため今休ませることは困難です。有給休暇の請求を断ることはできるのでしょうか?
A:年次有給休暇は、原則、労働者が請求した時季に与えなければなりません。 ただし、請求された時季に年次有給休暇を与えることが事業の正常な運営を妨げる場合は、他の時季に与えることができるとされています。 事業の正常な運営を妨げるかどうかは、事業の規模、内容、当該労働者の担当する作業内容、性質、作業の繁閑、代行者の配置の難易、労働慣行等諸般の事情を考慮して客観的に判断されるべきものです。判例等の動向をみると、事業の正常な運営を妨げるかどうかは極めて限定的に解されており、従業員の大半が同時に請求してきた場合は格別、そうでない限りは与えなくてはならないと考えた方がよいと思われます。なお、会社が、労働者から請求があったにもかかわらず有給休暇を与えない場合は、法律違反となります。
 
Q:労働者から年次有給休暇を請求された場合、手当としていくら支払えばよいのですか?
A:就業規則などで規定することとなっております。支払う賃金は、平均賃金か、所定労働時間労働した場合に支払われる通常の賃金かのどちらかです。ただし、労使協定により健康保険法に定める標準報酬日額に相当する金額にすることも可能です。(労働基準法第39条)
 
Q:前日に欠勤した労働者から、「昨日の欠勤を年次有給休暇扱いにしてほしいと言われました。年次有給休暇としなければなりませんか?
A:年次有給休暇は事前に請求するのが原則ですが、事後に請求されたものについても、労使双方が年次有給休暇処理することで合意した場合は、年次有給休暇扱いとしても差し支えありません。
 
Q:本年度から年末・年始の休暇に各従業員が持っている有給休暇をドッキングさせて、10連休にしようと考えています。その場合の手続について教えて下さい。
A:本来年次有給休暇をいつ使うかは各従業員の自由なわけですが、労働時間短縮の面からはご質問のような手法は有効と思われます。労働基準法においては、各従業員が持っている有給休暇日数のうち5日を超える部分については、計画的付与が認められています。その場合、所轄労働基準監督署長への届出はありませんが、労使協定を締結しておかなければなりません。
 

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2.賃金関係

Q:欠勤1日に対する賃金カット額はどのようにして計算すればよいでしょうか?
A:労基法上は欠勤の賃金カット額の計算方法については特に規定はありません。
 一般的にとられている方法としては、1日の賃金額を出して欠勤1日についてその額をカットする方法です。
 1日の賃金額を出すには、月給額を1年間における1カ月平均の所定労働日数で割る方法などがあります。
 
Q:遅刻した者がその日に残業した場合も、残業時間に対する割増賃金の支払いが必要ですか?
A:労基法上、時間外労働の割増賃金の支払いが義務付けられているのは、法定労働時間(8時間)を超える労働です。
 したがって、遅れてきた場合は、その日の業務開始以降の実労働時間で8時間を超えた部分についてのみ割増賃金を支払うことになります。
 
Q:給料が最低賃金を上回っているかどうかを比較する場合に通勤手当、職務手当、賞与は含めてもいいのでしょうか?
A:最低賃金と実際の賃金を比較する場合に、含めない賃金については、最低賃金法の省令等によって、
  (1)  臨時に支払われる賃金(結婚手当等)、
  (2) 1カ月を超える期間ごとに支払われる手当(賞与等)、
  (3) 所定時間外労働、所定休日労働及び深夜労働に対して支払われる賃金、
  (4) 当該最低賃金において算入しないことを定める賃金(精皆勤手当、通勤手当、家族手当)となっています。
  したがって、ご質問のうち通勤手当、賞与は比較の際は含めないということになります。
 
Q:会社で経理を担当していますが、賃金の支払について5原則があると聞きました。それはどのようなものですか?
A:5原則とは次のとおりです。
1.通貨払い
2.直接払い
3.全額払い
4.毎月払い
5.一定期日払い
(労働基準法第24条)
 
Q:労働者に時間外労働や休日労働、深夜労働をさせた場合、いくらの割増賃金を支払わなければなりませんか?
A:時間外労働の場合は通常の労働時間の賃金の計算額の2割5分以上の率で計算した割増賃金を、休日労働の場合は通常の労働時間の賃金の計算額の3割5分以上の率で計算した割増賃金を支払わなければなりません。(労働基準法第37条)
  原則午後10時から午前5時までの間に労働させた場合は、通常の労働時間の賃金の計算額の2割5分以上の率で計算した割増賃金を支払わなければなりません。(労働基準法第37条)
 
