社会福祉施設における労働災害防止対策

〇 雇い入れ時及び配置換え時の安全衛生教育の実施

〇 作業姿勢、動作
  • 不自然な姿勢 を避け、自然な立位又は椅座位で入所者等に正面を向いて介助できるようにすること。
  • 腰部に負担のかかる中腰、ひねり、前屈、後屈ねん転等の不自然な姿勢をなるべく取らないようにすること。
  • 腰部に負担のかかる動作を行うに当たっては、姿勢を整え、かつ、急激な動作を避けること。
  • 持ち上げる、引く、押す等の動作は、膝を軽く曲げ、呼吸を整え、下腹部に力を入れながら行うこと。
  • 勁部又は腰部の不意 なひねりを可能な限り避け、動作時には、視線も動作に合わせて移動させること。
  • 介護のために介助対象者を床面又はベッドからかかえた状態で作業を行わせるときは、 急激な身体の移動をなくし、かつ、身体の重心の移動を少なくする等できるだけ腰部に負担をかけない姿勢で行うこと、①できるだけ身体を介助対象者に近づけ、重心を低くするような姿勢を取ること、②持ち上げるときは呼吸を整え、腹圧を加えて行うこと、③持ち上げる場合には、片足を少し前に出し、膝を曲げ、腰を十分に降ろしてかかえ、膝を伸ばすことによって立ち上がるようにすること、④かかえた場合には、背を伸ばした状態で腰部のひねりが少なくなるようにすること 、⑤腹圧を上げるため、必要に応じ、腰部保護ベルト、腹帯等を使用させること 。 また、体重の重い介助対象者等の体位の変換等は、複数の者で行わせること。
  • 食事の介助を行う者に対しては、ベッドに横座りすることを避け、椅子に座って介助対象者に正面を向くか、ベッド上でいわゆる膝まくらの姿勢を取らせること。ただし、同一の姿勢を長く続けさせないこと。

〇 腰部に過度の負担のかかる作業については、腰痛の予防のため、使用機器、作業方法等に応じた作業標準を策定すること。

〇 介護者の数は、施設の構造、勤務体制、介助内容及び入所者等の心身の状況に応じた適正なものとするよう努めること。

〇 施設及び設備の 構造等の改善
  • 入所者等の移送は、できるだけストレッチャーによって行うようにし、通路及び各部屋にはストレッチャーの移動の障害となるような段差等を設けないこと。
  • 浴槽、洗身台、シャワー設備等の配置は、介護者の無用の移動をできるだけ少なくするようなものとすること。
  • 浴槽の縁、洗身台及びシャワーの高さ等は、介護者の身長に適合するものとすること。なお、これらの高さが適切でないこととなる介護者に対しては、滑りにくい踏み板等を使用させることも考慮すること。
  • 移動式洗身台、ローラーコンベヤー付き洗身台、移動浴槽、リフト等の介助機器の導入を図ること。
  • ベッドの高さは、入所 者 等の身体状況等も考慮し、介護者の身長に適合するものとすること。なお、これらの高さが適切でないこととなる介護者に対しては、履物、踏み板等を使用させることも考慮すること。
  • 介護中に利用できる背もたれのある椅子や堅めのソファー等を適宜配置し、くつろいで座れるようにすること。 また、介護に必要な用具等は、出し入れしやすい場所に収納し、脚立等を使用する場合は転落等に注意すること。

〇 腰部に著しい負担のかかる作業を行わせる場合には、横になって安静を保てるよう十分な広さを有する休憩設備を設けるよう努めること。

〇 作業環境管理
  • 作業場所、通路、階段等の形状が明瞭にわかるように適切な照度を保つこと。
  • 作業床面はできるだけ段差がなく、滑りにくいものとすること。
  • 動作に支障がないよう十分な広さを有する作業空間を確保すること。

〇 健康管理
  • 介護作業等腰部に著しい負担のかかる作業に常時従事する労働者に対しては、当該作業に配置する際及びその後6月以内ごとに1回、定期に、医師による腰痛の健康診断を実施 する こと。
  • 腰痛の健康診断の結果、労働者の健康を保持するため必要があると認めるときは、作業方法等の改善、作業時間の短縮等必要な措置を講ずること。
  • 腰痛の予防を含めた健康確保の観点から、作業前 に準備 体操を実施すること。 また、就業中に新たに腰部に過度の負担のかかる作業を行う場合には、当該作業開始前に下肢関節の屈伸等を中心に行うこと。 更に、 適宜、腰痛予防を目的とした腰痛予防体操を実施すること。
  • 作業終了時においても、必要に応じ、緊張した筋肉をほぐし、血行を良くするための整理体操として行うこと。

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