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自動車運転者の労働時間等の改善のための基準
(平成元年労働省告示第7号 改正平成12年12月25日労働省告示第120号)
自動車運転者の労働時間等の改善のための基準を次のとおりと定める。
平成元年2月9日
自動車運転者の労働時間等の改善のための基準
第1条(目的等)
1 | この基準は、自動車運転者(労働基準法〔昭和22年法律第49号。以下「法」という。〕第9条に規定する労働者(同居の親族のみを使用する事業又は事務所に使用される者及び家事使用人を除く。)であって、四輪以上の自動車の運転の業務(厚生労働省労働基準局長が定めるものを除く。)に主として従事する者をいう。以下同じ。)の労働時間等の改善のための基準を定めることにより、自動車運転者の労働時間等の労働条件の向上を図ることを目的とする。 | |||
2 | 労働関係の当事者は、この基準を理由として自動車運転者の労働条件を低下させてはならないことはもとより、その向上に努めなければならない。 | |||
3 | 使用者は、季節的繁忙その他の事情により、法第36条第1項の規定に基づき臨時に労働時間を延長し、又は休日に労働させる場合においても、その時間数又は日数を少なくするように努めるものとする。 |
第2条(一般乗用旅客自動車運送事業に従事する自動車運転者の拘束時間等)
1 | 使用者は、一般乗用旅客自動車運送事業(道路運送法〔昭和26年法律第183号〕第3条第1号ハの一般乗用旅客自動車運送事業をいう。以下同じ。)に従事する自動車運転者(隔日勤務に就くものを除く。この項において同じ。)の拘束時間(労働時間、休憩時間その他の使用者に拘束されている時間をいう。以下同じ。)及び休息期間(使用者の拘束を受けない期間をいう。以下同じ。)については、次に定めるところによるものとする。 | |||
一 | 1箇月についての拘束時間は、299時間(顧客の需要に応ずるため常態として車庫等において待機する就労形態(以下「車庫待ち等」という。)の自動車運転者について、当該事業場に労働者の過半数で組織する労働組合がある場合においてはその労働組合、労働者の過半数で組織する労働組合がない場合においては労働者の過半数を代表する者との書面による協定(以下「労使協定」という。)があるときは、322時間)を超えないものとすること。 | |||
二 | 1日(始業時刻から起算して24時間をいう。以下同じ。)についての拘束時間は、13時間を超えないものとし、当該拘束時間を延長する場合であっても、1日についての拘束時間の限度(以下「最大拘束時間」という。)は16時間とすること。ただし、車庫待ち等の自動車運転者について、次に掲げる要件を満たす場合には、この限りでない。 | |||
イ | 勤務終了後、継続20時間以上の休息期間を与えること。 | |||
ロ | 1日についての拘束時間が16時間を超える回数が、1箇月について7回以内であること。 | |||
ハ | 1日についての拘束時間が18時間を超える場合には、夜間4時間以上の仮眠時間を与えること。 | |||
ニ | 1回の勤務における拘束時間が、24時間を超えないこと。 | |||
三 | 勤務終了後、継続8時間以上の休息期間を与えること。 |
2 | 使用者は、一般乗用旅客自動車運送事業に従事する自動車運転者であって隔日勤務に就くものの拘束時間及び休息期間については、次に定めるところによるものとする。 | |||
一 | 拘束時間は、2暦日について21時間、1箇月について262時間(地域的事情その他の特別の事情がある場合において、労使協定があるときは、1年のうち6箇月において、当該6箇月の各月について270時間)を超えないものとすること。ただし、車庫待ち等の自動車運転者の2暦日についての拘束時間は、夜間4時間以上の仮眠時間を与えることにより、1箇月について労使協定により定める回数(当該回数が1箇月について7回を超えるときは、7回)に限り、24時間まで延長することができる。この場合において、1箇月についての拘束時間は、本文に定める1箇月についての拘束時間に20時間を加えた時間を超えてはならない。 | |||
二 | 勤務終了後、継続20時間以上の休息期間を与えること。 |
3 | 使用者及び労働者の過半数で組織する労働組合又は労働者の過半数を代表する者(以下「労使当事者」という。)は、法第36条第1項の協定(労働時間の延長に係るものに限る。以下「時間外労働協定」という。)において一般乗用旅客自動車運送事業に従事する自動車運転者に係る1日を超える一定の期間(以下「一定期間」という。)についての延長することができる時間(以下「一定期間についての延長時間」という。)について協定するに当たっては、当該一定期間は1箇月とするものとする。 |