Q:一時帰休など会社の都合で労働者を休業させた場合には、どのような保障をすればよいのですか?
A:会社の都合により労働者を所定労働日に休業させた場合には、休業させた日について少なくとも平均賃金の100分の60以上の休業手当を支払わなければなりません。(労働基準法第26条)
 
Q:毎月の賃金から従業員の食事代を控除したいのですが、何か手続が必要ですか?
A:税金、社会保険料等の法律で控除が認められているもの以外を賃金から控除する場合は、労働者の過半数を組織する労働組合がある場合はその労働組合、無い場合は労働者の過半数を代表する労働者との書面による控除協定が必要です。(労働基準法第24条)
 
Q:労働契約の際に労働者が納得していれば、賃金はいくらにしてもかまいませんか?
A:最低賃金以上の金額にする必要があります。(和歌山県の最低賃金についてこちらへ)(最低賃金法第4条)この金額以上の賃金を支払わなければなりません。
 
Q:従業員Bの勤務態度が悪く、遅刻もしばしばです。制裁として3か月間、給料を10%減らそうと思いますが、注意すべき点について教えて下さい。
A:減給の制裁を行う場合は、制裁の内容を就業規則に規定しておく必要がありますし、1回の事案による制裁は平均賃金の2分の1まで、また、一賃金支払期について数事案発生してもその合計額がその支払期賃金総額の10分の1までという制限がありますので、ご質問のような制裁は許されません。 (労働基準法第91条)
 
Q:資金繰りが厳しく手形の不渡りを発生させないために、取引先などへの支払を優先し、賃金の支払を待ってもらおうと考えていますが、問題ないですか?
A:所定の賃金支払日に労働者の賃金を支払わない場合は、労働基準法第24条に違反することは言うまでもありません。また、賃金は一般の債権に優先する先取特権がありますので、賃金支払いは一般債権に優先して支払われなければなりません。(民法第308条)
 
Q:当社には、退職金規程がありますが昨今の景気の状況から、退職者に規程に基づく退職金の支払は困難となっています。それでも、やはり全額支払わなければなりませんか?
A:退職金規程に基づき、所定支払日に全額支払う必要があります。
 

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3.労働契約

Q:採用時に労働条件を明示しなければならないと聞きました。具体的には何を明示すればよいのでしょうか?
A:厚生労働省Q&Aのページへ
 
Q:合理的な理由のない解雇は無効であると聞いたことがありますが、労働契約法には何か規定があるのでしょうか?また、どのように救済を求めることができるのでしょうか?
A:労働契約法第16条には、「解雇は、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合は、その権利を濫用したものとして、無効とする。」と規定されていますので、これに該当するような解雇は無効ということになります。
解雇の「客観的合理的理由」については、
a.傷病等による労働能力の喪失・低下
b.能力不足・適格性の欠如
c.非違行為
d.使用者の業績悪化等の経営上の理由(いわゆる整理解雇)
e.ユニオンショップ協定に基づく解雇(但し一定の制限がある。三井倉庫港運事件 最一小判平元.12.14参照) などがこれに該当します。
 一方、「社会通念上の相当性」の判断においては、当該事実関係の下で労働者を解雇することが過酷に過ぎないか等の点が考慮されます。
 

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4.パワーハラスメント(パワハラ)

Q:職場におけるパワーハラスメントとはどのようなことをいいますか?
A:職場におけるパワーハラスメントとは、職場において行われる①優越的な関係を背景とした言動であって、②業務上必要かつ相当な範囲を超えたものにより、③労働者の就業環境が害されるものをいいます。
①「優越的な関係を背景とした」言動とは、業務を遂行するに当たって、当該言動を受ける労働者が行為者とされる者に対して抵抗や拒絶することができない蓋然性が高い関係を背景として行われるものを指します。
     例)・職務上の地位が上位の者による言動
           ・同僚又は部下による言動で、当該言動を行う者が業務上必要な知識や豊富な経験を有しており、当該者の協力を得なければ業務の円滑な遂行を行うことが困難であるもの
           ・同僚又は部下からの集団による行為で、これに抵抗又は拒絶することが困難であるもの

