労働条件引き下げに関する事案
○ 事案の概要(情報産業)
労働者は入社して、まもなく10年になるが、1年前に主任から一般職員に降格となり、賃金も10%程減少した。しかし、職務内容や責任も主任時代となんら変わりなく、逆に仕事の量は増加していた。このような、人事権の行使は濫用にあたり、無効であるとして助言・指導を求めたもの。
○ 助言・指導の内容
事業主は、本人の能力を考慮しての人事上の措置としての降格及び賃金の切り下げとの主張であったが、現に「賃金の減額を伴う降格は、労働契約の内容を変更するものであるから、労働者の承諾を得るか、就業規則に根拠がなければすることができない」との判例を示すとともに、人事権の行使は人事権の濫用にならないことが必要である旨助言した。
○ 結果
結果として、元の地位に復職し、賃金も減額前に戻った。