4 | 使用者は、一般乗用旅客自動車運送事業に従事する自動車運転者に法第35条の休日に労働させる場合は、当該労働させる休日は2週間について1回を超えないものとし、当該休日の労働によって第1項又は第2項に定める拘束時間及び最大拘束時間の限度を超えないものとする。 |
5 | ハイヤー(一般乗用旅客自動車運送事業の用に供せられる自動車であって、当該自動車による運送の引き受けが営業所のみにおいて行われるものをいう。次条において同じ。)に乗務する自動車運転者については、第1項から前項までの規定は適用しない。 |
第3条(労働時間の延長)
労使当事者は、時間外労働協定においてハイヤーに乗務する自動車運転者に係る一定期間についての延長時間について協定するに当たっては、次の各号に掲げる事項を十分考慮するように努めなければならない。 | ||||
一 | 一定期間についての延長時間に係る一定期間は、1箇月又は3箇月及び1年間とすること。 | |||
二 | 一定期間についての延長時間は、次の表の上欄に掲げる一定期間の区分に応じ、それぞれ同表の下欄に掲げる時間(以下「目安時間」という。)以内の時間とすること。ただし、あらかじめ、目安時間以内の時間の一定期間についての延長時間を定め、かつ、目安時間を超えて労働時間を延長しなければならない特別の事情が生じたときに限り、一定期間についての延長時間を定めた当該一定期間ごとに、労使当事者間において定める手続を経て、目安時間を超える一定の時間まで労働時間を延長することができる旨を定める場合は、この限りでない。 |
一定期間 | 目安時間 |
1箇月 | 50時間 |
3箇月 | 140時間 |
1年間 | 450時間 |
(備考)下欄に掲げる時間は、法第32条から第32条の4までの規定により労働させることができる最長の労働時間を超えて延長することができる時間である。 |
第4条(貨物自動車運送事業に従事する自動車運転者の拘束時間等)
1 | 使用者は、貨物自動車運送事業(貨物自動車運送事業法(平成元年法律第83号)第2条第1項の貨物自動車運送事業をいう。以下同じ。)に従事する自動車運転者の拘束時間、休息期間及び運転時間については、次に定めるところによるものとする。 | |||
一 | 拘束時間は、1箇月について293時間を超えないものとすること。ただし、労使協定があるときは、1年のうち6箇月までは、1年間についての拘束時間が3516時間を超えない範囲内において、320時間まで延長することができる。 | |||
二 | 1日についての拘束時間は、13時間を超えないものとし、当該拘束時間を延長する場合であっても、最大拘束時間は、16時間とすること。この場合において、1日についての拘束時間が15時間を超える回数は、1週間について2回以内とすること。 | |||
三 | 勤務終了後、継続8時間以上の休息期間を与えること。 | |||
四 | 運転時間は、2日(始業時刻から起算して48時間をいう。次条において同じ。)を平均し、1日当たり9時間、2週間を平均し、1週間当たり44時間を超えないものとすること。 | |||
五 | 連続運転時間(1回が連続10分以上で、かつ、合計が30分以上の運転の中断をすることなく連続して運転する時間をいう。次条において同じ。)は、4時間を超えないものとすること。 |
2 | 使用者は、貨物自動車運送事業に従事する自動車運転者の休息期間については、当該自動車運転者の住所地における休息期間がそれ以外の場所における休息期間より長くなるように努めるものとする。 |
3 | 第1項の規定にかかわらず、次の各号のいずれかに該当する場合には、拘束時間及び休息期間については、厚生労働省労働基準局長の定めるところによることができる。 | |||
一 | 業務の必要上、勤務の終了後継続8時間以上の休息期間を与えることが困難な場合 | |||
二 | 自動車運転者が同時に1台の自動車に2人以上乗務する場合 | |||
三 | 自動車運転者が隔日勤務に就く場合 | |||
四 | 自動車運転者がフェリーに乗船する場合 |
4 | 労使当事者は、時間外労働協定において貨物自動車運送事業に従事する自動車運転者に係る一定期間についての延長時間について協定するに当たっては、当該一定期間は、2週間及び1箇月以上3箇月以内の一定の期間とするものとする。 |
5 | 使用者は、貨物自動車運送事業に従事する自動車運転者に法第35条の休日に労働させる場合は、当該労働させる休日は2週間について1回を超えないものとし、当該休日の労働によって第1項に定める拘束時間及び最大拘束時間の限度を超えないものとする。 |