②「業務上必要かつ相当な範囲を超えた」言動とは、社会通念に照らし、当該言動が明らかに当該事業主の業務上必要性がない、又はその態様が相当でないものを指します。
     例)・業務上明らかに必要性のない言動 ・業務の目的を大きく逸脱した言動
          ・業務を遂行するための手段として不適当な言動
          ・当該行為の回数、行為者の数等、その態様や手段が社会通念に照らして許容される範囲を超える言動
     なお、この判断に当たっては、当該言動の目的・当該言動が行われた経緯や状況、当該言動の態様・頻度・継続性など様々な要素を踏まえ総合的に判断されます。

③「就業環境が害される」とは、当該言動により、労働者が身体的又は精神的に苦痛を与えられ、就業環境が不快なものとなったために能力の発揮に重大な悪影響が生じる等の当該労働者が就業する上で看過できない程度の支障が生じることを指します。
 
Q:職場におけるパワーハラスメントにはどのような行為が該当しますか?
A:パワーハラスメントには次のような行為が該当すると考えられます。
※これらの例は限定列挙ではありません。また個別の事案の状況等によって判断が異なることもありえます。
 (1)身体的な攻撃(暴行・傷害)
    ・殴打・足蹴りを行う
    ・相手に物を投げつける
 (2)精神的な攻撃(脅迫・名誉棄損・侮辱・ひどい暴言)
    ・人格を否定するような言動を行う。相手の性的指向・性自認に関する侮辱的な言動を含む
    ・業務の遂行に関する必要以上に長時間にわたる厳しい叱責を繰り返し行う
    ・他の労働者の面前における大声での威圧的な叱責を繰り返し行う
    ・相手の能力を否定し、罵倒するような内容の電子メール等を当該相手を含む複数の労働者宛てに送信する
 (3)人間関係からの切り離し(隔離・仲間外し・無視)
    ・自身の意に沿わない労働者に対して、仕事を外し、長期間にわたり、別室に隔離したり、自宅研修させたりする
    ・一人の労働者に対して同僚が集団で無視をし、職場で孤立させる
(4)過大な要求(業務上明らかに不要なことや遂行不可能なことの強制、仕事の妨害)
    ・長期間にわたる、肉体的苦痛を伴う過酷な環境下での勤務に直接関係のない作業を命ずる
    ・新卒採用者に対し、必要な教育を行わないまま到底対応できないレベルの業績目標を課し、達成できなかったことに対し厳しく叱責する
    ・労働者に業務とは関係のない私的な雑用の処理を強制的に行わせる
 (5)過小な要求(業務上の合理性なく能力や経験とかけ離れた程度の低い仕事を命じることや仕事を与えないこと)
    ・管理職である労働者を退職させるため、誰でも遂行可能な業務を行わせる
    ・気にいらない労働者に対して嫌がらせのために仕事を与えない
 (6)個の侵害(私的なことに過度に立ち入ること)
    ・労働者を職場外でも継続的に監視したり、私物の写真撮影をしたりする
    ・労働者の性的指向・性自認や病歴・不妊治療等の機微な個人情報について、当該労働者の了解を得ずに他の労働者に暴露する
 

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5.就業規則

Q:どのような場合に就業規則を労働基準監督署に届出る必要がありますか?
A:厚生労働省Q&Aのページへ
 
Q:パートタイマー用の就業規則を別に作るべきですか?
A:パートタイマーについては、通常の労働者の就業規則の中でパートタイマーの取扱を規定したり、別に規則を定めることもできます。
 パートタイマーの就業規則を別に作るときは、パートタイマーを含む全労働者の代表(パートタイマーを含む全労働者の過半数が加入している労働組合がある場合はその労働組合)の意見を聴かなければなりません。 
 また、パートタイマーの過半数を代表する者の意見も聴くように努めてください。
 
Q:就業規則を一部のみ変更しましたが、全文届けなければなりませんか?
A:変更された部分について届け出れば大丈夫です。
 なお、変更した部分が、就業規則全文の中に印刷などによって調製されている場合は、変更部分を明らかにしたうえで全文届け出ても結構です。
 
