解雇に関する事案
○ 事案の概要(製造業)
労働者は入社以来25年間地道に働いてきたが、定年を半年後に控えたある日上司に呼び出され、業績不振による整理解雇を通知された。
仕事上で落ち度があった記憶もなく、特に退職しなければならないほど業績が不振であるとは思えなかった。定年まで、職務を全うしたいとの思いも強く、解雇撤回を望み助言を申し出たもの。
○ 助言・指導の内容
事業主は、解雇理由を「業績が不振であるから」からとしたが、その具体的な根拠を示すことはできなかった。そこで、整理解雇を行うにあたっては、人員整理の必要性、解雇回避の努力、整理手続の必要性、整理対象者選定の合理性が充足しなければならない旨説明し、解雇撤回について再考を促した。
○ 結果
会社は理解を示し、若干賃金が減少するものの定年まで在籍することで合意がなり、解雇は撤回された。