本項でいう「法」とは労働基準法、「施行規則」とは労働基準法施行規則をさします。
採用・契約に関する事項のあらまし
1.労働条件の明示
- 使用者が労働者を採用するときは、賃金、労働時間その他の労働条件を書面などで明示しなければなりません。
- 明示された労働条件が事実と相違している場合、労働者は即時に労働契約を解除することができます。
- 2.の場合、就業のために住居を変更した労働者が、契約解除の日から14日以内に帰郷する場合、使用者は必要な旅費等を負担しなければなりません。
☆2019年4月1日~
「書面の交付」が義務付けられていた明示事項について、労働者が希望する場合のみ、ファクシミリ、電子メール等の送信による明示が認められます。ただし、労働者が電子メール等の記録を出力することにより書面を作成できるものでなくてはなりません。
2.労働基準法違反の契約は無効
労働基準法に定める基準に満たない労働条件は無効であり、無効となった部分は、同法に定める基準が適用されます。
例)「年次有給休暇は雇入れの日から起算して3年目から与える」と規定しても無効となり労働基準法第39条に基づいて「年次有給休暇は6カ月経過後から与える」となります。
3.賠償予定の禁止
労働契約の不履行について違約金を定めたり、損害賠償額を予定する契約をしてはいけません。
■労働契約の不履行■
禁止
- 労働契約の不履行の場合に違約金制度を設定例)「途中でやめたら、違約金を払え」
- 労働契約に損害賠償額の予定を事前に盛り込む例)「会社に損害を与えたら、○○円払え」
*注意 |
労働者の責任による損害に対し、実際の損害に応じた賠償請求がまったく否定されるわけではありません。 |
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