Q:就業規則を作成しようと考えていますが、具体的にどのようなことを規定する必要があるのでしょうか?
A:就業規則に必ず記載しなければならない事項は、次の事項です。
1.始業及び終業の時刻、休憩時間、休暇並びに交替制の場合には就業時転換に関する事項
2.賃金の決定、計算及び支払いの方法、賃金の締切り及び支払いの時期並びに昇給に関する事項
3.退職に関する事項  
 その他の事項(退職手当の定め、臨時の賃金等および最低賃金額の定め、食費・作業用品等の負担の定め、安全衛生に関する定め、職業訓練に関する定め、災害補償・業務外傷病扶助に関する定め、表彰・制裁(種類と程度)に関する定め、その他全従業員に適用する定め)については、定めをする場合には記載しなければならないこととなります。(労働基準法第89条)
 
Q:就業規則の作成や変更は会社が自由にできるのですか?
A:就業規則は会社が自由に作成したり、変更することが可能ですが、法令や労働協約に反することはできません。 また、就業規則を作成したり変更する際には、労働者側の意見を聞かなければなりません。(労働基準法第90条)  
 さらに、労働契約法では就業規則の不利益変更について、合理的なものであることとされています。
 
Q:就業規則は20年前に作成し、監督署へも届出済みですが、その後全く変更していません。変更が必要ですか?
A:20年前と比べると労働基準法も抜本的に改正されており、当然貴社の労働条件も変更されていると考えられます。変更内容の従業員への説明も必要ですが、就業規則の変更、所轄労働基準監督署長への届出も忘れないようにして下さい。(労働基準法第89条)
 

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6.労働時間

Q:時間外労働、休日労働をさせる場合には、どのような手続が必要ですか?
A:労基法上、法定労働時間を超えて労働させる場合は、時間外労働となり、また、法定休日に労働させる場合は休日労働となります。 
 時間外労働、休日労働をさせる場合の条件として時間外労働・休日労働に関する協定(36協定)の締結・届出があること、36協定の成立に加えて就業規則や労働契約に時間外労働や休日労働をさせることができる旨の定めがあることが必要です。
 36協定については、労基法第36条により従業員の過半数で組織する労働組合(労働組合がないときは、従業員の過半数を代表する者)との間で協定を締結し、労働基準監督署長へ届出なければなりません。
 36協定は、所轄の労働基準監督署長へ届出てはじめて有効となるわけですから、協定があっても、届出ていなければやはり同法違反となります。
 
Q:現在の法定労働時間は何時間ですか?
A:原則として休憩時間を除いて1日8時間、1週40時間以下となっております。(労働基準法第32条)
 ただし、労働者数10人未満の商業、映画・演劇業、保健衛生業及び接客娯楽業は一週44時間以下となっております。
 
Q:現在、労働時間の見直しを考えている会社経営者ですが、1日の所定労働時間を8時間20分とすることはできますか?
A:変形労働時間制を採用すれば可能です。変形労働時間制には、
1.1箇月単位の変形労働時間制(労働基準法第32条の2)
2.1年単位の変形労働時間制(労働基準法第32条の4)
3.1週間単位の非定型的変形労働時間制(労働基準法第32条の5)
があります。
 変形労働時間制とは、簡単に説明しますと、勤務日・勤務時間を特定すること等によって変形期間を通じ平均して1週の労働時間を法定労働時間以下にする制度です。
 
Q:私の会社ではフレックスタイム制も視野に入れた労働時間の見直しを考えています。そこでフレックスタイム制について教えて下さい?
A:フレックスタイム制とは、3か月以内の一定の期間の総労働時間を定め、労働者にその範囲内で各日の始業及び終業の時刻をゆだねて働く制度です。
 フレックスタイム制を採用する場合は、就業規則その他これに準ずるものに一定の定めを設けるとともに、書面により労使協定を締結しなければなりません。
 労使協定をしなくてはならない事項は、次に掲げる項目です(コアタイム、フレキシブルタイムは設定する場合に限ります)。
1.対象となる労働者の範囲
2.清算期間
3.清算期間における総労働時間
4.標準となる1日の労働時間
5.コアタイム
6.フレキシブルタイム
(労働基準法第32条の3)
 
Q:会社としては労働者に対して休日は最低何日与える必要がありますか?
A:毎週少なくとも1日、または4週間で4日以上与えることが必要です。(労働基準法第35条)
 
Q:会社として労働者に対して休憩時間は最低何分与えることが必要ですか?
A:労働時間が6時間を超える場合は少なくとも45分、労働時間が8時間を超える場合は少なくとも1時間の休憩を労働時間の途中に与えることが必要です。(労働基準法第34条)
 