6 | 前各項の規定は、旅客自動車運送事業(道路運送法第2条第3項の旅客自動車運送事業をいう。次条において同じ。)及び貨物自動車運送事業以外の事業に従事する自動車運転者(主として人を運送することを目的とする自動車の運転の業務に従事する者を除く。)について準用する。 |
第5条(一般乗用旅客自動車運送事業以外の旅客自動車運送事業に従事する自動車運転者の拘束時間等)
1 | 使用者は、一般乗用旅客自動車運送事業以外の旅客自動車運送事業に従事する自動車運転者並びに旅客自動車運送事業及び貨物自動車運送事業以外の事業に従事する自動車運転者であって、主として人を運送することを目的とする自動車の運転の業務に従事するもの(以下この条において「バス運転者等」という。)の拘束時間、休息期間及び運転時間については、次に定めるところによるものとする。 | |||
一 | 拘束時間は、4週間を平均し1週間当たり65時間を超えないものとすること。ただし、貸切バス(一般貸切旅客自動車運送事業((道路運送法第3条第1号ロの一般貸切旅客自動車運送事業をいう。)の用に供する自動車をいう。以下この項において同じ。)を運行する営業所において運転の業務に従事する者、貸切バスに乗務する者及び起点から終点までのキロ程が概ね100キロメートルを超える運行系統を運行する一般乗合旅客自動車運送事業(同号イの一般乗合旅客自動車運送事業をいう。以下この項において同じ。)の用に供する自動車であって、高速自動車国道(高速自動車国道法(昭和32年法律第79号)第4条第1項の高速自動車国道をいう。以下この項において同じ。)及び自動車専用道路(道路法(昭和27年法律第180号)第48条の2の自動車専用道路をいう。以下この項において同じ。)の利用区間のキロ程が50キロメートル以上であり、かつ、当該キロ程が起点から終点までのキロ程の4分の1以上のものに乗務する者(第4号において「特定運転者」という。)については、労使協定があるときは、52週間のうち16週間までは、4週間を平均し1週間当たり71.5時間まで延長することができる。 | |||
二 | 1日についての拘束時間は、13時間を超えないものとし、当該拘束時間を延長する場合であっても、最大拘束時間は、16時間とすること。この場合において、1についての拘束時間が15時間を超える回数は、1週間について2回以内とすること。 | |||
三 | 勤務終了後、継続8時間以上の休息期間を与えること。 | |||
四 | 運転時間は、2日を平均し1日当たり9時間、4週間を平均し1週間当たり40時間を超えないものとすること。ただし、貸切バスを運行する営業所において運転の業務に従事する者、貸切バスに乗務する者及び特定運転者については、労使協定があるときは、52週間についての運転時間が2080時間を超えない範囲内において、52週間のうち16週間までは、4週間を平均し1週間当たり44時間まで延長することができる。 | |||
五 | 連続運転時間は、4時間を超えないものとすること。 |
2 | 使用者は、バス運転者等の休息期間については、当該バス運転者等の住所地における休息期間がそれ以外の場所における休息期間より長くなるように努めるものとする。 |
3 | 第1項の規定に関わらず、次の各号のいずれかに該当する場合には、拘束時間及び休息期間については、厚生労働省労働基準局長の定めるところによることができる。 | |||
一 | 業務の必要上、勤務の終了後継続8時間以上の休息期間を与えることが困難な場合 | |||
二 | バス運転者等が同時に1台の自動車に2人以上乗務する場合 | |||
三 | バス運転者等が隔日勤務に就く場合 | |||
四 | バス運転者等がフェリーに乗船する場合 |
4 | 労使当事者は、時間外労働協定においてバス運転者等に係る一定期間についての延長時間について協定するに当たっては、当該一定期間は、2週間及び1箇月以上3箇月以内の一定の期間とするものとする。 |
5 | 使用者は、バス運転者等に法第35条の休日に労働させる場合は、当該労働させる休日は2週間について1回を超えないものとし、当該休日の労働によって第1項に定める拘束時間及び最大拘束時間の限度を超えないものとする。 |
第6条(細目)
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高知労働局 労働基準部 監督課
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