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7.高齢者雇用

Q:改正高年齢者雇用安定法においては、事業主が高年齢者雇用確保措置として継続雇用制度を導入する場合には、希望者全員を対象とするものにしなければならないのですか?
A:厚生労働省Q&Aのページへ
 
Q:継続雇用制度について、定年退職者を継続雇用するにあたり、いわゆる嘱託やパートなど、従来の労働条件を変更する形で雇用することは可能ですか。その場合、1年ごとに雇用契約を更新する形態でもいいのでしょうか?
 A:厚生労働省Q&Aのページへ
 
 Q:当分の間、60歳に達する労働者がいない場合でも、継続雇用制度の導入等を行わなければならないのでしょうか?
 A:厚生労働省Q&Aのページへ
 

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8.安全衛生

Q:会社で実施する定期健康診断を拒否する労働者がいる場合は、その者の健康診断は、行わなくてよいですか?
A:労働者には健康診断を受診する義務がありますから(安衛法66条5項)、原則として労働者は事業者の実施する健康診断を拒むことはできません。
 ただし、労働者が他の医師による健康診断を受け、その結果を証明する書面を提示すれば、重ねて行う必要はありません。
 健康の確保の大切さ、そのための健康診断の重要性などについて日頃から労働者に説明しておくことが大切です。
 
Q:一般健康診断では常時使用する労働者が対象になるとのことですが、パート労働者の取り扱いはどのようになりますか?
A:パート労働者等の短時間労働者が一般健康診断を実施すべき「常時使用する短時間労働者」とは、次の(1)と(2)のいずれの要件をも満たす場合となります。
(1)期間の定めのない契約により使用される者であること。なお、期間の定めのある契約により使用される者の場合は、1年以上使用されることが予定されている者、及び更新により1年以上使用されている者。(なお、特定業務従事者健診<安衛則第45条の健康診断>の対象となる者の雇入時健康診断については、6かカ月以上使用されることが予定され、又は更新により6カ月以上使用されている者)
(2)その者の1週間の労働時間数が当該事業場において同種の業務に従事する通常の労働者の1週間の所定労働時間数の4分3以上であること。

上記(1)と(2)のどちらも満たす場合、常時使用する労働者となりますが、上記の(2)に該当しない場合であっても、上記の(1)に該当し、1週間の労働時間数が当該事業場において同種の業務に従事する通常の労働者の1週間の所定労働時間数の概ね2分の1以上である者に対しても一般健康診断を実施するのが望ましいとされています。
 なお、労働者派遣事業法に基づく派遣労働者についての一般健康診断は、労働者の派遣元の事業場で実施し、有害業務従事労働者についての健康診断は派遣先の事業場で実施することとなります。
 

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9.採用

Q:労働者を雇い入れる場合、労働条件は口頭で十分説明すれば、特に書面を交付しなくてもかまいませんか?
A:①労働契約の期間、②有期労働契約を更新する場合の基準、③就業の場所・従事する業務の内容、④始業・終業時刻、所定労働時間を超える労働の有無、休憩時間、休日、休暇、交替制勤務をさせる場合は就業時転換に関する事項、⑤賃金の決定、計算・支払いの方法、賃金の締切り・支払いの時期、⑥退職に関する事項については、書面の交付が必要です。
 なお、雇入通知書のモデル様式もありますので、ご活用下さい。(労働基準法第15条)
 
Q:労働能率が低い労働者を雇おうと思いますが、時間給600円の契約をしてもいいですか?
A:最低賃金額以上の賃金を支払わなければなりません。(和歌山県の最低賃金についてはこちらのページへ)また、和歌山県最低賃金の他に業種によっては産業別最低賃金もありますので、注意が必要です。なお、障がい者などで著しく労働能率が低い方を雇い入れるに際し、最低賃金を減額して支払いを行う場合は、最低賃金の減額の特例許可を受ける必要があります。こちらについては、詳しくは最寄りの労働基準監督署までお問い合せ下さい。 (最低賃金法第4条)
 
Q:労働契約の期間を5年として問題ありませんか?
A:労働契約は、期間の定めのないものを除き、一定の事業の完了に必要な期間を定めるもののほかは、3年を超える期間については締結してはなりません。ただし、法改正により、厚生労働大臣が定める基準に該当する専門的知識を有する労働者との間に締結される労働契約や満60歳以上の労働者との間に締結される労働契約については、例外的に最長5年まで可能となっています。(労働基準法第14条)
 
 Q:労働者を雇い入れるときに、「3年以内に退職した場合は、会社に対し50万円を支払うこと」を内容とする労働契約を結んでもいいですか?
A:労働基準法上は、労働契約を結ぶときに、それに付随して労働契約不履行について違約金の定めをしたり、損害賠償額を予定することは禁止されています。 (労働基準法第16条)
 

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10.時間外労働・休日労働・深夜労働

Q:一般に時間外労働といいますが、労働基準法ではどのような場合を言うのですか?
A:労働基準法では、労働時間は原則1日8時間、1週40時間までと定められています。この法定労働時間を超えて労働をさせた場合が、労働基準法の(法定)時間外労働です。これが割増賃金の対象になります。
 
Q:休日労働とはどのような場合ですか?
A:労働基準法では、休日は、1週間に1回あるいは4週間を通じて4日以上付与すると定められています。この法定休日に労働をさせた場合が、労働基準法の(法定)休日労働です。これが割増賃金の対象になります。 (労働基準法第35条、労働基準法第37条)
 
Q:労働者に時間外労働や休日労働をさせる場合は、どのような手続が必要となりますか?
A:時間外労働や休日労働をさせるには、書面により労使協定を締結し、それを事業場を管轄する労働基準監督署へ届け出なければなりません。
労使協定をしなくてはならない事項は、次に掲げる項目です。
1 時間外労働・休日労働をさせる対象者の範囲
2 対象期間(1年間に限る)
3 時間外労働・休日労働をさせることができる場合(具体的事由)
4 対象期間中の1日、1か月、1年の各期間における時間外労働時間数・休日労働日数の限度
5 ㋐有効期間
 ㋑対象期間1年間の起算日
 ㋒実労働時間(時間外労働+休日労働)は1月100時間未満及び2~6月平均80時間以下の要件を満たすこと
 ㋓限度時間超え労働をさせることができる場合(具体的事由)
 ㋔限度時間を超えた場合の健康確保措置
 ㋕限度時間超え労働に係る割増賃金率
 ㋖限度時間超え労働をさせる場合の手続
(労働基準法第36条、労働基準法施行規則第17条)
 
Q:残業についてきっちり時間外手当を支払っているので、何時間残業を行わせても構いませんか?
A:時間外労働や休日労働を従業員に行わせる場合には、時間外労働・休日労働に関する協定届を所轄労働基準監督署長に提出し、この協定の範囲内で行わせる必要があります。
 なお、協定で定める時間外労働時間数の限度時間は、1か月45時間、1年360時間(対象期間3月超の1年単位の変形労働時間制適用者 1か月42時間、1年320時間)以下にしなければなりません。
 また、通常予見することのできない業務量の大幅な増加等に伴い臨時的に限度時間を超えて労働させる場合、1か月の時間外労働時間数と休日労働時間数は100時間未満、1年の時間外労働時間数は720時間以下の範囲内で、特別条項による協定が可能です。
 
Q:労働者に時間外労働や休日労働をさせた場合、いくらの割増賃金を支払わなければなりませんか?
A:時間外労働の場合は通常の労働時間の賃金の計算額の2割5分以上の率で計算した割増賃金を、法定休日労働の場合は通常の労働時間の賃金の計算額の3割5分以上の率で計算した割増賃金を支払わなければなりません。(労働基準法第37条)
 なお、月60時間を超える時間外労働の場合、通常の賃金の計算額の5割以上の率で計算した割増賃金を支払わなければなりません(中小企業については、2023年4月1日以降。)。
 
Q:労働者に深夜勤務をさせた場合、割増賃金を支払う必要はありますか?
A:原則午後10時から午前5時までの間に労働させた場合は、通常の労働時間の賃金の計算額の2割5分以上の率で計算した割増賃金を支払わなければなりません。(労働基準法第37条)
 
Q:会社で経理を担当していますが、割増賃金の基礎となる賃金に皆勤手当を算入しなければならないのですか?
A:算入しなければなりません。

算入しなくてもよい賃金は、
1.家族手当
2.通勤手当
3.別居手当
4.子女教育手当
5.住宅手当
6.臨時に支払われた賃金
7.一箇月を超える期間ごとに支払われる賃金
です。(労働基準法第37条、労働基準法施行規則第21条)
 ただし、独身でも家族手当が支払われるなど一律に必ず支払われる賃金については、上記の名称であっても算入しなければなりません。
 
Q:係長などの役職者には、役職手当を支払えば時間外手当は支払わなくてもよいですか?
A:役職手当の性格等の詳細が不明ですので明確な回答はできませんが、一般的に係長は出勤及び退勤が自由な管理監督者ではないため、時間外手当の支給が必要と思われます。(労働基準法第37条)
 
Q:昨日2時間の残業をさせた従業員について、今日2時間早く返せば残業手当を支払わなくても構いませんか?
A:2時間分の時間外手当の支払が必要です。(労働基準法第37条)
 
Q:当社では、残業時間の計算を30分単位で行っており30分未満は切り捨てています。この取扱いでよろしいでしょうか?
A:割増賃金の計算に当たっては、事務簡便のため、その月における時間外の総労働時間数に30分未満の端数がある場合にはこれを切り捨て、それ以上の端数がある場合にはこれを1時間に切り上げることができるとされていますが、原則的には、毎日の時間外労働は1分単位で正確に計上するのが正しい労働時間管理といえます。(労働基準法第37条)
 
Q:会社の経営が厳しく労使合意の下、割増賃金の割増率を2割5分から2割に引き下げたいと考えていますが、可能でしょうか?
A:労働基準法は強行法規であり、労使双方が合意している場合であっても割増率を引き下げることはできません。(労働基準法第37条)
 
Q:当社では、外回りの営業職の社員には毎月残業手当が定額で支払われていますが、これは法律違反にはならないのでしょうか?
A:残業手当額が法の定める計算方法による割増賃金を上回っていれば、定額支給も可能ですが、現実の労働時間に基づき計算した割増賃金が定額支給する手当額を上回る場合は、その差額を追給しなければなりません。 (労働基準法第37条)
 

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11.退職・解雇・雇止め

Q:労働者を解雇する場合の手続について教えて下さい?
A:労働者を解雇する場合は、少なくとも30日以上前の予告が必要となります。また、予告が30日に満たない場合は、その満たない日数分の平均賃金の支払が必要(これを「解雇予告手当」といいます。)となります。 (労働基準法第20条)
 
Q:前問のような手続については理解しました。労働基準法第20条の手続が適正であれば、解雇は許されるのでしょうか?
A:労働基準法第20条の手続が適正であるからと言って、解雇が正当であるとは限りません。
 以下に該当する場合、解雇は禁止されています。
1.業務上の傷病による休業期間及びその後30日間 (労働基準法第19条)
2.産前産後の休業期間及びその後30日間 (労働基準法第19条)
3.国籍、信条、社会的身分を理由とする解雇 (労働基準法第3条)
4.労働者が労働基準監督署へ申告をしたことを理由とする解雇 (労働基準法第104条)
5.労働組合の組合員であること、労働組合の正当な行為をしたこと等を理由とする解雇 (労働組合法第7条)
6.女性であること、あるいは女性が婚姻、妊娠、出産したこと、産前産後の休業をしたことを理由とする解雇(男女雇用機会均等法第6条・第9条)
7.育児休業の申出をしたこと、又は育児休業をしたことを理由とする解雇 (育児・介護休業法第10条)
8.介護休業の申出をしたこと、又は介護休業をしたことを理由とする解雇 (育児・介護休業法第16条)
 以上のような労働基準法等で禁止されている条項に該当しない場合も、解雇を自由に行い得るというわけではありません。労働契約法では、解雇は客観的に合理的な理由を欠き社会通念上相当であると認められない場合は、その権利を濫用したものとして無効とするとされています。(労働契約法第16条)
 
Q:前問の問題はないと思うのですが、会社の経営が非常に苦しく、これ以上雇用を維持するのは困難だと思い、労働者を解雇することにしました。 経営が苦しければ、解雇は許されるのでしょうか?
A:ご質問のような整理解雇をする場合には、裁判例にて以下のような4要件が必要とされています。
1.人員削減の必要性(特定の事業部門の閉鎖の必要性)
2.人員削減の手段として整理解雇を選択することの必要性(配置転換などをする余地がないのか)
3.解雇対象者の選定の妥当性(選定基準が客観的、合理的であること)
4.解雇手続の妥当性(労使の協議など)
(東京高裁 昭和51年(ネ)第1028号 昭和54年10月29日判決等)
 
Q:会社で総務を担当していますが、このたび労働者を就業規則の規定に基づき懲戒解雇にしようと思っています。解雇予告は必要でしょうか?
A:会社の規則で定める懲戒解雇の事由に該当したとしても労働基準法に規定する解雇予告又は解雇予告手当の支払は必要となります。
 ただし、その懲戒解雇の事由が事業場内における盗取、横領、傷害等刑法犯に該当する行為など労働者の責に帰すべき事由であった場合は、解雇予告又は解雇予告手当の支払は不要です。なお、この場合は、労働基準監督署長の認定を受ける必要があります。(労働基準法第20条)
 
Q:1年契約のパートタイム労働者を契約更新しながら雇用していますが、このような労働者に対して契約更新をしなかった場合、解雇の手続は必要ですか?
A:使用者は、有期労働契約(有期労働契約が3回以上更新されているか、1年を超えて継続して雇用されている労働者に限ります。なお、あらかじめ当該契約を更新しない旨明示されているものを除きます。)を更新しない場合には、少なくとも契約の期間が満了する日の30日前までに、その予告をしなければなりません。(「有期労働契約の締結、更新及び雇い止めに関する基準」)
 
Q:退職労働者が給料の残額を請求してきましたが、所定の給料支払日に支払えばよいですか。
A:退職労働者から請求があった場合には、給料日前であっても請求後7日以内に支払わなければなりません。(労働基準法第23条)
 
Q:社内貯蓄及び私物のパソコンを残したまま、労働者が突然退職しました。寮の部屋代の精算が済んでいないため、精算が済むまでこれらを返還しないでおこうと考えていますが、問題がありますか?
A:労働基準法第23条には、権利者の請求があった場合においては、7日以内に賃金を支払い、労働者の権利に属する金品を返還しなければならないと規定されています。
  よって、労働者の社内貯蓄および同人のパソコンは、請求があれば7日以内に本人に返還する必要があります。 (労働基準法第23条)
 

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12.女性

Q:女性についても男性と同様に深夜に仕事をしてもらってもよいでしょうか?
A:時間外労働と同様平成11年4月1日に規制がなくなり、原則として女性も深夜業が可能となりました。ただし、育児・介護休業法において、育児や介護を行う男女労働者が請求した場合は、深夜業は行わせてはいけないこととされていますので、注意して下さい。(育児・介護休業法第19条)
 
Q:女性の就業制限について教えて下さい?
A:妊産婦については24種類、産後1年を経過しない女性については22種類の就業制限業務(妊娠、出産、哺育に有害な業務)が女性労働基準規則第2条に定められています。その他の女性労働者については、女性労働基準規則第3条により重量物を扱う業務及び鉛、水銀、クロム等の有害物のガス、蒸気、粉じんの発散する場所における業務について就業が制限されています。 (労働基準法第64条の3)
 

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13.年少者

Q:近所の知人に頼まれたので、中学生を夏休みにアルバイトとして雇用しようと考えていますが、可能でしょうか?
A:労働基準法では、15歳に達した日以後の最初の3月31日までは、児童を労働者として使用してはならないと定められています。(労働基準法第56条)
 
Q:満15歳未満の児童は、どんな業務であっても労働者として使用してはいけませんか?
A:労働基準法では、新聞配達等非工業的事業では満13歳以上、さらに、映画製作・演劇の事業では13歳未満の児童でも、所轄労働基準監督署長の許可を条件として例外的に修学時間外に働かせることができます。(労働基準法第56条)
 
Q:満17歳の者を雇用しましたが、労働時間などの規制はどのようになっていますか?
A:原則的に、時間外労働や深夜労働を行わせることはできません。(労働基準法第60条・第61条)
 

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14.法令等の周知

Q:就業規則を従業員に周知するのは当然だと思いますが、その他に周知しなければならないものはありますか?
A:労働基準法及び同法による命令等の要旨、時間外・休日労働に関する協定等の各労使協定、新裁量労働制にかかる委員会の決議内容を従業員に周知する必要があります。 (労働基準法第106条)
 
Q:就業規則などの周知は、どのような方法で行えばよいのでしょうか?
A:1.常時各作業場の見やすい場所に掲示・備え付ける。
     2.書面で交付する。
     3.磁気テープ、磁気ディスクその他これらに準ずる物に記録し、かつ各作業場に労働者が当該記録の内容を常時確認できる機器を設置する。
    のいずれかの方法で周知しなければなりません。(労働基準法第106条)
 

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